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221.  情婦マノン 《ネタバレ》 これは恐ろしい。一見、男と女のメロドラマのような雰囲気、ラブストーリーというような感じで見せておきながらじわりじわりと二人の男女の裏に隠された何か見てはいけなかったような恐ろしいものを見てしまったようで本当に恐ろしくて、メロドラマを見ていると同時に惨酷な運命へと突き進む恐ろしいサスペンスものを見ている感覚に襲われた。クルーゾー監督らしい人間描写、追い詰めていく緊張感、そして、圧巻なのはやはりあのラストシーン!射殺された青年を逆さまに担ぎながら砂漠を歩いていくマノンの姿がとにかく怖い。怖い。これほど惨酷で恐ろしい恋愛ものなど私は初めて見たかもしれない。これはラブストーリーではあるけれど、ラブストーリーの形を借りた何とも恐ろしくも哀しいサスペンスドラマの傑作だ![DVD(字幕)] 9点(2009-01-14 21:56:24)

222.  その場所に女ありて 《ネタバレ》 やった!念願叶ってようやく観ることが出来ました。この前、同じ監督の「彼奴を逃すな」をCS放送から録画して持ってるという親戚から借りて観たばかりでこれも観たいけどって聞いたら調べて見るよと言われたまま待っていたらこれも録画してあるという連絡を今朝、もらい早速借りてきて、観終わったばかりでして、いや~司葉子!司葉子!司葉子の何という美しさ、そして、かっこ良さ、男社会における企業の中で強く逞しく、生きる女を見事に演じている。その素晴らしさ、とにかく惚れ惚れするぐらいの美しさと知性、かっこ良さ、全てを備えた完璧なまでな女をここまで見せ付けられるに連れ、人間て生きものは男よりも女の方が強いということを改めて思い知らせれると同時にこの映画の司葉子演じるどこまでも美しくかっこ良い女の男社会に対する不信感から来る物凄い説得力のあるまるでサスペンスもののようなストーリー展開に、いや、これは完全にサスペンスものである。ライバル会社との駆け引きの中でひたすらに男よりも強く自立していく女の強さ、冷酷なまでにドライな感覚のままテンポ良く、全くもって飽きさせないこの鈴木英夫という監督の凄さ、そうそう!この映画、司葉子に対するカメラワークも素晴らしい。あの素晴らしく細くて舐めまわしたくなってしまうほどの美しい足、ここでもピシッとスーツ姿を決め、あのスカートから伸びる足、うわぁ~~~!て、何だかこうして書いてるとスケベなおっさんにしか思えないんだけど、これは司葉子の魅力全開、司葉子ファンは当然、必見として、これほどの作品がたった四人のコメントしかないという寂しさと現実に頼むから鈴木英夫監督の作品も川島雄三、成瀬巳喜男といった監督同様、全てDVD化して欲しい。この監督の作品、まだ二つしか観てないのにもう、既に虜になってしまった。それにしても司葉子とあんな良い思いしている宝田明めっ!憎いぞ!そして、羨ましい。最後に「その場所に女ありて」何て素晴らしいタイトル!「その場所に男ありて」なら見てないだろうし、男は誰も見ないだろうなあ![CS・衛星(邦画)] 9点(2009-01-12 22:11:11)(良:1票)

