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プロフィール |
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913 |
性別 |
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自己紹介 |
ハリウッドのブロックバスター映画からヨーロッパのアート映画まで何でも見ています。 「完璧な映画は存在しない」と考えているので、10点はまずないと思いますが、思い入れの強い映画ほど10点付けるかも。 映画の完成度より自分の嗜好で高得点を付けるタイプです。 目指せ1000本! |
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1. リメンバー・ミー(2017)
《ネタバレ》 この一年間で二人の親族を亡くした。
双方ともかなりの高齢で疎遠になっていて面会する機会を失ってしまった。
だから主人公の曾祖母の設定が現実の二人と重なって切なくなる。
死者の国が舞台であるなら尚更だ。
しかし予想に反して、現代文明とほとんど変わらない明るく陽気な雰囲気の都会でユーモアの連続が重い雰囲気を緩和してくれる。
それでも覚えている生者がいなくなれば、その住人もいつかは本当の死が訪れる運命。
たとえエルネスト・デラクルスが悪人だとしても、後悔と苦悩を持った複雑なキャラクターであれば物語に深みを与えていたはず。
家族がいたかもしれないし、単純な悪役に落とし込まれるのは短絡的ではないか。
記憶も命の灯も消えていくであろう曾祖母への"リメンバー・ミー"。
分かり切った展開であるはずなのに見終えて初めてじわじわ心に広がって涙する。
死ぬ前にこういうことができたミゲルは幸せだ。
全てがミゲルみたいな幸せな家庭だとは限らないが、その人が生きていた証を残すことが、生きている人ができる善行かもしれない。[ブルーレイ(字幕)] 9点(2018-08-12 21:54:55)《改行有》
2. リアル・スティール
《ネタバレ》 落ちぶれた元ボクサーとほとんど面識のない息子の再起もの。
描かれている話は'80年代を思わせる王道のスポーツものでありつつ、
ロボット・ボクシングという近未来要素が取り入れられる。
ロボット同士の無機質な試合に興奮できるのか?という疑問が湧くが、
おんぼろな練習用ロボットを媒介にして、断絶していた父子が次第に心を通わせ、
クライマックスの試合へと盛り上がっていく展開は上手い。
そのロボットに感情があるように見えて、宿らせないのが大人のアプローチ。
三人四脚で困難を乗り越えていく。
そして決勝戦。
練習用ロボットのシャドー機能によって、ここぞとばかりに人間の肉体が活きていく。
息子は父親のかつての雄姿を見る。
試合に負けても勝負に勝った。
最高潮のエンディングのまま、後日談を一切描かない潔さが良し。[DVD(字幕)] 7点(2022-09-29 21:59:08)《改行有》
3. リリーのすべて
《ネタバレ》 期待はしなかったが、内なる女性に目覚め葛藤する夫と、次第に夫でなくなっていく彼に苦悩する妻の物語を興味深く見ることができた。LGBTQという単語もなく、当時は今以上に自分らしく生きていくことが困難な時代。トム・フーパーらしい型に嵌ったアカデミックな造りに、レッドメインとヴィキャンデル演じる夫婦の崇高な魂が共鳴する。偏見と差別があっさりしすぎる感があるが、先駆者の犠牲があったからこそ、"本当の自分"になれた者たちの礎となった。"彼女"の死後、美しいフィヨルドから風に吹かれる、鳥のように羽ばたくストールが感動的。[地上波(字幕)] 7点(2022-03-30 23:09:29)
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