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プロフィール
コメント数 604
性別 女性
ホームページ http://www.geocities.jp/suminoe_kagaya/
自己紹介 2004年から映画専門サイトをたちあげました。
ジャンルはSFが主ですが、サスペンスも大好きです。
リバーランズスルーイットや、ショーシャンクの空に
のようなヒューマンものから、未知との遭遇やバックトゥ
ザフューチャーなどのアンブリンもの。
十二人の怒れる男やパルプフィクションなどの脚本もの・・
自分が良いと思った映画が合う映画で、見る人の数だけ
思いも変わると思います。その中で、共感できる人が
多ければ売れるのでしょうね。
たまに<これだけ映画を見てるんだから万人受けは・・>
と、マニアックな映画にも手をつけますが、
できの良い映画や単館ものなど多趣味なジャンルに疲れ、
子供時代に帰ってるみたいです・・
それらは映画館で見た映画本来の娯楽作だった・・

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【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順123
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1.  アラビアのロレンス 《ネタバレ》 スピルバーグ監督が監督を志すきっかけとなった作品であり、 新作映画に取り掛かる前に必ず見るという、「素晴らしき哉!人生」と、 本作「アラビアのロレンス」こちらがまだ未見でした。 まず主人公がバイク事故で亡くなること、 葬儀の席で話をする恐らくその後出てくる予定の過去の知人たち。 こんな始まりから一気に回想は第一次大戦中のアラブへ・・ 自分の足元に字幕が出てしかも目線はほとんど下。 すごい映像の作りですね。真っ白、何もない砂漠・・ まるで「スターウォーズ」「インディジョーンズ3」のようだ・・と、 一人のイギリス人兵がアラブの独立に燃える、 正義の冒険物語を楽しみにしました。ところが・・ 実際政治とはそんな簡単なものではなく、この時代の歴史背景も難解で、 特に2巻目はほとんどそのことで冒険的な面白さはありません。 正直たいくつだと感じていたあの長い長い砂漠の出会いや、 旅の場面が2巻目になると恋しくなるのに気づいた。 それはロレンスがイギリスに戻ると飼い猫のような変わりようで、 また砂漠にもどりたくないと言いつつ、 戻るのはアラブと決まっている。 主役の気持ちがなんだかわかるという、 最初の長いショットが忘れかけたころに生かされる映像の力。 1巻目にはこれでもかと大げさな音楽が雄大に流れる。 それがもっと戦いが大きくなった2巻目では、音楽はないに等しい。 もしかしてこれが現実なんだと知らされているような・・ 誰しも自分の欲望はあるし志もある。国のため名誉のため自分のため。 一番自分に正直だったのは盗賊の頭だったのかもしれない。 政治の現実に嫌気がさし去っていくロレンスを、 最初に出逢ったアリが止めるがそれを諭した盗賊のアウダは、 こうなることも本能で知っていたのかもしれない。 アラブ人になろうとしてなれなかったイギリス人は、 どうみても滑稽だが笑えない苦悩がそこにはある。 助けた仲間を処刑し助けそこねた仲間を思い非情になっていく。 だが戦地から離れまたイギリスに帰れば称号はあれど雇われ兵だ。 アラブを独立させる神にもなれず、大英帝国の駒にされただけなのか。 ぶつ切りになったような終わり方も妙な余韻を残し、 さらにバイクとすれ違う幕切れはオープニングと繋がっているようで、 この主人公のその後にリンクさせているようで不気味な後味です。 [ビデオ(字幕)] 10点(2005-03-03 09:10:27)(良:1票) 《改行有》

2.  天国と地獄 《ネタバレ》  映画ってやはり残るのは映像、演出なのだと思いました。 長い間記憶に残っていたのは、パートカラーの煙の画面。 それを見たさに見出し、あれっ忘れてるこの人たちは誰?と 映画が進んでゆくのですが、面白い。 自分で思い出しながら推理していきます。 見たのに忘れてる、忘れてるけど見覚えはある・・ なかなか楽しく前半が過ぎた後、気がつきました。 グリコ・森永誘拐事件に似てないか? 他にもこんなのあったような・・? 昔の日本のモノクロ技術ですから、海外のモノクロとは 全く画像の質は違い、黒い部分はつぶれ非常に見にくい。 しかもすごい人数が出てて誰がしゃべってるかわからない。 カメラワークも3場面をひとつに撮るから、 よけいわかりにくい。前半の、大広間の主人公、廊下の刑事、 二階から降りる家族を奥行きを持たせ、 1カットで撮ってるんです。字幕を利用しました。 これでセリフに名前も書かれ、理解しやすくカメラも楽しめる。 病院での窓を枠にし、窓の手前には刑事。 向こうに階段を上る犯人と手のアップ。うまいよね~! もちろん特急列車のトリックもスピード感たっぷりで、 外の風景の誘拐犯がリアルで感動しました。 煙突の煙の色はずっと暖めてきた記憶のせいか、 えっ?こんな色だった・・?とちょっとガクリ。 後半のモノクロはかなりごちゃつき黒がつぶれてた。 肝心のお話についてですが、見終わった後いやな気分になり、 こんな後味の悪い映画だったかなあ・・と。 でもその気持ちを問い詰めすっきりしたいために考えました。 犯人は権藤をなぜ呼んだのか?罵倒してほしかった。 そうすれば救われるのでは?救われなかった犯人は、 ラストのシャッターにより境をつけられる。 天国から地獄に高台の金持ちを落としてやった。 自分は地獄のままの位置にいる。ののしり罵倒しろと。 だが権藤は地獄から天国に這い上がろうとする 自身の希望を説く。貧困の問題でなく、心の位置なのだ。 前半から中盤までの高台の屋敷の中で、 被害者でありながら主人公の位置が変わるのが面白い。 十二人の怒れる男を思い出しましたよ。 私がすごいなと思ったのは、この作品に恐ろしいくらいの 庶民性を感じることです。 時代は違えど、日本のどこでもあるかもしれない風景に。 高台の金持ち、電車(江の電がいいね)、新興住宅地の 影に隠れたアパート・・ 10点(2004-04-29 07:44:02)(良:1票) 《改行有》

