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プロフィール
コメント数 3876
性別 男性
年齢 53歳

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2561.  ミラグロ/奇跡の地 ロバート・レッドフォード、少々イモっぽい男前俳優としか思われてなかった(?)のに、『普通の人々』で意外に渋い一面と意外に繊細な一面を見せてくれた彼の、監督第二弾。二作目で肩の力が抜けたのか、一作目で要領をつかんだので徹底的に好きなことをやろうと思ったのか、「ノビノビと、存分に映画で遊んでいるなあ」と感じられる、見事な作品になっています。リゾート開発が進められようとしている村で、ひとりの男が開発予定地を耕して豆を植えた事から起こる、ちょっとした騒動。という、ノンビリした他愛ない話、どっちかというと静かな話ですが、美しい景色や空の映像を背景に、多くの登場人物を多層的に巧みに操り(豚まで巧みに操る!)、映画の中にはレッドフォードの遊び心と刺激がトコトン満ちています。単純にリゾート開発を悪として勧善懲悪として描くような映画ではなくて、むしろ掴みどころがなく、得体の知れない村人の織りなす得体の知れない物語が、展開されていきます。そしてこの得体の知れなさが、何やらこの“ミラグロ”という土地のパワーを表現していて、このパワーの前にはリゾート開発なんぞタジタジ、という印象。クリストファー・ウォーケンも、「憎まれ役」ではなく、あくまで「悪役」、という印象、これがイイんだなあ、最後に鍵を投げるシーンが実にいい味出してます。これぞ、という奇跡が起こる訳ではないけど、まさにファンタジー。[CS・衛星(字幕)] 9点(2009-01-17 18:19:47)

2562.  キングダム/見えざる敵 コマ切れ過ぎる映像、まるでコマーシャルの映像みたい(って言っても、15秒で必要なことを伝えきるコマーシャルとは、明らかに密度が違いますが)。映画に集中しづらいだけで、別に映画がこんなことで面白くなるわけでもなく、早くこの手の手法が廃れちゃえばいいのになあ、と思うわけですが。これはモハヤ“編集”と言うよりは、単なるザッピングですね。それでも、映画の中盤、泥さらいするあたりから、映画が本当の意味で少し動き始めたような気がして、ちょっと面白くなってくる。これで、クライマックスの大バトルシーンで、突然カメラの動きを止めてくれれば、かえって刺激的だったと思うのだけど、最後まで同じ調子で映画が続いてしまいました。もしかして、編集作業は請負業者にでもやらせたもんだから作業を監督できなかったのでしょうか。オチも驚くにはあたらず。アクションシーンは、確かにすごかった。アクション映画よ、もっと地に足をつけ、もっと頑張ってくれ![DVD(字幕)] 6点(2009-01-11 18:57:00)

2563.  大脱走 《ネタバレ》 小学生の頃、とある友人と「好きな映画」について話していた時に、彼が挙げていたのがこの映画。ストーリーをアツく語ってくれていたのだが、なにせ小学生の話なのでさっぱり要領を得ず、彼の話で唯一理解できたのは、バイクで逃げた奴が柵にひっかかったことぐらい(笑)。ちなみに私はその時、『カサンドラ・クロス』について語ったような気がするが、彼も殆ど理解できなかっただろうね、いひひ。でまあ、後日、ゴールデン洋画劇場か何かで初めて観たわけですが。うーむ、ヤツに一本とられたぜ、というのがその時に感想。それまでは「先が読めない」「意外な展開」みたいな映画こそが面白いと思っていたのに、ハテ、この『大脱走』の面白さたるや。ひたすらこの“脱走”というただ一点に映画は焦点を絞り、着々とその準備作業が描かれ続ける。そのドキドキ感、ワクワク感もさることながら、その過程で捕虜たちの個性がしっかり描かれ、いざ脱走!となるや、どこまでも物語が広がっていく爽快感につながっていきます。当時としては、友人にオモシロさを教わったってのもシャクなもんで、そのことについてはその後あまり触れないようにしてましたが、結局は順調にワタシのお気に入りの一本になったわけです。何度も観たくなるのは、やっぱりこの映画の明るさ、楽しさのせいでしょうかね。収容所の描写も、何だか、ドイツ軍側が先生で、捕虜が田舎の不良学生みたいな、おおらかな雰囲気。ただ「逃げる」という、ゲーム性。収容所、トンネルの描写ばかりの前半から、後半は、汽車、ボート、飛行機、自転車、バイク、何でもありの大逃走劇。最後は悲劇が待っているとは言え、やっぱり飄々としたマックィーンの姿にニヤリとさせられてしまうと、何ともいえぬ充実感が感じられます。ところでそういえば、あの友人、その後どうしているだろうか。やや現実から“逃避する”傾向があったけどナ。[CS・衛星(字幕)] 10点(2009-01-11 18:40:45)(笑:3票) (良:2票)