223.  彼奴(きゃつ)を逃すな こいつは面白い。知り合いからのオススメ映画てことで以前、CSで放送したらしいのを録画してあるというビデオを借りて来て見たけど間違いなく傑作!まずは木村功に志村喬に土屋嘉男に宮口精二、何たるメンバー!この名前を見て真っ先に黒澤明監督の「七人の侍」を思わずにはいられない。そこにきて、津島恵子である。もうどう考えても「七人の侍」しか最初に浮かばない。オープニングの電車に合わせたかっこ良いタイトルの文字、そして物語は前半は犯人の姿が解らない、見えない犯人からの脅迫に怯える恐怖に後半は目の前の犯人がいる中でのどうやって逃げだそうかという緊張感、とにかく最初から最後までダレることなく進むのでハラハラしっぱなし!それにしても、津島恵子の可愛いこと、可愛いこと!この監督、噂には聞いていたけど他にもまだまだ凄い作品が幾つもあるらしい。中でも私は司葉子主演の「その場所に女ありて」が見たい。物凄く見たい。まあ、それはさておき、この映画の緊張感は最近の映画じゃなかなか味わえない本物の映画俳優達による演技合戦と凌ぎ合い、モノクロの画面と汽車の走る瞬間の揺れ動く木造の家だの、そしてこの時代の庶民の暮らしぶりも味わうことも出来て、とても興味深く見る事も出来た。しつこいようだが傑作!傑作!こういう作品こそ多くの方に見て欲しいし、見せてあげたい。DVD化を希望!こんな傑作を眠らせておいては勿体無い。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2008-12-22 22:17:11)(良:1票) 《改行有》

224.  家族ゲーム 《ネタバレ》 今ではすっかり駄目監督の烙印を押されてしまっている森田芳光監督ではあるが、この作品は間違いなく森田芳光監督の最高の作品である。おそらくこれを超える程の作品を撮ることなど出来ないと思う。それは何故か?昨今の日本映画には役者の魅力の無さと力量の無さ、個性溢れる俳優、特に脇役でそういう人が少ない。昔の邦画にはそれがある。例えば黒澤、小津映画には三井弘次や中村伸郎が溝口映画には小沢栄が成瀬映画には加東大介が市川崑映画には伊藤雄之助が川島雄三、今村昌平映画には小沢昭一がいるようにそういう俳優がいないからである。この作品は狂気の塊のような作品である。人間の狂気、これがあるからこそこの作品はいつ見ても面白く見ることが出来る。松田優作の家庭教師の狂ってる様、そんな狂気の塊のような人間に対してこれまた周りも皆、どこか狂ってる。何を考えてるのかさえ全く解らない連中だらけの家族、成績も悪ければ運動おんちで喧嘩も弱く、いじめられてばかりの息子、これを演じている宮川一郎太の冷めた表情、家庭教師も教えてもらう側もどちらも常に冷めた空気で充満している。そんな冷めた二人に対してこれまた伊丹十三、由紀さおりの二人もこれまた冷めた空気、二人共人間の狂気を感じることが出来る。劇中一切の音楽を使わないこの作品、音楽が無いことで生まれる緊張感、一人、一人が何を考えてるのか読めないこの空気、緊張感、単なる家族の話なのにこの緊張感は凄まじい。横一列に並んで食事する場面、伊丹十三が目玉焼きをチュウチュウしながら食べている。この場面こそ正しく人間なんて何を考えてるのか誰にも解らないと言っているようである。この映画の成功は何よりもこのキャスティングによるものが大きい。松田優作に伊丹十三というこの二人の個性、若くして亡くなってしまった松田優作と自殺により自らの命を絶った伊丹十三、この二人が今も生きていたら、今でも間違いなく活躍している筈である。そう思うと本当にこの二人の死は日本映画界にとって大きな痛手あることは間違いない。松田優作、伊丹十三にとっても監督の森田芳光にとっても歴史に名を残す傑作であろう!勿論、宮川一郎太にとっても由紀さおりにとってもこの映画に出逢えたことは大きいと思います。いずれにせよ、この映画は狂気の塊による才気溢れる傑作である。[DVD(邦画)] 9点(2008-11-28 22:12:43)(良:1票)

