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プロフィール
コメント数 2394
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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2061.  誰かに見られてる 《ネタバレ》 原題の“Someone to Watch Over Me”は言わずと知れたガーシュイン兄弟の名曲で、タイトル・ロールではスティング、エンド・ロールではロバータ・フラックがそれぞれ渋い声で歌唱してくれます。確信犯なんでしょうけど「誰かに見られている」という邦題はまるでストーカーに付け回される恐怖を表しているかの様な印象を与えてくれますが、本来は「誰かが見守ってくれている」という風に訳すのが正解です。 なんと言いますか、リドリー・スコットの最初で最後のロマンス・ミステリーはどう観ても失敗作としか言いようがなかったです。ストーリーからして退屈の極み、犯人の素性も動機も行動も理解不能だし、トム・べレンジャーの刑事も最後まで良いとこなしです。ミミ・ロジャーズは面通しの際に犯人を特定しなかったと解釈して間違いなさそうですが、その犯人がなぜ彼女を殺そうとするのかがイマイチ理解できない。時がたつと証言を覆すかもしれないという不安はあるかもしれませんが、人質までとって立てこもったりしたらもう終わりだって。この犯人ベンザ役の俳優の面構えだけは強烈でした、極悪人としか見えません。 それでも映像にはしっかりとリドリー・スコット印がついていまして、闇と光の対比は彼の得意とするところですが、それが一種の臭みにつながるのも事実です。同僚刑事が撃たれた後の病院のシークエンス、病棟をつなぐ廊下の奥の方が室内なのに霞がかかっているんです、いくら何でもやり過ぎでしょ(笑)。[CS・衛星(字幕)] 4点(2019-11-06 23:33:48)

2062.  眠狂四郎 殺法帖 《ネタバレ》 ご存じ、眠狂四郎=市川雷蔵シリーズの記念すべき第一作目。このシリーズはまだ観たことなかったのですが、一作目ということもあって狂四郎のキャラが定まっていない感が濃厚。大してニヒルという感じではないし無頼漢というイメージも薄い、普通のチャンバラ映画の主人公という感じです。もっと判らんのは若山富三郎が演じる少林寺拳法の使い手である陳孫というキャラで、だいいち少林寺拳法と剣術というのはミスマッチも甚だしいところ。そんな陳孫でも最後の対決では円月殺法を真剣白刃取りしちゃうし、ぜったい若山富三郎の方が斬り殺されること間違いなしだろ!と激しく突っ込む次第です。雷蔵と同格の若山富三郎が出演している時点で若山が悪役に徹するわけないし、まして勝負で雷蔵に勝たすはずもない、つまり中途半端なゲストスターだったわけです。雷蔵に勝てずに「お前は手を引け」と命令されてすごすごと去ってゆく若山なんてほとんどギャグです。 この大映版の前に鶴田浩二が狂四郎を演じた東宝版(ヒットせず三作のみ)があったそうで、この第一作は恐る恐る撮ったパイロット版という性格があったのかもしれません。[CS・衛星(邦画)] 4点(2019-11-02 22:45:37)

2063.  デス・ウィッシュ 《ネタバレ》 今やカルト映画のリメイクが趣味というか生計の糧としている印象があるイーライ・ロス、今回選ばれたのは『狼よさらば』というわけです。チャールズ・ブロンソンが演じたポール・カージーをブルース・ウィリスが引き継いでビジネスマンから外科医にキャラも変わっています。で、どういう感じだったかと言えば、予想通りの可もなく不可もなしとしか言いようがない凡作でした。 イーライ・ロス印のエロやグロそして情け容赦なさがえらくおとなしい。これは観る前から何となく予想してたら見事に的中、その理由は『グリーン・インフェルノ』や『ノック・ノック』と違ってロスがプロデューサーじゃない、つまり雇われ監督だったってことです。冒頭のカージーの妻と娘が襲われるシークエンスはオリジナルの方がよっぽどエグい、ロスが好きなように撮っていたらトンデモない映像になっていたのでは。結末もオリジナルとほとんど変わっていないといっても、この監督にしては異例のハッピーエンドなのは凄く期待外れ。カージーの出来の悪い弟フランクというキャラも、実は悪のサイドの人間でついにはカージーに成敗されるという展開かと思いきや、どんどんキャラ変してゆき最後は普通のイイ人で終わってしまうというのはある意味がっかりでした。だけどこの映画でいちばん文句が言いたいのはブルース・ウィリスで、その容姿は最近のジョン・マクレーン刑事そのまま、エリートで平和主義者の外科医という雰囲気にはほど遠い。少しはキャラづくりという努力をしてくれないとねえ、「世界一ついてない刑事がシカゴでまたドンパチやってる」としか見えません。 というわけで、イーライ・ロスの才気がまるで感じられない凡作でした。[CS・衛星(字幕)] 4点(2019-10-04 22:22:56)

