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221.  ストレンジャー・ザン・パラダイス 《ネタバレ》 【前置き】 コロナウィルス感染防止の為に施行された緊急事態宣言が解除され、久々に映画館で観た映画は「Dead Din't Die」だった。 「パターソン」が思いの外良かったので、久々の劇場体験に相応しいと思ったのだ。 だが… 残念ながら「Dead Don't Die」は正直今一つだった。 辛口のレビューを上梓しようと思っていたのだが、一風変わった作風を持ち味とした監督さんの作品をたった2作観ただけで 偉そうな批評を書くのは余りにも無礼だと思い、いわばルーツとも言える本作の鑑賞を決めた次第。 【本題】 本作と「パターソン」、笑える位に作風は変わっていないと感じた。 映画に対する監督の少し冷めた、でも愛情の有る視点も同じ。 異なるのは色が付いた事と俳優陣が豪華になった事位では。 まるで隣の気のいい兄ちゃんの生活をそのまま再現している様な話の流れ、 人が死ぬ等の事更に観る人の感情を煽る様な描写は皆無。 物語(?)は少数の登場人物が繰り出す必要最小限な朴訥且つシニカルなセリフと比較的短いカットで紡がれていく。 予備知識無しの場合、恐ろしく退屈な映画なのではないか?と思ってしまいそうだが、 絶妙な存在感の叔母さん(恐らく素人さんでは?)やヒロイン:エヴァ役を演じる女優さんのエスター・バリントを筆頭に、 何故か飽きずに最後まで見届けてしまう。 悲劇とまでは言わないけれど、落ちの付け方も面白い。 この絶妙な空気感はあざとく狙って出せる物では無い。 ジム・ジャームッシュ監督が不世出の存在で世界中の業界人から愛されている理由の一旦を垣間見た気がする。 さて、それでは"Dead Don't Die"のレビューに取り掛かる事にしましょうか。[インターネット(字幕)] 7点(2020-06-11 13:14:58)《改行有》

222.  真珠の耳飾りの少女 《ネタバレ》 名画の誉れ高い絵画を発想の原点とした作品としては最高傑作だと私は思う。 史実を齧ってみると、諸説あるらしいが「真珠の耳飾りの少女」を世に残したフェルメールと言う画家の人となり・生涯に関しては未だに謎の部分が多く、 ましてや彼の作品の背景などは謎ばかりらしい。  一枚の素晴らしい絵画を前にしてあれやこれやと想像を働かせる事が絵画鑑賞の醍醐味で有り、 中でも「真珠の耳飾りの少女」は題材とされた少女自身のその何とも表現のし難い儚さや透明感、 複雑な心境で画家に相対しているであろう事を雄弁に物語る目の光など、 鑑賞する人のイマジネーションを刺激するという意味では絵画芸術の最高傑作なのではと私は思っている。 翻って本作、この手の作品に必要不可欠な時代考証を緻密なまでに行った事の表れか、画面からは今にも強烈な生活臭が漂ってきそうだ。 掴みは充分な中、スカヨハ演じる架空の人物である女中のグリートは絵画のそれよりも少々骨ばった感は有るものの、 絵画・そして映画の世界観にはぴったりで絶妙なキャスティングと言える。 コリン・ファースが演じるフェルメールもパトロンに取り入らなければ生活が成り立たない家庭環境の中で、 複雑な思いを抱きながら生きる一人の男を上手く演じていたと思う。 自らの生活に疲れ切り創作意欲も湧かなくなった男が、グリートの様な若いだけでは無い内に秘めたものを持つ女性に出会い、 創作意欲を掻き立てられるのは至極当然な事。 アトリエで一緒に空を見る場面、二人で黙々と絵画用の画材を調合する場面等々、 雄弁なセリフなど皆無ながら二人の間に流れる微妙な空気を表現する「間」がなんとも言えず素晴らしい。 そう、おどろくべき事に二人の間は終始プラトニックなもので、下世話な人間たちが期待する様な事は一切無い。 だからこそ、正婦人の耳飾りを下の身分である女中に身に着けさせる事の意味、それに対する家族の反応、 そして本作の白眉とも言える耳飾りを付けるピアス孔を開けるシーンが、何とも言えず胸に迫る。 ラスト、フェルメールは家を離れ暮らすグリートに真珠の耳飾りを人づてでプレゼントする。 この行為の表す意味を考えると、ただただ私は切なくなるのみ。 半ば強制的に家で過ごさなければならないこの環境下、じっくりと映画に向き合うには最適な作品ではないだろうか。 蛇足 キリアン・マーフィーが何か悪い事をしでかすのではないかと終始ハラハラしていた(笑)[インターネット(字幕)] 9点(2020-05-26 12:00:51)《改行有》