3.  将軍たちの夜 《ネタバレ》 特に目新しい筋でもないけれど・・とその前にそうだ。 今のこのての戦争サスペンスに慣れてこの映画、古い作品ということを忘れてた! この時代にこの作品ってのは大変異質ですよ・・ まず設定がすごい。今でも悪者にはなれど主役にはならないナチが主役。 そしてこりゃまた演じてるのが英国人、アラブ人なんだから! しかも英語しゃべってるし・・このノリにどうついていこうかと迷ったが、 逆に面白いというか普通に見れてしまいました(爆) ちょっと私の苦手な刑事コロンボ的な役を、オマー・シャリフがやってて、 でもそれだけではないんですよね~(コロンボといえば犯人は?) そう、犯人さがしなどどうでもよろしい。 いつのまにかもうひとつの殺人事件の計画が進められていた。 それは、ヒットラーの暗殺! こりゃすりかえられたなぁ・・・ しかーし、主君が変われば娼婦の殺人事件も立派な罪となる。 ここらが「砂の器」ですね(意味不明) ナチの服さえも品よく着こなすオトゥールはどう見てもイギリス人ですが。 オマー(もうこのふたりの共演という豪華さは・・)は、なぜナチを演じるのか。 演じ切れてない~ここはおおいに違和感あり~アラブの服を着てくれ・・ 「どう見てもナチだろう?」と言うのだろうか・・(見えないよ~) 全く飽きることなく最後まで見られた。 このての作品の詳細を書くと面白くなくなるので詳しくは書けない。 何回も見られる映画だと思います。 重要人物が何人もいるので、その人物の観方によって変わると思う。 ラストが意外にほろりとさせるのが悔しい。 私は重い後味を期待していたので・・ でも次にまた見れば共感してあげられると思うのですが、 怒っていました。犯人はよほど嫌なやつなんだと心底思いましたから。 う~ん、やっぱり砂の器だ(意味おおいに不明) 戦争では大勢を殺せばたたえられ、ひとりを殺せば罪になる。 個人的にホラー作品として続編も作ってほしかったり・・ 製作がサム・スピーゲル音楽がモーリス・ジャールで、主役ふたりも まあどう見ても「アラビアのロレンス」ナチ編でしょうか(またまた意味不明) [DVD(字幕)] 9点(2005-05-07 07:50:16)《改行有》

4.  おしゃれ泥棒 《ネタバレ》 この映画は期待どおりに面白かったです。 「アラビアのロレンス」でピーター・オトゥイールに注目して、 これは史劇でないし気軽に見られそうと借りました。 私がヘップバーンの映画をよく見る人ならすでに見ていたはずで、 少女漫画のお姫様役というイメージのある彼女の映画を、 敬遠し見ていなかったのです。コレは正解だな。 DVD購入予定決定。 先にヘップバーンのことについてですが、 この映画のファッションはあまり好きじゃないんです。 ジバンシーの古いタイプよりオールディズしてた別の映画のほうが・・ あと髪型もあまり・・ちょっと老けて見えちゃう。 演技はコミカルでクールでよかったですよ。 さてピーターのほうですが、この人は完璧な男前じゃないですね。 そこがますますファンになりました。 妙に微妙に面白い顔をするし、本当に芸達者です。 ルパンと富士子そう、ルパン三世そっくりなふたり。 偽者コピー美術品を作る父の彫刻が博物館に飾られて、 父にしてみれば信じられてる自分のコピー作が嬉しいものの、 保険がかけられ鑑定にかけられるとばれる。 そこで娘のオードリーが都合よく、絵画を盗もうとしたピーターをおどし、 彫像を盗ませると・・ ギブ&テイクなわけなのですが、実はピーターの仕事は本当は・・? 博物館の彫刻を盗む計画はふたりの共謀で、 今の映画よりずっと面白くわくわくしますよ。 その彫像の上には最新の防犯システムが・・ 頭を使って先を読む最近のサスペンスと違い、 子供のように手品を見る気持ちで楽しめるんですよ。 ルパン三世そっくりというのがわかります。 あと、このふたりだけじゃなく、金持ちの婚約者も出てきます。 隠し扉のある部屋の作りやら、博物館のロッカーやらもう面白すぎです。 スパイものが好きなんですよね。 しかもSFのスパイものは苦手ですが、こういうこじゃれたのはいい。 上品、コミカル、ベタベタしてない、後味もよい。 満点をつけたかったのですが・・ なんで指紋気にしないんだあ~!?そんな細かい・・ いいえ、最初額縁の指紋を気にしてたじゃあないですか(苦笑 [ビデオ(字幕)] 9点(2005-04-03 00:59:35)《改行有》

