みんなのシネマレビュー |
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2001. エイリアンVS. プレデター 人気TV番組『どっちの料理ショー』の、カレーライスVSラーメンの回を思い出しました。(番組内容は、出演者の多数決で多数派になったメニューのみが食べられるというもの。少数派に投票した出演者は食べられないルール。もう終了しているので念のため。)大物メニュー対決とあってスペシャル仕様。ラーメン側は確かギョーザをおまけに付けるという荒技に出ました。沸き立つスタジオ。負けじとカレー側がおまけに付けたのは、トンカツ。つまりカツカレーにした訳です。「美味そう~」「ヤバイ、マジヤバイ」「そんなの付けたら反則だよ」的リアクションで絶賛の嵐になるかと思いきや、このときの出演者のリアクションの薄いこと、薄いこと。明らかにテンションが落ちているのです。結果はカレーの惨敗。あるゲストははっきりと「カツは余計だった」というコメントを出していました。(結構ガチな番組だったんですね。)長々と映画と関係ないことを書きましましたが、何が言いたいかというと、プレデターがカレーでエイリアンがトンカツだということです。[CS・衛星(字幕)] 5点(2006-10-19 19:30:32) 2002. マルコヴィッチの穴 《ネタバレ》 まずシュールな設定が笑いを誘います。7・1/2階、低い天井、勘違い社長…。最初はコメディかと思いました。でも、全体としてはラブストーリーの要素のほうが強い。人形使いのグレイグとその妻ロッテ、そして魅力的な女マキシンの3角関係。グレイグもロッテもマキシンを愛してしまう。彼女は社会的成功のためグレイグを選ぶものの、心の底ではロッテを愛していた。自業自得とはいえ、グレイグの末路は哀れです。トンデモ設定や、マルコヴィッチを媒介していることから、複雑そうに見えますが、基本の骨組みは実にシンプルでした。でも、本作はコメディやラブストーリーの枠にとどまりせん。それが本作の特徴。レスター→マルコヴィッチ→マルコヴィッチの娘へと受け継がれる器。その器に入り込み永遠に生き続けるという発想は、輪廻転生を連想させます。人間は遺伝子の乗り物であるという理論にも似ている。それだけにラストの余韻は深いです。さらに、「マルコヴィッチ」というパーソナリティについて考えてみるのも面白い。自我を失ったマルコヴィッチはマルコヴィッチといえるのか。生死の倫理観にまで考えは及びます。ただ、そうはいっても本作のキモは、あくまでトンデモ設定を楽しめるかどうか。全員マルコヴィッチや、ハゲヅラのチャーリー・シーン、本人登場ショーン・ペンを笑えるかどうかです。そのあたりを楽しめれば、本作は相当面白いのでは。ただ、自分はマルコヴィッチ氏のアメリカ俳優界での立ち位置が分かりません。“あえて”マルコヴィッチであることのニュアンスを理解出来れば、本作は自分にとって満点級の作品でした。[CS・衛星(字幕)] 9点(2006-10-18 18:48:50) 2003. ベイブ 『子供・ファミリー向け動物もの』の体裁ながら、本当は大人(とくに政治家)が観るべき作品だと思います。本作には教訓が詰まっています。「対話は大事だよ」「偏見はいけません」「友達は大切に」「可能性を諦めないで」。もちろんそんなことを意識して観る必要はありません。単純に可愛い子ブタのサクセスストーリーとして楽しめばOK。だけど、このような“忘れがちだけど大切なこと”が隠れているから、鑑賞後は清々しいのだと思います。それに、「正論を真正面から言う」のは意外と難しいこと。説教くさかったり、気恥ずかしかったりします。それを感じないのがイイ。あと、おやじさんの顔が本当に素敵です。[映画館(字幕)] 8点(2006-10-17 18:19:30) 2004. デモリションマン 《ネタバレ》 未来の超管理社会をぶっ壊す主人公。筋肉、粗い言葉遣い、銃、ステーキ、SEX…アンチテーゼとして示されるアイテムの数々はまさしくアメリカ的。多分これが自由の象徴なのでしょう。イッツアメリカ、スタローンがすべてを解決。「私たちが間違っていたわ」目覚める市民。「まあ、みんな仲良くやろうじゃないか。双方歩み寄ればいい」いい言葉です。でも、勝ったから言える台詞でもあります。自由は素晴らしい。そうです。自由は素晴らしい。