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プロフィール
コメント数 3881
性別 男性
年齢 53歳

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2021.  私はゾンビと歩いた! ヴァル・リュートン製作の怪奇映画シリーズ。これが意外に秀逸。まず冒頭の、二人の人物が歩く海岸の風景。まあタイトルからして、二人のうち一方が人間で一方がゾンビなんでしょう、とかいうことはどうでもよくって、すでにこの光景からして超自然的な印象を受けます。独白で進められていく物語は、雪の都会の一室から、南の島へ。そこでは非日常的な世界が主人公を待ち受けている訳ですが。そうそう、本作、S・ブロンテの『ジェーン・エア』を下敷きにしている、みたいに言われたりもしますけど、いやいやむしろ、この雰囲気はE・A・ポーの『アッシャー家の崩壊』の世界ではないでしょうか。本作におけるゾンビってのは、例の人間を襲ってバリボリ食うヤツじゃなくて、“熱病によって何もわからなくなり夢遊病状態の人”なんですね。だから必ずしもモンスターじゃない(いや、ちょっとコワい顔のゾンビも登場しますが)。ゾンビ自体はモンスターじゃないけれど、物語の背景はとっても呪術的、そして宿命的な要素があり、まあ要するに「よくわからん不気味さ」ってのが横溢しているのですね。やはり怪奇映画たるもの、こうでなくては。そのアッシャー家的は宿命の物語を裏打ちするのは、「音」による不気味さ。森から響く太鼓の音であったり、塔に響くすすり泣きであったり。また「風」なども気持ち悪い雰囲気を出すのに効果を上げてますね。短い作品ではありますが、怪奇映画らしい雰囲気を楽しめる作品です。[DVD(字幕)] 8点(2012-08-28 22:47:14)

2022.  死体を売る男 ヴァル・リュートン製作の怪奇映画シリーズ。原作がR・L・スティーヴンソンに監督はロバート・ワイズ(!)、そして出演がボリス・カーロフにベラ・ルゴシってんだから、何か文句ありますか、ってな布陣なんですけれども。残念ながらちょっと文句付けたくなっちゃう。内容的には、「解剖用の死体を医者へ供給するために、墓を暴いていた死体泥棒の男が、やがて死体を得るために殺人を犯すようになり……」というオハナシ。クライマックスには日本の怪談みたいなオチが待っていて、悪くないんですけどね。殺人の場面なんかも、“街を歩く歌手が暗闇に消え、彼女を追う馬車も暗闇に消え、最後に歌手の歌声が消える”などという、「すみませんちょっと狙っちゃいました」的な、なかなか風流な演出、悪くないと言えば悪くない。じゃあ本作の何が悪いかっていうと、なんかいかにも、ストーリーをそのまま順序良く語っちゃった、みたいなヒネリの無さ、ですね。場面場面ではオヤと思わせるものはあっても、全体を通してはやや一本調子な感じは否めません。纏まりが良く安心して楽しめるけれど、怪奇映画で安心させてどうすんのよ、と。[DVD(字幕)] 5点(2012-08-28 21:29:51)

2023.  お早よう 《ネタバレ》 「山田洋次監督が選んだ日本の名作100本」の「喜劇編」としてNHKで放送しておりましたが、むしろこれは、“ちょっとした怪談”だと思いましたです、ハイ。 逃げ場の無いような文化住宅の中で、自分の知らぬ間にあらぬ噂話が広がっていくコワさ。オハナシとしちゃユーモラスかも知らんけど、視覚的には、はっきり言ってこれは、恐怖です。オバちゃんコワい。オバアちゃんはもっとコワいけど(笑)。他にも、反抗期の子供が親の知らぬ間にご飯を盗み出し、川べりで貪り食うコワさ。しかもその後子供たちは、親だけでなく“我々”の目からも忽然と消えてしまうコワさ。オナラしようとしたらウ○コをチビってしまうコワさ。ついでに大泉滉がミョーに美青年であるコワさ。黛敏郎がいかにも小津作品っぽい音楽をまねて書きながらニヤニヤしてそうな(チャンスさえあれば前衛音楽に変えてやろうと狙っていそうな)コワさ……。この映画のタイトルは「お早よう」、何気ない挨拶などムダのようでいて、ムダこそが社会の潤滑油。しかし作品にはムダがなく、エピソードの連射で高密度、それに加えて小津さんの映画にしては、立ってる姿、歩いている姿が多く、若干あわただしい感じもいたしました。それにしても黄門様、ここでも飲み過ぎです、コレ本当に演技なのでしょうか。[CS・衛星(邦画)] 8点(2012-08-22 23:12:37)