225.  おくりびと 《ネタバレ》 見終わって一言、あぁぁ~自分の最後はこの二人、本木雅弘と山崎努をはじめとするこの人々におくられていきたいと思った。自分の最後をこういう形でおくりだしてもらえたら幸せだろうと思うと同時に自分が最も愛した人達、お世話になった人達をこの人達とおくりだすことが出来たら良いなあと思わずにはいられなかった。妻に納棺師という仕事をしていることを隠していたことがバレ、「汚らわしい」と言われようが自分の選んだ道、仕事に対する誇り、自信を持って最後までやりとげる本木雅弘の姿にこそ人間の持つべき本来の姿があるのではないだろうか!どんな仕事であれ、仕事には変わらない訳で、だからこそあの広末涼子の「汚らわしい」だけは言って欲しくなかったのと言わせるような脚本は書いて欲しくなかった。あれさえなければ満点にしたいぐらい素晴らしい作品です。人は生きる為に働く。自分で選んだ道を信じることの素晴らしさをこの映画は教えてくれている。自分を捨てた父親の最後をおくりだす場面のあの父親の死に顔の美しさとそんな父親との想い出の石ころを手の中に握りしめている父親、俳優峰岸徹の遺作となってしまったこの映画、何とも複雑な気持ちになりました。峰岸徹のご冥福を祈りつつ、人間が死ぬといこと、死は単なる終わりではないということ。それはあの風呂屋のおかみさんが亡くなった後の場面での笹野高史の台詞に込められたメッセージこそこの映画が言いたいことではないかと思う。[映画館(邦画)] 9点(2008-10-30 22:22:55)

226.  「女の小箱」より 夫が見た 《ネタバレ》 これはまた何という欲の固まり、欲に埋もれた人達のドロドロしたサスペンスものであり、これまた恋愛劇、それも純愛といっても良いような男と女のメロドラマ!出世の為なら何でもする。仕事として女を抱くという田宮二郎のあの男の凄まじさ、平然とした態度、それ以上に若尾文子、若尾文子、若尾文子はここでも凄い。オープニングから女の色気、ムンムン、フェロモン全開、風呂場での田宮二郎とのやりとりの凄さ、田宮二郎に猛烈に口説かれても全く動じない。表情をまるで変えず平然としている若尾文子、この場面を見たら間違いなく男はノックアウトするでしょう!私はもう、最初の若尾文子登場のこの場面から完全にノックアウトされました。そんな若尾文子と並んで凄いのが岸田今日子、怖い。本当に怖いです。増村保造監督は何を見たいか?男が期待している女の凄さと恐ろしさを徹底して見せてくれる。この監督、やはりただ者ではない。人間の持っている出世したいという欲、更には金に対する執着心、金欲、そして、人間なら男も女も同じように持っているはずの色の欲、つまりは性欲、欲の全てをここまでして描くとは恐ろしい。作品の好みで言うと「妻は告白する」の方が上だけど、これもまた単なるサスペンス映画ではない恋愛映画として素晴らしい傑作![CS・衛星(邦画)] 9点(2008-06-30 21:50:17)

227.  赤ちゃん泥棒 《ネタバレ》 コーエン兄弟は断然、昔の作品の方が良い。個人的には「ミラーズクロッシング」とこの作品が私の中では同じぐらい大好きです。まず何よりもコーエン兄弟の温かさを感じることが出来るのが良い。囚人と府警という夫婦の組み合わせも面白い。そんな二人には子供が作れないという理由から赤ちゃんを盗む。しかし、単なるドタバタした話でない、何か人間的な温かさ、優しさが伝わってきて泣ける。笑えて泣けるのだ。赤ちゃんを盗んでからの二人の行動のチグハグさの中にも赤ちゃんに対する優しい感じが物凄く滲み出ていて観ていて幸せな気持ちにもなれる。だからこの映画が私は大好きです。車の中で盗んだ赤ちゃんを抱きしめている時のホリー・ハンターの嬉しそうな姿は、一人の人間としてのまた女性ならではの幸せを感じる何とも微笑ましい場面だし、ラストのあの夢のシーン、未来に向けての希望のようなあの場面、例えそれが正夢にはならなくてもきっとあの二人はこれからもずっと二人で仲良く生きていくことだろう!全てにおいて優しくて温かいこの映画、誰が何と言おうと、どんなに周りの評価は低かろうが、私は大好きだ。[DVD(字幕)] 9点(2008-04-05 16:04:21)(良:1票)