[地上波(吹替)] 5点(2006-10-16 18:54:25)(良:1票) 2005. シザーズ/氷の誘惑 あっち系の作品と思わせる誘導ぶりを感じました。音楽も独特で、シャロン1人のシーンはそれなりの雰囲気あり。でもタネ明かしは唐突ですし、あからさま。伏線はもっとあったほうが良かったですし、解釈の余地も残して欲しかった気がします。あと、シャロンが処女という設定には違和感がありました。邦題は『氷の誘惑』より『子ブタの熱視線』の方が合っている気がします。[CS・衛星(字幕)] 4点(2006-10-15 01:46:18) 2006. アンドロメダ・・・ 《ネタバレ》 娯楽SF作品のつもりでいると肩透かしを食らうかもしれません。宇宙人もUFOも怪物も出てきませんから。舞台もほとんど研究所の中。画的な地味さは否めません。しかしこれが面白い。“なにが起こっているか分からない”状態を科学の力で解明していく。段階的に判明していく正体。そして急展開。見えない“敵”との戦いがこれほどスリリングとは思いませんでした。また本作の魅力のひとつは、当時の科学力。アナログ感覚が残っていて丁度いい。あまりにテクノロジーが進み過ぎると、何が何だか分からなくなります。落ち着いた趣の佳作SFだと思いました。ただ、ご指摘の方もおられるように、じれったく感じる部分もありました。昨今の展開が早い娯楽作品に慣れている自分に気付きます。[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-10-14 18:18:57) 2007. ミザリー 《ネタバレ》 物語は実にシンプル。凝った仕掛けや細工はありません。でも作品には求心力があります。何といってもアニー役のキャシー・ベイツ、彼女の力に負うところが大きい。彼女の表情、話し方、振る舞い、体つきに至るまで全てが魅力的。この場合の”魅力”とは、”恐怖”という意味。主人公に初めて食事をさせるシーン。我を忘れてヒートアップするアニーの豹変ぶりが、強く心に刷り込まれます。「こいつはマジでヤバイ」と。“作家とそのファン”という関係性を最後まで崩さない展開も素晴らしい。本作の真の怖さは、アニーのような発想の人間が現実に存在するということ。ここまで極端ではなくても、プチアニーは身の回りにきっといるはずです。[DVD(字幕)] 8点(2006-10-13 19:08:50)(良:1票) 2008. 死に花 《ネタバレ》 人生の勝負時は終わり、残された時間をただ過ごす。それは、穏やかな気持ちになれると同時に、“死ぬほど”退屈なのだと思います。そんな老人たちが最後にひと花咲かせようとしたこと。その気持ちは理解できます。でも今回の行動には共感出来ません。まず老人たちが裕福すぎる。億単位の費用がかかる老人ホームでの悠々自適な生活。だからこそ退屈なのだということも、それが幸せとは限らないことも分かります。それでもなお、彼らは恵まれていると思う。年金と僅かな蓄えを食い潰して生活している大多数の人とは違います。裏切られた会社への復讐(それも半分忘れていたような)という側面があるにせよ、道楽や面白半分の域を出ていません。老い先短いがゆえの大胆さ、無責任さが感じられます。台風で穴が浸水し、計画失敗に終わったかに思えたとき。自分はこの結末なら“あり”だと思いました。防空壕を発見し、計画立案者の真の目的は果たしている。それに主人公たちにしても“自分たちの力で掘り進めた”という達成感があったはず。彼らの行動は無駄になっていません。ビルを倒すという強引な展開にしてまで、大金を手に入れる結末を用意する必要があったのか疑問です。彼らには何かを成すための資質(気力、体力、資金力、そして何より得がたい経験)があります。もっと別の気持ちの良い“ひと花”を咲かすことが出来るはずです。[CS・衛星(邦画)] 4点(2006-10-12 18:57:13) 2009. 天使のくれた時間 《ネタバレ》 本作は“ちょっと良い話”的な終わり方になっていますが、けっこう微妙なお話だと思いました。主人公が見た夢はあくまで夢。仮に現実世界で元恋人とやり直すことになったとしても、夢の中の生活が待っているわけではありません。過ぎた時間は戻らない。それに“何が幸せか”は人それぞれ違うはず。“家族を持たない人生なんてつまらない”という価値観の押し付けなら御免です。ただ、本作の良いところは、2人がコーヒーを飲む場面で物語を終わらせたこと。この後の展開は観客それぞれの価値観で、想像すればいいのかなと。