みんなのシネマレビュー |
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1. チィファの手紙 《ネタバレ》 岩井俊二の「ラストレター」の中国版である。 面白いが、やはり女の子のヒリヒリ感を出すには、 舞台が日本の方がいいみたいだ。 中国の女の子は、素朴過ぎて、ヒリヒリ感があるのかどうなのか? ヒリヒリ感とは、自傷行為っぽい繊細さを意味する。[試写会(字幕)] 7点(2024-06-12 22:56:52) 2. 怪物(2023) 《ネタバレ》 子どもは純粋無垢じゃない。 こども視点から描くと、彼らの世界は、ドロドロしている。 大人の我々は、それを忘れているだけだ。 子どもの扱いに巧い是枝監督が、その子どもワールドを描く。 観終わると、大人が「怪物」ってことになるのかな・・ 田中裕子の演技が、見事に映画の層を厚くしている。 貫禄です![DVD(邦画)] 8点(2024-06-09 18:38:36) 3. キリエのうた 《ネタバレ》 岩井俊二らしい映画。 女の子のヒリヒリ感を描かせたら、まぁ見事。 本作の歌姫は、「Picnic」のチャラを思い出した。 ただ思ったのは、東日本震災は、扱うのは難しい。 日本中の気持ちが沈んだ記憶は、下手な描写では、観る側の心が離れる。 前半は、ジョンカーニーか!?と思うくらい、心踊ったが・・ ラストの演奏会の騒動は、今の日本をよく表してる。 あるべき映画だと思うし、邦画界の力強さを表わしてて、見応えあった。[DVD(邦画)] 7点(2024-06-04 00:56:28)《改行有》 4. 棒の哀しみ 《ネタバレ》 奥田瑛二が刺されて、傷口を自分で縫うとこを見て、 エクスタシーを感じるのか、あるいは癒しを与えるためか、 女性が興奮するとこがスゴイ。 やはり、ロマンポルノの鬼才、神代辰巳は、ディープなエロさを描く。 男と女の性だろうか・・ 痛みをこらえる男を見ると、何かを感じる女性。 まさしく「棒」の哀しみである。[DVD(邦画)] 7点(2024-06-01 20:13:44)《改行有》 5. ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE 《ネタバレ》 面白いですね~ 接戦をものにした贔屓のチームの試合みたいで、爽快な気持ちになります。 まぁ終わって冷静になれば、いつもの娯楽映画だったって感じですけど・・ クライマックスの派手なアクションシーンで観客を思考停止にして、ラストしてやったりと 主人公が勝つ。そして「スパイ大作戦」のテーマ♪ これが007だと、スタイリッシュな終わり方になるんですけど、 このシリーズは愛の勝ちという感じですね。 (シリーズ3作目はちょっと違ってたかな?) でも騙されたくて、続編も楽しみにしてます♪[DVD(字幕)] 7点(2024-05-26 21:27:17)《改行有》 6. ノスフェラトゥ(1978) 《ネタバレ》 映像美のなか、おなじみのドラキュラの話が展開する。 ヘルツォークらしく、川と船も忘れない。 見事なドラキュラストーリー!名作![DVD(字幕)] 7点(2024-05-23 00:35:17)《改行有》 7. 36時間(1965) 《ネタバレ》 騙し、騙され、の二転三転が面白い! ドイツの医学者が、人間味あるとこがポイント。 こういう展開の映画は、地味ではあるけど、いつの時代にも創られている。 映画が楽しいとは、こういう映画の事なのだなぁと思う。 しかし、時間がタイトルの映画って、12の倍数が多いよね。 「48時間」「72時間」「96時間」・・[DVD(字幕)] 7点(2024-05-22 01:21:30)《改行有》 8. 素晴らしき戦争 《ネタバレ》 不謹慎なタイトル。 戦争のミュージカルという異色ものだ。 この不謹慎さは、製作された時代と関係ありそうだ。 同じ年、日本で公開した「MASH」は、戦争コメディである。 その前年にニューシネマの産声をあげた「俺たちに明日はない」が上映されてる。 ニューシネマに呼応したかのように製作されたか、 やはり「やってらんねぇ」っていう声が文化人から上がりつつある時代の空気だろう。[DVD(字幕)] 7点(2024-05-20 00:41:08)《改行有》 9. 決断の3時10分 《ネタバレ》 グレンフォードの何という存在感! 西部劇にロバートデニーロが出たら、こうなるって感じデス。 