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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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181.  ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 《ネタバレ》 世界のある場では澄んだ水の「プール」ある場では汚い「おしっこ」となる「ピシン」の名を貰い対照的な二つの事柄と折り合いをつけることを運命付けられた主人公。名前の由来を作った男に泳ぎを教わり、オシッコの名から逃れるために自名の先頭二文字をとって「パイ」の通称を定着させる。誰も終わりを確認したことない無限の「円周率」を膨大に暗記して。この時パイは終わりの見えない広大な海で生還する為の努力を身につけるとともに、自分の名を通して「無限」と「循環」を身近なものにしていく。澄んだ水に始まり汚れたオシッコとなる命の営みも実は循環しており、泥を食べた子の口の中に宇宙が広がっていたのも「無限の循環」。父は神を信じず科学を信じ肉を食い、母は植物学者のベジタリアン。父は優しい幻想よりも厳しい現実に重きを置きトラの実態を見せる。一方、母は学者だが「心の問題」は科学に頼っていない。そんな両親の元で、あらゆる宗教に触れ真理を探ろうとする。父母に相違がありながらも、愛し合う夫婦であるように、相違ある宗教にも等しく心を傾けてみた。これが主人公が試練を生き延びる準備段階の物語。海に投げ出された主人公は、肉食と菜食主義の狭間で葛藤する。肉食を許せない菜食主義の自分は船の外にいて、とうとうシマウマに手をつけたトラに悲しむ。けれどいつまでもそのままでは生きていけない。菜食主義者はカツオを自分の物と主張しトラに譲らないまでになり、やがて主人公とトラは同じ船に同居する。鏡写しに対照の海と空の真ん中で。だが嵐の神に遭遇しトラは激ヤセ、菜食主義者も共に瀕死の姿。神に召される覚悟を決めたあと、女形の不思議な島で彼は植物が動物の屍骸を吸収する「生命の無限の循環」と、ミーアキャット一種だけの「多様性皆無の世界のつまらなさ」に気づく。菜食も肉食もありの多様な中で命は循環している。気づかせたのは、別れた彼女に問うた「森に咲くハスの花」。馴らしたはずの肉食獣は陸に戻ると挨拶もなく去る。所や場合が変われば何が正しいかも変わるから。「さよなら」を言わないのは、無限の循環の中で繋がっているからかもしれない。「ピシン」一つが二つの異なる意味を持つように、一つの真実は二つの物語を生み対照的な二つのものに折り合いをつけた。そして物語は名付け人を介して語り部に循環していく。 最後の独白は英字幕を読むとコックがただの悪人でないと分かる。コックはパイに自分の肉を捧げた。[映画館(吹替)] 10点(2013-03-13 00:16:51)(良:4票)

182.  フライト 《ネタバレ》 ゼメキスの作品は好きなものが多く、期待しすぎていたのか、わりとガッカリでした。「あなたの意見は?」と求められて「ん~、わかんない!」と答えるのは誉められないお国だからなのか、「I don't know」と答える選択肢が頭の中に微塵もないかのようなクライマックスの狼狽ぶりに、僕の頭の中は「?」で一杯になりました。酒飲みまくって充分眠らず目覚ましにドラッグという主人公が悔い改め、そういう態度で人命預かる仕事に臨んだことについて罰せられてもいいですが、事故の責任の所在は別なんじゃないかという思いで、観た感想は釈然としません。「それはそれ、これはこれ」って考えはないのですかね? 尾翼の交換を怠った問題は触れられたけれど、「誰のせいで事故が起きた?」という点において明確なオチに至らず、主人公が責任のなすり合い合戦の犠牲になったようにしか感じられませんでした。ラストも、息子の態度の変わり様のわけが分からず、とって付けたハッピーエンドにしか見えなくて、ちょっとシラけてしまいました。結局、お酒とかドラッグに対する依存の話しで、軸がブレまくり。脚本に説得力がないと思います。ジョン・グッドマンが良かったです。[映画館(字幕)] 5点(2013-03-08 19:54:44)(良:1票)