2人で家庭を持つ展開にするもよし、やっぱり2人とも独立して生きていく道を選ぶもよし。いずれにしても彼女次第ですね。やっぱり“気づかない”人生の方が幸せかもしれません。それに“気づかないように”していることも沢山あります。[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-10-11 18:15:47)(良:2票) 2010. ロボコン 《ネタバレ》 第2ロボット部、予選参加時のマシーンYAT13号は60%の出来。それは部員の技術的な問題というよりも、心の持ち方に起因していたと思います。「全力」「一所懸命」という言葉は美しいです。自分も好きな言葉です。ただ怖い言葉でもあります。全力で立ち向かって望みが叶わなかった時のショックは、余力を残していた時とは比べ物になりません。否応も無く自分の実力を知ることになる。心の逃げ道がありません。100%の力を注ぎこんだマシーン「ボックスフンド」で全国大会に挑んだこと。結果はどうあれ、全力でぶつかるという気持ちになれたことが、彼らにとって一番の収穫であったと思います。ただ、その心の成長過程が描ききれていません。人物描写があまりに薄く、主要4人の誰にも感情移入が出来ませんでした。体感温度の低い「熱血」青春ドラマという着眼点は面白く、ロボコン自体の戦いも見ごたえがあっただけに残念です(ベストバウトを準決勝に持ってくるあたりはニクイ)。あと、長澤まさみ、歌うまいですね。[CS・衛星(邦画)] 6点(2006-10-10 18:40:49) 2011. クロスファイア(2000) 能力者としての苦悩があまり伝わって来なかったのが一番きつかったと思います。人を殺すことに対して、簡単に開き直りすぎ。矢田亜希子にこの役は荷が重すぎた気がします。展開も粗く、全体的な浅さは否めません。ただ、警察署内で火がついた書類が舞う場面やクライマックスの爆発シーンは見ごたえあり。邦画でこれだけ迫力ある画はなかなかお目にかかれません。[CS・衛星(邦画)] 5点(2006-10-09 00:05:08)(良:1票) 2012. チャーリーとチョコレート工場 《ネタバレ》 「家族の大切さ」をテーマとした、ティム・バートン流の毒入りファンタジー。「悪い子はお仕置きをされ、良い子は幸せを手に入れる」という物語は、典型的な寓話の形式です。でも、主人公は拾ったお金を躊躇無く使い、周りの子供たちが酷い目にあっていても助けに行く素振りさえ見せません。ここに違和感があります。普通なら、主人公はお金を警察に届けたり、あるいは困窮している家族に渡したりするはずです。それに子供たちが困っていたら、何とかして助けようとするのでは。それが世間一般でいうところの“良い子”のはずです。でも主人公はしません。例えば、10円拾って警察に届ける。子供がすると褒められますが、大人はそんなことしません。「困っている人を助けなさい」と言いますが、大人は自分の身を顧みず、他人を助けたりしません。何故なら大人は分かっているから。小銭は落とし主に戻らないことを。他人を助けようとして、自分が災いに巻き込まれたら元も子もないことを。それが世間の常識。大人は自分がしないことを子供に要求するのです。でも本作の大人(=監督)は要求しません。悪い子たちへのお仕置き以上に、この部分が“毒”なのだと思いました。自分も一応大人。自分がしない(出来ない)ことでも子供に要求しています。でも後ろめたい気持ちも少しはある。だからこそ、この毒を心地よいと感じるのかもしれません。[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-10-08 19:00:04)(良:1票) 2013. 感染 《ネタバレ》 サイコホラーとしての出来は悪くないと思います。罪悪感の意識に感染するという発想は面白い。キャストも豪華で、芸達者揃い。観ていて安心感がありました。ただ、面白いかと問われれば「普通」、好きかと聞かれれば「別に」と答えてしまいます。理解していない部分が結構あるのですが、そのままでもいいかなと。リンチや黒沢清監督作品の場合、難解でも「理解したい」と思います。“答え”を見つけたいと思う。それが作品の魅力。でも本作の場合、見つけても結果ガッカリする、あるいは答えが用意されていないような気がしてしまいます。何故そう思うのかは分かりません。なので、いつか急に本作を好きになる可能性もあります。