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1.  ブライト・スター/いちばん美しい恋の詩(うた) 夭折でありながらその才能がシェイクスピアとも並び称されたという、英国の詩人ジョン・キーツの恋を描き、たくさんの蝶が舞う部屋や青いブルーベルが群生する森でキーツの手紙に読みいるファニーなど、ポエティックなイメージが盛りこまれた美しい映画。 ジェーン・カンピオン作品にもかかわらずごく一部で公開され、国内盤ソフトも出ておらず、カンピオンにしては抑制されたマチュアな表現がアピールしないと思われたのか、主演のベン・ウィショーとアビー・コーニッシュの日本での知名度がいまひとつであるせいか。 キーツ本人よりも、詩人にインスピレーションを与えたミューズである隣家の娘ファニー・ブローンに重点が置かれているようで、裁縫を得意とするファニーの衣装がキーツと知り合ったことで微妙に変化していくのも見どころの一つ。 キーツもファニーの愛を得て、精神は高まりながら肉体は病に冒されていくのが皮肉で、ファニーの母親やキーツの友人ブラウンが彼らの交歓に投げかける視線もまた複雑なもの。 ファニーの母親は「エンジェル・アット・マイ・テーブル」のケリー・フォックス、恋人たちのそばをはなれない弟(トーマス・サングスター)や妹も強い印象を残しており、特におさない妹の存在感はカンピオンらしさがのぞいているようでした。 ブライト・スター(明るい星)とはキーツにとってのファニー、薄命の詩人には金星(ヴィーナス)のような存在であったのかもしれません。[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2013-12-31 07:02:40)

2.  サイン 《ネタバレ》 シャマランは「アンブレイカブル」は「?」でしたが、これはそんなに悪いとは思えず。 ミステリー・サークルが題材としか知らずに見ましたが、子供を残して妻に先立たれたヘス牧師(メル・ギブソン)の途方にくれた様子が中学の時の父に重なり、母親を欠いて均衡を失った家庭の重苦しさというのはよく出ていたし、意識的にスケールを小さくして異常事態への対処が一家族の結束をよびさます作りが変わっていそう。 油断させておいてのエイリアンの出し方や、造形よりも聞いたことのないような不気味な効果音もきいてます。 妹アビゲイル・ブレスリンはまだ6才と小さいながら「お水」の演技は鋭敏な感覚を持つ少女らしく、「グラディエーター」後のホアキン・フェニックスは剣をバットに持ちかえて。[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-12-31 06:45:12)

3.  パリ20区、僕たちのクラス 「今日から始まる」(99)よりさらにドキュメンタリー・タッチ、その計算が見えず自然。 元教師の原作者が教師役も兼ね、多民族国家フランス・パリ多民族地区20区の中学の先生。 フランソワ先生がかっこよく見えるのは、熱血からは遠いほどほどな熱意にウソがない気がするせいか。 人種もバラバラな生徒たちの自己主張のストレートさにも驚き、本音のキャッチボール。 まるで一クラスに押しこめた世界の民族の縮図で、バトルまがいの授業に現場にいるようなリアリティに巻き込まれる。 丁々発止に渡り合う先生もついダブルミーニングな言葉「ぺタス」を使ってしまい、広がる波紋が一言の持つ重みを示し、先生が言葉を大事にするフランス語教師なのも皮肉がきいてる。 職員室は戦士たちの休息所。 服装もカラフルな生徒たちに対して先生は質素とバランスがとれ、よけいな音楽もなし。 贅肉のない骨っぽさが魅力だけど、クッションなしの映画のエネルギー消費量は少なくない。[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-10-15 06:30:18)

4.  イブラヒムおじさんとコーランの花たち 「アラビアのロレンス」から40年たつと、オマー・シャリフもこんな感じに。 「宗教(キリスト教・イスラム教・仏教)と文化」の三部作の著作をもつ監督の作品は、とりたててイスラム教プッシュではなく、そこここにエッセンスが置いてある感じ。 前半はロベール・サバティエの「ラバ通りの人びと」のような懐古的なパリの裏通りものでもあり、30年代のラバ通りに対してブルー通りには60年代の活気とカルチャー。 神経衰弱の父と暮らすモモが貯金箱をこわして街娼たちに近づくのは、母の匂いを求めてでもあるのだろうし、孤独な少年の人生はストリートにある。 通りをへだてたイブラヒムおじさんの小さな雑貨店にはところせましと商品が並べられ、なつかしい雰囲気。 手くせのわるいモモへの「万引きを続けるなら、うちの店でやってくれ」は、他の店でしょっぴかれないようにとの心遣い。 「アラブ人じゃあない」とも、トルコ商人の彼にも国の誇りがあるのだ。 厚化粧とカツラで若い女優に化けたイザベル・アジャーニが、映画ロケの合間にふらりと訪れたりも。 後半はためたお金をはたいて赤いスポーツカーを買いこみ、父も失ったモモとの故郷への旅。 イスラム世界に浸透していくユダヤ人のモモとイブラヒムとの養子縁組は、人種の壁に阻まれるのが苦い。 痛ましい結果におわるその旅でモモに残されたものは。 心の父イブラヒムと同じ言葉を口にし、ブルー通りに佇むモモには思い出と居場所がある。[DVD(字幕)] 8点(2013-10-08 09:47:03)