223.  エイリアン2/完全版 《ネタバレ》 【前書き】 正体不明のウィルスが地球を跋扈している。 悲しい事に、ウィルスは日本の稀代のコメディアンの命さえも奪ってしまった。 人の命とは比べるまでの無い話だが、各種イベントがウィルス蔓延に基づく様々な理由で中止・延期になっている。 楽しみにしていた2020/4/18開催予定の「エイリアン2ライブ」も、楽団員が英国から渡日出来ないとの事で残念ながら中止になってしまった。 その埋め合わせでは無いが、実はまだ本作のレビューを投稿していなかった事に気が付き、 当初の予定とは全く異なる環境下(自宅のTV)で実に10年振りの再鑑賞となった。 【本題】 「何これ滅茶苦茶面白いじゃん!!」が10年振り再鑑賞後の素直な感想だ。 起承転結が明確でありスピーディにストーリーは進み、登場人物は皆見事なまでにキャラ分けされ、その説明も物語冒頭に無駄なく描かれている。 物語にリアリティを持たせるためのお膳立ても完璧で、惑星の各種設備・宇宙船・揚陸艇・兵士が駆使する各種兵装の隅々まで、 究極のヲタク且つ完璧主義者のキャメロンの拘りが画面全体に漲りまくっている。(一緒に仕事をする人は大変だろう) 物語の根幹は悲劇のヒロイン:リプリーの喪失と再生、それを母性愛を基点にして上手く描いている。 今回鑑賞した完全版では、何故リプリーがニュートに対し命を掛けてまで愛情を注ぐのかが良く判る様になっていて、 なおさら物語に感情移入出来る。上手い。 クライマックスの「究極のお母ちゃん対決」も、ストップモーション撮影とライブアクションを上手く組み合わせた手に汗握る素晴らしいもの。 まだCGが一般化していなかった時代にこれだけのクオリティの映像を実現できたのは、キャメロンの創造性と情熱と、それらを柔軟に捉えて 視覚化させたもう一人の天才、スタン・ウィンストンの功績だろう。 このシリーズ、本作以降は「柳の下のドジョウ」を狙う配給会社の思惑と、 「4」以降で過去の自作を汚された巨匠が、自らの汚名をそそがんと言う思いが交錯し、 とんでもない展開になってしまった事がとにかく残念。 許せても「3」までですっぱり終わっていればよかったものを・・・(この先は省略) 既存の媒体を最大限に活用し極上のエンターテイメントに仕立て上げるキャメロンの才、 つまりは「タイタニック」に繋がる流れはこの時すでに開花していたのだ。[インターネット(字幕)] 8点(2020-03-30 16:00:02)(良:1票) 《改行有》

224.  ロスト・イン・スペース 《ネタバレ》 22年前の作品ですか。 「ん?何か文句あるか?」的に全てをバッサリ切り落とす、ある意味爽快感さえ感じるラストシーンが印象的な変な映画。 この手の作品に出演する時のゲイリー・オールドマンのキャラ設定が皆同じで笑ってしまう。 パイロットの男がチャニング・テイタムに見えて仕方がない。 ヘザー・グレアム綺麗です。[CS・衛星(字幕)] 4点(2020-03-26 12:28:10)《改行有》