183.  幸せの教室 《ネタバレ》 とってつけたようなバイク仲間と女のコとその彼氏。主人公を引き立てていくのに都合よくストーリーのガイド役となってもらい、要らなくなったら学校やめさせてそのまんま。なんじゃ、それ。トムもジュリアもなんだかえらく歳を感じるし、この映画のジュリアはほとんど可愛げがない。あの女とキスしてそんなにはしゃぎたくなるか? ラストのスピーチだけ良かった。TVシリーズの『スタートレック』でお馴染みジョー・タケイの教授役と、スピーチ授業のトレッキー話がちょっとウケた。脚本も主演も監督も全部自分でやるほどの何ですかねぇ?[DVD(吹替)] 2点(2013-02-08 22:15:45)

184.  ファミリー・ツリー 《ネタバレ》 作られた感動をグイと持ってくることはなく「♪ なんでもないよ~なことが~ 幸せだったと思う~」的なオチをじっくり見せるラストシーンは印象には残りました。特別に気を張らずに、ただ同じ時と空間で過ごすだけでも、深刻な家庭崩壊は避けられるかもしれませんね。けれど、やっぱり全体的にインパクト弱かったかなと思います。妻の浮気相手と対面したのがピークでゆっくり着地していった感じです。『バックマン家の人々』でキアヌが演じた役どころのような、長女のボーイフレンドが「なんか、いい奴じゃん」みたいな印象を残しました。ハワイなんだけど、全体的に薄曇りふうに抑えられた色調や天候はどういう意図を狙ったんでしょう。奥さん役って、冒頭のボートシーンの一瞬以外、健康時の回想シーンも一切なく、徹底して植物状態の演技だけでしたね。彼女の人となりを全く本人の姿で描かない意図はどういう狙いなんでしょう。見終わったあと、そういうことが引っかかってしまう出来でした。[DVD(吹替)] 6点(2013-02-05 23:14:36)

185.  ミッドナイト・イン・パリ 《ネタバレ》 ウディ・アレンの作品はこれまで『カメレオン・マン』と『カイロの紫のバラ』しか観たことがありません。カイロの…にちょっと似た設定にも思えましたが、過去の有名人たちと交流していくストーリーはワクワクしました。僕個人は生きたヘミングウェイとロートレックと交友を深めてみたいです。同じ時を生きても場所が違えば出会わないことを思うと、人と人との出会いというのは奇跡的なものだなと思いますし、この映画のように時代を越えて人と人が交流できたら素敵でしょうね。想像力が豊かであれば、過去に遺された作品を通して作家と会話できるのかもしれません。雨のパリを歩くのが好きな主人公に付き合ってくれる人間が誰も現れないことに、とくに意識していませんでしたが、最後のシーンに「そういうの、けっこう大事だよねー」と、ほろっとしてしまいました。楽しめたし終わり方も好きですが、1回観ればもういいかな…という感じではありました。[DVD(吹替)] 6点(2013-02-04 21:38:53)

186.  LOOPER/ルーパー 《ネタバレ》 私は良質のSFというのは科学的理屈やディテイルに完璧こだわることではなく、いかに人間や社会というものを描けているかどうかだと感じています。タイムパラドックスもののセオリーがどうたらこうたらと、物語が伝えたい本質とさほど関係ないことにうるさい人たちに、この作品の評価を落とされてしまうのはとても残念な気がします。この作品は2作目までで終わらせとけば良かった『ターミネーター』シリーズの愚かなループと、『マイノリティー・リポート』がうまく描くことのできなかった部分に、強烈な答えと光を提示してくれたと思います。私がこの映画を観て強く感じたことは「世界を良くしたいなら、まずは自分の子供を愛して大切にしっかり育てなさい」ということでした。最後に復習に来るキャラクターでさえ、自分を拾ってくれた悪人に自分の存在価値を認められたいという愛情を欲しているし、すべてのキャラが自分と関わる者との絆を大切に思っているわけですが、その大切にする方向や方法が問われてる映画だったと思います。ひとりひとりが他者への思いやりを持ち、かつ家族が愛し合って健やかに心を育て合うことができれば、社会は未来は良い方向に向かうはずだと、そういう魂を感じる良作でした。子役、上手い子を見つけたなと思います。幼くして持つ重い枷に潰されまいと、同年代に比べてしっかりした判断行動を見せる健気で逞しく孤独を秘めたキャラに合った目をしてました。[映画館(字幕)] 9点(2013-01-22 18:27:10)(良:2票)