5.  ザ・セル 最初に見たターセム作品。 皮肉にも第1作が一番メジャーそうで、「マトリックス」+「羊たちの沈黙」といわれたりもしたけれど、猟奇サスペンスの形態をとりながら人間の脳内映像のイメージの豊かさで見せてしまう映画で、最初の二作は二面性あり。 広大な砂丘を白い衣装のジェニファー・ロペスが小さな点のように歩む冒頭から圧巻、砂漠は何もないのに美しい。 水際の広角度のカメラワークは、ジュネが「アメリ」で踏襲していましたが、映像派と呼ばれる方々はおたがい意識しあい影響しあっていそう。 猟奇色の強い前半はオゾイですが、後半はFBIのヴィンス・ヴォーンも活躍するし見応えあり。 1作目から重要な要素となっていた衣装の石岡瑛子さんを欠いての新作「セルフレス」はどうなるのか。[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-10-02 07:09:30)

6.  落下の王国 映画監督だけが仕事なわけではないアーティスト、ターセム・シンの作品数は少なく、1本1本が貴重。 近作「インモータルズ」が影と闇に支配されていたのとは対照的に、この映画の空想部分は光と色に溢れ、世界遺産めぐりの旅でもあり、至福のひととき。 遺跡を舞台としイメージや舞踊をとりいれることで、それ自体も新たな生命を帯びてくるよう。 一方現実の方はかなりシビア。 たびたびスタントのことにも言及したのは、縁の下の力持ちの彼らが映画を支えているのに思いをはせてほしいからなのですが、負傷のスタントマンにスポットをあてるなぞ嬉しくもあまりない趣向。 ラストは「ニュー・シネマ・パラダイス」より好きかもしれず、無謀より果敢という言葉がふさわしい、表舞台に出ることはないはかない英雄たちの勇姿の数々。 彼らの代表であるロイと少女アレクサンドリアの繋がりが、夢のような映画を夢で終わらせておらず、「落(堕)ちる」ことの痛みとそれへの抵抗が、美しい映像に縫いこまれていたように思います。 力強さより浮遊感のある作風も特徴か。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-10-01 11:43:23)(良:1票)

7.  スパイダーマン(2002) 《ネタバレ》 今となってはなつかしのライミズ・スパイディ。 1作目だけワイドサイズでないのもB級感があっていいかも。 トビー・マグワイアの強い眼差しがヒーローにはまり、人生訓をたれるベンおじさんがあーなっちゃうとか、職場が新聞社とかスーパーマンに似たトコもあるヒーロー。 ビルの谷間の飛翔は、街をすべてデータ化する新世紀のVFXがあってこその勇姿。 キルスティンのMJはマッカな髪にチャイナドレスがインパクト、スクリーミングがフェイ・レイばりに豪快なヒロイン。 グリーン・ゴブリンのチープさはほほえましく、ウィレム・デフォーからジェームズ・フランコにスパイディへの憎悪が引きつがれるもよし。[映画館(字幕)] 7点(2013-09-26 07:40:06)(良:1票)

8.  ブリジット・ジョーンズの日記 「高慢と偏見」のダーシーが役名・役柄・役者もそのまんま登場するB.J.ダイアリーの要所というと、フロイライン・ブリギッテのキャラとなるはずだけど・・・努力は苦手なドジッ子で、特に美点も欠点も見出せず、思い入れするでも嫌うでもなく、ただ彼女のデカパンを眺むるのみ。 コリンとヒューのファイトは、「アナ・カン」VS「モーリス」でもあるか。[映画館(字幕)] 5点(2013-09-24 06:30:03)