225.  蜘蛛の巣を払う女 《ネタバレ》 全世界で大反響を巻き起こし、リスベットを演じたルーニー・マーラがアカデミー主演女優賞候補にまでなった前作に対し、 デビッド・フィンチャー版とは比べ物にならない程ひっそりと公開され、世間でもさして話題にもならなかった本作。 ネット配信でようやく鑑賞と相成りました。 観終わった感想としては... 前作が良すぎましたね。 同じ様な世界観は継承出来ている様に見えますが、それはあくまでも雰囲気だけ。 前作に有った何とも言えない嫌な緊迫感が全く感じられない。 謎解きの要素もほとんどなく、らしくない派手なカーチェイスの後で悪玉が自分から姿を現す始末。 本作でリスベットを演じたクレア・フォイ自体は「ファースト・マン」で印象的な演技が記憶に新しい上手い女優さんの筈だが、 それを活かし切れていないのが惜しい。 双子の妹(姉?)を演じたシルヴィア・フークスも同様、「鑑定士と顔の無い依頼人」や「ブレードランナー2049」で感じた魅力は 、残念ながら本作では感じられなかった。 ミカエルを演じた男優さんは...ごめんなさい、殆ど印象に残ってません。 原作は未読ながら三作有るとの事なので、残り一作はやっぱりデビッド・フィンチャー+ルーニー・マーラで作成して欲しいです。[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-03-02 12:34:33)(良:1票) 《改行有》

226.  500ページの夢の束 《ネタバレ》 佳作です。 「宇宙戦争」での金切り声だけがやたらと強く印象に残っているファニング姉妹のお姉ちゃん。 最近は妹さんの方が出演も多くどうしちゃったのかなと思っていましたが、なかなかなどうして、 本作では子役イメージの脱却を図るに相応しい良い演技を見せています。 私的には本作の肝は警察官とのクリンゴン語での会話でしょうか。 スター・トレック(もちろんTV版の方)がアメリカ人の中に深く根付いている事が良く判り、 観ている側を暖かい気持ちにさせる良いシーンです。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-03-02 12:20:24)《改行有》

227.  1917 命をかけた伝令 《ネタバレ》 まさか全編本当にワンカットで撮影している訳では無いだろうけれど、その様に見せる事はかなり大変だった筈。 ワンカット形式だからこそ得られる緊迫感、逆に細かく綿密なカット割りを考えたが故の緊迫感、 どちらも一長一短だと思うが、本作はワンカット形式に拘り過ぎな感じがして、終始そこが気になった次第。 それでも、相棒の予想を裏切る早目の退場というショッキングな展開や、 必死で伝令を伝えてもすぐに別の命令が来るという現実をまざまざと突きつけられる終盤の流れ等、 画面が暗転してからの緊迫感の途切れと疲労感、そしてやるせなさは半端なかった。[映画館(字幕)] 7点(2020-02-24 12:00:20)《改行有》

228.  パラサイト 半地下の家族 《ネタバレ》 語り口は巧妙、物語は絶妙な緩急を付けながら進んでいく。 ポン・ジュノ監督の特色である「あざとさ」も今回は程々に、「これからどうなるのか?」と観る側に期待させつつラストは怒涛の展開へ。 うむ、良く出来た面白い映画だと思う。 でも、果たして本作がアカデミー作品賞に相応しいかどうか?は、決して負け惜しみでは無く甚だ疑問だ。 穿った見方をすれば、今回の作品賞受賞は受賞に必要な様々な要素が正にドンピシャのタイミングで揃っただけの様に思える。 人種差別に辟易しているアメリカ、そんな中で映画界はSNSの影響でイベントの司会者を選ぶのも一苦労。 色々なしがらみや制約にがんじがらめになり息切れ寸前だったアメリカ映画界には、風穴を開けてくれる「何か」が必要だった。 本作は文字通りその「何か」だったのでは無いか。 今の世の中で万人が納得し、世界に新鮮味を与える事が可能な結果として導き出されたのが本作への作品賞授与なのでは。 見方を変えれば、自国の映画を積極的に海外に宣伝する韓国映画産業の勝利とも言える。 良し悪し・好き嫌いは別にして、売り込まなければ受賞の機会は巡って来ないし、駄作ならば審査に通らない。 長編外国映画部門と長編アニメーション部門の選考に残っただけで大喜びしている日本の映画界に取っては、 これ以上ない自らを省みるべき事件だと私は思う。これで目覚めなければどうしようもない。 本作の語り部である長男はおそらく財を成す事は叶わず、父親との豪邸での感動の再開は叶わないだろう。 父親があのまま地下室で朽ち果てるとも思えないが、観る側に束の間の安堵感を与えながらのあの少々ほろ苦い幕の引き方、 上手いと思う。 蛇足 ・あのラーメンは絶対に味が濃すぎると思う。 ・長男が最後まで松田龍平に見えて仕方がなかった。[映画館(字幕)] 6点(2020-02-18 14:31:35)(良:2票) 《改行有》

