|
プロフィール |
コメント数 |
1726 |
性別 |
|
自己紹介 |
今まで観た映画の記録を整理したくなり、レビュー開始。 物忘れが良いのでメモを残しておかないと、印象薄めのものは内容をすっかり忘れていたり、前に観た映画も初見かと思って後半にようやく気づくなんてことも。 備忘録を兼ねているので、ほとんどのレビューはネタバレで書いてます。
10 至高の殿堂入り 9 心に残る傑作 8 もう一度観たい佳作 7 面白い 6 そこそこ面白い 5 普通 4 それほど面白くはない 3 面白くはないが見どころがなくはない 2 全然面白くない 1 酷い駄作 0 呆れ果ててもはやネタレベル |
|
1. 羅生門(1950)
《ネタバレ》 人間の本質に迫る黒澤映画の代表作の一つ。
普遍的なテーマを扱っているので、今観ても古くは感じない。
最初に予備知識なしで観たときは、あれ?これって芥川の「羅生門」というより「藪の中」だよねと疑問に思った。
元々の脚本が「藪の中」をベースにしたもので、それが短いので「羅生門」の設定等を加えて仕上げたことを後で知って納得。
事実としてはっきりしているのは、武士の死体とその妻が強姦されたということ。
その事件の真相が証言が食い違って、誰の話が真実なのか判然としない。
意図的にウソをついているのか、それとも無意識にバイアスがかかっているのか。
一つのはずの真実が人間を通すと何通りもの虚像を伴って描き出されてしまう。
今でも裁判でこんな感じになることもありそう。
芥川の小説では突き放した感じで終わっていたけど、映画は赤ん坊をめぐって救いのあるラスト。[DVD(邦画)] 8点(2013-07-29 22:55:55)《改行有》
2. ライムライト
《ネタバレ》 チャップリン晩年の代表作だけにハードルが高くなりすぎたのか、少し期待はずれ。
監督として峠を越えたチャップリンと、主人公のカルベロがだぶってみえる。
途中、カバレロのステージパフォーマンスで長くてダレてしまう。
ウケなくなっていた芸が再起の舞台で、シーンとしたアンコールからいきなり大喝采となったことに大きな違和感があった。
テリーの雇ったサクラではなく本物の歓声に変わったという表現だろうけど、それほどのパフォーマンスとは伝わらずちょっと無理があるように思えた。
ラストはもっとハッとするような展開を期待したが、カルベロの死も少し強引な印象もあって感動できない。
音楽は切なく美しいメロディで耳に残る。
かつてはスターコメディアンだったカルベロの凋落ぶりが切ない。
テリーとの純愛、若いネビルへの複雑な思い、舞台人としてのプライドが傷つけられていく様子がリアルで胸に迫る。
年の差を越えて支え合った二人の結ばれなかった悲恋をコメディ要素なしで描いたことが、チャップリンのイメージを覆されて意外だった。
チャップリンの喜劇人としての本音や人生哲学が主人公を通してうかがえ、明らかに自己投影したものであることがわかる。
チャップリンの集大成ともされているが、才気ほとばしる全盛期の勢いを失った悲哀も少し感じてしまう作品。[DVD(字幕)] 7点(2013-06-20 22:14:12)《改行有》
|