2024.  夕陽の挽歌 親子ほど歳の離れた二人の男。彼らが銀行強盗を働き保安官に追われる物語かと思いきやさにあらず、という訳ではなくて一応、銀行強盗したり追われたりはするんだけど、そういうオイシイ部分は殆ど描かなくて、この作品、普通はあまり描かないところを丹念に描いてます。野性の馬を捕まえるシーンなんかもう、入魂モノ(笑)。ポーカーの勝負からの一連の流れも見逃せない。という訳で、銀行強盗ってのは物語の背景に過ぎず、二人の旅路を追ったロードムービー的な作品です。というか、半分は古き良き西部劇、半分はニューシネマ。その分裂ぶりが、ゴールドスミス御大の音楽にも、よく表れています。ラストは、西部劇というものそのものに対する鎮魂歌のようでもあります。しっかしブレイク・エドワーズ、これだけの作品を作っておきながら、結局はピンクパンサーに帰っていくんだよなぁ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-08-20 23:52:41)

2025.  悪の花園 金採掘中に落盤事故にあった夫を助けて欲しい、という女性の求めに応じた4人の男たち、前半は現地へと向う一行の姿、後半は夫を救出した一行と襲いかかるアパッチ族との戦いが描かれる、という作品ですが。一体どこまで遠くまで行くねん、と心配になるほど次々に広がる大自然の雄大な光景に圧倒されます。ロケーションの素晴らしさ。って一部はさすがに書割の合成映像のようですが(笑)。で、救出に向かう一行、それぞにれに何やら思惑ありげ、その思惑が、復路において、往路と同じ雄大な自然を背景にどういう変奏を奏でるか、ってのが見どころだろうと思ってたのですが、これがイマイチ、これという展開を見せない。その分、先住民との戦いの方をしっかり描いているといえばそうなんですが、ここまでの思わせぶりは何だったのか、と。途中で死ぬヤツは妙にアッサリ死んじゃうし。ラストにおけるリチャード・ウィドマーク、“主役を食っちゃうカッコ良さ”というよりも、ゲーリー・クーパーを相手に「オレも『誰が為に鐘は鳴る』のアンタみたいな役やりてえ」と意地張ったみたいな感じで(笑)。悪役顔にはできないカッコ良さがあれば、悪役顔にしかできないカッコ良さもある、という訳で。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-08-19 07:05:11)

2026.  スペース・カウボーイ 老人版『スペース・キャンプ』といった感じの作品。『アルマゲドン』などという、ポンコツどものくせに「オレ達が地球を救ってやる」みたいな作品には閉口しちゃうけど、本作みたいに軽いノリで宇宙に行っちゃうと、リアリティがどうのと突っ込む気も起らず、むしろやりたい放題の部分に痛快さを感じちゃう訳ですね。そこはいいと思う。ただ。宇宙に行っても「オレがイーストウッドだぜ」というノリを通し続けるのって、ちょっとついて行けない部分もあるのです。40年という歳月を肉体的にのみならず精神的にまでも簡単に埋めてしまう。宇宙に行ったらさすがにもっと感動しないのかい? 謙虚な気持ちにならないのかい? 多分このノリなら、死ぬときも軽いノリで天国に行って、「天国でもイーストウッドだぜ」とスカしてるんじゃなかろうか。と、そもそも本作、題材とノリとのギャップが、しっくりこない、だもんでなーんだか物足りないのです。「宇宙に行ってもイーストウッド」よりも、「宇宙に行ったらイーストウッドは?」っていう方に、興味があるのだけど。[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-08-18 17:13:26)