2064.  グランド・イリュージョン 見破られたトリック 《ネタバレ》 監督を中国系に変えて(この後に『クレイジー・リッチ!』を撮った人)チャイナマネーを呼び込み、シリーズ化させる気は満々とお見受けいたします。内容もますます『ミッション・インポッシブル』風味が強まり、いやというか『キングスマン』シリーズを意識してきたというのが正解かも。この四人のマジシャンと元FBI捜査官はここまで来ると完全に謎の組織のエージェントですね。今回は風呂敷を広げ過ぎたおかげで前作どころじゃないツッコミどころの多さで、ここに寛大な心で臨めるかどうかがこの映画を愉しめるかのカギとなります。私は思ったより自分が広い心を持ってなかったと反省する次第です(笑)。その中であえてひとつ言わせていただければ、「催眠術、最強かよ!」というところでしょうか。いやはや、ここまでくればまさに魔法、いやほとんど超能力といった感じです。ほんとアントニオ猪木じゃないけど「催眠術があれば何でも出来る~1・2・3、ダァー!」と叫びたくなりました(笑)。 昨今のSNS全盛ご時世、YouTuberとして人気を呼べれば犯罪者も義賊になれそうという流れを皮肉るのがこのシリーズ脚本の隠れた意図かとも思いましたが、そんな深いこと考えてるわけないですね(笑)。[CS・衛星(字幕)] 4点(2019-09-30 22:41:04)

2065.  コンビニ・ウォーズ ~バイトJK VS ミニナチ軍団~ 《ネタバレ》 ケヴィン・スミスが撮った『Mr.タスク』からのスピンオフ作品らしいんですけど、言ってみればケヴィン・スミスとジョニー・デップ、それぞれの家族を総動員した究極のファミリー映画じゃないですか。主人公のJKコンビはそれぞれの娘ですが(それにしても娘にハーレイ・クインなんて名前を付けるとは、さすがケヴィン・スミス)、太めのコリーンの母親はスミスの嫁さんでハーレイ・クイン実の母親、スミス自身は判りにくいけどソーセージ製クローンのミニナチの顔として出演。顔にギミックつけすぎでもはや誰だか判らないデップの謎の探偵こそが元ネタからのスピンオフ・キャラらしく、元嫁ヴァネッサ・パラディは歴史の先生、コンビニでJKコンビへ悪態をつく悪ガキもデップとパラディの息子。というわけでそれぞれ家族睦まじいのはいいんだけど、肝心の映画の方が適当な思い付きを映像化したような感じで、つまり全然面白くない。ウジャウジャ出てくる顔がケヴィン・スミスのミニナチ小人が観てるうちに気持ち悪くなってくるし、いくらソーセージ製と言ってもあとからあとから踏みつぶされてザワークラフトの体液をまき散らすさまはゴキブリみたいな昆虫をつぶしているみたいで「もう勘弁して」と泣きごとが入ります。JKコンビのパワーの元がヨガだってのも、判ったようで判らなく要はピンとこない。まあこれは才人監督の暇つぶしと思うしかないけど、これでカネをとられる方は堪んないぞ。[CS・衛星(字幕)] 4点(2019-08-11 23:14:13)

