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1. マイケル・ジャクソン/THIS IS IT
マイケルに長いこと心酔していた自分にとって、この作品を評価するのは難しい。
素晴らしいのはマイケルか作品としての映画なのかといわれれば、明らかにマイケルだから。
でも、そのマイケルジャクソンの真価が、もしかしたら
豪華仕様のステージを遠方から見るよりも
はるかに近距離から、はるかに本人に近い意味で見通せる。
そういう意味で、これは明らかに「あり」なドキュメンタリーです。
まるで優れた指揮者のように、場の空気を引き寄せ、指先一つ、少ない言葉の一つ一つで操り指示していくプロの演出家としてのマイケル。
これは初めて見る姿でした。
厳しさと柔らかさ、妥協を許さない姿勢と愛情が常に同居している。
そしてともに仕事するスタッフの尊敬と愛を一身に集めている。
歌とダンスが超一級なのは見れば明らかとしても
この稀有な存在感のすばらしさ。
淡々とした映像、ナレーションがほとんど入っていない、過去の栄光のダイジェストなど余計なものを混ぜ込まない、マイケル以外の余計なBGMが一切ない。
そういう「引き算の正解」が、この映画をありにしていると思います。
世界は彼に余計な仮面をかぶせ、スキャンダルのみを過剰に取り上げてこの天才のイメージを汚してきました。
彼はもう終わりだ、彼から得られるものはもう何もないと。
その罪の重さが、この作品を見ることによって浮き彫りになってきます。
より多くの人に見てほしい。
当たり前すぎるけれど、最後にはただそういうしかありません。
ありがとう、さようならマイケル。[映画館(字幕)] 9点(2009-11-05 12:21:26)(良:1票) 《改行有》
2. 真夏のオリオン
この作品の監督は、エッジの利いた映画を見なれている人よりも
あまり映画を見にこない年配の人やお子さんを念頭に置いたらしい。
そして、学校の講堂で上映されるような作品にしたかったのだという。
本人が言っていたのだから間違いないだろう。
ならばこの映画は狙い通りだ。過ぎし日の給食の味がする。
これといった工夫もひねりもなく、戦争末期、最後の防衛ラインを死守しようとする日本の潜水艦と(かなり装備も悪く相手の艦を撃墜するなんてまれだったらしい)
アメリカの駆逐艦の戦いを描いているのだが
乗り込み員も艦長も若く、重量感がない代わり
閉塞してはいるのにどこかから光がさしているようにも感じる、そんなちょっとさわやかな艦内である。
戦いの攻防そのものも正攻法に描かれ破たんはないが
小道具のハモニカとか、艦長と親友の妹のロマンスとか
そういう大事なはずの枝葉が出てくると面倒臭くなってくる。脚本に工夫がなさ過ぎて、次にこういうだろうなと思ったら言ったか、みたいな会話で終始するのだ。
でも、講堂で上映する映画としてはこれでいいのか。
いまどきこれほど奇をてらわない戦争映画も珍しいけれど
冒頭と最後のつくりの弱さと北川景子のあり得ない演技を除けば
これはこれでよかろうという気にもなる。
故人の犠牲の尊さとか、戦争の悲惨さとか必要性とか当時の人々の勇気と正義感とか
そういう余計な重力がかなり軽かっただけでもまあセンスはいい。抑制って簡単なようで難しいからね。
見ていて今更驚くのは、本当にあんな狭い閉塞空間で、しかも艦長が弱冠25,6で(モデルがその年)少ない酸素で海底に潜みながら正気で戦った人々がいたという事実だ。今尊敬する人が周りにいないので誰か尊敬したいのだという人にはお勧めかな。
刺激がないので暇つぶしにはならないよ。[試写会(邦画)] 6点(2009-06-10 14:48:35)《改行有》
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6 | 4 | 5.71% |
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7 | 15 | 21.43% |
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8 | 22 | 31.43% |
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9 | 11 | 15.71% |
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10 | 4 | 5.71% |
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