229.  37セカンズ 《ネタバレ》 【前置き】 日経紙の映画評を読むまで、私は本作の事など全く知らなかった。 海外では極めて好意的に受け止められ、幾つかの著名な映画祭で賞まで獲得している本作、 配給側のプロモーションが下手なのか、難しい題材を扱っているだけに声高に宣伝するのに及び腰だったのか、 真相は知らないが(知りたくも無い)、この様な作品が劇場公開2日目の土曜日の映画館で観客が私も含めて4人とはいったいどういう事なのか。 日本映画界は本当に優れた作品を日本の観客に広めよう・もっと観て貰おうと思っているのだろうか。 韓国映画がアカデミー作品賞を獲得する歴史的な出来事があった直後だけに、私は情けなく・また恥ずかしく思った。 【本題】 37Seconds=37秒とは、主人公が生まれてから呼吸するまでに掛かった時間の事。 カップラーメンの麺がまだ柔らかくもならない様な僅かな時間、呼吸をしていなかった為に主人公は脳性マヒとなった。 私はスクリーンを通じて主人公の人となりに思いを巡らしながら、既に故人となられた脳性マヒの叔母の事を考えていた。 叔母はとにかく毎日を一生懸命生きている人で、何でも自分でしなければならなかったが為に腕っ節は男の私よりも立派で、 なんだかとてもカッコいい人だった。 本作の白眉な所は、障害を持ちながらそれでも強く生きる姿をお涙頂戴的に描いているのでは無く、自分の新しい可能性・ 知的・性的好奇心を満たしたいという、人間なら誰でも考える当り前の事をさりげなく表現している事。 中盤以降の世界観の拡がりも素晴らしい。 特に千葉へのドライブから、まさかタイへ舞台が拡がるとは思ってもいなかった。 ここは、主人公が様々経験を通じて自らの内面が拡がっていく事とも連動しており、 あたかも映画のレベルがギアを数段抜かしで上げながらスピードアップしていくかの様だった。 主人公の女性は実際に脳性マヒを患っておられる素人の女性、「素晴らしい演技」とまでは流石に言えないが、 あの佇まいは絶対に健常者の俳優さんでは醸し出せない。 脇を固める俳優陣の演技も素晴らしい。 特筆すべきは母親役の女優さん。とても演技とは思えない真に迫る様子は圧巻だった。 本作の監督さんはアメリカで修行された方らしい、殊更に弱者に阿らない演出の仕方はさすがアメリカ仕込みといった所か。 主人公と介護士さんを深い関係にさせなかった事も高評価。 もしそうなっていたら、途端に陳腐な作品になっていたと思う。 次作に期待大。[映画館(邦画)] 8点(2020-02-13 13:27:50)(良:2票) 《改行有》

230.  グリーンブック 《ネタバレ》 「人生は複雑だよな」 この一言の後のドクター・シャーリーの表情! このシーンだけでなく、あらゆる意味で孤独な黒人ピアニストを繊細に演じたマハーシャラ・アリはアカデミー助演男優賞受賞も納得の演技。 物語自体は全く価値観の異なる二人が長時間同じ場所で過ごす事で友情が生まれ・・・と言う普遍的な、悪く書くとありきたりなもの。 それでも最後までしっかりと魅せてくれるのは、芸達者なヴィゴ・モーテンセンとマハーシャラ・アリあっての事かと。 好きなシーンは車中で本場のケンタッキーフライドチキンを食べる所と、やはり終盤の演奏シーンだろうか。 家財修理に来ていた黒人作業員が使ったグラスを、洗いもせずに捨てていた様な主人公の改心振りが極端すぎる気が些かするが、 実話がベースの物語と言う事も有り、素直に良い映画を観たという爽やかな気分になった。 私も時間が有れば、アメリカを車でゆっくり旅して回りたい。 ロードムービーは本当に良いですね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-02-13 10:40:45)《改行有》