2027.  スリー・リバーズ 《ネタバレ》 まずしばらく観ていて「ははん、真犯人はブルース・ウィリスだな」と思う。探偵役が犯人、まあ叙述トリックの類でしょう。で観ていると、おやおや彼の周りでばかり事件が起こるということで、彼は露骨に怪しく、警察仲間からも疑われているらしい。となればミステリでは犯人から除外されがちだけど、いやいや待てよ、これぞミスディレクションに違いない。物語の中で最も犯人らしく、我々にとって最も犯人らしくないヤツこそが、真犯人。ウラのウラまで読まなくては。相棒のオネーチャン警察官に手を出すに至って、はい、この主人公が変態犯人で決定!などと思いつつ…。最後まで観て、彼は「やっぱり」犯人などではなくって、そこそこ意外でそこそこベタな真犯人が明らかになったところで、正直ホッとしてしまう。やっぱ、このあたりが落とし所ですよね~。“意外過ぎてどうでもよくなる真犯人”ってのは、やっぱり疲レマス。という訳で、カーチェイスあり、ボートチェイスあり、最後は何でこんなトロ臭い格闘やねんと思いつつも、アクション充実、ミステリとしても(何となく)楽しめて、なかなかよろしいかと。[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-08-16 17:00:47)

2028.  ドゥ・ザ・ライト・シング 《ネタバレ》 戯画化されたスラム街の日常。個性の強い登場人物たちが入れ替わり立ち替わり、繰り返し画面に登場し、この狭いコミュニティの中で、互いに協力し合うのか、反目し合うのか。スパイク・リー監督自身が出演しており、いかにも黒人映画です、という体裁のようで実は必ずしもそうではないのは、映画の中心に置かれている店というのが、イタリア系の一家の店である点。そして映画を見ている我々が最も感情移入するであろうその店が、警官による黒人殺害事件から起こった暴動により破壊されてしまうのだけど、その事件のもともとの発端というのが、黒人青年の起こしたしょうもないイザコザであること。危険な綱渡りでもあるこの映画。白人が観たら「これだから黒人ってやつは」と思われかねない、あえてその設定を選んだスパイク・リー。だけど、おそらくこの作品を観た多くの人は、そんな単純な感想を抱くだけでは済まない、居心地の悪さを感じるはず。その居心地の悪さは、紙幣を丸めて投げつけ合うシーンもそうなんだけど、特に最後にテロップがキング牧師⇒マルコムXの順に流れた時、居心地の悪さは最大限に達する。このようなことは愚かな事だ、という認識も、しかし何もせずにはおれないのだ、という怒りも、どちらも「ほんとう」であることが、キング牧師とマルコムXの二人が並んだ写真かなひしひしと感じられる。この映画、確かに何らの解決を示している訳ではなく、どこか投げ出したように終わってしまう印象もあるけれど、しかし、ユーモアとともにある種の方向性を指し示しているのが、「市長」の存在で、そこに救いも感じさせるところ。あと、これはどうでもいいことかも知らんが、ダニー・アイエロのピザ作りの手つきがかなりテキトーに見えてしまうのだけど(笑)。[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-08-16 16:44:21)

2029.  ドライビング Miss デイジー 《ネタバレ》 ユダヤ人のお婆ちゃんと黒人運転手の交流を描く、それもかなりの歳月に渡る物語なんだけど、お婆ちゃん役のジェシカ・タンディ80歳、最初から最後まで“お婆ちゃん”なので、歳月を表現する手段がどうしても「禿げていくダン・エイクロイドの頭」となってしまう(もちろん、特殊メイクなので、「何か、変」と言いたくなるけれど、これは言わない約束です)。でまあ、お婆ちゃんの方もお婆ちゃんなら、運転手の方もそれなりのお歳、その交流はどこか、子供同士のように、意地を張ってみたり妙に暢気であったり。人間、外見は大人になっても中身なんて成長しないもの、中身は子供同然。それを隠そうとするのが大人、隠す必要がなくなったのが老人。二人の間に挟まれる息子の立場が大変なんだけど、しかも彼のキャラ、ちょっとイイ人過ぎなんだけど、その息子の役をダン・エイクロイドがあくまで道化役として演じているのが良いですね(髪型が変だけど。しつこいってか)。そういう、人と人との交流を描く映画、それも人種差別などの社会問題を織り交ぜた映画なんですけれども、一方で、花や木々の緑といった風物をうまく取り込んでいるのも見逃せません。誰もいなくなり、売りに出された「家」の中の、ガランとした映像も忘れられません。で、お婆ちゃんは老人施設に入り、こちらもすっかり老人となった運転手との間には、もはや息子の介在は必要とせず、しっかりとした絆で結ばれている。二人並んだ時のお婆ちゃんの表情はますます子供のように、初恋の少女のようになっていく。人生の最後を「始まり」として描く、何と素敵な作品ではないですか。[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-08-12 08:06:30)(良:3票)