2066.  MEG ザ・モンスター 《ネタバレ》 サメ映画といえばアサイラムというのが昨今の常識ですが、その牙城に敢然と殴り込んできたのはやはりチャイナ・マネーでした。ただのサメ映画にするには多額のバジェット、というわけで登場いたしますのは古代ザメ・メガロドン、でもこれも本家(?)アサイラムで何度もフューチャーされているので目新しさは薄いです。 これはもう、ジェイソン・ステイサムの割れまくった腹筋を愛でる女性ファンとその手の趣向のお持ちの男性のために撮った映画と言っても過言ではありません。五年前の原潜事故の際に巨大生物と遭遇したと主張しているけどキチ〇イ扱いされてタイで気ままな世捨て人を愉しむ我らがジェイソン、でも彼がやっていた稼業はどの組織に属していたのかなど面倒くさい説明はいっさいスルーしちゃうところがまた潔い。嫌だ嫌だといいながらも元嫁が潜水艇でメガロドンに襲われた聞くといともあっさり元の稼業に逆戻り、なんかすごくイイ人じゃないですかジェイソン。そう、この映画の登場キャラは研究のスポンサーである大富豪以外はみんなイイ人ばかりなんです。それではいくらサスペンスシーンを並べても、モンスター映画としての緊迫感がイマイチでないんです。そして理解しがたいのは、危機を脱してもとことんメガロドンを仕留めようとするステイサムたち登場キャラたちの執念です。中国の海水浴場に入り込むメガロドンを追っかけてゆくわけですが、どうせ喰われるのは…おっとこの辺で自主規制させていただきます(笑)。でも、フカヒレ漁に狂奔する彼らは、サメ一族の深い恨みを買っているかもしれません(笑)。 アサイラムと比較されたらさすがに「バカにするな」と製作者は怒るでしょうが、それでもかろうじておバカ映画の水準をクリアした程度です。そして私は嫌なことに気が付いてしまいました。ラストのメガロドンがサメの大群に喰われまくるシーンで、メガロドンの口から幼生が飛び出してくるようなカットがあったのです(サメは胎生、体内で仔魚を育てる)。これは続編製作もあるかもね(怖)。[CS・衛星(字幕)] 4点(2019-07-14 23:33:10)

2067.  へザース べロニカの熱い日 《ネタバレ》 いかにも80年代に流行したジョン・ヒューズ学園ものに対するアンチ・テーゼのようなコンセプトで、学園ヒエラルキーの底辺で鬱屈していた当時の高校生あたりにはウケたんでしょうね。でも脚本自体が中二病をこじらせただけみたいな出来なので、しょせん中高生にしかウケなかったと思いますよ、大人じゃ無理です。内容はとてもコメディと言えるものではなく、これは何かの寓話なのかと観ているあいだずっと考えてましたが、結局無駄でした。クリスチャン・スレイターを悪魔の変化した奴とすればもう少し面白い方向に展開できたかもしれません。だいたい、ヘザーという女生徒が恐怖の軍団で学園を支配する話かと思いきやヘザーはすぐ殺されちゃうし、そしたら途中から違うヘザーという子が出てきてますますこの映画の目指すところがつかめなくなりました。 しかし80年代のイケてるアメリカのJKで流行っていたのがゲートボール(?)だったとは笑ってしまいました。[ビデオ(字幕)] 4点(2019-06-29 22:59:14)

2068.  害虫 私の前にレビューされた53人の採点分布を見ると、驚くことに0点から10点まで満遍なく得点しています。他にも探せばあるのかもしれないけど、ここまで綺麗に点数がばらけた映画を自分は初めて見ました。まあそれだけ観た人の評価が分かれたということなんですが、観ていただけると判ると思いますがそうなるのも無理はないです。 監督の塩田明彦は蓮實重彦の門下生の一人みたいですけど、いかにも蓮實教授が好きそうな作風です。デビューしたての十代の宮崎あおいを愛でる映画と言えなくもないが、その割には彼女の家庭環境とキャラ自体が痛すぎて観ててつらいものがあります。私は基本的にセリフでストーリー展開させる映画が嫌いですが、その真逆に位置する本作だけど監督の技量が拙いのでイライラが募るばかり。どの登場人物にも感情移入させたくない、という監督の意図だけは伝わってきましたけど。ずっと一時間あまり音楽を一切使わない流れで来たところで突然流れてきたのは、おお、懐かしのナンバーガールじゃないですか。田淵ひさ子のギターはやっぱこの映画にピッタシだな、ということでそこに一点プラスです。[ビデオ(邦画)] 4点(2019-06-21 23:15:45)