187.  アポロ18 《ネタバレ》 設定に興味を持ったのでレンタルしましたが、宇宙グモ(月グモ?)の出現でテンション一気に下がりました。「こんな幼稚な映画に興味を持ってしまった」とゲンナリ。ただの怪物ものだったとは…。もっと国家間の問題や陰謀が絡んだフェイクを期待してしまいました。エイリアンものとしてアポロ絡みのフェイクドキュメントするなら、どうやって生命エネルギーを維持して種を保存してるのか、普段存在しない人間の体に入り込んでどうしようってのか、嘘なりに科学的設定なり考察場面なりないと、SFとしてつまらないです。そんなことどうでもいいっていう宇宙版「パラノーマル・アクティビティー」だったとは…。全編、発見されたフィルムからの編集って「この場面で誰がこのアングルにカメラセットして記録してたんだ」と思ってしまう部分が多すぎました。最近の映画界の未知の生命体のクオリティは幼稚が過ぎます。いい加減イカタコカニクモハチュウルイを離れて、昔見た『アンドロメダ…』みたいに科学少年の心をときめかせるような存在にチャレンジして欲しいものです。[DVD(吹替)] 4点(2012-12-24 03:38:26)

188.  CUT(2011) 《ネタバレ》 途中まではかなり面白く思えたし、単に視覚上のことでも主人公が夕暮れの屋上をグルグル走るシーンの色調とかとてもいい感じに思えたりしてました。けれど、主人公が熱く訴える思いの中あれほどの借金をしてまでどんなフィルムを手がけていたのか、そこは全く描かれていかない。結局、主人公は借金を返すために殴られるだけの人物像に成り下がって行く。ヤクザの事務所だかなんだかも、あれほどスペースをとってしまうボクシングのリングが常設してあって、常設するからには普段ヤミの賭けボクシングだの一応プロの選手育てているだの何か利用されているはずだけど、その描写はちっともないお飾り。あんなリング設備がありながら、まともなサンドバッグの打ち方する人間一人登場しない。主人公の殴られ屋は、たとえ腹だけだとしても素手で何発も受けてたら、回復が追いつかないから連日営業は絶対無理! アバラだって絶対ヒビはいるはず。それを顔面まで素手パンチを無数に受けるとか、死んじゃうだろうし、そうならなくても失明するはず。この映画を作った人たちは現実の痛みもよく知らないバーチャルどっぷり世代なんでしょうか? このバカバカしい描写がずっと続く中で「本当の映画というものは…」みたいなことを言われても「あんたらこそ、分かってないんじゃね?」という気分になっていく。 最近の映画に言いたいことの気持ちはとても共感できるけど、それ言う君がこんな程度の作品かい…て話です。[DVD(邦画)] 3点(2012-12-12 15:28:16)