最後まで観ると、あれ?ホントにこの人、悪い人なの?って思う。 やっぱり、敵も人間がスゴイって感じを描いてくる。 だから西部劇は面白いって唸るんだよなぁ・・ 西部劇の懐の深さを思い知る一本! リメイクも観てみたい。[DVD(字幕)] 7点(2024-05-17 00:58:59)《改行有》 10. あの愛をふたたび 《ネタバレ》 なんという男!? これがまたベルモントのはまり役! まぁ嘘つきラブストーリーに、フランシスレイの音楽があっているのか、 いや、嘘つきだから、こんな曲が合うのか、 女遊びをしてるとはいえない自分には分かりましぇ~ん(笑) クロードルルーシュは、「男と女」の別バージョンに挑戦した。 それだけでも、一見の価値があるとは言えないか? (しかし「男と女Ⅱ」は観てないので、何とも言えないか・・汗)[DVD(字幕)] 7点(2024-05-13 01:39:38)《改行有》 11. ブラッド・イン ブラッド・アウト 《ネタバレ》 若い頃のギャングが、その後どうなるかを描いた映画。 「ワンスアポン~」の現代版ヒスパニック版である。 メキシコギャングと言えば、過激な「シティオブゴッド」を思い出す。 その血をひくヒスパニックたちも凄味がある。 興味深いのは、若い頃はひ弱な感じのハーフが、刑務所で頭角を現し、とうとう 世話になったボスまで殺して、トップに上り詰めるのだ。 そして、若い頃のリーダーが、警察側になり、彼と対峙するようになることだ。 ここが、いわゆる古典のギャングものと違う。 ドラッグ戦争ものである。ドラッグ戦争の映画といえば「トラフィック」「ボーダーライン」等々・・ 刑務所ものとしては「ショーシャンク」「父の祈りを」「デッドロック」等々・・ ハックフォードの作家的でない映像が、よりリアルに劇を引き立たせる。[DVD(字幕)] 8点(2024-05-12 19:38:15)《改行有》 12. ビクター/ビクトリア 《ネタバレ》 ゲイのミュージカルに、女装した謎の美声の美少年。 それが「サウンドオブ~」のジュリーアンドリュースなんですね! つまり、ボーイッシュな女性が、女性のフリをする美青年のフリをするという 倒錯した世界らしい、こんがらがった役どころを演じています。 面白いのは、そんな美少年をほっとけない、ギャングとも渡り合う実業家が出てきてから。 ホントに男なのか、風呂まで覗いてしまうんですね。 二人は結ばれてからが大変。 ゲイとは取引できないとかギャングにすごまれたり、笑ってしまう展開がミソです。 最後は相方のゲイ、ビクトリアがビクター役に扮し、笑いで包まれて、終わり! センス良い美少年ぶりに、品のいい80年代のアメリカ映画を感じます。[DVD(字幕)] 7点(2024-05-11 22:20:51)《改行有》 13. 曽根崎心中(1978) 《ネタバレ》 江戸時代。 お侍は男の意地で腹を切る、そんな時代。 忠臣蔵の元になった、赤穂藩の事件があったのもこの頃。 そんな中、女は、女の意地で恋のために心中して、何が悪い・・ そんなお初の心の叫びは、 今、徳兵衛とお初は時代を超えて結ばれた。 どうか、あの世で幸せになってほしい・・[インターネット(邦画)] 7点(2024-05-08 01:18:37)《改行有》 14. 愛にイナズマ 《ネタバレ》 本作「愛にイナズマ」や「蜜蜂と遠雷」など、「雷」天才女性を演じさせると松岡茉優は、いいね~ 家族を描いた秀作が近年、目立つ。 本作しかり、「台風家族」「ひとよ」など 上っ面の家族の本性が暴かれて、より家族の絆が強まるというのは、好まれるテーマらしい。 ここでは、佐藤浩市のお父さんが、実にいい人だったという秘密だから救われる。 完成した映画がどうなったのかまで描いてほしかったが、 それは本作の真のテーマではないからいいのだろう。 「春に散る」の窪田正孝の幅広いキャラの演じ分けに驚き! エレカシがピッタシの映画だった。[DVD(邦画)] 8点(2024-05-05 21:19:55)《改行有》 15. カード・カウンター 《ネタバレ》 スコセッシとポールシュレッダーのコンビである。 二人のコンビと言えば、「タクシードライバー」である。 あの映画も、ベトナム帰還兵のトラウマが描かれていたが、 本作も、軍での尋問に耐える姿が、映画に出てくる。 非常にカジノの蘊蓄や軍の尋問のことなど、 台詞に出てくる興味深い内容が面白い。 前半はそれで話を引っ張り、 後半、カジノで儲けた金で青年の未来を買おうとするが、 青年は復讐に人生をかけ、殺されてしまう。 それをギャンブラーが、代わりに上官を殺してまた刑務所もどり。 そんな話なのだが、 話の進行が、新しい。 出てくる建物、セットすべてが洗練されていて、 今までの生活臭のある映像ではない。[DVD(字幕)] 7点(2024-05-04 01:12:15)《改行有》 16. アンダーカレント 《ネタバレ》 嘘つきの映画といえば、日本映画では根岸監督の「永遠の1/2」。 今泉監督の本作のラストで、それを思い出しました。 嘘つきには、遠く離れてついていくとこ。 今泉監督の会話術の巧みさで、サスペンスタッチになっていくとこは、新境地でした。 でも真木よう子が嘘つきだったから、瑛太も嘘つきになったとも言えなくもない。 だから、お兄さんの一言で、真木よう子の魔法が解けたら、瑛太とも上手く付き合えるのではないか? だから三角関係の始まりのようなラストでした。 いいね♪[DVD(邦画)] 7点(2024-05-04 00:38:40)《改行有》 17. あのこは貴族 《ネタバレ》 地方流入者と地元。東京と地方。 この二つの軸が、一人のエリート男性一族の中で展開する。 エリートを高良健吾が好演。 嫌な奴なのだが、ラスト、門脇麦の表情に、さわやかな好青年なのかな?と思わせる。 門脇麦のただそこにいるだけのお嬢さんが、いかにも居そうな感じをさせる。 こんな人種、いるの~? いたら格差社会のモンスターだよ。 でも確かに地元民には、地方漂流民の姿は見えにくい。 地元民は繁華街とか近寄らないからだ。 大都会の男の不倫の対象にされた、二人の女性起業家の一言。 「私たちって東京の養分だよ」 大都会東京は、地方の若者の養分でこれからもドンドン肥え太るのか?[DVD(邦画)] 7点(2024-04-29 23:05:20)《改行有》 18. せかいのおきく 《ネタバレ》 どんな職業にも、それを見ている女性がいる。 そんな阪本監督の祈りが感じられた。 江戸は上下水道の整備された街だった。 これは欧米と違うとこだったようだ。 上水は、川から水を引いて、井戸を作る。 下水は、糞尿を集めて、田畑の肥料にする人たちがいた。 そんな糞尿を集める人たちの物語だ。 もともと阪本監督は地味な素材を傑作にする名手である。 このような素材も、一本の映画に仕立ててる。 安政の大獄で弾圧を受けた父と、その娘。 そんな、世界に日本が拓かれようとしている時代の女性を黒木華が好演している。[DVD(邦画)] 7点(2024-04-28 22:35:52)《改行有》 19. スイート・チャリティ 《ネタバレ》 シャーリーマクレーンの傷ついても傷ついても、愛を求める女が よかった。 ハスキーボイスがカワイイ。 何よりボブフォッシーの振り付けが、カッコイイ。 ダンスと言えば、今の若者にはオリンピック競技のブレイキンだろうけど、 昭和生まれの自分には、こんな振り付けがセンスの出発点。 非常に今観ても、映像的に刺さる。 ダンスの一瞬一瞬が、絵にしたくてしょうがないくらい、痺れるのだ。[DVD(字幕)] 7点(2024-04-27 21:24:34)《改行有》 20. 戦火のナージャ 《ネタバレ》 まず初めにロシアが今回のようなことを起こしたことを残念に思います。こんな素晴らしい映画を創る国なのに・・ このレビューは、本作だけのレビューではありません。 「太陽に灼かれて」から本作、そしてこのサイトには登録されてませんが、 「遥かなる勝利」へと続く3部作、まとめての評価です。 この3本全部観ないと、本当の良さが分からないと思います。 是非、大型連休にでも、全作観ることをおススメします。 世に3部作なる映画多かれど、自分のベストは、ミハルコフのこのシリーズが一番です。 戦争とは?夫婦とは?父娘とは?それを描いた見応えある3部作です。、 1作目だけでも名作と名の高い作品ですが、本当の良さは、全作観終わった後に来る余韻です。 ミハルコフは、手練れの演出も良いのですが、全作に連なる骨太なテーマに、思わず酒が進みます。 広い大地の国らしい、壮大な話でした。感無量!!!!![DVD(字幕)] 10点(2024-04-21 23:15:16)《改行有》
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