2069.  大脱獄(1970) 《ネタバレ》 カーク・ダグラスとヘンリー・フォンダが主演、脇にウォーレン・オーツとヒューム・クローニンとジョン・ランドルフにバージェス・メレディス、監督がジョセフ・L・マンキウイッツで脚本がロバート・ベントン、これだけビッグ・ネームがそろっていても失敗作になってしまうというのが映画の道のおそろしいところです。ほかに邦題で被っている映画がありますが、間違いなく本作が最も無名ではっきり言えば“忘れられた映画”であるのは悲しいところです。 強盗で50万ドル奪取に成功したカーク・ダグラスが、捕まって金の隠し場所を白状しないまま刑務所にぶち込まれ、同房者を上手くたらしこんで脱獄をしようとするというのがストーリー。ここが“脱獄不可能な刑務所”と言ってもちっともそんな雰囲気ではなく、ただ西部の荒地の真ん中にあるということが最大の難関なのかなという程度のこと。ダグラスは伊達メガネを着用するいかにも口八丁手八丁といった感じのお調子者ですが、仲間や看守も平気で殺す奴でこのキャラでコメディされても笑えません。対するフォンダですが、ウォーレン・オーツに足を撃たれて引退した保安官でみんなが嫌がる刑務所長に志願するのですが、囚人の待遇改善に熱心なんですが脚本の粗さが原因でなにを考えているのか判りにくいあやふやなキャラなのが致命的。ラストのオチではフォンダがおいしいところを持ってゆくのですが、全編でいかにもギャラのために演技してますという感じで名優の称号が泣いています。豪華なわき役陣もあまり目立つようなキャラになっておらず、しいて言えばケチな詐欺師のヒューム・クローニンがちょっと光っていたかなって程度でした。 結論から言えば、この脚本では終わってみれば出演者がみんなうっすら損をすることが運命づけられていたとしか言いようがないですね。[CS・衛星(字幕)] 4点(2019-06-13 23:25:05)(良:1票)

2070.  マンハッタン無宿 《ネタバレ》 むかしTV放映で観ているはずなのに、ストーリーも何も全然記憶に残っていない、おかげで新鮮な気持ちで観ることができました(笑)。マカロニ映画界隈から復帰したころのイーストウッドですが、当然ながら若いですし何より「こんなにイーストウッドってイケメンだったっっけ」と感嘆するほどの美男子ぶりです。なので、まるでジェームズ・ボンドばりに出会う女性とヤリまくる展開はもっともです(納得するな!)。よく“西部劇の現代版”とか“ダーティハリーの原型”とか本作は評されることが多いですが、私にはどちらも適切な評だとは思えません。だってNYで早々に拳銃を奪われるし、劇中イーストウッドはガンを撃つことはおろかずっと丸腰だったわけで、普通の西部劇や刑事ものの主人公としてはあり得ないでしょう。おまけに格闘してもほぼイーストウッドは全敗、これじゃあ私の記憶から欠落してしまうの無理ないです。私の中では“イーストウッド=ガメラ”という分類なんですが、その心は“どちらも相手と闘うときはけっこうダメージを受けて血を流す”なんですが、本作のイーストウッドはいくら何でも弱すぎでしょ。極めつけはラストの犯人逮捕で、バイク転倒でダメージくらったけど、いったん逃げ切った犯人がパトカーを見て引き返したおかげ(なにも同じところに戻ってこなくても…)じゃないですか。そもそもこの犯人がどんな罪を犯したのかすらスルーしているから、イーストウッドがなんで無茶してまで病院から連行しようとするのか理解しづらいし感情移入もできません。 よく考えると、この映画の中では誰も死んだり殺されたりしませんでした。こんな刑事アクションは非常に珍しく、当時の“Love & Peace”の社会風潮を反映させた脚本だったのかもしれません。[CS・衛星(字幕)] 4点(2019-04-09 23:24:16)