189.  ブレーキ(2012) 《ネタバレ》 「リミット」にすごく似た作品。「リミット」の観終わったあとの気分悪さに比べたら、この作品はそういう気分にさせられずにすみました。ただ、それが映画の質として良いことかといえば、この映画がラストに意図したことを思えば成功しなかったということだと思います。完全にネタバレになりますが、あまりに壮大なドッキリ。「ゲーム」に比べたら、よっぽど納得できるドッキリですけどね。そこに説得力が出るのは犬と飼い主が生きていたシーンがあるからですが、このオチからなかなか終わらずズルズル続く展開は「キャリー」「殺しのドレス」「エイリアン」「トゥルー・ライズ」などでパブロフ的にインプットされているので、もう一つ展開が待っているのがバレバレ。そうなると、当然最後のオチは誰もが考えてしまうところだと思います。そして思った通りになります。しかも、隠し通した秘密のバレ方が偶然を頼りすぎたお粗末さで「うっそ~」です。このために犬と飼い主のお芝居まで準備していたなんて、なんか細かすぎるというか、チャチというか…もっと頭脳戦による情報収集力があるんじゃないかとか、どうせ殺すなら物凄い拷問という野蛮な手も存在するんじゃないかとか、そういうことを考えてしまうので、最後の最後はやはりチャチです。やるとしても、やっぱりそうだったのかと匂わせたところでスマートに終わった方がいい余韻が生まれたような気がします。最後の方になってトム・ベレンジャーを初登場させる演出は良かったと思います。 他の方も仰ってますが、タイマーは意味不明ですね。タイマーの裏に存在するルールが全くない見えてこない(何度も何事もなく0になる)ので、思うほど緊張を高める効果はなかったと思います。[DVD(吹替)] 6点(2012-12-08 10:48:18)

190.  テイク・シェルター 《ネタバレ》 主人公の役者さんは花がなさすぎる。その彼の成り行きばかりをスローで展開するストーリーは絵的に見応えがなさすぎでした。シェルターに避難したあと、なぜ主人公本人に扉を開けさせることに固執するのか、心理学的な克服を思ってのことでも、なんかイライラ。 セラピーはたとえば「宇宙人が侵略してくる」と現実に真剣に受け止めにくいような話をされた場合に、それを信じてあげることではなく、言っている本人が本気でそう思っていることを否定せず認めてあげることだったような気がする。 なぜ主人公にだけ特異な予知夢(実際は現実になるまで予知夢であるかすら判断しようがないもの)が訪れるのか、そっちの方が大きな問題と思うが、まぁ映画では彼の夢がとうとう現実になることで、その後彼の能力は大きな注目を集めることになるのかもしれない。 けれど、そうなるまでは、普通どんな人だって信じてあげるのは無理。軽はずみに何でも信じてあげてたら、振り回されて大変なことになります。 大事なのは、言っている内容を何でも信じてあげることではなく、そういう意識と戦っているという事実をしっかり受け止めてあげることだと思う。[DVD(吹替)] 2点(2012-12-03 12:33:49)《改行有》

191.  ツリー・オブ・ライフ 《ネタバレ》 小説で新人賞獲ろうとかって場合、ラストにどれだけスゴいオチが待っていようとも半分も読む気になれない作品はダメだとか聞いた記憶がありますが、この映画はまさにその部類のものだと自分は思います。壮大な時空を追いながら、ある親子の絆を描こうとする試みなのかなんなのか僕にはわからないけれど、広大な時空を舞台になぜ人類全体の描写ではなくある特定の特異なタイプの親子の絆一つに絞り込むのか、そこにどういう意図なり効果が期待されるのか、作品の半分も付き合う気持ちになれないです。つかみは全然OKじゃないし、その上に半分も見続ける気持ちにさせないなんて、やっぱり上手なストーリーテリングではないと感じてしまいます。壮大な時空にひと組の親子というだけならまだしも、ポルターガイスト現象みたいに椅子が勝手に動いたり、人が宙に浮いたり、さらに意味不明。我慢強くずっと見守ったからといってラストにすごいオチが待ってるわけでもないです。どれだけ有名で認められた映像作家だろうと、自分がどれだけ見る目のない低脳であろうと、この作品に真摯に付き合えない自分でいることに何のマイナスも感じない。この作品を理解できる感性が自分に備わっているとしても、これはかなり観るタイミングを選ぶ作品だと思う。キャッチコピーが気になってレンタルしたのに。。。0点を付けないのは、とくに不快でもないからです。 ただ「分かる人だけ分かってもらえばいい」みたいな姿勢は商業媒体でやっている以上、作家として失格なんではないでしょうか? 「父さんのこと嫌いでした」系なら、これ見るのに時間割くより、いつまでも同じことうだうだ繰り返してる某アニメを見る方がまだ価値がある気がします。【11/28追記】 悩みも心配事もない落ち着き切った平穏な時に再鑑賞。 多分、万物の誕生・成長・進化と神(法則=ルール)の物語。キャッチコピーの「父」とは多分「神」に変換可。宇宙を作り出し、生命を生み出し、人に「我々は一体いつどこからなぜやって来た?」と意識させた時、哲学や宗教や道徳や芸術や科学が生まれ、人は自らのルーツへの意識からあらゆる分野の発展と発見と進化を遂げた。なのに理不尽な不幸はなくならない。そんな神など嫌いでした…けれども…って話だと受け止めました。幸福には当たり前で感謝なく、不幸には強い不満を訴える、その対比は雄弁。涙の出る良作と認識。1点から大幅変更です。[DVD(字幕)] 7点(2012-11-27 00:48:09)

