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1. 私の頭の中の消しゴム
現在日本だけで10万人以上が苦しんでいる若年性アルツハイマーという病気。私も、若年性ではないが、親しい人がアルツハイマーになり、その家族が8年間も苦しんできたのを見てきた。この映画は、アルツハイマーをきちんと描いていない。「一風変わった恋愛映画」のエッセンスのひとつとしてしか取り上げていないと思う。現実のアルツハイマーは、もっともっとすさまじい。人格は崩壊し、家族の顔が分からなくなるだけではなく、「自分にあれこれ指示してくる見知らぬ他人」として、嫌悪されたり恐れられたりする。同じことを何度も繰り返したり、排泄物をおもちゃにして遊んだり、とにかく映画の中で描かれているような、生ぬるいものではないのだ。この映画は、若年性アルツハイマーを取り上げていながら、実際は、「観た人が共感できて、泣けて、嫌悪感を抱かない、お涙ラブストーリーのギリギリのライン」を超えないよう作っているようにしか思えない。はっきりいって、ものすごく安っぽいし、病気をなめているようにしか思えません。身近にアルツハイマーの人がいたことがある人間として、正直かなり不愉快でした。[DVD(字幕)] 0点(2006-11-25 13:03:30)(良:4票)
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