231.  スノーピアサー 《ネタバレ》 観賞は数年前だが、純アジア系作品として初のアカデミー賞作品賞を獲得したポン・ジュノ監督を讃える意味で投稿したい。 この手の作品で設定の荒唐無稽さを突っ込むのは野暮と言うもの。 物語自体はラスボスを目指す一種のRPGの様で、各車両毎に異なる設定が有りそれを克服していく描写は飽きさせない。 ラストも希望を感じさせるものだった。 しかしながら、いまや正に「時の人」となったポン・ジュノ監督だが、私はどうにもこの人の作風が生理的に好きになれない。 本作の場合は、捕まった男が見せしめに片腕を凍結粉砕されるシーンや、ゴキブリ棒の謎が明かされるシーンなどがそう。 多くの人は生理的嫌悪感を感じる場に直面した場合、自分の手で顔を押さえるはずだ。 それでも人は好奇心(嫌らしい部類の)から、指の隙間からその場面を見てしまう。 「ほらほら、お前の観たいシーンはこれだろ?」と、その術中に嵌った人々を舞台の袖から監督自信がニヤニヤ眺めている様で、 なんとも嫌なのだ。 昨晩、前回(第91回)アカデミー賞作品賞を受賞した「グリーンブック」を観賞した。 とても素晴らしい作品だった。 昨年は「グリーンブック」、そして今年は「パラサイト」。アカデミー作品賞の振れ幅が大きすぎて正直混乱している。 だからここまで、「パラサイト」の受賞が歴史的快挙とされているのだが。 作品を観ないで批判するのは卑怯だ。 だから出来るだけ早く、「パラサイト」を観て正々堂々と批評したいと思う。 現時点のハードルの高さは約1km位、かってない位にハードルが上がりまくっている。 なんだかワクワクしてきた。[インターネット(字幕)] 5点(2020-02-12 11:17:50)《改行有》

232.  スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム 《ネタバレ》 ピーター・パーカーがトニー・スタークの後継者になる設定、いいですね。 今回は敵の設定がいまいち。 3DCG+ドローンによるフェイクなんて、直ぐにバレてしまいそう。 アベンジャーズ系は「エンド・ゲーム」で綺麗さっぱり終わるのかと思っていましたが、 思い入れの強いファン達への贈り物として、こういう方法で色々な続編を観る事が出来るのは良い事だと思います。[インターネット(字幕)] 7点(2020-02-04 11:34:26)《改行有》

233.  アイリッシュマン 《ネタバレ》 2時間49分の長尺、重厚極まりない語り口、凄まじい程の見応えがある作品だった。 例えは悪いが、まるでマーティン・スコセッシ自身が自らの死期を悟り、自らの監督人生の集大成を本作に全てぶつけたかの様だ。 CGを駆使して絶妙に若返った主要出演陣、デニーロの上手さは言うまでも無いが、やはり特筆すべきはジョー・ペシの渋さ溢れる存在感だろう。 アカデミー助演男優賞は、今までの功績を讃える意味も込めて是非ともこのお方に獲って頂きたい。[インターネット(字幕)] 7点(2020-01-29 13:12:43)《改行有》

234.  ジョジョ・ラビット 《ネタバレ》 ラストシーン、デヴィッド・ボウイのイントロが流れ始め画面が暗転した瞬間、私は思わず拍手してしまった。 この様な感情の昂ぶりは久しぶりかも知れない。 第二次世界大戦の敗戦濃厚なナチ政権下のドイツが舞台、しかも主人公の少年のイマジナリー・フレンドはあのヒットラーと言う、 一昔前ならばタイカ・ワイティティ自身が暗殺の標的にになりかねない様なとんでもない設定。 この様な設定の中で、本作の様な「ファンタジー」を一つの映画として具現化してしまった監督のセンスと手腕に感服するばかり。 タイカ・ワイティティがナチ思想とか極右とか言う意味では決して無く、映画と言うものがクリエイターが頭の中で思い描くものを 表現する「芸術」であるなら、本作はまさしくその本懐を遂げているのではないだろうか。 また、私はあのポール・ヴァーホーベンの名(迷)作「スターシップ・トゥルーパーズ」を思い返しながら本作を観ていた。 作風は両極端な位に全く異なるが、両作には共通する「肝」が有る様に思える。 主人公の少年は並居るスカヨハ(祝、アカデミー助演女優賞ノミネート)、サム・エリオット他の磐石の演技を差し置いて、 主演男優賞に何故ノミネートされないのか不思議なくらいの名演を見せている。 アカデミー作品賞、獲って欲しいなぁ![映画館(字幕)] 10点(2020-01-27 16:50:38)《改行有》