[CS・衛星(邦画)] 5点(2006-10-07 18:14:00) 2014. 12人の優しい日本人 元ネタを知らなくても何の問題もありません。本作単独で“日本人の性質”を描いたコメディとして完成しています。めちゃくちゃ面白い。ゆえに危機感を覚えます。例えば長州小力。彼の知名度は本家を上回っています。単独で芸人「長州小力」として成立しています。本家を知らずに笑っている人も多い。「長州力」を知らない人にとっては、小力が”オリジナル”です。望む望まざるに関わらず、初めて触れた方が、その人にとっての本物になってしまうという現実。しかも小力は本家より面白い。(注:長州力も別の意味で“面白い”ですけど)。でも彼が在るのは「長州力」がいるからこそ。“パロディとして素晴らしい”“本家を超えている”という賞賛は、まずオリジナルへのリスペクトありきであると考えます。ほとんど小力レビューになってしまいましたが、自分の言いたいことは、ぜひとも“先に”『怒れる男』を観て欲しいということです。これは本作に対する最大級の賛辞でもあります。[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-10-06 18:02:27)(笑:2票) 2015. ヒップホップ・プレジデント テレビ等でお笑いを観る場合、お馴染みの芸人と顔も知らない若手芸人とでは、観客の“心構え”が違います。コメディ映画も同じ。有名監督や続編の場合、どこを楽しめばいいか分かっています。さらに“面白いはず”という先入観が相乗効果となり、実力以上の笑いを生むことがあります。予備知識のない場合は、笑いの種類は何か、テンポはどうかなど、探りながら観るため、本当は出来のいいネタでもウケが悪かったりします。そして心の中で(しかも早い段階で)この笑いが自分にとって“あり”か“なし”かの判断を下すのです。本作に対する自分の判断は、残念ながら“なし”でした。(でも「シャロン・ストーンのいとこ」と「元カノ」のくだりは笑いました。)『オール・ザ・キングスメン』をこのようにアレンジしたのは新鮮でした。[CS・衛星(字幕)] 4点(2006-10-05 18:52:27) 2016. アナコンダ2 前作に比べて“アナコンダ=動物”という位置づけが明確になっていました。積極的に人間を襲うモンスター性は弱まり、単純に大きい蛇という感じ。人が襲われたのも彼らのテリトリーに踏み込んだから。殺された蛇は気の毒とさえ思いました。本当に恐ろしいのはやっぱり人間ですな。CG技術の進歩や夜のシーンを多用したためか、アナコンダにほとんど違和感を感じませんでした。秘境アドベンチャーものとして、気軽に楽しめると思います。前作よりは好きかも。[CS・衛星(字幕)] 5点(2006-10-04 18:48:27) 2017. TAXi2 これぞあるべき、理想的な「続編」だと思いました。すべての部分がパワーアップ。カーチェイス、改造車のギミック、そしておバカ要素。いちいち「ニンジャー」と叫ぶくだりで大笑い。連れ去られた女刑事が残していった”あるもの”。彼女を慕う刑事の予想通りの行動でまた爆笑。脇役に至るまでお馴染みのキャストを揃えたのも嬉しい(これが一番重要)。日本人の描写にはさすがに苦笑せざるをえませんが、苦笑も”笑い”のうちということで。続編ならではの強み(初期設定の説明の省略)も活かされ、スッキリとした印象。シリーズファンなら納得の作品だと思います。[DVD(字幕)] 7点(2006-10-03 18:26:32)(良:1票) 2018. CURE キュア 《ネタバレ》 (自分なりの解釈を書きます。)まず気になったのは “空飛ぶバス”のシーン。現実ではありえません。ですからこの場面は、役所の心の中と解します。最初は奥さんと一緒、2度目はひとり。つまり、心の枷となっていた奥さんを消した(殺した)。次に“病院の地震”。天井の配管が揺れています。萩原が病室の配管に椅子を叩きつけていたことが原因。でもこの程度であれほどの揺れが起こるはずもない。また、非常事態なのに監視役の刑事は無表情。ちょっとおかしい。つまりこのシーンも現実ではなく役所の心の中。ここでの萩原は閉じ込められた自我の象徴と解します。自我が開放を求めて暴れている、と。殺された刑事は、規範・倫理の象徴。自我は解き放たれます。でも役所と刑事(=倫理)は自我を捕まえようと追いかける。そして最重要シーン。