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1. 横道世之介
これは、横道世之介のまわりにいた人たちの話ですよね?だとすると1から10まで全部、まわりの人たちが横道世之介をどう思っていたか喋り過ぎです。彼がどういう人物か、観ればわかります。どういう人物か、押し付けたいのですか?考えを持たせてくれませんよね?その上、彼らがいうほど希有な存在に思えないのは、言ってしまうから尚更です。温度差を広めてくれます。不在によって想像させてくれた「桐島~」に似ていると聞いていましたが、構造はまったく真逆です。むしろ真逆ですら無い。全部、説明しているだけで、表現はどこにあったのですか?考える余地を与えてくれない表現は、説明でしかありませんが。[映画館(邦画)] 5点(2013-08-25 07:39:46)
2. 八日目の蝉
《ネタバレ》 冒頭で、
被害者に向けて
感謝を口にする。
終盤で、
第三者に向けて
口にする言葉。
同じ1人の女が口にした言葉が、
鑑賞後に初めてつながる。
謝罪や反省の気持ちより、
女の中であふれる想いは、
我が子が自分に向ける笑顔、
我が子が自分を呼ぶ声、
小さな手、男の子用の服が似合う姿、
その全て。
だから、それ以外の言葉が出てこないのが、
心底理解できてしまう。
乗船場で女が最後に口にした言葉は、
我が身の保身でもなければ、
傲慢で身勝手な想いでもない。
そこにあったのは、
我が子を心の底から想う、
母の見返りを求めない、
一心不乱で頑な深い愛情だった。
好きや愛してるよりもずっとずっと、
心のこもった言葉。
与えるだけで
心が満たされる唯一のそれ。
だから、感謝しかない。
そして、それを与えられてしまったら最後、
それの温もりは一生忘れられない。
本物の家族の為、
忘れよう、
思い出さぬよう、
そうしていたそれが、
溢れかえり、抑えきれなくなった時、
それのあまりの深さに気づき、
膝が崩れ、泣き崩れた娘の、
最後の言葉がその全てだった。
ふつうに生活をしていたとしても、
それが得られる保証はない。
彼女が得ていたそれが、
ぼくの目には不幸で幸いな
八日目の蝉だった。
[映画館(邦画)] 7点(2011-06-05 22:27:46)《改行有》
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