2071.  バッジ373 《ネタバレ》 本作も『銃犯罪特捜班/ザ。セブン・アップス』と同じく『フレンチ・コネクション』のスピンアウトとみなしてよろしいんじゃないでしょうか。『フレンチ・コネクション』のドイル刑事のモデルとなったエディ・イーガンが原案を出し準主役級で出演までしています。自身をモデルにした主人公キャラはロバート・デュバルが起用されています。 刑事ものにしては妙に社会派ぶったお話しで、悪役はプエルトリコ人のギャングとプエルトリコで革命を起こそうとたくらむ過激派です。ここら辺の事情は、作家のピート・ハミルが脚本に参加しているのが影響しているのかもしれません。ロバート・デュバルが演じるエディ・ライアン刑事が麻薬捜査の手入れで追い詰めたプエルトリコ人のチンピラが転落死してしまい、この手の映画でお約束の停職になるところからスタートです。停職中に相棒刑事が殺害され、拳銃どころかバッジすら持ってないのにライアン刑事は勝手に捜査し始めます。 この映画は脚本だけじゃなく、そもそもロバート・デュバルを主演に持ってきたことが最大の失敗です。もちろんこの人は名優ですけど、刑事役でアクションする柄ではないってことです。考えるに、カーク・ダグラスやバート・ランカスターが盛りを過ぎた70年代は、ハリウッドでアクションがさまになる大物中年男優がほとんどいなかった時代だったんじゃないかな。しいて言えばそのポジションを守っていたのはバート・レイノルズぐらいかもしれませんが、ちょっと小物(失礼)ですよね。この状況は80年代にブルース・ウィリスがブレイクするまで続いたわけです。デュバル本人にやる気があったのかは疑問ですが、犯人を追っかけたりする最低限のアクションも鈍重なんです。またこの刑事にはいい面でも悪い面でも感情移入できる要素が皆無なのが弱みです。唯一のアクション見せ場であるデュバルが運転する路線バスと追う過激派とのカーチェイスも、彼が勝手に乗り込んできて乗客を乗せたまま逃げ回るんですから、乗っている方としてはたまったもんじゃありません。けっきょくバスから引きずり降ろされてボコボコにされてしまうんですから、観ていてほんと疲れます。 社会派的な要素があるのでラストの結末にはカタルシスはゼロ、でもラストショットだけは『ダーティハリー』のモロパクリ、なんとも志の低い映画でした。[CS・衛星(字幕)] 4点(2019-03-29 23:43:40)

2072.  パージ 《ネタバレ》 プロットは完全にケータイ小説レベル、イーサン・ホークやレナ・ヘディといったそこそこ名の知れた俳優を起用していますが、B級感は隠しようがない。まあこのプロットは詰めて考察すれば穴だらけなんで無視することにして、やはり『わらの犬』的な映画として観るしかないですね。でも緊迫感は『わらの犬』に遠く及ばず、というよりも比べること自体がペキンパーに失礼極まりないといったほうが正解。イーサン・ホークはいつものイーサンで、今回こそは今までのヘタレキャラを返上するかと思えば最後まで生き残れないし、奥さんのレナ・ヘディにしてもお前の中途半端な態度も事態を悪化させた要因の一つでしょ。パージの日だから交際の邪魔をする父親を始末しよう、いくらバカ娘の恋人だからといってこんなアホな奴いるわけねーじゃん。そして匿われた黒人ホームレスを執拗に狙うヤッピー軍団、あの黒人にそこまで執着する理由がさっぱり判らん、狩りの獲物なら他にいくらでもいるでしょ。そして本当に怖いのは成功を妬む隣人軍団で、もしパージ制度が実際に存在したら、パージの対象は見知らぬ他人じゃなくて人間関係がある者になるに決まってるじゃないですか。そこがこの映画のプロットのおかしい根本理由です。 「1年で12時間だけだれを殺してもイイですよ」こんな制度があるおかげでアメリカが平和な国になった、これは考えようによってはアメリカ人をずいぶん馬鹿にした設定だとも言えますが、トランプを選挙で大統領に選ぶ人たちだからあながち間違っていないのかもしれません。[CS・衛星(字幕)] 4点(2019-02-28 23:55:29)(良:1票)