2030.  レオン/完全版 《ネタバレ》 完全版ってのは今回初めて観ましたが、意外にも完全版の方がイイじゃないですか。しっかりと変態映画になっていて。うん、この映画はやっぱし、「ひとりの男が、少女に人生を狂わされていくオハナシ」なんです。変態映画なんです。完全版こそ変態映画。男は殺し屋、ってことになってるんだけど、また実際、滅法強いという設定になっているんだけど、どう見たって「虫も殺せない」タイプ(だいたい、観葉植物を愛でたり牛乳飲んだりする描写こそ頻出すれど、殺し屋としての殺害シーンは実にアッサリしている)。一方の少女はと言えば、これはもう小悪魔というか、魔性の女というか、よっぽど彼女の方が人殺ししそうなタイプ。いやもちろん、ここで映画が表面的に語っている物語は、そういうオハナシじゃないんだけど、その「語られる物語」と「見た目」との間に、どうにもギャップがあるのよね。そしてラストにおいては、「見た目」の方に凱歌が上がる。この映画の白眉は、警官隊との戦いを切り抜け、ようやく死地を脱したかと光の方へ彷徨い出ようとする時の、レオンのマヌケヅラにあるんじゃなかろうか。ここで彼を狙っているのはもはや、背後のゲイリー・オールドマンですら無く、ここでのレオンはいわば、マチルダというメスカマキリに食われようとしているオスカマキリなんですな。大の男が、少女に食われちゃう、食われてもいいと思う、そこに切ないまでの、倒錯した陶酔がある。そして少女は成長し、物語は『ニキータ』へと繋がるのでした…?[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-08-11 01:32:01)(笑:1票)

2031.  SPACE BATTLESHIP ヤマト いやあ、よかったよかった。このページ開いてみるまで心配でしょうがなかったのよ、全員が0点つけてるんじゃないかと。しかし意外にも、「平均点:4.79点 (Review 104人)」、下のグラフ見ても、それなりに点数の分布が散ってるじゃないですか。皆さん、本当にありがとう、さあこれで心置きなく0点がつけられます……。どんな映画でも大抵、熱中して観てるウチの子供たち(先日は『蒲田行進曲』に夢中になってたなあ)でも、この映画はさすがにダメでした(我が家では本作、「変なヤマト」と呼ばれてます。アニメ版の『ヤマト』の方は大好きらしいんですけどね)。それにしてもどうしてこんな作品になっちゃったんでしょうね。元のアニメ作品の良かったところが、なーんにも無くなってて。アニメの面白さは、反射衛星砲なりデスラー機雷なりバラノドンなり、そして白眉の七色星団の死闘なり、奇想天外な作戦で待ち受けるガミラスに対してヤマトが満身創痍になりながら(ほとんどリンチ)戦うところにあったのだけど。そして冷静沈着なドメル将軍がいてこそ、デスラーの狂気が光ったのだけど(アニメ版のファンに媚びるように、声優だけアニメ版から引っ張ってこられても、そんなこと「だけ」ではちっとも楽しくない)。ま、アニメ版から色々と改変すること、大いに結構なんです。その新しい作品が、面白ければ。そもそも、それで「新しければ」。本作は『ヤマト』から設定とエピソード(太陽系を去る時の地球との超光速?通信とか)をいくつか借りつつ、『ヤマト』から離れていきその代わり『ヤマト』ではない何か「アリガチなもの」へとどんどん埋没していっちゃう。あのお絵かきソフトで描いたようなCGヤマトを見せられても、もうあれがヤマトだとは思えない。「ヤマトの映画化」と銘打っておきながらヤマトではなく「最近よく見かけるようなCG映像」を、それもキムタクの合間にかろうじて見せられるツラさ。本作のこのヒドさは、事故なのか、わざとやってるのか。『さらば宇宙戦艦ヤマト』にも手を伸ばして作品に取り込み、続編が作られないように念押ししているあたりは、うーんやっぱりわざとやってるんだろうな(自覚症状あるんだろうな)とか、思っちゃいます。で、最後に、これはますますどうでもいい個人的な感想なんですが「斉藤始」は安岡力也に演じて欲しかったなあ、と。たぶん、もっと早くに実写化されるべきだったんでしょうね。[地上波(邦画)] 0点(2012-08-07 23:49:49)(良:2票)

