みんなのシネマレビュー |
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21. ブレイブハート ハリウッドでしか撮れないであろうスケールの大きな歴史大作。イングランドの支配から自由と独立を求めて立ち上がる、実在したヒーローという題材も良い。戦闘シーンの映像も迫力満点。複雑な英国史もわかりやすくまとめている。でもな~。全体の出来が良いゆえに、なんで主演まで自分でやっちゃったんだ、メル・ギブソン!と言いたい。年齢的にも設定上無理があるし、どこを切ってもメル・ギブソンのバリバリのヒーローものになっちまいました。中盤いらないロマンスシーンを描くなら、望まずして英雄になったウォレスの苦悩や、後に彼の意志を継ぐことになるロバート1世との関係を描いてくれ!と切に思った。監督として作品を俯瞰に眺めたら、ああはならんだろ。8点(2003-05-22 13:03:58) 22. フルメタル・ジャケット 戦場において人間性を描くことをきっぱりと拒絶したキューブリックの誠意を賞賛したい。このような題材でこそ、彼の皮肉は素晴らしく光り輝く。この映画の前半部はフルメタル・ジャケット(完全鉄鋼被覆弾)の製造過程、後半部は消費過程として見ることができる。前半、「デブ」は殺人マシーンとして完成することなく人間のまま死んでいった。彼の狂気は正に人間としての狂気だった。後半、その秀逸なカメラワークによって、狂気の満ちた戦場に立ち会わされる私たち観客は、ジョーカーやカウボーイやあの少女といったかつて人間だったはずの彼らが「消費」されていく様に、ただ圧倒されれば良い。なぜならばそれだけが唯一の戦争の本質だからである。そして「それがまた人間の本質だろ?」とでも言いたげなキューブリックに、今回だけはやられた感じ。10点(2003-05-21 13:36:01)(良:6票) 23. フル・モンティ 好きな男→フラれて強がりを言う寅さん、曙と立ちあう舞の海。私は満身創痍戦う男が根っから好き。ゆえに彼らの滑稽な一生懸命さとおどける悲哀に、のっけからハート鷲掴み状態。声をあげて笑いながら、涙が止まらない。そしてラストの一瞬のカタルシス。そうか、私が求める「男らしさ」ってのは、どん底で笑ってみせる男意気なんだな、と気付いた。それにしても、ブラス!、リトルダンサーにも見られる当時の炭鉱・鉄鋼労働者に襲い掛かった不況って、本当に深刻だったんだなぁ。さあ、今度は日本が不況を乗り越える番だ、がんばろう。10点(2003-05-18 11:17:15) 24. 普通の人々 極めて美しく、哀しい作品。地味だけれど丁寧に、そしてゆっくりと家族が壊れていく様を描いた秀作。パッフェルベルのカノンもその旋律が象徴的。思春期の危うさ、母性への幻想、絆の脆さ、そのすべてを静かに描ききっていました。こういうしみじみと後をひく映画、好きです。8点(2003-05-11 10:57:19) 25. フィールド・オブ・ドリームス 極めて上質な、大人のためのファンタジー。手放しで心地よく泣けた作品です。ケビン・コスナーの作品の中では間違いなく№1ではないでしょうか。8点(2003-04-29 17:29:24) 26. ブラス! 「威風堂々」の調べでendrollを眺めつつ、「こんな映画が観たかった~」という幸福感に包まれました。未来の見えない彼らに、それでも音楽があったという幸福を、過剰な演出や派手なエピソードもなく、ひたすらに温かに描いた、良い映画でした。9点(2003-04-22 14:22:18) 27. ファイナル・デスティネーション 素直に楽しかったです。テンポも良いし、飽きずに最後まで観られました。ホラーはあまり得意じゃないけれど、storyも楽しめたので。ラストも好きです。7点(2003-04-08 11:06:58) 28. プライベート・ライアン スピルバーグ作品の中では最もメッセージ性の強い作品と感じた。第二次世界大戦をはじめとする幾多の困難の歴史を越えて、今を生きる私たちすべてがライアンであり、守られた現代の幸福をどう生きるのか、どう次世代に繋げていくのか、ということを、強烈に問いかけている作品。ゆえに、休日の夕方、だらけた気分で鑑賞した私は、ちとげんなりしたので(笑)マイナス1点。9点(2003-04-06 12:20:56)(良:1票)
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