9.  お買いもの中毒な私! 《ネタバレ》 アイラ・フィッシャーは「ラブ・ダイアリーズ」の方が好きだけど、こっちの方が有名ですよね。 依存症になるほど買い物好き(ショッパホリック)な園芸ライターのレベッカが経済ライターに転身、本名を使いたくなくてつけたペンネームが「緑のスカーフの女の子」。 赤でも黒でもなくグリーンなのが誰にも親しみやすいイメージで、違う分野の人が書くと目のつけどころがちがって新鮮というのはありそう。 お仕事女子モノに恋と友情もからめて、(女性の消費は経済を活性化するものとはいえ)ためこみ型マテリアル・ガールの七転八倒をフィッシャーはハイテンションに演じてましたが、小柄な彼女が着飾ってるとちょっとゴテゴテに見え(メイン・ヴィジュアルではレベッカの身長ひきのばしてある?)、「ダイアリーズ」のイメージがあってね。 デルモ体型の人がやった方がよかったんじゃないかと。 いい俳優さんがいっぱい出てるのは楽しく、ラスト「買いたい病」を克服する彼女に拍手をおくるのが、ILMによるウィンドウのマネキンなのがファンタジックな演出。[DVD(字幕)] 6点(2013-09-22 14:25:02)

10.  プライドと偏見 《ネタバレ》 05年の映画は、人気の高いBBCの「高慢と偏見」(95)とは違うものを作ろうとしているのが感じられる。 滑稽味もほどほどに、英国の歴史あるハウスや風光明媚な景色をふんだんにとりいれ、シーンによっては舞台もかえて映画らしい仕上がり。 キーラ・ナイトレイはリジーには現代的で美しすぎるように思え、ジェーンのロザムンド・パイクも「リバティーン」のエリザベスに比べればかわいらしい役ではあるが、マシュー・マクファディンは個性の強いファースのダーシーとは違う、哀しげで繊細なダーシー像を作り上げていると思う。 ベネット夫妻には親の涙を見せる場面を作り、名残惜しげにロンボーンを去るビングリーを入れるなど原作やドラマにはない要素も加え、ドラマの方がすべて上というわけではない。 ダーシーの最初のプロポーズは屋内ではムードがでないので雨の屋外にしたのだろうし、最後のプロポーズは霧の朝、とロマンティックな雰囲気を重視したアレンジ。 セリフの少ないダーシーの心境の変化には、観客の想像力も必要とされるかもしれない。[映画館(字幕)] 7点(2013-09-14 09:00:02)

11.  人生万歳! 《ネタバレ》 ウディ・アレンが70年代に書いた脚本に舞台もニューヨーク、アレンの昔の作品の雰囲気。 厭世的な学者くずれのボリスはアレンの分身。 言ってることの半分は正しいと思いつつ、カメラ目線でずーっとしゃべってるのは「カンペ見てんのかな?」と思うくらいウルサイけど、それを受けとめてくれる同居人が帰ってこないと心配でだまりこんでしまう可愛さもある人。 南部育ちの若いメロディはそんなボリスを包みこんでうまくいってたのに、お決まりの心変わりにはガックリ。(この時ばかりは、ヘンリー・カヴィルがいい役とは思えなくて、恋盗人) 最後はうまーくまとまってみんな幸せになれたからいいようなものの、ボリスが再婚した女性ってどんな人だったか記憶にない。 映画のチラシをしばらく冷蔵庫にはってあったので、ボリスとメロディは今でも一緒にいるような気がするのです。[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-09-13 14:00:05)

12.  それでも恋するバルセロナ ウディ・アレンのお気に入りスカーレットと、「プレステージ」で彼女と共演ずみのレベッカ・ホールによるスペイン・バルセロナのバカンス。 本能の中に理性が見え隠れするクリスティーナ、理性の奥の本能が目覚めるヴィッキー。 アレンは理性的な人はスクエアと見なして徹底的にからかう、「ホラ、そんな理性の薄皮なんて脱いじゃいなさい、それはホントの君じゃない」と。 彼女たちの前に現れるファン・アントニオが赤いシャツ着てるのは、情熱=本能の色。 マリア・エレーナも同じ色の人で、だから間にクッションが必要なのね。 演じるハビエル&ペネロペ夫妻は、アレンがカリカチュアライズしたラテン系のカラーに愉しんで染まっているよう。 内容とは関係ないけれど、クリスティーナのデジタル一眼のブランドは目に触れないようにしつつ、マリア・エレーナのアナログ一眼のライカの赤いマークはしっかり見せて、クリスティーナを銀塩写真にハマらせるのは、アレンはデジタルカメラ嫌いなんじゃないかと思われて、そうしたカメラへのこだわりに+1点。[CS・衛星(吹替)] 7点(2013-09-05 16:56:50)

