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プロフィール |
コメント数 |
604 |
性別 |
女性 |
ホームページ |
http://www.geocities.jp/suminoe_kagaya/ |
自己紹介 |
2004年から映画専門サイトをたちあげました。 ジャンルはSFが主ですが、サスペンスも大好きです。 リバーランズスルーイットや、ショーシャンクの空に のようなヒューマンものから、未知との遭遇やバックトゥ ザフューチャーなどのアンブリンもの。 十二人の怒れる男やパルプフィクションなどの脚本もの・・ 自分が良いと思った映画が合う映画で、見る人の数だけ 思いも変わると思います。その中で、共感できる人が 多ければ売れるのでしょうね。 たまに<これだけ映画を見てるんだから万人受けは・・> と、マニアックな映画にも手をつけますが、 できの良い映画や単館ものなど多趣味なジャンルに疲れ、 子供時代に帰ってるみたいです・・ それらは映画館で見た映画本来の娯楽作だった・・
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1. 屋根の上のバイオリン弾き
《ネタバレ》 これは見ごたえがある作品です。
170分という長時間の映画にミュージカルとくれば普通飽きるのですが、
私はミュージカルが苦手なのにわりとついてゆけました。
史劇なら長くてもいいけどミュージカルなのになんで観れるんだろう?
と、観ている途中で正直思ったくらいですから・・
主役の父役のトポルがなぜ主演男優賞をもらえなかったのか(ノミネート)
それが不思議に感じるくらい存在感あるいい演技をしています。
冒頭からこの映画の解説みたいなことをやってくれて、
しかも題名の屋根の上のバイオリン弾きの説明もしてくれちゃう。
語り部でもあり5人の娘の父であるこの映画の主役でもありますが、
まったくシリアスになりがちなテーマをコミカルに演じています。
まさにバイオリン弾きと共にいる道化のような役かもしれない。
扱うテーマは民族の宗教伝統であるし政治的な問題もあるのに、
テンポやセリフがミュージカルでもコメディの匂いがするから重くない。
後半も後半にはやはりユダヤ人は追われ放浪の旅に出るのですが、
その団体も私には暗く映らず、
しかしどこか哲学性を帯びた宿命に逆らわずとも自分たちを順応させ生きようとする、
諦めがほんの少しとそれ以上の見えない希望さえ感じました。
あがいても仕方がない悲観的な楽天さ・・
「フルメタルジャケット」というキューブリックの戦争映画のラスト。
あの土手を笑いながら歌う兵士たちは氏の作品が苦手であるにもかかわらず、
私にとって一番わかりやすいキューブリック作品となったのです。
それと同じような感覚をこの映画のラストに感じました。
音楽が有名な「サンライズサンセット」ですが、
この映画の全編を担当しているのがジョン・ウィリアムズ。
旅情的で朴訥な音楽とミュージカルの抑揚のある歌。
ミュージカル映画は大袈裟な演出が多くてひいてしまうのですが、
この作品はシリアスでいて楽天的。
コメディなのにもの悲しい。
あくまで家庭を中心にしているのに湿っぽくない。
不思議なつかみ所のない映画です。
[DVD(字幕)] 7点(2005-12-23 16:00:44)《改行有》
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