5.  質屋 《ネタバレ》  この監督の映画は真剣に見ないとだめです。 ところが最初からわからない~!?何がなんだかわからない~(笑 ある技術を使いまくりです。 サブリミナントというのかフラッシュ効果というのか・・ 冒頭はまるで違う映画のようなきれいで平和な家族の映像。 これがわりと長い。もちろん白黒ですよ。 それが過去のものとなり現在、質屋の主人はひとりで忙しい毎日をおくる。 アルバイトの男の子が唯一の身近な話し相手(でも心は開かない) いったい過去に何があり主人はひとりなのか。 家族のうち生き残ったじいさんがいる。 お前だけ残ってと罵倒する寝たきりのじいさんが・・ 質屋はユダヤ人で収容所に入れられていた。 その事件とは妻のレイプや子供の事故死・・ 全て幸せを奪われ冷酷に金だけを信じる質屋。 市民ケーンと同じにおいがしました。 トラウマって自分ではどうすることもできないものもある。 でも逃げてもいつかは向き合わなきゃならない日が来る。 金が全てだ! 唯一の身近にいるバイトの青年に言うも、相手は信じやすくお人よしだ・・ この展開はうまいけどきついです。 淡々と飾りも何もない映画。 それがグサグサと刺さるのですが、救いようのないラストは、 ある唯一の娯楽によって救われる。 本当に終わったあとすぐにでもこの映画を忘れたくなりました。 あの娯楽の前で終わっていたとしたらね。 あらすじをわかった上で見るほうが深いです。 ラストの娯楽とは映画的な娯楽です。 この終わり方でないと承知しない、くらいなうまい結末です。 痛みがわかるうちは生きるべきなのです。 たとえそれからの生きる道が苦痛であれど、生かされている・・ もう一度自分は生きなければならない。 このラストは実は市民ケーンより感動したのです。 そしてなんと明るくモダンな音楽・・ 感動を誘うこともしなければ語ることもない。 なのにこの晴天のようなラストは深い。 惜しむらくはあのフラッシュの使いすぎと、映画の娯楽がもう少しあれば・・ でもやはりシドニー・ルメットは白黒ですね! 救いようのない映画なのですが、 答えは自分で見つけられるという救いがあり見事です。 落ち込んだときにも、もしかしたら本当の救いになる映画かもしれません。 かなり落ち込んだときに、道が開けるかもしれません。 それほど真面目で真剣な映画と思いました。 [DVD(字幕)] 9点(2005-04-03 00:42:08)(良:1票) 《改行有》

6.  暗くなるまで待って 《ネタバレ》 私の好きなタイプの映画です。脚本の勝利ですね。 この時代にこんなに練られたサスペンスで、娯楽性もある映画ってあったかなあ・・アラン・アーキン目当てで見たのですが、思った以上にすごい役者ですね。(摩天楼を夢見て)で、うなずくばかりのばかなセールスマンをやってて、この映画を見た友人に勧められました。わかんないよ、アーキンって・・最初からサングラスのはわかっていたけど、後のほうで実は3役(もとのサングラスのと、変装した途中で飛び込んできたやつと、その息子役で、劇中3役!(実はひとり)これにだまされ、途中でわからなくなり、終わってテロップ見て感心。ちなみに演じた顔では、最後のサングラスをはずした顔はどの顔でもない。うまい! ヘップバーンは明るく可憐でジュリア・ロバーツみたいなイメージがあり、ほとんど敬遠して他の作品は見てなかったのです。 唯一見た過去の作品は、(昼下がりの情事)そしてこれが二作目。なぜかしら演技的にうまい作品かも。でもやはり、アラン・アーキンにつきます。これをリメイクするなら、ケビン・スペイシーあたりはいかがかな?間抜けな(ふたりは)パニックルームの脚本がこの作品くらい洗練された、ある意味コメディならと思うくらい、よくできてる。主導権を持つのが逆転してゆくのが面白い。舞台劇的なのがいいです。9点(2004-04-08 10:30:36)《改行有》

7.  007/ゴールドフィンガー 《ネタバレ》 今回の悪役ゲルト・フレーベはツボでした。 私には森元首相にしか見えない(爆) そう思って見るとまた楽しい?ですよ。 そしてそいつの部下の帽子男ハロルド坂田がまたツボでした。 角田?似のレスラーなのですが、 いつも満面の笑みをたたえており不気味です。 武器は帽子飛ばし(ボンドの18番なのに・・) そして怪力なのです。 この森元首相と角田似帽子男だけでも笑えます。 個人的に一作目から気に入ってるQ(ボンドに発明品を説明する人)が、 わりと出番が多くしかもボンドに偉そうに説明しているので面白い。 今回は特に車(アーストン・マーチンDB5)がよかった。 どこの国でも通用するナンバー・プレートって(笑) 私は007が苦手なのはロマンスがこっ恥ずかしいからということもあり、 長いこと避けていたんですが・・ 今回はさすがにもう見慣れてきたのと、 あんまり暑苦しいロマンスがなかったのでよかった(爆) ボンドがなかなか相手にされないというのが、 峰富士子みたいでいいと。 最終的にはやはりワンパターンでしたが・・ ボスの部下(下っ端)の多くが中国人というのも面白い。 例によって今回もボンドは捕まるのですが、 ボスのアジトのからくりは面白いです。 計画を客に説明するのにいちいちあんな大袈裟なことするし、 ボンドの処刑シーンも当時では斬新なのでしょう。 あと、カーチェイスの撮り方がうまいなぁと感心。 「フレンチ・コネクション」を思い出しました。 そして暗闇での倉庫に激突するまでの逃亡。 おばあさんがマシンガンをぶっ放すところあたり、 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のデロリアンが最初に納屋に突っ込むシーンだ・・ ボンドが弱すぎる感もありますが、 だから面白いのかもしれない。 後半なんかきちんとスパイ映画だなぁと結局チームを組んでるし。 個人で活躍という図式に飽きてきたので楽しかったです。 コネリーは途中からヒゲを深剃りし若返っちゃう。 それもまたよかったです。 爆弾解除までのスリルもよかった。 しかし007のファンでもない私にはわからないシーンが・・ あの爆弾を止めたのは誰なんだ?? CIAって常時出演するのは何人だろうか? [DVD(字幕)] 8点(2006-04-23 13:16:17)《改行有》