192.  おじいさんと草原の小学校 《ネタバレ》 一点の迷いもなく10点満点です。とても素晴らしい作品だと思います。多くの人に観てもらいと思ったはじめての映画です。 主人公が国を守るために払った大きな犠牲について、とても残酷なシーンが幾つかあります。当人が受けた拷問の回想シーンと、彼の家族が失われるシーンは非常に辛いものです。そのためにR12指定作品になっています。 けれど、そこの描写をオブラートに包んで適当に流したのでは、こうした犠牲と戦ってきた人の内に秘める思いなど分かるはずもなく、これらをしっかり目をふせずに描いた姿勢は力強い意思を感じます。 吹き替えもなくR指定なので、11歳の我が子には見せるつもりはなかったのですが、パソコンをいじっていたのをやめてテレビの前で見始めました。小学校教育無償化で押し寄せる子供に混じって一人の老人が通学を希望するという冒頭に引き込まれたようで、しっかり集中して見ていました。 途中で友人と外に遊びに出るつもりでいたらしいのに、物語に完全に引き込まれてしまって、結局最後までジッと鑑賞していました。 これまで息子の前で泣いたことなかったのに、とうとう涙が抑えられず何度か泣いてしまいました。 辛い過去の記憶に人が引きずられる時、第三者は「忘れなさい」「手放してあげなさい」とか言う。でも、本当にひどいことっていうのはそう簡単に忘れたり無条件に許したりできるものじゃない。そうあるべきだし、だからこそ人間には「絶対にやってはいけないこと」があると思う。 だから、この物語の主人公が首都まで出向き訴える言葉は、非常に価値の高い、魂のこもった言葉です。そして、それが恨み辛みのための抗議ではなく、人々が前進するための静かで気高い叫びでした。このシーンがかなり大きな山場ですが、そのあとに訪れるシーンにも何度か泣かされてしまいました。 どっしり感動作です。残酷シーンはなんであれダメという人以外には是非見ていただきたいオススメの映画です! [DVD(字幕)] 10点(2012-11-24 13:16:06)《改行有》

193.  トゥモロー 僕たちの国が侵略されたら 《ネタバレ》 レンタル店でパッケージの解説を読んで、その設定に強い興味を引かれて借りてみました。パッケージデザインの雰囲気とかで「きっと大ハズレだろうから期待はするまい」と覚悟してのレンタルでしたが、その予想を嬉しくも裏切ってくれました。はじめに断っておくと「他国が侵略してきたのに、こんなに軍隊の見張りスカスカであちこち動けるのかよ」という大きな突っ込みどころがあるわけで、そこを考えるとリアリティーは遠ざかっていくのですが、そんなことをあまり突っ込みたくならないくらいの面白さでした。けっこうアドレナリンばくばくもんでしたよ。「この非常時に飼い犬とかあきらめろよ。この非常時に誰も殺さないとかこだわってんなよ」といったキャラがストーリーの締めにうまく使われていて印象に残りました。終わり方は、連続テレビドラマの初回2時間スペシャル版みたいな感じでした。もしかしてホントにそうだったりして。青春ドラマのよくある誰と誰がくっついて・・・みたいなテイストと突然の国家侵略とサバイバルという組み合わせが、いい具合にブレンドされて、このクオリティが保たれていれば、シリーズを見てみたいような良作でした。[DVD(吹替)] 8点(2012-10-04 17:42:57)