2073.  マッドマックス サンダードーム どう考えてもこの映画はティナ・ターナーを起用してゴージャスに盛り上げるのが製作意図だったはずなのに、盟友バイロン・ケネディの事故死で意気消沈していたジョージ・ミラーのせいでピンボケな映画になってしまいました。彼女が演じたキャラは善なのか悪なのか良くわからんところが魅力的なキャラですが、ストーリーの中盤以降は存在しないも同然になってしまったのはこの映画の大失敗です。サンダードームでマックスと差しでタイマンぐらいしてほしかったな。実はわたくし公開直後にビデオで観てるはずなのに、見返すまでずっとバータータウン内で物語が進行していたと思っていました。つまりマックスが砂漠に追放されてからのストーリーが記憶から欠落していたのですが、確かに後半部分のパワーダウンでは印象に残らなかったのは無理もないでしょう(ひょっとして途中で観るの止めたのかな)。マックス自身もほとんど活躍しなかったしね。 マッドマックス三部作で最低作という汚名を残してマックスは伝説の中に消えていったけど、30年たってジョージ・ミラーはシリーズを再始動させて借りを返せたわけです。さあ、いよいよ『怒りのデスロード』を観るぞー![CS・衛星(字幕)] 4点(2019-01-28 23:37:48)

2074.  暗黒女子 《ネタバレ》 これが清水富美加の出家騒動であわやお蔵入りになりかけたやつですね。ストーリーテリングからして『キサラギ』のJK版という感じが濃厚。原作は若手女流作家の推理小説だそうで、原作が『キサラギ』の影響を強く受けたというのが正解でしょう。でもキャスティングからして文学サークル会長代行の清水富美加があまりにも怪しげなので、細部はともかくとしてオチの方向性は序盤からバレバレ。しかも文学サークル定例会の恒例行事が闇鍋というところからして、設定の無理やり度が高すぎです。そういうところからして、原作自体がケータイ小説の多少出来が良いバージョン程度なのかもしれません。飯豊まりえの死の顛末やラストの展開などに現実味がこれっぽっちもないのですから、いっそのこと“文学サークルは悪魔崇拝グループだった”みたいなオカルト噺にしたほうが正解だったんじゃないかな、でも原作があるからそういうわけにもいかないか。 清水が出家騒動の時に「人間を喰う内容の映画に出演しなければならなかったのが嫌だった」と事務所をディスっていたのはこの映画のことだったのかな?でも彼女は『東京喰種トーキョーグール』もほぼ同時期に出演してたよな、こりゃレプロもしくじったな(笑)。[CS・衛星(邦画)] 4点(2018-11-14 22:41:01)

2075.  バトル・ロワイアル 《ネタバレ》 あの分厚い原作は出版当時にちょこっと立ち読みしただけなのであまり偉そうなことは書けないが、設定やストーリーテリングのニュアンスがけっこう変わっていることは確かみたいです。原作では架空の全体主義国家のお話しだったところを、ほぼリアルタイムの日本が舞台としているところが大きな相違。でもその世界では日本は壊れてしまっていてBR法という理解不能な法律が施行されているわけです。こういうSF的な設定なら徹底的に不条理劇として撮るのが正解だと思いますが、いつもの流儀で泥臭く映像化してしまってるところが深作欣二の限界というかセンスのなさなんでしょうね。でもその脚本を書いたのは当時20代だった息子の健太だというのが、ちょっと不思議。彼は初めて劇映画の脚本を書いたわけで、きっと親父がかなり手を加えているんじゃないかと推測します。だって随所に団塊世代チックな臭みが見え隠れしてますもん。中でも塚本高史があの「腹腹時計」を書いた人物の甥という設定で、その叔父をヒーローの様に描いているのには呆れました。もちろんこれがフィクションの映画化だと承知してますが、現実世界で70年代企業爆破事件の指南書だった「腹腹時計」を持ち出してくるのはいわばルール違反です。三菱重工爆破事件で親戚が犠牲になった者としては、不愉快極まりなしでした。[CS・衛星(邦画)] 4点(2018-10-28 22:17:26)

