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1. やさしい嘘
舞台のグルジアというのはなじみがなくて珍しいが、前半丁寧に描かれる生活描写から暮らしぶりが伺えて興味深い。娘は夫をアフガン戦争で亡くした未亡人で、息子は医者なのに出稼ぎでパリに行って暮らしを支えている。暮らしは苦しくて家のものをバザーで売ったり、孫娘がバイトしても報酬はわずかしかもらえない。電気が切れればローソクだしシャワー中に湯が止まったりするという不便な日々だがお互い支え合って暮している。オタールのふりをして書く偽手紙はおばあちゃんを思いやってついた嘘だったが、二人の微妙な変化に気づいたおばあちゃんは予想外に思い切った行動に出る。
やさしい嘘ってそうか、こういうことだったのか、、とパリでのおばあちゃんの強さや言葉に胸が熱くなる。さらにラストにもやさしい嘘が、、。嘘という響きからくるマイナスイメージが、思いやりというプラスイメージとなってしみじみと心に残る。なかなか細やかな良作といったところ。おばあちゃん役のエステール・ゴランタンは85歳で女優デビュー、撮影時90歳くらいらしいが丸い体型や表情がお茶目でとても愛らしい。
7点(2005-02-19 15:40:56)(良:3票) 《改行有》
2. 山の郵便配達
風景がとてもきれいでした。お父さん役の俳優が特にいいです。口数が少ないのに、その心のうちが伝わってきました。淡々とこの大変な仕事を続けてきたその人生、山奥の人たちとの交流などしみじみとします。息子がその姿を見てはじめて父の偉大さを知り、その仕事の意味を理解する。日本でもこれほどでなくても、歩いて配ってるところがあるそうですよ。本当にご苦労様と言いたいです。7点(2004-08-21 16:32:58)
3. 破れ太鼓
頑固親父の阪妻はややオーバーアクトがユーモラスでとても魅力的。「無法松・・」で魅せられたのと同じように表情に何ともいえない愛嬌があるので憎めない頑固ぶりだ。長女と知り合いになる絵描きが若い宇野重吉で、その両親が滝沢・東山のパリ帰りでシャンソンを歌ったりするモダン夫婦。軍平一家は田園調布のしゃれた洋館に住み、次男(木下忠二:監督の弟で音楽担当)はピアノを弾き、次女は演劇に熱中と古風な軍平に対してモダンでおしゃれな雰囲気がある。豪華な他の出演者もみな存在感があって今見ればかなり貴重品。小林正樹も脚本、助監督として参加しているが、話の運びや会話も面白くてとても楽しい。
8点(2004-04-20 22:12:27)《改行有》
4. 八つ墓村(1977)
公開当時劇場で見た。こ~わ~かったぁ~・・・あのロウソク立てて斧だか鎌だか振りかざして走って来る姿ったら、、、いまだにその記憶が焼き付いてしまってて・・・すごいきょーれつインパクト!7点(2003-10-23 17:38:28)
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