194.  おとなのけんか 《ネタバレ》 ヒッチコックの『ロープ』みたいに、ほとんど一部屋の中で4人の人物が物語を進行していきます。両親vs両親 という対峙関係のはずが、奥様~ずvs旦那さんず の対峙関係を見せたりして、予想以上に楽しめました。ジョディー・フォスターとケイト・ウィンスレットが酔って本性を剥き出していくというコメディの共演を見ることが出来たのは、なかなかの贅沢体験でした。ブラックベリーの携帯をアップで映して外の景色にカットが変わり、エンドロールが出始めた時は「え、これで終わり?」と、ちょっと拍子抜けはしましたが、それまでけっこう笑わせてもらいました。ちょっと肩すかしだったエンディングも、当の子供たち本人はあっけらかんと仲直りして遊んでる状況は、じわじわと可笑しくなってくるし、ハムスターが飄々と生きてた姿も親たちの口論を思い出すとじわじわ来るし、ブラックベリーも結局なんとか直ってるっぽいし、なんだかんだハチャメチャあったけど大した損失はほとんどなかったという締め方はなかなか心地いい感じがしました。感想の持ち方は人様々なんだろうけど、エンドロールを眺めながら、僕はあの4人はああやって本音をぶつけ合ったことでもしかするとこの先いい友達になるかもしれないと、そんな期待を感じてしまいました。子供同士はあんなにすぐに仲直りできるんだしね。「大人だって時には本音でぶつかれば?」「その方が歪んだりしないで健全で気持ちよくない?」と、そんな問いかけをされたような気分でした。少なくとも、外面は「大人の対応」で内側ではドロドロ・・・というより、あの4人の衝突の果ての子供じみた様の方がよっぽど清々しく気持ちいい。そういうことを思いました。[DVD(吹替)] 7点(2012-10-04 17:13:11)

195.  デンジャラス・ラン 《ネタバレ》 結構ハラハラはできました。とは言え、そのハラハラは決してストーリー展開によるものではなく、つい今までしゃべっていた人が突然の銃声と血しぶきと共に魂のないものになったり、退屈すぎる日常に置かれていた主人公がいきなり一人で危機回避を迫られる序盤のみのことで、お化け屋敷タイプのもの。もともとこういう類の話は誰を信用すべきか分からないというのが極々当たり前な前提だったりするので、影の敵が見えてきても相当工夫してないと驚きがない。付き合っている彼女とのエピソードにも深い展開はなく、秘密と安全のために生じる隔たりをサラッと描写する程度のレベルで、観る者の感情にあまり響いてこないし、それでいてラストシーンに彼女の存在を持ってきても、イマイチぐっと来るものがない。こんなんなら、彼女のエピソードは割愛してデンゼルと主人公の魂の葛藤をもっと描きこんで、手強い悪に屈しない男と男の友情物語として徹底昇華してくれた方が印象が強くなったのでは? 調べてないけど、デンゼルを濡れタオルで拷問した人は、多分ターミネーター2のT-1000の役者さんでは? シャープで敏捷なヒョウのようなイメージだった彼がまたちょっと違うタイプのイメージでお年を召した姿に、時の流れを物凄く感じてしまいました。デンゼルの死の演技は印象的でした。[映画館(字幕)] 6点(2012-09-16 02:49:13)