2032.  王将(1948) 《ネタバレ》 いや、さすがにあそこで2五銀は無いよなあ、と思ったんですけどね、やっぱりハッタリでしたか。阪田三吉と言えば、伝説の端歩突きもありますからねえ。実在の三吉はこういう変な手を打っては負けちゃう(笑)のですが、物語の三吉は、勝ってしまうことでドラマを生む。将棋指しの戦いは孤独なもの、と思われるところ、この映画には棋士の孤独さというものは無くて、常にそこには彼の家族の姿があって。破天荒であった彼が、ライバルであった“関根はん”に名人位を譲り、頭を下げる、まさに彼が名人たりえる風格を得た時に、彼を支え続けた妻が電話の向こうで息を引き取る。多分にメロドラマ的なんですけれどもなかなかにツボを押さえていて、ダイナミックなカメラワークがあり、ついでに言うと古い映画なのに音声が比較的明瞭な状態でもあり、古い映画に馴染みの無い人でもかなり楽しめる作品ではないでしょうか。それにしても、こういう主人公の姿を見ていると、藤山寛美を連想したりもしますなあ。[CS・衛星(邦画)] 8点(2012-08-06 22:49:12)(良:1票)

2033.  ザ・ウォーカー 《ネタバレ》 最初は正直、この映像(日光にあたって変色した田舎の看板のような。ゴメン)が最後まで続くとキツイなあと思ったんですけれども、観てるうちに馴染んでくるのは、クローズアップを連発せずむしろ引いた映像でしっかりと“見せて”くれるから。某日本映画の某有名キャラを彷彿とさせる居合抜きのような立ち回りが、見事な見せ場になっていて、しかもこれがオチにも繋がっているというのが、うまいというか、ちょっと腹立つというか(笑)。終末感覚、かなりマッドマックス2的。本を巡る争いだろうと、石油を巡る争いだろうと、何でも結構。後半、一群の自動車で追ってくるあたりからワクワクします。一軒屋の攻防、最高です。で、マッドマックス2で最後に敵の残党が去って行ったように、本作でも「帰りのガソリンが無くなるから」と敵と味方が離れ離れになっていく。敵と味方が出会い、戦い、別れ別れになる、これがいいんですよ(いや、オーソドックスな「敵、全員死亡」という終わり方も好きですけどね)。その後はやや冗長かな、とも思ったのですが、ああこのシーンで終わりたかったのか、とラストシーンを見てちょっと納得。[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-08-04 15:10:31)(良:1票)