13.  ラブ・ダイアリーズ 《ネタバレ》 これもアビゲイル・ブレスリンめあてで見てモチロン彼女も可愛かったんですが、アイラ・フィッシャーの役がよかったな。 娘マーヤがパパの3人の女性遍歴の中から誰がママかあてるゲームっていう着想が変わっていて、正解=この映画のヒロインではなく、一番有名な女優さんがヒロインってわけでもないのも変則的。 監督さんが脚本も書いていて、なかなか先が読めない展開にくわえ、ウィル(ライアン・レイノルズ)の仕事(クリントンの選挙事務所)もからんで歳月が流れていく。 ウィルの相手がくるくる変わってもイーカゲンな人に見えないのは、3人とつきあう時期が重ならないのと、彼が基本的にマジメな人だからか。 最初コピー係として登場するエイプリルは服装も質素なのだけど、キラッと光る言動がおもしろい女の子。(ニルヴァーナのカート・コバーンが話題になるのも時代が出てました) 「ジェーン・エア」の本がたくさんある彼女の部屋、その理由は自分も思いあたり(オー・ヘンリーの本が何冊もあり、なくした本を20数年ぶりにようやく手にいれたのは去年)、ちょうど「ジェーン・エア」を再読していた時でもあったし、監督は古書店主として出演もしていて、きっと本好きな人。 今はネットでたいていの本は見つけられますが、こういう見つけ方の方が夢があります。 ウィルが後ろ髪ならぬ「後ろ足」引かれるのも繊細な描写で、レイチェル・ワイズ(サマー)やその年上の恋人の教授(ケヴィン・クライン)もよかった。 邦題はアレですが、原題は「もちろん、多分」ヒロインのセリフから。[DVD(字幕)] 7点(2013-09-04 07:00:02)(良:2票)

14.  300 <スリーハンドレッド> 《ネタバレ》 ザック・スナイダーを有名にした「300」は、アートコミックをベースに紀元前のギリシャとペルシャのテルモピュライの戦いを描き、動く絵画のような画作りに映像叙事詩としての価値あり。 数では圧倒的に不利なギリシャの最後まで諦めない姿に悲壮感漂い、ジェラルド・バトラーがマッチョなスパルタ王レオニダス、「ブラザーズ・グリム」のレナ・へディがあれよりも大人っぽい王妃ゴルゴー。 単調にならないように工夫された彼らの優美なラブシーンが、凄絶な戦闘シーンとの対比をなしていました。 最後は「グラディエーター」を思わせる金色の麦畑、父の志は幼い息子プレイスタルコスが受けつぎ次の王となるのを暗示。 この技法がさらに進化して、ターセム・シンの神秘的な「インモータルズ」が生まれたと思いますが、ベージュを主体としたこちらのカラーの方が目になじみやすい感じではあり、どちらも左脳より右脳で見る映画。 本でいえば小説より美術書といったところでしょうか。 マイケル・ファスベンダー(ステリオス)の映画デビュー作でもあります。[DVD(字幕)] 7点(2013-09-02 07:00:02)

15.  真珠の耳飾りの少女 本物はまだ「青いターバンの少女」と呼ばれていた頃一度見た。 その絵を愛する女性が想像力を駆使して織った物語は着想はユニークであるものの、小説のヒロイン、フリートはいまひとつ繊細さに欠けており、映画版のグリートに多くを語らせぬのはより神秘的で純粋な存在にしたいのが感じられ、製作者の妻が書いた脚本の方が好ましい。 白磁の肌のスカーレット・ヨハンソンの息使いさえ聞こえそうな、静謐な空間での寡黙な画家フェルメール(コリン・ファース)との交歓。 密やかに編まれた恋とも知れぬ絆。 採光や構図も画家の世界を再現したもので、画家が使用したとされるカメラ・オブスキュラも登場する。 耳飾りと一体化するための痛みを伴った儀式は間接的ながら官能的。 フェルメールとの関係が精神的なものならば肉屋の恋人ピーターは現実的な存在であり、演じるキリアン・マーフィは魅力的だが、映画ではグリートとの恋の結末はぼかされているのは、やはりフェルメールに重きを置くためか。 画家のパトロンである好色なライフェンや画家の心に入れない妻カタリーナも作品を盛り上げる。 小説と一番違うのはラスト。 一家を構えたフリートは想い出の品である耳飾りを金に替えてしまう現実派だが、映画はそれよりもロマンティックな余韻を残しており、地味ながら彼らの思いがまだくすぶっているかのようだ。[映画館(字幕)] 8点(2013-08-03 12:00:03)