228.  魔法にかけられて 《ネタバレ》 なるほど!そう来たかっていう展開にタイトルの如く「魔法にかけられて」そんな気持ちになることが出来た。アニメと実写の融合がこれまた上手い具合に描かれている。所々で見られるディズニー映画のパロディぶりが面白い。そして、この映画の成功は何と言っても主演の二人、エドワード王子とお姫様ジゼル役のこの何ともノーテンキぶりが素晴らしい。段々と美女に見えてくるジゼル演じるエイミー・アダムスがとにかく良い。あのハイテンションぶり、オーバーな演技も嫌味なく、それどころか物凄く魅力的である。そんなジゼルを追ってやって来るエドワード王子のあの大馬鹿ぶりも最高だ!あの王子が二枚目でない所が良い。これが誰が見ても二枚目のような俳優だったりしたら嫌味なものに感じてしまうが、この俳優を選んだ所が作品の中で笑えて笑えてとにかくあのアホぶりは最高だ!画面全体の美しさもいかにもディズニーて感じで良い。特に公園でジゼルが歌いだすとそれにつられて公園に来ていた他の客がみんなして歌に合わせて踊り出すあの場面における楽しさ、まるで本物のディズニーの世界に連れて行かれているような気持ちになって楽しかった。最初は王子とジゼルの邪魔ばかりして魔女の味方となっていたナサニエルが二人の見方になるてのも救われる。それとあのリスも良い。音楽の楽しさとストーリーの面白さに美しい映像美とが見事に融合されていて素晴らしい作品になってる。こういう映画をああだとこうだと文句を言って観ようとするのは間違ってると思う。素直に楽しめればそれにこしたことはない。こういう映画はとにかく余計なことは考えないで思い切り楽しみたい。そんな私の希望に応えてくれているこの映画を批判することなど私には出来ません。観る前はそれほど期待してなかったものの、評判が良いので観に行きましたが観に行って良かった。心からそう思う。観た後、速攻でサントラ買いました。[映画館(字幕)] 9点(2008-03-15 18:23:13)(良:3票)

229.  帰ってきたドラえもん 《ネタバレ》 ドラえもんの力に頼る事なく、ボコボコにされてもジャイアンに食らい付くのび太が格好良い。のび太の一番格好良い姿が見る事が出来るのはこの作品です。他にもこの作品が素晴らしいのは嘘は良くないけど、こんな嘘なら許せるし、許すと感じさせてくれる所です。[DVD(邦画)] 9点(2008-03-12 22:56:50)

230.  ナイト・オン・ザ・プラネット これは間違いなく良い映画だ。この映画を言葉で表すとしたら「全人類が同じ時を過ごせる映画」正に奇跡の空間!住んでいる場所、人種こそ違っても、全ての人間が同じ地球上で生きている。人間の持っているものを全て温かく包んで見せてくれるこの映画、誰が何と言おうと、私は大好きだ!人間が好きになれるし、心優しい気持ちにもなれる。そして、この映画は特に夜遅くに見るのが最高です。観終わって部屋の窓を開け、星空を見上げるとそこには地球上の全ての人の微笑んでいる表情が眼に浮かぶ。素晴らしい。[DVD(字幕)] 9点(2008-01-09 19:05:19)(良:3票)