2034.  狼よ落日を斬れ 三隅研次監督最後の劇場作品は、なぜか松竹、なぜか自ら脚本を手掛け、なぜか2時間半を超える歴史大作。なぜか風雲篇・激情篇・怒濤篇と銘打たれ、しかもなぜか風雲篇と激情篇は一緒になっているので実は2部構成。という摩訶不思議な作品。混乱ぶりがうかがわれ、内容もイマイチまとまりがありません、ってまあ、そのまとまりの無さこそが大作としての風格でもある……のですかねえ。舞台は幕末、主人公は“ワイルドスギどん”こと杉虎之助(高橋桃太郎侍英樹)、浪人で典型的な剣豪タイプ。で、彼の視点で描かれていくのかと思いきや、物語はあっちこっちに彷徨い、1時間くらい観ていてようやく判明するのは、これは実は、立場こそ違えど互いに理解しあう、4人の若者たちの物語であったのだな、と。剣豪スギどんの他には、新撰組・沖田総司(西郷星のフラメンコ輝彦)、見廻組・伊庭八郎(コンドーです正臣。アレ、伊庭八郎って見廻組でしたっけ?)、そして薩摩藩・中村“人斬り”半次郎のちに桐野利秋(緒方拳、言えばエーっと何だろう)。これだけのメンツ集めりゃそりゃ4人のキャラも立ちまくり、お陰で結構、暑苦しいんですけどね。高橋英樹のいちいち堂に入った剣の構えと苦み走った表情。人体の不思議展もビックリの、人間カラ竹割り真っ二つ切断がスゴい。豪快さそのものとも言うべき半次郎を演じ切った緒方拳もスゴい。西郷輝彦だって近藤正臣だって、そこそこスゴいです(笑)。ただ、ようやく邂逅し意気投合した4人の姿を、その後うまく収束させることなく、何だか時代だけが過ぎて行ってしまうような展開が、どうも物足りません、うまくまとまらず、そこが大作の風格と言えば……しつこいっての。少なくとも、大げさなタイトルといい(何が狼で何が落日なのやら)、さらに大げさな○○篇というサブタイトルといい、内容に全く即してないしなあ。魅力的な題材が、魅力的に撮られてはいるんだけど、こう仕上がるハズではなかった、みたいな感じで、アンバランスな面があまりにも多い、不思議な作品でありました。[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-07-28 10:38:12)

2035.  ザ・ウォード/監禁病棟 ある女性が収容された精神病棟、そこにはアヤシゲな人影(オバケですな)が出没し、何やら秘密ありげ曰くありげ。彼女は何とか病院を脱走しようと試みるが・・・ってなオハナシ。これで89分。やりますな。病院が舞台である上、殺戮を繰り返すオバケの殺害方法ってのが、『ブギーマン』を思い起こさせたりもしますが(あ、監督は別のヒトでしたっけ)、とりあえずええ感じにヤな雰囲気の作品になってます。迷宮としての病院、何か裏のありそうな医者と看護師たち、何のためにどういうタイミングで出てくるのやらさっぱり要領のつかめない気まぐれなオバケ。やたら雷が多いのも超自然的な雰囲気。と言う訳で、まさにこれはオバケ屋敷映画、ストーリーよりもとにかく、逃げる、隠れる、その繰り返し。はたまたその一方で、女性患者たちのシャワーシーンなんかがあったりすると、「お、これは女囚映画か」みたいなテイストもあったりするのですが(笑)、最後まで観ると、あ、結局、そっち方面でしたか、と。この映画、面白いのはいいけど、最後どうやって終わるのかね~と心配して、損したよ。意外にチャッカリした映画だったのです。[DVD(字幕)] 7点(2012-07-26 23:51:30)

2036.  コレクター(1965) いい雰囲気なんですけどね~、「監禁される家」の周りののどかさはかえって不気味であるし、背景に流れる音楽(3拍子系)のユーモラスさも印象的。今の映画であれば「犯人は変質者なんだから家の中も荒んでいて…」と家の中の光景はオドロオドロしく描くところかもしれないけど(そして実際、「ゴミ屋敷に平気で住んでいる神経」ほどオソロしいものは無いんだけど)、そこまで描かなかったのは“まだそんなエゲツナイ映画が作られうる時代ではなかった”という限界であるのかも知れないし、また一方では「そういうアプローチもあるよなあ」と思わせる部分でもあります。犯人は「幼稚」で「変」ではあるけれど「異常者」では無い。うん、そこまでは良いんだけど……あとはそこにどういうメリハリを持ち込むか。その路線だけで引っ張り続けるのは、やっぱり、弱いのでは。誘拐した者とされた者との関係が、確かにその場その場において緊張感は孕んでいても、物語の推進力にはなりきれず、停滞してしまう。犯人がドアを開けっ放しで出ていくシーン、ドアから入ったままの光によって、開けっ放しであることが我々にも示されるのだけど、あえてワンカットで表現するのが効果的とも限らないでしょう(開いたドアを「発見する」という驚きが、そこにあるか?)。実際、この「ドア開けっ放しワンカット描写」は映画の中で2度出てきて、どうも誘導的、手続き的に感じられちゃう。はたまた、囚われの女性が犯人に追いつめられると背景に蝶の標本が並んでいる、というシーン。犯人に捕まり殺された蝶たちの運命と、女性の運命とが重なり、「ついに殺されるのか!」という場面なんだけど…これも物語に必ずしも貢献せず、「ちょっと面白いメタファーでしょ」的に単発で終わっちゃう。と言う訳で本作、節度をもって描かれたスリラー映画で、それなりにコワくもあるんだけど、いささか上品に落ち着き過ぎではないか、もっと強引でもいいやんか、という気がしちゃうんですね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-07-22 07:32:18)(良:1票)