16.  アイアンマン 《ネタバレ》 メカニカル・アーマー型のアメコミヒーロー映画は意外にもこれまでになく、演技派でいるのに飽きたダウニーJr.と、少しくたびれた感じがいいグウィネスのコンビが魅力。 モンテ・クリスト伯(岩窟での鍛錬+相方の死)、007(女好き+秘書とのつかず離れずの関係)、ロボコップ(装着メカ+機械を埋め込まれた人間の悲哀)と多面的にポイントをそなえ、近年のヒーローとちがいテーマを入れつつエンタメであることを踏まえ深刻ぶってないのもよい。 トニー社長の(自分があげたことになってる)ブルーのイブニングを着たペッパー・ポッツを見ての「オッ」みたいな顔もキュート。 頭剃ってるジェフ・ブリッジス(オバディア)は、大きな見せ場が2つとも削られて不満だと思いますが。(特にラスト)[DVD(字幕)] 7点(2013-05-10 06:55:00)

17.  扉をたたく人 《ネタバレ》 アメリカ移民問題を背景に、映画としても見応え。 ウォルターとタレクの楽器ジャンべによる音楽を仲立ちとした友情がメインかと思いきや、後半タレクの母親モーナとの関わりにシフトしていく構成に奥行き。 リチャード・ジェンキンズの抑え目で渋い演技に加え、「画家と庭師とカンパーニュ」にも出ていたモーナ役のヒアム・アッバスがとても魅力的、妻を亡くして心が干からびていたウォルターの心をうるおし、寡婦モーナがウォルターに親しんでいくのも自然。 「オペラ座の怪人」のエピソードが素敵で、異邦人同士のつつましい恋は「ターミナル」を思わせる。 自分の国を抜け出してよその国に住まなければ不幸、という状況そのものが哀しいことだけれど、タレクが米国に来なかったらウォルターがモーナと出会うこともなかった。 主要人物が4人だけで、タレクの恋人ゼイナブがウォルターを警戒するのにリアリティがあり、彼女はとっつきにくいが作品は可愛らしい。 ウォルターとモーナが一緒にならなかったのは、あのラストシーンにしたかったからなのだろう。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-05-08 07:00:02)(良:2票)

18.  正義のゆくえ/I.C.E.特別捜査官 アメリカ移民の映画が複数あるのは、依然大きな社会問題であるから。 真摯だけれど堅苦しく質素な群像劇で、主演のハリソン・フォードにしてからが観察者・傍観者的であり、中心となって動くのは別の人物。 当局と不法滞在者のどちらに非があるかは、特に外国人の立場では皆目わからず、元々移民の国であっても現在ではテロなどで痛い目にあっているアメリカは積極的に入れたくはなさそうであり、一方貧しい移民たちは豊かな生活を求めて切りなくおしよせる。 監督はその移民経験者なので、移民側の作品として見るのが公平なのでは。 見逃してもらったあの少年は、その情けを心に刻んで生きていくのだろう。[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-05-07 15:00:05)(良:1票)

19.  プリティ・プリンセス2/ロイヤル・ウェディング 前作は普通の女の子がプリンセスとしての自覚に目覚める過程や華麗な変身が見どころでしたが、コレは何なんだ…★ ソフィア・コッポラの「マリー・アントワネット」のように華麗な空虚、王女ミアのアン・ハサウェイは今より若くてお肌プリプリでキレイだけど。 「何事も○○になってからが大変」ってことかもしれませんが、大味なのは否めません。 女王様ジュリー・アンドリュースと警護役へクター・エリゾンドの秘めたる恋とキス・シーンくらいかな。 アビゲイル・ブレスリンは、ライナスのように指しゃぶりが直らない施設の少女が王室のパレードを見にきて…のパートでさりげなく達者なところを見せています。[CS・衛星(字幕)] 5点(2013-05-05 07:06:40)

20.  プリティ・ヘレン ゲイリー・マーシャルもケイト・ハドソンも得意とはいえないのに見たのは、アビゲイル・ブレスリンが出てるから。 監督としては、自分の映画に2本も起用していながら他の映画(「リトル・ミス・サンシャイン」)で有名になったのは、ちょいとシャクなんでは? 「サイン」の次あたりであれのようにママが死んでしまう役、泣きの演技が上手。 ヘレンの養子の一人で兄スペンサーと共演、ヒポ(カバ)のぬいぐるみが小道具で、靴ひもを結ぶエピソードがよかったです。 ストーリーは説得力なく、作りも古く、ヘレンも魅力なく。(世話になった牧師さんに誘われると、急に小バカにした態度に出るのがカンジわるかった)[DVD(字幕)] 5点(2013-05-03 07:00:00)

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