231.  レディ・イヴ 《ネタバレ》 やったあ!前から観たくて観たくてたまらなかった映画の一つで、近所のレンタル屋さんにはないからDVDで買うしかないと思っていたら何と500円で売ってるのを見つけて買ってきた。期待通りの面白さでした。まず何と言っても前半の船上でのやりとりが可笑しくて可笑しくて、何だか思い出すだけでまた笑えてくる。そのぐらい面白い。ヘンリー・フォンダのズッコケぶり、そんなヘンリー・フォンダを誘惑し、自分の部屋へと誘っておいて、靴を履かせるシーンにおけるバーバラ・スタンウィックの色っぽいこと!その時のヘンリー・フォンダの頭をなでまわすシーン、本当に笑える。そして、後半は後半でイヴへと成り済ましてのバーバラ・スタンウィックの凄さ、結婚式を終えた二人の列車内での粋な会話、更にドダバタ喜劇的な要素をたっぷりと混ぜてのテンポの良さ、最後の落ちも決まってる。粋な会話と見事なまでのドタバタ喜劇的な展開にあっという間に終わってしまった気がする。こういうコメディ、今は撮れないのかなあ?それにしても、ヘンリー・フォンダがここまでのズッコケ演技を見せてくれているとは、物凄く新鮮でもあり、本当に楽しかった。[DVD(字幕)] 9点(2008-01-04 18:29:40)

232.  ラヴソング 《ネタバレ》 ラヴソングって、何だかタイトルだけを見ると何や、甘たるい恋愛ものかと思っていたらとんでもなかった。何と言う心憎い演出でストレートに泣かせてくれる。やるな!香港映画!こんなにも素晴らしい映画が香港映画の中にあったとは知らなかった。この映画、冒頭のあのモノクロの駅のシーン、この最初のシーンを最後になって、もう一度繰り返されるのだが、それが物凄く効いてきます。同じ頃、香港へと出稼ぎにやって来た若い男女二人の十年越しの愛、遠回りであったものの、二人の恋が実ったことを表すシーンが映像と共に迫ってくる。作品のスタイトルとしては完全なメロドラマである。この映画の中でも何度となく流れてくるテレサ・テンの歌声と映像、そして、そんなテレサ・テンの死を知らせるニュースを街頭テレビで見ている二人が見せる表情が素晴らしい。二人の思いがここに象徴されている素晴らしいショットだ!このシーンについて語らせてもらうと、もう、二人が抱き合ったりしなくても愛し合っていること、二人の恋が実ったことが伝わるのだ。下手な映画、例えば今の日本映画だったら、ここでぐたぐたと言葉を交わしたり、抱き合ったりするものだが、この映画はそういうことをしていない。そんなことなどしなくても十分、二人が十年越しの愛を実らせたことが解る素晴らしいシーンだ!ここで終わりと思わせておいて、ラストにあの冒頭の駅のシーンを持ってくるというこの何とも気の効いた心憎い演出!マギー・チャンのラストの微笑みは、いつまでも頭から離れなくなりそうです。[DVD(字幕)] 9点(2008-01-02 10:40:09)(良:3票)

233.  有りがたうさん 《ネタバレ》 「有りがたうさん」良い響きだ!観終わって一言、心から「有りがとう」てこの映画の人達みたいに大きな声で叫びたくなった。そのぐらい本当に観ていて気持ちの良い映画だ!話そのものは、物凄いアクションがあったり、何か特別に凄いことが起きるわけではないのに、それが返って物凄く新鮮で本当に観ていて心地が良い。伊豆から東京へと向うバスの運転手とそこにそれぞれ色んな悩みを抱えている人達が乗り込んできて、その道中、様々な人間模様が繰り広げられるのたが、それがまた面白い。全員がこれまた善人かと言うと、そうでないところもこの映画の面白さの一つである。バスの動きにまるで合わせるかのようなのんびりとした台詞、これがまた何とも観ていて不思議なぐらいの心地の良さを感じる。車の中での桑野道子と髭をはやかした老人との会話、やりとりがこれまた凄く面白い。甘いのは苦手だからとウイスキーを勧めておきながら、やっぱり車の中でのアルコールは駄目だとか、髭をいじくっているとそれを見て、あんまり伸ばすと取れてしまうだのと皮肉いっぱいのこの面白さ、上原謙のバスの運転手と他のお客さん達、そして、地元の人達との「有りがとう」「有りがとう」の連呼!これもちっとも嫌味というものを感じない。それどころかむしろ、本当に「有りがとう」ていう気持ちに見ていてなるぐらいの心地の良さ、全編オールロケてのもこれも素晴らしい。のどかな大自然を生かした素晴らしい風景の中に輝く人間の優しさと人生に対する厳しさみたいなものが1時間半にも満たない僅かな時間の間で、しっかりと描かれているのも素晴らしく、何だかまるで小津監督の映画を見終わった後のような本当に心地の良いそんな映画を見た気がして、この監督さん、一気に好きになってしまった。この清水宏という監督の他の作品も見たいなあ![DVD(邦画)] 9点(2007-12-24 11:02:19)(良:1票)