8.  ナバロンの要塞 《ネタバレ》  えっ?なぜギリシャ??と観てゆくと、召集されたのは山登りのプロ(苦笑) 最近気になって選んでいるグレゴリー・ベックが主役なのですが、 山登りのプロというより営業マンのようないでたち(そのギャップが狙いかも) キース・マロリーという役名を他の映画の中でも聞いた覚えがあるのです。 いやぁ、今回も難しい役ですがこの人の役は善悪関係なく実直ですね。 ところがさらに食わせ物がたくさんいてて役者の演技を見るのも楽しいです。 あ、こりゃあうまいわと特に感心したのが、ミラー伍長役のデヴィッド・ニーヴン。 後半からの変わりようが本当にうまいです。とても自然です。 変わるきっかけ(ここら心理サスペンスで面白い)の原因が、 アンソニー・クエイルのケガなのですが・・ この人は「アラビアのロレンス」でロレンスの上司役(いい人)なのですぐわかる。 そして同じく同作品に出ていたかなり濃いアウダ・アブダイ役(盗賊)をやっていた、 アンソニー・クインは私はわかるのにちょっと時間がかかったなぁ(苦笑) ロレンスでは付け鼻の特殊メイクでしたのと、藤田まこと似なんですよ~(いやほんと) 役者は揃っているし人間関係もきっちり描かれているし、 戦争映画なのにスパイ映画であり(彼らの任務はスパイそのもの) 娯楽冒険ものとして観ても満足できますよ。 インディジョーンズシリーズが大好きなのですが、 私はスピルバーグのあるアイディアに感心し真似をして8mm撮影で、 自作冒険映画を撮っていたものです。 それはインディが旅する映像に飛行機の地図上の線を重ねる手法。 これがえらく気に入ってて透明の下敷きにマジックで線を引いて、 重ねて編集して遊んでいました。 まさかこの映画でそのネタが出てくるとは! 映像に地図を重ねるアイディアはこちらが先だったんだ(なんか嬉しい) こういう発見があるから昔の映画を観るのですよ。 昔の映画を観てる人はその逆なのでしょうね。 この方法はたぶん他の映画でも使われているかもしれないですね。 いやぁ今度は久々にインディジョーンズが観たくなった。 「将軍たちの夜」という戦争映画がほしくてボックスを買った中に、 この作品の続編でハリソン・フォード主演の「ナバロンの嵐」がありました。 続編とわかりまた観てみようかなと・・ [DVD(字幕)] 8点(2005-09-23 13:03:35)《改行有》

9.  冬のライオン 《ネタバレ》 はっきり言って面白い面白くないが分かれる作品です。 私はこの作品が終わったすぐに言いました。 「なんだったんだ!と・・ そして何が言いたかったんだこの夫婦はと悩みました。 ヘンリー2世の物語なんですが、 妻でありながら幽閉されているキャサリン・ヘップバーンの弁舌と、 この映画の主人公ヘンリー2世(いよいよ大詰めP・オトゥール)の、 これもまた感心するくらいのしたたかさ。 そして3人の子供(アントニー・ホプキンズが長男役、ふけてるって!) のあと継ぎ問題という大変わかりやすいドラマなんです。 それが歴史の例に習い、策略陰謀そして夫婦でありながらの知恵比べ。 これがものすごい銃撃戦のように楽しめます。 悪くこっけいに言えば漫才、正当に評価すれば舞台劇の醍醐味。 あまりに歯切れよくこの夫婦の演技合戦が続くので、 見飽きることなく見ほれていました。 ところがあのラストはおかしいくらい明るい。 テレビ画面に向かって突っ込みを入れてしまう。 「おいヘンリー、またそんな調子のいいこといって来年はないぞ!」 腑に落ちず気がついた。 そうか、何もこの夫婦のその後なんて心配したりするものではない。 これは映画だ、舞台劇だ・・だまされていたのは私のほうでした。 真剣にこの夫婦のドラマに見入ってた。 いったいどこまでが陰謀(嘘)なんだとまじめに考えるくらい、 このふたりはうまいですねぇ・・(って当たり前か) ちなみにキャサリンのほうが賞を受賞しています。 取っておかしくない、いい演技で見ごたえありました。 ただピーターのほうが比べて地味でしたね。 なんといってもヘンリー2世ですよ。普段着の一着だけでは貧相だ。 演技が五分でも衣装が地味ですから、やはり史劇は女性のほうが有利。 そのポイントは高いと、キャサリンの衣装変えと美しい品のよさに納得。 舞台劇やセリフを楽しみたい人にはもう最高の作品ですね。 ちなみに作品中にベケット司祭が出てくるのですが(チョイ役) まだ未見の(ベケット)のことなのですよ。 ベケットとヘンリー2世の愛(困った映画ですね)を描いた史劇ですが、 その作品の中でのヘンリー2世もピーターなのです。 合わせて見てみたいと思いました。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-05-20 04:28:36)《改行有》

