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1. ボウリング・フォー・コロンバイン
アカデミー賞を獲って、授賞会場でブッシュに吠えたのが話題になったので監督や映画の中身もよく知らずに見に行ったが、いい意味で裏切られた。これはドキュメンタリーという狭いくくりを越えたエンターテイメント映画だ。ムーア監督は彼自身がパフォーマー。彼の意志は非常に鋭く、その対象である全米ライフル協会や流通業界、マスコミなどをえぐっていくのだが、ムーア独特のユーモアや体格がその刃(やいば)をほどよく包み込み、見ている者を身構えさせない。それゆえ、彼の本心が知らぬ間に私たちの脳裏に深く刻まれる。彼のユーモアが日本でも通じるかどうかは、日本の映画館で笑いが(一発芸や下ネタなどでなく、純粋なしゃべりの部分で)何度も起きたことからもお分かりであろう。これは笑いで世界の世論を操作しようという、彼の確信犯的お笑いテロだ。ブッシュ大統領の、ビン・ラディン、フセインに続く次の標的が決まった。私にここの「一口コメント」を初めて書かせしめた、一生の中でもとても評価の高い作品である。オスカーテロリストの次回作が待たれる。10点(2003-04-23 13:58:35)
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