みんなのシネマレビュー |
|
221. キャリー(1976) 《ネタバレ》 リアルな日常をしつこくしつこく描いた末にそうなる、というのがミソであった。そのしつこい部分があまりに出来がよいことが驚きだ。Mかと思ってたら逆ギレてドSに変身。ホラーというよりは変形の青春映画といったほうがよい。全米の不細工な少女たちはスカッとしたのであろうか?[ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-18 00:50:20) 222. アニバーサリーの夜に 《ネタバレ》 いやこれ、秀作です拾い物です。このころはちゃんと可愛かったジェニファー、とてもきれいです。しかし男の趣味が悪い。なんなのこのダンナは。「頼りがい」というものが果てしなくゼロに近いこのアランカミング。どうみてもゲイ風のルックスなのに。お気に入りのパーカーポージーも出てるし。味があるよ。子供が欲しくないってのは、実話なのかな?そんなことを、ぎゃーぎゃー泣きわめきながらでないと言えないところが、微妙に狂ってる。日本ではありえない金持ちの家のパーティー、しかも何気にしょっぱい雰囲気、たまにはよいです。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-16 20:45:53) 223. ミッドナイト・エクスプレス(1978) 《ネタバレ》 題名だけならフツーのサスペンスかと思ってしまう映画。重かった。バリバリのノーマル男だった主人公が、牢屋で同性愛に走ってしまうのがこわい。そのくせ面会に来た彼女におっぱいを見せろとか言って、これまた変態ぶりを見せる。脳天気なアメリカ人のボンボンが、痛めつけられてめちゃめちゃになっていく様は、Sな人にはたまらないかも。とにかく暗くて重いさ。[DVD(字幕)] 8点(2005-12-16 20:27:55) 224. ミュージック・フロム・アナザー・ルーム 《ネタバレ》 なかなか丁寧な感じで悪くない。まず、「大人たち」が皆ちゃんとした「良き親」に描かれているのがよい。「壊れた親」が出る映画は見飽きたし不快だから。それから、この作品はたぶん男女のロマンスにおける「ケミカル」な瞬間を、観客に味わってもらうことが最重要課題なんじゃないかな。 その「ケミカル」は、もちろんあの一夜である。あそこを「非現実的」と感じるならこの映画は「つまらん」ものになる。「ケミカル」と感じたあなたは脈拍が上昇し、体温が上がり、胸の中に何かがじわーっと広がっていく。ま、それは私の場合でした。[DVD(字幕)] 8点(2005-12-14 21:29:01)《改行有》 225. 死霊のえじき 《ネタバレ》 20年前かあ。得意の閉じ込めもの。柵のむこうにはゾンビが鈴なり。このサバイバル感がたまりません。ゾンビの飼育とか、基地内の人間関係とか、じっくり描いていてよいですね。印象に残るのは、男の人二人が秘密の部屋をつくって、心地よさげにインテリアをしつらえて暮らしていたこと。こんな状況でも、「文化」と「人間性」。この心意気、好きだ。これを描いたことで、格が違ったと思う。どんな悲惨な時を生きていても、人は「小さな幸福」を探しあて、よりどころにしているものなのね、みなさん。なんの説明もなくても、この場面が雄弁に語っておりますな。「ゾンビ」映画を撮りながら、意外な見せ方でこのことを表現してみせたロメロの世界観を賞賛。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-14 21:06:02) 226. ランボー 《ネタバレ》 これはなんかー、シルベ自身のもつ不憫さ大爆発、です。順風満帆とは程遠い人生を歩んできたシルベの、「演技してるわけじゃないけど」だれもが感じてしまう「ああほんとに不憫な子じゃのう」的あり方。このごろ思いますけども、見てる人(赤の他人であるところの観客)って、俳優さんが巧みに演じるその「技」よりも、そこに現れる俳優さんの「人としてのありかた(見栄えも含み)」のほうからはからずも発せられる何らかのもの、のほうが深く残るもんじゃないかしら。例えて言えば私なら3:7割くらいでさ。だから私は映画においては「演技」だの「技」だのあんまり重きをおかないの。「名優」デニーロだって、簡単にいうと「いつもうさんくさー」くらいにしか思わないし。北野武だって、「そんなのあんまり写んないよ」ってさらーっと言ってた。「映画」だから。そんなわけでシルベはがんばってもがんばっても暗い男なのであった。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-10 01:08:41)(良:2票) 227. ブレア・ウィッチ・プロジェクト 《ネタバレ》 けっこうおもしろかった。個人的には、映画は最後まで飽きずに興味をもって見られればまずよし。