10.  SF巨大生物の島 《ネタバレ》 好きですねぇこの映画! ちょっと真面目な映画ばかり続いたので、 たまにはSFと思いパッケージを見て即借りました。 もしまだ未見の方で目新しいものを探してらしたらお勧めですよ。 私は特に日本の特撮モノが苦手でこのたぐいのは見る機会がありませんでした。 これはファンタジー冒険モノに特撮を使ってるので面白い。 レイ・ハリーハウゼン のシリーズを全部見たくなりました。 特典にある中でも特に見たくなったのが、 シンドバッドシリーズとUFO(ビルに突っ込んでくる暴力的さが大笑い) この人の作品はこれが初めてですが、いろんな映画の中で使われてます。 家族や子供がテレビを見ててその画面の中で怪しい動きをする生き物・・ それと予告編を見るだけで、後々の映画にどれほどぱくられているかわかる。 真面目な映画を見続けた頭はこの映画も真面目に捉えてしまい、 これは共産主義の風刺だと自分で感心しました・・自給自足=共産主義って。 すごいこじつけですが(笑) ニモ船長が(ネモとも発音する)出てきたいでたちは大笑いでしたが、 この姿も日本のバラエテイでお見かけしたことがある・・ 巻貝を背中と頭につけて登場。 映画自体は特撮のばかでかい生き物が目立つのでメッセージは感じにくいですが、 いいこと後半に言ってましたよ~。 確かに食べ物が大きくなれば人類は戦争などおこさないであろう? んん~違うよ、今の人類は食べ物も大切だがそれ以上に名誉や地位がほしいんだ。 それらはお金があればある程度は手に入れれるけれど、 まず国王や大統領になるにはお金だけではなれないし・・ これはやはり共産主義の考えだよ船長、とまた勘違いをしてみる。 この映画の売りは特撮なんですが、この手作業の動きが実におかしい。 一番よかったのは蜂の動きで、一番大笑いしたのが鳥です。 あの鳥はなんなんでしょう?? コンビニでそういえば見た記憶があります。 フィギュアにお菓子がついてるの。 変なデザインだなぁと気になったんですが(悪趣味ということ) 映画で見たらほしくなりましたよ。 こういうの現在の映画では無理なんでしょうね・・ [DVD(字幕)] 8点(2005-05-20 04:16:34)《改行有》

11.  未知への飛行 《ネタバレ》 私がシドニー・ルメットのファンだということを差し引いても、こんな映画を悪くは書けない。 でもまあ悪いところも書きます。 最初のシーンからパーティのシーンそこまでを除く、 軍事会議までがいやにだるいのです。映画的ではない。 つまり面白くない。ただし、悪いところはその中半だけであとは満点に近い。 キューブリックの博士と私情抜きで比べるためどちらも2回見ました。 いやなんでそこまでといっても・・ほとんど良く似た映画だからです。 似てる・・もちろん捉え方はまるで違うのだけれども・・ さらにまたよく似せてしまったのが訴訟問題後、コロムビア映画が両方の上映権を持った。 同じ会社から配給されてたなんて・・(なんか怪しいコロムビア) 題材が題材なだけにこちらを8点にしました。満点にはできません。 好きな題材ではないから。 この映画はすごいです。ラストの衝撃がすごいということは調べていたのですが、 どういう衝撃か知ってしまうと面白くないのでそこまでは調べなかった。 けど2回目見てもまだ衝撃でした・・ よく私ネタバレしますが、コレはふせておきますね。 ちょっとマニアックな映画なので見てない人も多いと思うので・・ ヒントは、昔の映画は最初と最後がつながっている・・ 最初に出てくるのはニューヨークシティの闘牛場です。 う~んまた見たくなってきた・・でも売ってない。 十二人の怒れる男でも有名な、ヘンリー・フォンダが大統領をやっています。 うまいです。でもその隣に座っていた通訳の俳優が気になりました。 あの役は難しい。座ったまま感情を示して同時通訳しないといけない。 俳優の鬼気迫る演技もすごかったけれど、緊迫感が怖くて 1回目に鑑賞した途中でもういやになったほど・・ うわ、じわじわと絞められてるようなキツイ映画だと。 割り切ってホラーやサスペンスと思って見たらなんてことないのだけれど、 実は本物の戦闘機に乗って演技している俳優や、 事務仕事のように冷静に分析する政治家役。 リアルすぎて演技かどうかわからないくらいでした。 で、終わった結果「戦争はよくない!」と思うしかなかった。 こういう真面目な作りの映画を観るとしばらく戦争娯楽映画が観れない。 ので・・キューブリックの映画でまた平和ボケに戻ろう・・!? [DVD(字幕)] 8点(2005-05-07 08:03:56)(良:1票) 《改行有》

12.  天地創造 《ネタバレ》 長さは感じませんでした。観てよかったです。 ただ前半のアダムとイブの章に使いすぎている。 それがたいくつで正直眠くなった。 語りも長い。 もっとも面白そうだった「ケインとアベル」「バベルの塔」を、 もっと詳しく時間をかけてくれてたら、もう1時間増えても我慢できる。 だってこのふたつは面白いし興味ありませんか? 小説や漫画にもネタとして取り上げられるいわば見せ所なのに。 実はこのふたつの本を持っているのです。 聖書は読んだこともないけれど、「バベルの塔」の秘密にはとても興味がある。 漫画バビル二世のネタですよね。 神に近づくために作った、言葉を統一させるために作った、UFOの発着場として建てた・・ いろんな面白い話ができていますが、結局普通の解釈でした。まともな聖書。 「ケインとアベル」これも、カインとアベルとも読みますが、 現代小説として有名です。ここの章があっという間・・ 「ノアの箱舟」のノアにつながる話なのにもったいない。 ノアの章は面白いです。 CGを使わずにあの箱舟を撮影したのはすごいこと。 つがいで動物を乗せるのですが、ワクワクしますよ。 で最後の章があまり知らないところなのですが、 それはやはり私が聖書を知らないからでしょう。 イスラエルの父祖アブラハムの章がこのDVDの表紙になっています。 神が授けたひとり息子を神にいけにえとしてささげるのですが・・ 年老いたアブラハム婦人サライとアブラハムの元に現れたエンジェル。 SFっぽくて面白いですよ。P・オトゥールがみっつめの天使役なのですが、 怒って罪をさばくためにあの碧眼で村を焼き尽くします。 おかしくも真面目なSFだ・・ [DVD(字幕)] 8点(2005-05-07 07:59:27)《改行有》