234.  流れる 《ネタバレ》 いや~何たる豪華な顔ぶれだ!山田五十鈴のおかみさん、その娘に高峰秀子って、何つう親子だ!他にも常に控えめな田中絹代に小津監督の作品の常連でもあり、相変わらずぶりな芸達者ぶりを披露している杉村春子にいかにも岡田茉莉子って雰囲気の岡田茉莉子、それは岡田茉莉子に限らず、山田五十鈴も高峰秀子も田中絹代も杉村春子も演技なのか?それとも本人そのものなのか?と思わせるほどの素晴らしさ、そんな素晴らしい演技を引き出す成瀬巳喜男監督の凄さ、芸者の世界に生きる女性達の時代に流されながらも逞しく生きる姿が描かれている。そんなこの映画の本当に凄い所は、芸者の話なのにお座敷のシーンを全く描かずに芸者の世界で生きることがいかに難しく、厳しいかを描いて見せている。本当に凄いことだと思います。川を流れる水の音のような静寂しきった乾いた空気、それこそこの監督の持ち味なのかもしれない。ラストにこれまた水の流れる川を映す。そして、そんな川にまるでこの映画のタイトルの「流れる」のように流れて見える船を映して終わる。終わり方もこれまた成瀬巳喜男監督は本当に余韻を残すことに成功している。やはり凄い映画だ。間違いなく傑作です。[DVD(邦画)] 9点(2007-11-25 18:30:26)

235.  笑う蛙 《ネタバレ》 いや~凄い!これは正しくヒッチクック映画のようなハラハラドキドキの傑作密室劇です。大塚寧々演じる若き人妻とそんな人妻を捨て別の女を作り、更には会社の金を横領した罪で警察から追われている夫を演じている長塚京三、二人共この映画の為に生まれてきたのでは、俳優になったのではないかと思うぐらいの見事なハマリ役!一旦は妻を捨てたものの、警察から逃れる為に再び妻の元へ戻って来た夫を家の中で隠し、そんな中、毎日、毎日色んな人間が彼女の所へやってくる。ここからがこの映画の凄いところです。誰にも見つからないように隠れている夫が妻の所へやってくる人間との会話、妻の愛人との情事、夫を追ってやってくる刑事とのやりとりを隠れた部屋の中から小さな穴を開けて見ている夫、まるでその視線はヒッチコック映画のようなカメラ視線です。そして、愛人とのSEXを隠されている部屋の中から見ている夫がそれを見てたまらなくなっている場面のあのゾクゾク感は男ならきっと理解出来る筈の凄さ、愛人が帰った後、夫を隠れていた部屋から出す妻、そして、妻は今までの行為を夫に見られていたことを知る場面における妻の表情とそんな妻がその後、夫を意識しながらまたしてもやって来る人達とのやり取りを楽しんでいる凄さ、覗く側と覗かれる側の心理状態を見事に生かした上手さに、そして、何と言っても一人だけ予測の出来ない行動を取る妻、事故で死んだことにされた夫を家族や愛人達にかくまっていたことをばらすという凄まじき行動、みんなの前で夫が今までの事を全て悔い改め、やり直したいと訴えるシーンを見てる時の大塚寧々の表情に女の恐さを感じ、愛人との間に子供が出来たというとんだ大嘘まで言う始末!夫だけでなく愛人、身内と全てを騙し続けたしたたかな女の凄さに唖然とさせられた。これは本当に毒のある恐ろしくも哀しい、人間の惨酷さと矛盾さを描いている傑作です。[ビデオ(邦画)] 9点(2007-11-18 13:01:21)(良:1票)