235.  恋する惑星 《ネタバレ》 予告編も特典映像も収録されていない、CDケースサイズのDVD(恐らく日本で最初に販売された仕様)が拙宅に有り、 今でも突発的に無性に観たくなる。 ブルーレイと比べると画像は粗いがそれがまた絶妙な味になっていて、出演されている皆さんもまだお若く26年の歳月を否応でも感じさせる。 この映画は、旬を迎えた才能達が絶妙なタイミングで邂逅し発生した化学反応をフィルムに収めた記録映画だと言える。 正に奇跡の様な作品。[DVD(字幕)] 9点(2020-01-27 16:28:13)《改行有》

236.  フォードvsフェラーリ 《ネタバレ》 作品の中身云々の前に、まずはこの様なマニアック極まりない題材がこれだけの大作映画となり、こうして劇場公開された事に感謝したい。 私の様なモータースポーツ好き達に取って、ルマン24時間耐久レースに於けるドラマは数多く有り各年代毎にそれぞれ話題に事欠かないのだが、 中でも本作で取り上げられた1960年代後半のまさしく「フォード対フェラーリ」の物語は、 カリスマ性充分な絶対王者たるフェラーリに挑むその姿、なかでも当時のアメ車らしからぬモダンなデザインのフォードGT40の姿とあいまって、 リアルタイムで体験していない年代でも伝説の如く常に語られている。 これを映画館の大スクリーンで観賞出来るとは、車好き・モータースポーツ好きに取ってこれ以上の幸せがあるだろうか? 一般受けが難しい事は判りきっている筈なのに、本作の制作にGOを出した人達には感謝しか無い。 肝心の映画の中身そのものは、残念ながら10点満点ではない。 8点の中身は主演陣の熱い演技と、クリスチャン・ベイル演じるケン・マイルズと言う、今迄あまり日の当らない どちらかと言うと不遇の扱い・日陰者的存在だった稀代のレーサーの一人にスポットライトを当てた事に関して。 この手の物語りには主人公と相対する強力なライバルの存在が不可欠だが、本作の場合は題名の通り フェラーリが本来その役目を担うべき所だが、フォード経営陣が主人公達の直接のライバルの様な位置付けであり、 肝心のフェラーリは下手したらイタリア政府から訴えられるんじゃないかと思える位に良い所無しのケチョンケチョンな扱い。 なので物語の構造としては及第点しか与えられない。 おりしも、日本時間2/10に発表されるアカデミー賞作品賞に本作がノミネートされた、 欧州列強にアメリカ企業が挑む姿がアカデミー会員の心の琴線に触れたのだろうか。 作品賞獲得は正直難しいと思うが、受賞の有無に関わらず私はIMAXの大スクリーンでもう一度、 フォ-ドとフェラーリのユノディエール(ルマン・ブガッティサーキットの数kmに渡る直線)での チキンレースを堪能しようと思っている。[映画館(字幕)] 8点(2020-01-27 13:31:27)(良:1票) 《改行有》