13.  アパートの鍵貸します 《ネタバレ》 脚本とアイディアと音楽の効果が良かったですね。白黒で時折長く感じることもありましたが、最後まで面白く見ました。セリフもおしゃれで品もあり文句の付け所がない良質な映画・・と言いたいところですが満点ではありません。満点とは私にとって特に、DVDを購入しても良い作品。何回か見たい保存版、ではありませんでした。でもセリフがおしゃれだから、英会話の練習にと買うかもしれませんが。なんというか・・ジャック・レモンが合わなかったです。私の見た、レモン氏の出演作は「晩秋」=劇場で見るも記憶になし。「摩天楼を夢見て」一番嫌な役だった。と数少ないのですが、どうもこのじょうずな演技が合わないようです。スクリーンの向こうの人というか、そういう目で見てしまいます。最近のトム・ハンクスとかぶりましたが、日本で言うと西田敏行?かな。ようするに私には自然な演技には見えなくて、共演のマクレーン嬢がとても自然に見え、初めて見たのですがとても好感を持ちました。あと、医者の役の俳優さんも。でもレモン氏のその他の役は見ていないので、私の先入観を裏切ってほしいです。やはりこの映画は60年作という昔に作られた映画なのに脚本が良くできておしゃれで、「摩天楼はバラ色に」などと比べても古さを感じないくらいです。主役がもっとスカッと気持ちのいい普通の人だったらなぁと思うのですが、役どころがうさんくさいというかセコイ成り行き成功者ですから・・西田敏行とかぶるなぁ・・ 8点(2005-01-19 06:37:13)《改行有》

14.  華氏451 《ネタバレ》 監督が未知との遭遇に出ていたので気になり調べて見ました。 フランス映画は言葉が苦手で、これもフランス語だったらどうしょうなどと思ってたのですが、なんと英語でしかもわけありなのですね・・ 設定が、近未来では禁止された本を消防士が見つけ焼くことになってるんですが、面白いとも思わずついていけなかった。 世界中のどこかの国では時代により、鎖国のように他の書物を禁止焼却することは不思議ではありません。そんな国もあるんだよと、他人事のように見ていたし、キューブリック映画に良くある赤を使った絵、でもこの映画ではセンスはない絵に付き合いました。モノレールや家具その世界すべてに古さを感じ、その中で違和感なく現れるショートカットの女性。消防士の主人公の妻そっくりということですが、うちに帰ると長い髪の妻はこれも違和感なく大画面TVからの一方的な情報を楽しんでいる。未来世紀ブラジルのような消防団。本を焼かれることを拒み炎の中、微笑みながら焼かれる老婦人・・老婦人の娘がショートカットの女性。 主人公は消防士でありながら、感化され本を隠し読んでしまう。 私は気がついた。本くらい・・でも最近本読んでない・・ 読書の虫だったのに。本を読みなさいという話でもない。 ラストに見せる森の中の世界に、忘れていたものを思い出したので、それを見るまでは6点がいいとこと思ってた。 一気に8点まであがったのは、思い出したから。 ジョン・レノンがオノ・ヨーコの本に感動し、これを読み終えたら燃やしなさいと勧め、ジョンは感動したので燃やしたと言っていました。この意味が理解できなかった。確か、グレープフルーツという本で、しかも私持ってるんですが・・まさか、ジョンはこの映画のオマージュとしてそのような言葉を使ったのかと、時代がわかり感動したわけです。見つからないように読んだらただちに燃やすこと。と、ヨーコは書いてあります。 人に燃やされる前に自分で燃やすといういうブラック・ジョークは、このSFのふりをして社会派映画な華氏451の世界では。 どこかの鎖国のような国と思っていたけど、川辺であらゆる国の言葉が飛び交う怖さ。日本語もあった・・美しいラストには怖さを包み込む文学的なものさえ感じた。途切れた線路も本の住民という世界も不思議で、そこまでの古さと原色の悪いセンスは飛んでいった。トリュフォーの他の映画も見てみたいと思いました。8点(2004-03-16 06:44:52)《改行有》

15.  タイム・マシン/80万年後の世界へ 《ネタバレ》 H.G.ウェルズ原作の映画は突っ込みどころがあり好きです。 あの最初の方でテスト飛行させたミニチュアのタイムマシンは一体どこへ? なぜ人類は楽園のような場所で培養され金髪なのだろう・・? 最初の方は科学用語やら時空の説明やらで、 なんかおかしくてかっこいいなぁと観てたんですが、 タイムトラベルした先からもうドク&マーティの世界で、 そこからまたとてつもなく未来へ飛び、 ここまで飛ぶの~?とあきれてしまうくらい。 これなら「A.I.」の地球水浸しの超未来を見ても不思議ではない(爆) どんどんSFでは哲学を語ってもいい。 めくるめくタイムトラベルの果てにやっと主人公が見つけたもの、 それは自分探しの旅なんでしょうね。 同じところへ戻ってくるタイムトラベルのお約束だから、 出発した時代に主人公は帰ってこなくても、 違う時代で同じ場所にいるはずです。 ちょっとこのエンディングはなかなかいいですよ。 [DVD(字幕)] 7点(2006-09-21 07:20:58)《改行有》