2037.  左きゝの拳銃 《ネタバレ》 几帳面というよりは神経質なまでのカメラの切り返しや場面転換、かなり張り切って撮ってるなあ、という印象を受ける、アーサー・ペン監督の劇場デビュー作。赤丸急上昇中の(←どういう意味なんだろう)ポール・ニューマンを主役に据え、ビリー・ザ・キッドの生涯を描く訳ですが、そういう手堅い演出の中に、意外性のある構図が光ります。写真撮影中で首を動かせないビリー(この写真は昨年オークションにかけられ、230万ドルで落札されたそうな)と仇の男との緊迫したやりとり。斃れた男の横に立ち続けるブーツのユーモラスな残酷さ。ラストにおけるビリーと対峙するギャレット。はたまたポール・ニューマンも活き活きとビリー役を演じ切っており(こういう「過剰さ」には賛否両論もあるでしょうが)、本作を観ていると、『俺たちに明日はない』のペン監督、ここにあり、という感じもいたします(後付けの印象やろ、と言われりゃ、ま、そうなんですけど)。ただ、後半、ビリーが破れかぶれになっていくに従い、映画自体が破れかぶれというかゴチャゴチャした印象になってしまうのは、ちょっと残念でもあるのですが・・・。[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-07-15 09:22:10)

2038.  黄金(1948) 冒頭のシチュエーションの、まあ何とも不景気なこと。実に素晴らしい不景気描写……と感心してる場合じゃなくて、何しろ不景気、観てて実に気が滅入る描写です。そこから我々は主人公と一緒に、職を見つけては喜び、それが詐欺だと知って憤慨し、詐欺師を見つけてトッチメようとしたコイツが意外に強くてハラハラし、でも見事やっつけて溜飲を下げる。そして、何か人生を達観したような金掘り爺さんとの出会い、ああこのヒト本物だよプロだよこの爺さんについていきゃ間違いないよ。と、観てるこちらまでテンションが上がり、ついでに健気なクジ売り少年にも心打たれたりして、この辺りまでは「健康的」、なんですけれども。それが、いよいよ金の採掘が始まり、金を手に入れだすと、肝心の主人公がおかしくなってくる。欲にかられ、猜疑心にまみれ、まさに「欲望は熱病」、映画の雰囲気自体が熱に浮かされたようなイヤな感じが充満してきます。不景気時代には「同じアメリカ人にお恵みを」とか言ってた主人公が、金の採掘に参加させて欲しいとやってきたアメリカ人を排除し殺害すらしようとする。そこに山賊がやってきて戦闘となり、そのアメリカ人が死ぬと、今度は味方が一人減ったことを嘆く。どこまでも刹那的な言動、まあ観てる我々は金を貰えないので主人公よりは醒めた視点でそれを眺め、さらにその我々よりも達観しているらしい爺さんの存在が、とりあえずは場を収めていくのだけれども、やがて・・・。ってな訳で、金への欲望に主人公がもてあそばれ、その描写と人物設定の上手さに我々がもてあそばれる、見事な語り口の作品です。[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-07-08 07:50:55)

