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1. 日の名残り
執事という仕事を極めすぎてしまったがために、自分の気持ちを押し殺すのが当たり前になってしまった男。様式にこだわる職場にいつつも普通の感性を持つ女性であり続けようとした女。この二人が心の底では惹かれあうものの、愛の告白をするはずもない執事に対して愛の告白を待つ女。このどうしようもなさがたまらなくいい。どちらの気持ちが強いかと言えば、やはり女の方が強かったように見えるので、この映画は女性である自分の立場に対する「待つ」という固定観念に敗北した哀しい女の物語だと思った。9点(2004-04-23 00:51:57)(良:1票)
2. ピアノ・レッスン
最高に下品で変態で汚い映画。ヒロインが持っている欲求は、恋愛ものにありがちな愛されたいというような甘いものではなく、下品に汚くやられたいという、より物理的な欲求。そしてその願望にあくまで素直に従う突き抜けたヒロイン。一つ一つの描写にもこれでもかというほど女性の肉体的かつ物理的な汚さが溢れていて、これは女性監督にしかできないな、と思った。ただ、個人的には幼い娘の心を全く気遣わない、母親失格の女が幸せになるような話はあまり見たくないです。9点(2004-04-23 00:23:06)
3. 秘密と嘘
誰でも心に傷を抱えて生きている。これ以上傷つきたくない、という気持ちから心を閉ざして社会性だけで生きている依存型の人間がいかに多いか。彼らは何も言わなくても、誰かが自分の気持ちを分かってくれて慰めてくれる、と夢のようなことを願っている。しかし、つらくても涙が溢れても素直に傷を直視しなくては、決して傷は癒えず人間関係も変われない。それを改めて教えてくれた地に足の着いた名作。それにしても、女性が持つ無限に愛されたいという幼稚で無責任な欲求は何とかならないものか。家庭内トラブルの原因の半分以上は担っていると思う。10点(2004-04-15 01:19:49)
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