16.  リバティ・バランスを射った男 《ネタバレ》 西部劇苦手な私がはじめて全体的に面白いと思った作品です。 脚本もさることながら先が読めるのにそれでもまた面白い。 この時代の作品として白黒ではどうなのかは疑問ですが、 見てゆく途中で違和感もなく見られたのは画質も向上しているからか。 西部劇というよりも人間ドラマ西部劇風とでもいえましょうか。 見終えたあとにまた冒頭を観てみたいなぁと思える作品です。 この作品の面白さは(誰がリバティ・バランスを殺したのか)ということなのですが、 正直見ていてオチがわかったのにそのオチの切り出しがうまいのです。 だからあとに考えるものがあり単純な西部劇ではないと。 J・ウェイン演じるトムの気持ちがよくわかります。 この役は役得というかいい役ですよ~ でもJ・ウェインだからこそとも思います。 無骨で不器用な硬派・・日本では高倉健さんのような。 トムにしてみれば急に現れたような、J・スチュワート演じるランスの存在とは・・ 両方適役といっていいでしょう。 無骨なトムはハリーを愛しているのに、ハリーは知的なランスに一目ぼれ状態。 リバティ・バランスに襲われてランスは運ばれて来ましたが、 またこの街にバランスが現れるのは間違いはない。 銃社会を非難し法で悪を裁こうとするランス。 しかし脅迫のような成り行きで決闘という形で銃を使うことに・・ 銃を練習しているランスをからかうトムに伏線が見られます。 なぜそんなに腕が立つのに自分で撃とうとしないのか・・ 決闘の日にランスの選択眼はふたつしかありません。 つまり素人同然のランスが銃で決闘するかこの街から去るか・・ トムが助けてくれるんじゃないか? ところが素人のランスは奇跡的にバランスとの決闘に勝つのです。 しかし彼は弁護士の立場であります。 映画の演出もなかなかいい。 冒頭からトムの棺とサボテンの謎、 街に帰ってきたというランスは上院議員・・ そこから回想シーンとなり本編の始まりです。 キスも抱擁もないのに恋愛ドラマとして切ない味わいがあるし、 銃社会に対する批判もそれだけではない描き方。 愛する女性が一番幸せな道を選んだトム。 それは西部では名誉なのかトムにはどうでもいいこと。 単純明快なようでいて複雑な人間ドラマでもあります。 [DVD(字幕)] 7点(2005-11-20 23:05:33)《改行有》

17.  悪い奴ほどよく眠る 《ネタバレ》 ラストにドーンとその題が現れるともう、言葉をなくしてしまいます。 なにかが足りませんので題材の説得力が伝わってこないのです。 それは何かと考えました。 悪い奴・・もっと掘り下げて描いてもよかったのでは? 「天国と地獄」の犯人のような時代の必要悪の否定や理由のない反抗の怖い環境の哀れさ。 そういったある意味犯人=悪人の過去や人間性が足らなかったように思います。 これを観ると政治家や建設業がみんな悪く見えてくる(笑) もちろんそれは一部であることは承知ですが、親玉の描写が足りない。 過去に心の傷を負うとかトラウマですね、そういうのを絡めるとステレオタイプになる。 けれどそれにしても主役の西秘書の家庭環境や身の上は細かいのに、 影の主役である義父役をこんな時代劇の悪役のような描写だと憎しみが薄い。 観客も感情移入して悪い奴は悪く思いたいのですが・・ 途中まで逆に西秘書の方が悪い奴か?と首を傾げたくなるくらい粘着質です。 この主役・・またまた黒澤映画には不可欠な三船さんでしたが、 全く今回は気がつかなかったです。 メガネをかけてすごく若く見え私にはG・ペック日本人版か(苦笑)と見え、 三船さんはセリフが少ないほうが存在感があるなぁと妙なところで感心。 しかし脚本は良く出来ており昔見た「砂の器」とか思い出しました。 復讐は美学とも言われていますがそれはマフィアとかの世界で、 こういう現代サスペンスになると美学とは言えません。 復讐とはノウノウと行き続ける悪を本当に眠らせること。 だからこの映画の後味は悪くちょっと考えます(重い本を読み終えたような) それでその手の作品を見たあとはしばらくはその気分にひたるのですが、 現実的に気味が悪いのでいいほうに考えたり映画の世界だと忘れようとします。 「天国と地獄」「悪い奴ほどよく眠る」このふたつは外国の監督でいうと、 白黒のときのシドニー・ルメット(十二人の怒れる男の監督)の社会派の世界です。 黒澤監督は本当に白黒映画がうまいと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2005-10-09 14:59:20)《改行有》

18.  鳥(1963) 《ネタバレ》  恋愛モノとしてみればちょっと理解できないその時代背景があります。 いわゆる上流社会の女性なのですが・・この設定は苦手だなぁ。 でもつがいの鳥を籠に入れて男性(弁護士)に届けに行かなければ話しははじまらない。 陸の孤島のような男性の家の家族には父はいません。 気難しい母と男性と都市の離れた妹、そして近所に昔の彼女・・ 人物は限られており母親役のジェシカおばさんが怖くもいい味です。 私は最初この母が息子を溺愛するあまりに鳥を差し向けているんだと思いましたから。 かなり人間ドラマは優秀でして、特に女性が母親は離別で環境がどことなく似ている。 今ではよくあるパニックものには離婚(離別)がつきものというお手本で、 エンディングあたりにはちょっと感情移入してしまいました。 さてこの古き良き作品に目新しいところを探すのはあら探しになってしまいます。 爆発炎上シーンなどは違和感さえ感じるくらいこの時代にしては今風です。 私がこれは・・と思ったシーンは静と動のシーンです。 ほとんどの方が感心すると思われる(ジャングルジム)のシーンは静です。 そしてエンディングは地雷を踏むような静の恐怖。 動とは、電話ボックス襲撃と屋根裏の襲撃シーン。 でもやはり静の描写のほうがなぜか動かないのに動くであろう恐怖感があります。 「裏窓」でうまいなぁと思いましたが、この作品も予測させるシーンがたくさんあり、 落ち着いて観られる作品を作るんだなぁと感心しました。 さて・・気になるのは「ゾンビ」のエンディングのようなあやふやなオチですが・・ あそこでちょん切られると後のことまで考えて後味が悪い。 これを狙ったんでしょうねたぶん。考えながら納得。 あとカメラワークですがまだあまりたくさん観ていないのですが、 天井を抜いて上から撮る今では当たり前な手法、 同時代の他の映画と比べるとそれがいかにこの監督のものかがわかる。 それと地平線や水平線などとにかく線を真ん中に持ってくる。 どういう効果があるのかまだ疑問ですが面白い構図ではあります。 最後に気になって仕方がないのは登場人物よりも、 あのつがいの鳥ですね。 あれはいったいなんだったのでしょうか?? 暴れもせずかわいいだけなのですが不幸を呼ぶ鳥にしか見えなかった。 [DVD(字幕)] 7点(2005-08-20 12:25:54)(良:1票) 《改行有》