残り時間が惜しくなるほどのものはなおよし。見終わった後、繰り返し見ずにはいられないもののうち、購入せずにいられなくなるものが殿堂入り。皆さんはいかがでしょう。 ブレアウイッチは、「1」はおもしろく見られたよ。なかなかうまく作ってる。ヘザーは白人の女優としてはブスだけど、こういうときは、「目がデカい」ことがものをいう。新人フイルムメイカーさんの努力作には、とりあえず敬意をはらおうじゃないかー。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-10 00:40:32)《改行有》 228. π(パイ) 《ネタバレ》 べつにつまらなくはない。白黒は見づらい。細部がどーなってんのかわかりにくいために、鏡のヒビを、頭にできたヒビと思っていた。そしたら違った。むきだしにされた膿んだ脳のイメージ、これを不自然でなく映像化したかったのでしょうね。自分で自分の前頭葉にロボトミーするって、はたしてできるのか?とにかく「脳をいじる」についての映画。このころからすでに「ひきこもり青年が主人公」の映画ブームの兆しが。一見の価値はある。非常に見づらいが。[DVD(字幕)] 8点(2005-12-10 00:21:16) 229. 夢見る頃を過ぎても 《ネタバレ》 極私的なフィルターに強烈に引っかかったのは、「年を食った男性アイドルの存在」の意味についてであった。フリオイグレシアスとかさあ。日本でいったら杉良とかなのかなあ。「年を食っているにもかかわらず奥様達の萌え感に訴える」ことの意味。この程度のおじさんが「セクシー」なのかあ。ありのような気もする。その「萌え感」は深い。[DVD(字幕)] 8点(2005-11-26 13:10:26) 230. 黙秘 《ネタバレ》 これはですね、「A.I.」と比較して見てみるとどうかなと思うんです。ものすごく偏った映画の見方だが。「男の子」と「母親」、「女の子」と「母親」の違いについて、よーくわかるし。自分の母親を「全肯定」する娘なんてあり得ないのです。男の子は違うでしょー。ふふふ。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-11-26 13:02:42) 231. A.I. 《ネタバレ》 某月某日、1日にしつこく何度もこれを放送している日があり、ほかに見るべきものが無いので何度も見る。疲れる。 私は初見の時コレをマザコンもののごとく感じ、不快感を覚えてそんなレビューを書いたのだったが、何回も見ているうちにそうでもないような気がしてきた。 男の子の母親への執着という感情を話の中心にしなければならなかったのは、制作上のいろいろな都合ゆえ、というふうに考えると、べつにこれはマザコンもの、というふうに断じることはできないのかなあと。オスメント君の迫真の演技ゆえに、というかあまりのキモさに、「マザコン、ノー」と反射的に拒否反応を示してしまったとも思う。 あえて「無機物(メカ)」を登場させて「有機物(オーガ)」と対比させることによって、命あるものの儚さや、ラストでメカ宇宙人が言っていたように「いずれ死ぬと知っていながら、どうやって正気を保って生きていけたのか(人類は)」ということが本来のテーマなのだと思う。 だから、母子物語でなくても成立した話だった。けれど母子物語になったのは、おもにスピ側の事情「子供の無意識の邪悪さを徹底的に描きたい」という歪んだSM嗜好と、オスメント君という絶好の素材「困り顔の子供」を得たことによる。 無意識に邪悪な子供たち(それも登場するすべての人間の子供)が困り顔のオスメント君をいじめる。でもオスメント君の目的はママに愛されることだけなので、別に平気。無視してママだけにつきまとう。ますますオスメント君へのいじめが悪化。オスメント君のママへの執着も強化され、ほとんどストーカーに見えてくる。 というように、いじめられて可哀想なはずのオスメント君がどんどんキモく見えてきて、子供のいじめも、ロボット破壊ショーでの残酷な仕打ちも「何命乞いしてるんだこのストーカーが」という気持ちになってきたのです個人的には。 モニカに「愛」を吹き込まれたために「感情」を学習していくデイビッドは、ラストではついに「嘘」もつけるし「憎しみ」も表現できるようになります。成長したものだが、私には彼がモニカのストーカーにしか見えないので全然嬉しくなく、「デイビッドの母を求める気持ち」が何年続こうが、2000年後に夢が叶おうが、「よかったねー」とは少しも思えない。感動した、ともいえない。 とても異形ななにかを見せられた感じ。オスメント君でなければ、こうはならなかったと思う。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-11-26 12:48:11)《改行有》 232. 影武者 《ネタバレ》 「夢」の後にふと思いついて見てみた。