2076.  ハイジャック (1972) 《ネタバレ》 なんでも、これがハリウッドで初めて製作されたハイジャック映画なんだそうです。『大空港』は?という声もあがるでしょうけど、まああれはパニック映画のジャンルでしょう。監督はジョン・ギラーミンで主演がチャールトン・ヘストンとくれば如何にも当時はやっていた超大作路線かと期待されるでしょうが、これが作品規模といい映画自体の出来といい、実にショボい底抜け超大作でした。 冒頭の画面に映らない誰かが口紅を空港売店で買うところやその口紅で旅客機のトイレの鏡に「爆弾を持っている、行き先をアンカレッジに変更しろ」と書かれているのが発見される、これが前半のサスペンスの肝のはずですが下手くそな演出のせいで全然盛り上がらない。乗務員たちは「口紅を使っているぐらいだから、犯人は女性かな?」と至極まっとうな推測をするのですが、稚拙な脚本のせいでジェームズ・ブローリンが演じる軍人が犯人だということがバレバレなんです。この犯人がはっきり言って狂人で、後半ではアンソニー・パーキンスが演じているようなキチ〇イぶりで、若き日のジェームズ・ブローリン、なかなか良い仕事をしてます。ごたごたがあって結局アンカレッジからブローリンの亡命のためにモスクワに飛ぶことになってしまいますが、ここら辺からおかしな展開になってしまいます。まあキチ〇イのすることだから、という言い訳はできるでしょうけど、この軍人は警察に追われているわけでもないので亡命したけりゃソ連大使館に駆け込むかそれこそ航空チケット買ってモスクワに行けば事が済むわけです。冷戦中とはいえソ連と米国は普通に国交があるわけですから、日本のよど号乗っ取り事件と全然違いますね。あと登場キャラの描きこみがほとんどないので、それぞれのエピソードが恐ろしく薄っぺらで印象に残りません。とても劇場映画とは思えない、平凡なTVムーヴィーという出来でした。 でもとり得がないわけではなく、本物のB707旅客機を架空のエアライン塗装で飛行させて撮影しているところです。そしてソ連領空でソ連戦闘機が迎撃してくるシーンも、4機の戦闘機がB707の至近距離を威嚇してブンブン飛び回るところを実写で見せてくれます。この戦闘機はおそらく米軍のF-100戦闘機だと思いますが、塗装やマーキングもうまくソ連機に似せていました。さすが『ブルー・マックス』を撮ったギラーミンだけあります。[CS・衛星(字幕)] 4点(2018-09-16 23:22:48)

2077.  ウィンター・ウォー/厳寒の攻防戦 《ネタバレ》 上映時間三時間超の全長版で鑑賞。今までの公開バージョンよりきっちり一時間長いわけですが、はっきり言って冗長というのが偽らざる感想になります。対ソ情勢が悪化してゆき戦闘が始まるまでに一時間近く費やします。その間は記録映像など一切使わず、招集されてゆく兵士たちの目線だけのストーリーテリングですから、フィンランド人ではなく予備知識を持ってない者には戦争にいたるまでの経緯が判りにくいでしょうね。戦闘場面では陣地を守るフィンランド軍に戦車を随伴させたソ連歩兵が攻めてきて撃退される、延々とその繰り返しを見せられたような気がします。フィンランド軍は激しい砲撃を浴びせられるのですが、これが意外と損害を与えません。至近距離で砲弾がさく裂してたしかに泥や土塊を浴びますが意外と無傷、中には狭いタコつぼ陣地の中で砲弾が着弾しても平気というシーンまであり、さすがに?でした。最前線でもサウナだけはきちんと作って休養する、さすがフィンランド人と納得させられるシーンもあります。あとこの冬戦争期間中はとてつもない寒波が続きソ連軍なんかは森の中で連隊全員が凍死していたなんて史実がありますが、暖冬だったのかさすがに厳冬期では野外ロケは無理だったのか、映像からはその冬らしさがあまり伝わってこなかったと感じました。 史実ではフィンランド軍の十倍近い圧倒的な兵力差のソ連軍が大損害を被り、半年近く攻めてからくも休戦に持ち込んだというところです。それでも領土の一割近くをソ連に割譲させられたので、フィンランドには苦い結末だったことは否めません。ソ連は開戦早々にお得意の傀儡政権まで準備して完全にフィンランドを併合するつもりでしたから、独立を維持できただけでも大勝利と言えるんじゃないでしょうか。ソ連・ロシアと地続きの国境で接するということは、昔も今も大層厄介なことであることは変わらないということです。[CS・衛星(字幕)] 4点(2018-06-14 22:53:07)