19.  H.G.ウェルズのS.F.月世界探険 《ネタバレ》 主人公が博士と婚約者と3人で月へ行くのに説得力なんていらない。 地球の未来とかそんなたいそうなものなどナシ。 娯楽とコメディとごったがえしたSF、これはR・ゼメキス感覚で観てほしい。 宇宙船のデザインが球状というのもコンタクトだし(タイムマシーンでもありました) 主人公と博士の掛け合い漫才のような真剣なやりとりは、 もろバック・トゥ・ザ・フューチャーではないですか! 博士の口調や演技もドクだろう?てな嬉しさです。 月面に着いて外を歩くんだけれど宇宙服に素手っていったい・・ 画面に向かって突っ込みながら観ていたら突然、無重力じゃあ~と浮くふたり。 で・・ある基地に到達するのですが、 2001年宇宙の旅そっくりな場面が出てきて苦笑。 あの映画もこれを参考にしていたのか・・ 宇宙服のヘルメットを落とし地底深く探検するのですが、 ヘルメットを見つけるもまた変な地底人がわいてきて(弱い)逃げてると、 テレビ画面の横から中のふたりは出てきたのです!! うそっ!?待て待て!! どこから出てきたんだ・・?? 「宇宙船がなくなってるぞ」 それよりあんたらどこから・・?? とポカーンとしていたら別の入り口から入ってゆきました(編集すごすぎ) 地底にはイモ虫のような怪獣が現れたり月星人たちの生活が楽しめます。 翻訳機能を使い月星人のドンと会話する博士。 羽は生えて蜂のデザインですがどう見ても未知との遭遇の異星人。 私はこの普遍的な宇宙人のデザインを見ると安心します。 科学の雑誌などに出てくる異星人はこうじゃなかったですか? 博士とこの異星人は理解しあいやがて博士だけ残ることになります。 冒頭の設定は現在でしてそれからは回想となるのです。 そして博士を残したあとふたりは地球へ帰還。 それからオチにつながります。 ラストは宇宙戦争オチです。 同じ原作者でもあるからでしょうが、 こちらのほうがはっきり言って好き。 ここらもまた突っ込みどころ満載で怒りながら笑いましたが・・ 博士が作った世界も見てみたかったなぁ・・ どのくらいの時間を過ごしたんでしょうか。 [DVD(字幕)] 7点(2005-08-10 12:31:17)《改行有》

20.  クレオパトラ(1963) 《ネタバレ》  前半は8点以上献上!面白い、シーザー(マイフェアレディの男優)ニヤケ顔だけどまあ満足。 クレオパトラ(エリザベス・テーラー)実は古い史劇は前苦手だったので、 エリザベスも初めて見たのですが、気品があってよかったです。 歴史を考えると次の日は面白くないよなぁと覚悟はしていました。 やはり・・後半は5点かなぁ・・ 次の日に続きを見ますと、面白くない。 やはりシーザーは暗殺されアントニウスはオクタブィアヌス (後のローマ初代皇帝アウグストゥス)と対立する。 ここら最近よく見る映画ですからもうつまらなさは見えている。 女で男も変わる、男で女も変わる・・ アントニウスのなんと間抜けなことか。 恋焦がれる気持ちもわかるがこのふたり(特にアントニウス)には、 私は全く同情も共感もできなかった。 まるで三国志の呂府のようでした。(漢字合ってるかな?) 家族を捨てては不倫ものでよくあるが、 部下を捨てて逃げるまでゆくともう、一国の将軍などと見るのは恥ずかしい。 すでに次の本当の皇帝はわかっているので、 若いながらも冷酷ながらもオクタブィアヌス側のほうを応援していた。 シーザーの子(クレオパトラの子)が殺されてもね。 アントニウスが自害したときに「英雄の死は叫べ!」と言うくだり、 目先のことにこだわって大事なものを見失う、そんなバカなアントニウスでも、 英雄として認めたんですから。 ジュリアス・シーザーというシェイクスピア映画でのアントニウスは英雄でした。 その場面を思い出しました。 じゃあクレオパトラばかりが悪いのか? でもこの踏みにじられた国を存続するには仕方なかったのでしょう。 ただ、理想が高すぎる。野望は男異常です。 アントニウスは愛が全てだったけれど、クレオパトラは国が全てだった。 選んだ男の愛では国に変えれなかった。 国が滅びることと愛がつきることは同じでした。 ふたりは同じ地で結ばれたのですが、歴史は変えられなかったのです。 面白い時代でここらは好きなのですが、 私はこの映画の後半はもっともっと暗くしてほしかったです。 あきれて感情移入もできないので前半の切なさや感動が飛んでしまいました。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-07-17 07:18:00)《改行有》

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