236.  楢山節考(1958) 《ネタバレ》 凄い!このリアリズム、恐るべし映画です。全編歌舞伎の世界を思わせる映像美と相成って日本の伝統を感じる音楽に乗せて描かれる何とも恐るべし映画です。この映画の舞台となっている長野県姨捨山、地元なもので勿論、知ってるし、あの山にも登ったこともあるけど、あの山の雰囲気そのものをここまで見事に作り出した素晴らしいセットと映像美に木下恵介監督らしいヒューマニズムとが見事に融合した傑作になっている。まず何よりも田中絹代の演技が本当に恐ろしいほどの凄み、殺気を感じる。この映画の為に本当に歯を抜いてまで望んだというその役者魂にはこれぞ本物の映画俳優としての凄さを見せ付けられた思いでいっぱいです。そんな田中絹代の母を姨捨の山に捨て、雪の降る中、「おっか~」と叫ぶ息子の姿とそれを雪に打たれながら息子との別れをけして、悲しもうとはせずにいる田中絹代、ラスト、今でも実際にある「姨捨の駅」と走る列車を映し出すあの場面には涙が止まらない。これもまた間違いなく木下恵介監督の代表作品であり、そして、日本を代表する傑作間違いなしのとにかく凄い映画です。[DVD(邦画)] 9点(2007-11-06 22:06:12)(良:1票)

237.  ヘアスプレー(2007) 《ネタバレ》 やっと自分の期待に応えてくれるミュージカル映画を見ることが出来た。「ムーランルージュ」「オペラ座の怪人」「シカゴ」「プロデューサーズ」「ドリームガールズ」と近年のミュージカル映画はどれも自分としては物凄く不満であっただけに期待半分、いや、それ以上に不安のが大きかったけど前評判の良さに今度こそという思いで見てきました。いや~もう、楽しかったなあ!歌に踊りにそして、何と言っても魅力的な登場人物達と、こんなにも楽しいと感じることの出来たミュージカル映画なんて、おそらく自分が生まれてから、そして、映画館で初めて見ることが出来たそんな気がする。良き昔のハリウッド映画の雰囲気がここには感じられるのと太ってることがコンプレックスというよりもそれを生かして、一生懸命に前を向いて生きようとする主人公の姿がとても気持ち良くて、これぞミュージカルって感じのとにかく楽しくて、楽しくてあっという間に終わってしまった気がする。主演の女の子が本当に良い。あの女の子の演技と表情だけでも見ていて本当に楽しいのに、脇を固める俳優陣がこれまた皆、良い。ジョン・トラボルタのお母さん役も全く違和感なし、父親約のクリストファー・ウォーケンのコメディアンぶりもやたらと面白く、あの変なおもちゃ屋さんでのミシェル・ファイファーとのやりとりなんて、本当に笑えるし、そして、黒人問題やらの深い問題を描きつつも、けして、重くならずに誰もが見ていて本当に幸せになれると思うそんな作品です。白人も黒人も同じ人間であるということがこの映画を見ると誰もが思うはずです。人種を超えた仲間意識、素晴らしい人達によるこの秋、一番の作品だと思いました。最後にミシェル・ファイファーのあの悪女ぶりといい、大人の色気といい、何なんだ!恐るべき、もう五十歳にもなろうというのに信じられないほどの色気とかっこ良さはどうしたら出せるんだ?[映画館(字幕)] 9点(2007-10-20 17:46:23)