196.  リアル・スティール 《ネタバレ》 子どもは大変盛り上がって観てました。大人の自分はそれほど楽しめませんでした。なんでそんなに日本びいきみたいな作りにしてるのかも、なんとなくいいカモにされてるみたいで引いてしまった。アトムって名前も「リスペクト」と言われればそれまでだが、なんか気分良くない。モヒカンの兄ちゃんと賭けをする闘技場のシーンはCGアニメ化された鉄腕アトムのシーンとソックリでどんどん複雑な気分に。自分としてはロボットの格闘にあまり関心がわかない。ジャックマンの現役ボクサーシーンがあればと期待したけど無し。ラストは良かったと思います。というのも、オリンピックのとんでもジャッジをいくつか見た後だったので、タイムリーでした。結局、いくら頑張っても大人のきたない事情で物事が裏返っちゃう現実もあるよって、そういう部分を子供だましに葬らなかった運びは予想外で、しかもそれで後味悪くすることはなく「本当はどっちが勝ったか、みんな分かってるよ」といった描写で心を癒してくれる。[DVD(吹替)] 5点(2012-08-12 02:08:25)

197.  宇宙人ポール 《ネタバレ》 『ショーン・オブ・ザ・デッド』をまるで楽しめなかったもので、ハズレを覚悟しての鑑賞でしたが、今作は楽しめました。コメディではあるけど、よく考えてみたら、派手なデザインを加えていないそのまんまのグレイを中心に添えてしっかり作り込まれた映画を見るのは、これが初めてです。ラストはちょっと感動しちゃいまして「こんな『未知との遭遇』が見たかったんだよー」と嬉しくなりました。ラストUFOが去ったあとの、あの何とも言えない間抜け且つ余韻ある間が、何とも言えないセンスを感じます。[DVD(吹替)] 7点(2012-08-10 04:07:20)

198.  スマグラー おまえの未来を運べ 《ネタバレ》 レンタル店でズラリと並ぶ空ケースにたった1枚の在庫。そんなに面白いの? とパッケージを手にとり裏のストーリーと解説を読もうとしたらシールべったりで読めず。なんだかよく分からないけどレンタルしちゃえと、軽さと勢いで鑑賞。R指定とは気付かず11歳の子供と共に見始めた。かなりドギツイ! とは言え、クスクスと笑えるシーンもあって「ま、なんとかなるかな」とヒヤヒヤ混じりに見進めて、身代わり妻夫木くんへのイカレ高嶋くんの暴行シーンでとうとう鑑賞ストップ。あまりに酷い。調べたらPG12らしいけど、その程度の規制でいいのか? というくらい暴力描写がキッツイ。やり過ぎ。イカレテマス。後日一人で続きを見たけど、嫌いにはなりませんでした。ただ、心に何か残るのものがあるかといえば、全くないです。いや~、大した根拠もなく「妻夫木くん出てる作品なら、そんな危なくないやろ」という判断はバカでした。ビバリとルイにもどこまでやるのかハラハラしたな~。カオナシに飲み込まれたカエルの声で喋るヒゲおっちゃんが、ニセ郷ひろみ若人あきらと気付くときの軽い感動とか(青蛙の声は実際この人)、「この人『鮫肌男と桃尻女』でもおかしな役してたな」と思ったら監督さん同じ人だったとか、可笑し怖いヤクザのオヤビンが、がばいばぁちゃんの原作者とコンビだった洋八さんと気づく時のガチョーンとか、背骨を「バトルロワイアル」で出てたよねと気づいたり、永瀬ってこんな渋くてカッコ良くなるのかと感心したり、そんなとこを楽しみました。妻夫木くんが背骨を演じ切って起死回生する場面のお目出度さには笑うしかないですね。永瀬正敏の銃乱射を避けまくる背骨は笑えるレベルを通り過ぎてハズしまくりでしたが。なんだかすごくビョーキな映画でした。[DVD(邦画)] 6点(2012-08-10 02:59:00)