2078.  ハノーバー・ストリート/哀愁の街かど 《ネタバレ》 前半は不倫ロマンス、後半は特殊部隊戦争アクション、まさに驚異のハイブリッド・ムーヴィーで、こんな映画はピーター・ハイアムズじゃなきゃ撮れません(笑)。脚本がまた突飛なほどのご都合主義、とくに後半は唖然・呆然の連打でここまでくるとなんか愉しくなっちゃいます。寝取られ夫と間男が同じ爆撃機に乗り合わせて二人だけ生き残るってのは、まあ目をつぶりましょう。でも三歩歩いただけで捻挫しちゃう、捻挫してるくせにけっこう走ったりする、そして極めつけはどう見たって二発は背中に機関銃弾が命中してるのに死なずに帰還できちゃう、もう“不死身の男 クリストファー・プラマー”と呼ぶしかないでしょう(笑)。こんな理想的な夫としか言いようがないプラマーの妻レスリー・アン・ダウンがハリソン・フォードごときと出会ったとたんに不倫に走っちゃう、こんな女に誰が感情移入できるでしょうか。せめて病院の廊下で二人が出くわすラストシーンは『第三の男』みたいになにも言葉を交わさずにすれ違うだけ、というような余韻が残るような脚本にしていたら少しはピーター・ハイアムズを観直したかもしれません。ジョン・バリーの音楽が『ある日どこかで』を思い出させてくれたので、プラス一点です。[CS・衛星(字幕)] 4点(2018-05-26 23:35:15)

2079.  パシフィック・ウォー 《ネタバレ》 初っ端の戦闘シーンを観て一気にテンションが下がりました。インディアナポリスって重巡洋艦なんだよ、この映画ではまるで戦艦みたいな図体でどうせCG使うならちゃんと実艦に似せてくださいよ。だいたい突っ込んでくる特攻機が開戦当初の明灰白色塗装のゼロ戦なのがおかしい。細かいことにこだわるな、っていう人もいるでしょうけど、こういうところを蔑ろにしている戦争映画は、たいてい映画としての出来もひどいのが多いもんです。あの『パール・ハーバー』はこの映画の逆で、登場するゼロ戦が戦争後期の暗緑色塗装だったことが思い出されます。撃沈シーンがまた突っ込みどころ満載。船体が折れるところなんてまるっきり『タイタニック』のまんまですし、これはひょっとしてギャグなのかとマジで首をひねってしまいました。漂流し始めてからはドラマが緊迫していくはずなんですが、個々の登場人物のキャラが描きこまれていないので盛り上がらない。トム・サイズモア以外の乗組員は誰が誰だか見わけもつきません。そして登場するシャーク・アタック、このサメのCGがまたショボすぎて、これはアサイラムの製作かと思いましたよ。 まったく、ニコジーよ、少しは仕事を選べよ(怒)。[CS・衛星(字幕)] 4点(2018-03-15 00:04:16)

2080.  ポゼッション(1981) イザベル・アジャーニとサム・ニール、まずこの組み合わせがヤバいです。「あっちの世界に行っちゃった人」を演じさせたらひょっとして世界一かもしれないアジャーニと、イケメンなのにヘンな映画にばっかり出てまともなキャラだったことがほとんどないニールですから、破壊力は半端ないです。『ジュラシック・パーク』しか彼を知らない人は、ほんとびっくりさせられるでしょうね。でもアジャーニの地下鉄通路で長回しで見せつけてくれる狂乱のパフォーマンスは、地上波放送では決して流せない放送事故級の演技です。思うに彼女にはこういう気質を実際に持っている類の人なんじゃないでしょうか。 ですけど正直言ってこの映画はわたしにはピンと来るものがなかったですね。登場人物たちが訳の分からない言動をするというのはドラマツルギーとしては別に不思議でもないんですけど、それが有機的にドラマに貢献してないし伏線にすらなっていないんですから、もう訳が判りません。まあ言ってみれば、この監督は“才能のないデヴィッド・リンチ”でしかないということでしょう。[CS・衛星(字幕)] 4点(2017-10-30 21:51:10)

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