237.  黄金のアデーレ 名画の帰還 《ネタバレ》 素晴らしい作品だと思います。 第一次世界大戦~第二次世界大戦に至る世界史と、その波に市井の人達がどの様に翻弄されたのかを予備知識として持っていれば、 より一層この作品の良さが判るかと。 観賞のきっかけはヘレン・ミレンとタチアナ・マスラニー(「ボストン・ストロング」!!)が出演しているから。 この点では同一人物を演じる二人の演技を堪能させてもらい大満足。 ナチス(本当はこの三文字さえ私は書きたくない)がどんなに酷い事をしたのか、ホロコーストだけでは無く 本作で描かれた様な「芸術への冒涜行為」を知る意味でも、観て知っておく価値は有るかと思います。 史実によると、奴らは本当に沢山の芸術作品を強奪し、自分勝手に鑑賞しただけで無く、 敗戦が濃厚になったら数多くの芸術作品を洞窟等に隠したり、火を付けて燃やす等という非道を尽くしたとの事。 消失を免れても、どこに隠されたのか判らず所在不明の作品がそれこそまだ世界中に沢山あるそうです。 本当に酷い話です。 感想が作品から逸れてしまいましたが、映画と言う形を借りてこの様な史実を教えてくれるという意味でも、 本作は価値有るものだと思います。 それにしても、まるでタイタニックの様なラストの持って行き方、あれは反則でしょう。 嫁とテレビの前で嗚咽してしまいましたよ、私は。 最後に、本作を観賞される方には「ミケランジェロ・プロジェクト」の観賞を強くお勧めいたします。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2020-01-22 18:46:24)(良:2票) 《改行有》

238.  バンブルビー 《ネタバレ》 マイケル・ベイが製作に名を連ねているとは思えない程、良い意味で普通の作品。 このシリーズは回を重ねる毎に趣味の悪いフルコースの様にしつこく・つまらない「特撮自慢大会」に成り下がっていたが、 流石に製作陣の皆さんも世界での悪評に気が付いたのか、独立した一つのSF作品として丁度良いバランスに仕上がっていると思う。 愛嬌のあるバンブルビーと普通に可愛いヘイリー・スタインフェルドのコンビも観ていて楽しく、 過剰なシーン(暴力・破壊・エロ等々)も程々に家族向け映画としてお勧めできる。 心配なのは、この路線が好意的に受け止められた事を製作陣が勘違いして続編を作り始める事。 流石に今回はそれは無いと思いたい。[インターネット(字幕)] 7点(2020-01-22 18:34:29)《改行有》

239.  オクジャ/okja 《ネタバレ》 私は肉が大好きだ。 鶏肉・豚肉・牛肉・羊肉等々なんでもござれ。 でも、本作を観ながらよーく考えてみたら、わざわざ他の動物の命を頂いてまで肉を欲しているかというと、 決してそうでは無い様に思えてきた。 私がほしいのは、あの食感と味であって、鶏・豚・牛等の「生き物の肉」に拘ってはいない。 人工肉がここ数年で普及しそうな報道が相次いでいるが、それでも私は一向に構わない。 でも、実際にそうなると世界中で数百年の永きに渡り運営されてきた畜産業が大打撃を受けてしまう。 一つの産業が滅ぶ方が問題(人間の視点)なのか、人間の私利私欲の為に生き物を殺してまで肉を収穫する方が問題(生命の視点)なのか。 こういう事を観る人々に考えさせる為の作品なのかと思う。 なのでNetflixでの配信と言う視聴方法は上手い手だと思った。 それにしても、最後はやっぱり金なのか・・・[インターネット(字幕)] 7点(2020-01-21 17:34:59)《改行有》

240.  ドローン・オブ・ウォー 《ネタバレ》 一体誰に忖度してこの様な作品が出来上がったのか、腹立だしいとしか言えない。 中東に於けるテロとの闘いを偽善的に描いた酷い映画。 確かに主人公(イーサン・ホークの無駄遣い)は戦闘機乗りが転じて無人攻撃機のパイロットとなったが故に 「自分がその場に居ない事」から精神を病み始める経緯は理解出来なくもない。 だが、どんな事が起こっても本人の肉体・生命的には痛くも痒くも無い主人公の境遇と、 実際に爆撃される現地の人々との差は歴然としたもので、これで「自分も被害者なんだぁ」とか言われても、 説得力は微塵も無い。 レイプ魔を独断で爆撃、至近距離にいた被害者の女性が何故か助かる描写など、アメリカを正当化する為の詭弁にしか見えなかった。 エセヒューマニズムとはこう言う描写の事を指すのかと思う。[CS・衛星(字幕)] 1点(2020-01-21 16:45:25)《改行有》

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