199.  GANTZ:PERFECT ANSWER 《ネタバレ》 テレビ放送を録画してまとめて観たので、うまく2作品に分けてレビューできる記憶が無いため、まとめてこちらの方に書きます。邦画にしてはかなり出来が良いと思いました。ネギ星人や田中星人(原作は田中星児をモデルにして笑いもあり何体も出て来るんだそうですね)もよく出来ていたと思います。マンガを読まないので原作のことも知りませんでしたが、この原作を読んでみたくなりました。映画の後半はシッチャカメッチャカな感じはありましたが、手のひらサイズの黒いボールという展開は『LOST』なみに引き込まれる新展開でした。理由も分からないまま他者を殺戮するゲームに投じられ、気がつけば自分たちが自己の利益(解放)のみにとらわれて理由無き殺人(?)をしていて、復讐に転じられるという展開は「あ、そうだよね!」と思わされました。誰かのためにともっともらしい「愛」の理由で、あるいは誰のためでもなく自分自身のために、他者を傷つけ点数を稼いでいく殺伐としたシステムで人を縛り付けながら「新しい朝が来た希望の朝だ」とラジオ体操の歌が流れる皮肉は『バトルロワイアル』原作の皮肉と共通する小気味よさで、それと同時に『2001年宇宙の旅』のモノリスのように、閑散とした小さな部屋に佇む黒い球体の無機質な不気味さが印象的でした。球体の中で眠る人間は一体なんなのか、あっと驚くほどのひねりでは無いけれど、良い落とし所だと思います(原作の落ちも気になります)。人間なんて「自分を犠牲にしても愛する者のために」などと言ってみても、多くの人が共通に理解できることでありながら、それは自分の日々の暮らしの実に小さな世界の中での極限られた存在に対して思うことで、それ以外の人間に対してまでは思いを巡らさない。人を愛したことのある人間なら「あるある」で世界中の人々が共感し合えることであっても、実際のところそれが世界をひとつにまとめてくれるわけではなく、冷たい無機質な「システム」は人間のそういう身近な対象だけへの「愛」を利用しながら、新たな搾取と淘汰の競争を強いて、システムを維持していく・・・そういう話かなと解釈しました。仏像との対決や電車内の格闘などは飽きが来る感じもありましたが、全体的なストーリーは素直に楽しめました。[地上波(邦画)] 7点(2012-06-18 00:09:57)

200.  127時間 《ネタバレ》 ダニー・ボイル作品にいい印象がなかったので、ハズレの疑いを持ちながらレンタルしたのですが、この作品は素直に良かったと感じました! ラストになるまで実話だとは全然知らずに観ていたので、ずっと作り話だと思いながら鑑賞していたのですが、作り話だと思っていても、あの切断シーンは身がよじれる強烈さでした。自分にとってはスプラッター映画なんて目じゃないグロさとリアリティで、これが実際にあったことと知った瞬間には呆然としてしまいました。他人に無理矢理ではなく、自分自身でやるのだからたまらなすぎる。宣伝キャッチにおいて「決断」なんて言葉が使われてるし、予測は出来ていたけど、そのうえ作り話とまで思っていたのに、決行に移した時は「マジかよ!」と思いました。自分ならきっとあれを出来る根性はなく、衰弱して死んでいく方を選ぶような気がします。この決断場面の凄さのために、誰にでもお勧めできる作品ではなくなってしまっているのは勿体なくもありますが、しっかり描いている姿勢に好感を持ちます。映画のインパクトについて、このシーンが何よりも強烈に刻まれてしまうのですが、映画の語るべきことが決してそこではなく、きちんとした人間ドラマと命が刻まれているので、良質なストーリーに仕上がっているなと感心します。軽快な音楽をバックに流れる飲料水のCM映像も力強い印象を残すし、主人公がビデオを巻き戻して初めて知る映像のエピソードや、反省の思いの中で「この岩はずっと自分を待っていたんだ」と語る心の声などがとても印象的でした。泳いだプールサイドに待つ親兄弟達の画面にはホロリとしました。幻影を見た時の子供の姿が、将来の自分の子供という希望の象徴だとは気づけず、そこがちょっとだけ残念でしたけど、とにかく力強くて良質な作品だと思います。「死ぬ気になれば何でもできる」とか、そういうセリフを本気で言ってもいいのは、この主人公のような人でしょう。[DVD(吹替)] 8点(2012-05-27 19:15:31)(良:3票)

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