2039.  評決のとき 《ネタバレ》 黒人の少女が白人の若者2人に性的暴行を受け、肉体的な障がいをも背負わされる。怒る父親は、逮捕された2人を射殺、その際の跳弾により知り合いの警察官にまで重傷を負わせてしまう。随分、重く難しいテーマを設定した訳だ。で、その父親の弁護士となる若者を主人公として、人種差別も激しく絶対的に不利な状況の中、苦しい裁判の過程が描かれる。KKKの暗躍も加わり大変なコトに。と言いたいところだけど、何故かこの作品、難しいテーマから始めたクセに、どんどん話を単純化していってしまう。「司法制度が事態を混乱させ、救われるべき者が救われない状況を作り出してしまう、それがイケナイんだ!人間らしい感情に立ち戻れば、誰が見たってこの父親は無罪なのに!」ってな訳。え?それでいいのか?せっかく難しいテーマを示したのに?父親が撃った相手は、警察が逮捕し拘束した無防備な犯人であり、フェアな復讐ではない、というのもあるかも知れない。しかしそれより、警官にまで片足切断という取り返しのつかない重傷を負わせた事、これが我々にとって何とも悩ましいテーマ設定となっていたハズ。ところが警官は父親を許し弁護すらし、これを持って「解決済」のお墨付きを与えちゃう。それならば。同じ図式を拡張するならば。当の被害者である娘だって、「犯人2人を殺すのは可哀そう、2人を許してあげて」と言う可能性までもが、開放されうる訳だ。そしてこれこそ、醜悪極まりない犯人の姿を作中で判りやすく提示してもらい単純素朴なる怒りに燃える我々にとって、実は最も悩ましく最も恐れるケースなのだけど。これこそが本当の「ドラマ」なのだけど。しかしこの作品は単純化をひた走るのでそんな寄り道はしない。娘が背負った十字架は作中で封印され、犯人を殺害した父親の背負う十字架に置き換えられる。娘の主体が作品の表に出てくることはない(娘を中心に描くのが酷、というより、そんな複雑な物語を語る気がないのだろう)。そして、司法という方程式を捨てた代わりに正義という別の方程式を使って、姑息なまでにキレイにまとめ上げる。「皆さん目を瞑って想像して下さい」って言われてもなあ。映画観てる人間は目を瞑らないんだよ、観てるんだから。そこで他人が「想像してる顔」なんかを見せられても、意味ないんだよ、そんな映像には何も感じない。映画の持つ説得力って、そういうもんじゃないでしょう。[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-06-27 22:43:41)

2040.  悪魔の植物人間 マッドサイエンティストもの。実験台として誘拐してきた人間を実験で“植物人間”にしちゃう。冒頭から、高速再生フィルムによって植物がニョキニョキ成長する様を見せてくれたり、食虫植物の捕食シーンを見せてくれたり、いやいや、この映画、マッドサイエンスどころか普通にサイエンスしてますよ、なかなかに興味深い。でも、食虫植物って、植物なのに「捕食する」というその動物っぽさが、得体が知れなくて不気味な点なんだけど、ソレを人間と合成してもなあ。むしろ親近感が沸いたりして。やっぱり実在の食虫植物の方が、何とも知れず不気味なんです。で、しかも、この“植物人間”を巡るストーリー、サスペンスが、あまり面白くない。むしろこの映画で目を惹く点、そしてこの映画をカルト化しているのは、実際の障がい者が出演している見世物小屋のシーンの方、ですね。ビックリ人間大集合。見世物小屋のおどろおどろしさ、眉をひそめる見物客。実に正直な描写だと思います。足に畸形のある障がい者が、「僕は特に芸はできません。でも、この足は、動きます」と動かして見せる場面など、こんなセリフは脚本家の想像だけじゃ書けないですよね。で、そんな彼らにも当然、日常がある(日常があるどころか、彼らにはその人生しか、無い)。公演後、客のいない舞台で、ささやかなパーティをやってるシーンなど、実に印象的です(そしてそれがぶち壊しにされてしまうくだり!)。と言う訳で、この作品、イイ映画だ思いますよ。何と言っても多面性がある。ただ、肝心のメインの軸(要するにサスペンスの部分ですな)が、さすがにもうちょっと、何とかならんかったのか…。[DVD(字幕)] 6点(2012-06-24 09:35:29)

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