役所は廃屋で萩原を射殺します。廃屋は空飛ぶバスが向かっていた場所。ゆえに、ここも心の中です。霧に包まれた林の奥。(注:病院から逃げた萩原を追う役所と刑事が乗る車も霧に包まれていました。本作の霧は“心の中”の暗示では。)萩原いわく、「本当の自分に会いたい者はここに来る」。それは本当の自分(=自我)がここにいるという意味。萩原の催眠にかかっている証拠でもある。そして役所は萩原(=自我)を撃ち殺す。今までの役所は死んだという意味。と同時に、死にゆく萩原から“最期の催眠”をかけられているようにも見えました。これが役所の催眠術スキル取得を表しているのではないか。なおこの後、役所が耳を傾けていた不明瞭な蓄音機の声(多分博士の声)は、内なる心の声。“萩原に代わって皆を癒しなさい”と…。そして驚愕のエンディングを迎えるわけです。ここで注意したいのは、これらのシーンの萩原は全て現実ではないということです。では現実の萩原はどうなったか?役所が“小さな殺意を実行する”催眠にかかっていたのであれば、「悪い社会の一因」と罵った萩原も当然殺したはずです。(うじきの回想シーンで、萩原宅に鑑識が入っていたことからも推測できる。)なお、うじきの場合は自殺。他人の心を覗く仕事に対し、自己嫌悪を抱いていてもおかしくない。殺意が自分に向かった例です。手錠は自らの異常を察知した、うじき最後の抵抗の跡。以上です。相当強引な解釈な気もしますが、黒沢氏の作品は考える楽しみがあります。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-10-02 18:31:19)(良:5票) 2019. ギャラクシー・クエスト 《ネタバレ》 (『サボテンブラザーズ』の内容に触れますので、未見の方は一応ご注意ください。)『サボテンブラザーズ』にコメントを入れた時、本作に触れたレビューを幾つかお見かけしました。それ以来気になる作品でしたが、この度やっと観ることができました。偉大な作品をモチーフにした場合、得てして期待ハズレに終わることが多い。その覚悟を持って観たのですが、何なんですかコレは!めちゃくちゃ面白い!!確かに、『スタートレック』のパロディで、アイデアの元ネタは『サボテンブラザーズ』。しかし、プロットに大胆なアレンジが施されています。『サボテン』では、現実は確固として存在し、主人公たち(架空のヒーロー)はその現実に合わせることでリアルヒーローになります。しかし本作では、まず“架空の設定”が存在し、そこに現実が合わさっていく。まったく逆の発想です。しかもそのことを最初から観客に意識させるのではなく、クライマックスに至る過程で徐々に気づかせていく。発想の転換が、ドラマファンたちの活躍を生みます。なんという演出テクニック。なんという力技!“オメガ13”のくだりに至っては、ほとんど逆ギレみたいなもんです。でもこれが爽快。こんな気持ちの良い逆ギレは初めてです。『サボテン』も本作もどちらも大好き。甲乙は付けられません。しかし点数は、本作の方を1点高く付けます。それは新作映画『ギャラクシークエスト』の新レギュラー保安主任ロック、もと死に役のエキストラ、彼に捧げる+1点です。[DVD(字幕)] 9点(2006-10-01 00:16:26)(良:3票) 2020. レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語 《ネタバレ》 “世にも不幸な”と煽るほど、不幸を強調しているお話だとは思いませんでした。少年少女の冒険談といった色合いのほうが強い。次々と襲い掛かる困難を、子供達がそれぞれのスキルを使って切り抜けていきます。ただ、“一番役立たなそうな”末の子供のスキルが本当に役立たなかったのが辛い。無駄に思えるスキルが重要場面で活かされてこそ、驚きと感動が生まれると思います。キーアイテムと思しき望遠鏡の扱いもしっくりきません。両親の形見として「この望遠鏡で世の中をよく見なさいね」的意味合しかないのでしょうか?あるいは続編で謎が解き明かされるのでしょうか?シックな映像は絵本の世界のようで魅力的でしたが、物語の部分には物足りなさが残りました。なお、ご指摘の方も多いようにエンドクレジットは素晴らしいです。[CS・衛星(字幕)] 5点(2006-09-30 18:37:16)
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