238.  秀子の車掌さん 《ネタバレ》 成瀬巳喜男監督、こんなにも微笑ましい作品がまだあったとは知らなかった。高峰秀子の初々しさ、そんな高峰秀子の車掌さん、おこまさんと運転手の藤原釜足、この二人を中心に山梨県は甲府街道の田舎町ののどかな風景を背景に描かれる何とも微笑ましい作品!二人が働くバス会社の社長がなんてたって、面白い。かき氷にラムネをかけて食べてばかりの社長の変な人間性が物凄い。また高峰秀子のおこまさんと藤原釜足のバスの運転手の二人が東京から来た小説家の先生に観光案内の文章を書いてもらおうとお願いに行くのだが、その時の小説家の観光案内所の読み方がなんだかお経でも読んでるみたいで、笑える。それにしてもこの映画の高峰秀子、何という可愛さだろう!そして、この映画、作られたのが昭和16年って、確か太平洋戦争の最中、戦争の真っ最中にも関わらず、どこにも戦争の匂いが感じないのが良い。一時間にも満たないこの作品、私は気に入りました。この映画もDVD化してくれないかなあ![CS・衛星(邦画)] 9点(2007-09-16 09:25:02)(良:1票)

239.  驟雨 《ネタバレ》 やったあ!これもまたまた観ることが出来た。成瀬作品と溝口作品なら以前、CSで放送した際に全てビデオに録画してあるという親戚に借してもらって、今朝、早くから観たけど、いやあ、笑える。笑える。これも見たいのに、近所のレンタル屋にはない。何故だ?そんなことよりもまずは原節子が上手い。しかも、思い切り笑わせてくれる。姪の香川京子が汽車の中で夫に日本地図を無理やり書かされ、折角書いたのに夫には「キュウリか?」と馬鹿にされたと言われ、それを聞いていた原節子が今にも噴出しそうなのを堪えながら「酷いこと言うわね」ていうシーンがやたら可笑しくて笑い過ぎて涙出てきた。参った。参った。原節子には本当に参った。他にもこの映画でも同じ成瀬監督の「おかあさん」同様、香川京子が可愛い。夫の口調を真似する所のあの可愛さときたら忘れらなくなりそうです。そのぐらい本当に可愛い。二人の女優の演技を見ているだけでもやたら笑えて、清々しい気持ちになれる。その他では男優陣に眼を向けると小林桂樹が抜群に良い味を出している。相変わらずひょうひょうしていて見ていて楽しい。作品全体を包み込む何ともユーモラスな会話とやりとりにまたまた成瀬巳喜男監督にやられた。あぁぁぁ、これもDVDで欲しい。とにかく楽しくて楽しくて、あっという間に終わってしまった気がする。[CS・衛星(邦画)] 9点(2007-09-01 10:12:19)(良:1票)

240.  ハウス/HOUSE(1977) 《ネタバレ》 大林宣彦の才気と少女マニアぶり、ある意味変態さが爆発していて、たまりません。ホラーだげど、ドロドロしてない所がいかにも映像の魔術師であると言えるし、ファンタジー映画を撮らせたら日本の映画監督でこの人の右に出る者はいません。これだけ美しくホラーものを撮れる監督は他にはいないだろうと思うぐらいこの監督デビュー作からして、早くも素晴らしくファンタスティクな映像の世界に酔いしれる。七人の少女という設定もどこか黒沢明監督に対するオマージュを感じるし、一人一人の少女の映し方がどこをどうとっても大林宣彦ワールド的な画き方で、これもまた大林ワールドが好きな私にはたまらない。更にこの映画、寅さんとトラック野郎好きな人にはたまらないシーンが用意されていて、それだげもとにかく見ていて本当に楽しい。大林宣彦監督の映画好きな部分が思い切り発揮されている作品でもある。ハチャメチャと言えば確かにそうなのだが、そのハチャメチャな展開、スピード感、そして、何よりも大林宣彦監督の少女趣味が醸し出すこの世界、やっぱり好きな人はとことん好きな世界だと思う。私は誰が何と言おうとこの雰囲気、大好きです。[DVD(邦画)] 9点(2007-08-22 21:53:26)

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