クロサワに対する知識はあんまり無いところが、我ながらあっぱれかも。だから、「深作」とどっちが面白いかなー、というノリで見たりする。 これは楽しめた。しかし、私が楽しめたのは、「信長」と「家康」の場面ばっかりで、「わー、本物ぽい」と喜んでいた。うん、隆大介にはびっくり。この時まだ若かったんだよね。家康も、「本物はかくあったであろう」と大喜び。二人のミーティング場面では、お茶目な蘭丸もいるし「ほんとにこんな感じで会ってたかもー」とさらに喜ぶ。しかし、しかーし、仲代のところは全然楽しくないんだなー。突然舞台劇を見せられてるようで。クロサワさん、仲代使うのやめませんか、ってもういないけど。[DVD(字幕)] 8点(2005-11-25 22:42:21)《改行有》 233. 夢(1990) 《ネタバレ》 うん、きれいだった。こんな夢を見たって、なんか、「夏目漱石?」と思った。個人的な見解ですが、最初のお母さんといる場所って、生まれる前?そんで、お母さんが急にきびしくなって、謝って来いって追い出されるの、あれ「誕生」?するとだな、人間の一生を描いていることになるが、(人間の、というよりクロサワの)それって、「最初っから、謝りに行く」なのかなあ。それだと生きるのつらいんだけど。私の推理がもしも当たっているならば、クロサワってのは相当のMに間違いない。 晩年これを残したのは良かったと思う。私のようなアホにも少しは何か伝わるので。[DVD(字幕)] 8点(2005-11-25 22:29:22)《改行有》 234. 柳生一族の陰謀 《ネタバレ》 だってさ、時代劇なのにこのシュール。深作欣二って、きっとフリードマンみたいなヤなやつだったと思うけど、天才じゃ。「魔界転生」の次に好きかも。ラストがシュールすぎて分からないけど、それもまたよし、と思わせる。黒沢より深作だなあ。[DVD(字幕)] 8点(2005-11-25 22:18:15) 235. ジャッカルの日 《ネタバレ》 引きの映像が多いので、4:3の画面では見づらかったが、リメイク版とは比べ物にならないハイレベルさであった。なんだったんだろう、あの「ジャッカル」は。TVか。とにかく深い深い。そんでもって、ジャッカルが語らずかっこいいこと。やっぱヒットマンは語っちゃいけないんだよね。成功させてあげたかったなあ。それにしてもブルースウィリスはよく恥ずかしげもなくあんなこと。[DVD(字幕)] 8点(2005-11-25 21:36:09) 236. REM レム 《ネタバレ》 指が指が指がーっ。いや楽しめましたよ。低予算は「えじき」みたいにヘタにがんばってプロダクツに力入れなくても、こうやるのもあり、ですな。びしょびしょになってトイレの掃除とかしているのが笑える。ほとんど家の中ちゅうのも、みているぶんには疲れなくてよいかも。(「8人の女」は除く)[ビデオ(字幕)] 8点(2005-11-25 20:40:30) 237. 地球で最後の男 《ネタバレ》 酷評多きこの作品、2、3回見たら分かった。宗教映画だった。あたりまえだが。 ラストの場面、カーペンターの「パラダイム」にちょっと似てた。意味は違うけど。妻は天国にいるのじゃ。神父は反キリストなのじゃ。ウソこいて地獄に呼び寄せようとしているのを、主人公は悩んだ末に寸前で阻止して、自分だけ地獄へ行くの。自殺してんだから。「グラディエーター」を思わせる仮面の騎士、私は買います。臨場感ありましたよ。中に入ってた人って、監督の息子?しかも仮面をつくった人?[DVD(字幕)] 8点(2005-11-25 20:20:10)《改行有》 238. デモリションマン 《ネタバレ》 シルベ最後の輝き?サンドラが出ているのがうれしい。あのですねー、死刑はやめようとかやめないとかもめているなら、この方式にしませんか。解決。アメリカの清潔社会が進んだら、やっぱりこうなるのかな?の映画。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-11-23 20:15:32) 239. 愛してる、愛してない...(2002) 《ネタバレ》 面白かった。「危険な情事」のフランス版?池田理代子の漫画でこういう短編があったな。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-11-23 18:22:13) 240. ソウ 《ネタバレ》 「セブン」?と思わせる冒頭。途中から閉じ込めものへ。「えっトイレとかどうやってがまんするの」の無理あるラスト。しかしけっこうイケる。医者役の俳優さんに難あり。切断場面がどうしても「やらせー」に見えてしまう。難しいですね。[DVD(字幕)] 8点(2005-11-23 13:03:01)
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS