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1. 英国王のスピーチ
《ネタバレ》 この映画を日本人が楽しむのはなかなか大変ではないだろうか。
期待が大きかっただけに、これが作品賞受賞作かと寂しさを感じもする。
話は極単純だ。吃音に悩む王子が、妻の愛や言語療法士のサポートを
得て、困難を乗り越え戦時下の誇りある国王に就任するまでを描く実話
ものである。
長男である兄が人妻との恋愛で王位を返上した有名な話を絡めながら、赤裸々な
王室の内情を描いてはいるが、何か表面的で、他民族が観て特別胸を衝かれるような
真に迫るシーンは私には見受けられなかった。役者も特別上手いとは感じない。
英国人の英国人のための映画、そのような印象である。
アメリカは何時までも英国と共にあるのだなと、尊敬する兄として遇するためには
アカデミーの一つや二つは御安い御用なのだなと、映画の質にこそ価値を見出すべきと
考える者には些か寂しくもなるのであった。
乱れ切った英王室を見るにつけ、我が国皇室が何時何時までも清く正しく美しくあって欲しいと畏れ多くも願わずには居られない。[映画館(字幕)] 4点(2011-03-25 00:59:20)《改行有》
2. 告白(2010)
《ネタバレ》 キネマ旬報ベストテンは最早その役目を終えたのかも知れない。
受持ちの生徒に娘を殺された中学校女教師の復讐譚。まるでマンガの様な、ゲームの様な、荒唐無稽な、現実味の無い、痛みも涙も憎しみも悲しみも下手にカリカチュアライズされ、まるで蝋人形のように血の通わない、したがって観る者が作中の登場人物に感情移入が出来ない、いかにも作り物といった作品に仕上がってしまっている。
結局人間の感情、心の揺れが表現できていない為に、叫びや血や涙や炎が飾りとしてしか機能しない。
面白いでしょう、怖いでしょう、可哀相でしょう、今の中学生ぽいでしょうはい二時間経ちました、映画です。そんな印象である。
只「なーんてね」は、非行の矯正など不要で、罪には罰を! という製作者の意思が見えて良かった。
しかしこれがキネ旬の二位とは邦画の(洋画も似た様な状況だが)現況に暗澹となる。
ベスト作品を一本を選ぶことさえ儘ならない時代に、ベストテンはいかにもつらいのではないか。[DVD(邦画)] 3点(2011-01-22 01:08:59)(良:1票) 《改行有》
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