2564.  チャップリンの冒険 脱獄犯チャップリンが逃げ回るドタバタに始まり、ひょんなことから人助け(?)をしてしまったことから、さらにドタバタ。比較的ストレートなオハナシで、やや単純な印象、もう少しヒネリがあっても良いのでは、とは思うものの、それを補って余りあるのが、盛りだくさんのギャグまたギャグ。難しいコトは抜きに、笑って楽しみましょう、と笑いに徹した作品ですね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-01-11 18:05:56)

2565.  チャップリンの勇敢 コレ、好きだなあ。原題は『Easy Street』で、警官になったチャップリンが、イージー街を所狭しと大暴れ。凶暴なる大男との死闘(?)を皮切りに、お話はドミノ倒し式に膨らみ、もはや収拾のつかないドタバタが展開!(これに匹敵するのは、天才バカボンくらいのものでしょう)、というナンセンスの極致、それでいて、何となく“勇気”のスバラシサに不覚にも感銘を受けてしまったりも、するのです(邦題はなかなかツボをついているかもしれない、極めて個人的な感想ですが)。これだけあわただしいドタバタ映画なのに、意外なまとまりを見せ、最後は大団円。冒頭の、やる気の無さそうな主人公の姿が、その後の展開と好対照で、よく効いています。[CS・衛星(字幕)] 9点(2009-01-10 08:01:17)

2566.  ホット・ロック ダイヤを盗む犯罪映画、なんだけども、盗んだ筈のダイヤが、まるで手から逃げていくように何故かなかなか手に入らない。ハードボイルドな感じとユーモアが絶妙に入り混じった、ご機嫌な映画。冒頭のベンチのシーンからすでに何ともユーモラス、そして、ダイヤを逃すたびに、だんだん大がかりに、だんだんアホらしくなっていく過程がなんとも楽しいのです。ラストはあっさりしていてやや拍子抜けなところもありますが、それもまたご愛敬。[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-01-04 18:58:58)

2567.  ボルサリーノ2 まるで静止画のような特徴的な冒頭は、前作を彷彿とさせますが、映画の雰囲気はだいぶ違いますね。まあ、前作の続きなもんで、あの明るさは影をひそめ、ドンパチまたドンパチ、血で血を洗う抗争劇が繰り広げられる暗い内容。その割には、捕まったアラン・ドロンがあっさり釈放されちゃうという緩さが、何とも歯がゆい(イイ男がベロンベロンになってる姿、てのは、結構好きなんですけどね、へへへ)。しかしクライマックス、復讐劇が着々と進められていく過程は、なかなかの見どころ。最後は「続く」となってますが……続編が楽しみですね(笑)。[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-01-04 18:44:58)

2568.  カプリコン・1 先の読めないストーリー展開のオモシロさは無類で、ハイアムズ映画とは思えない(他がヒドすぎる。勿論嫌いじゃないけどね)。ハイアムズ恒例の「クルマ目線」のカーアクションも見事にキマって、大興奮。ゴールドスミス御大の音楽がたまらなくカッコよくて、『猿の惑星』と双璧をなすカッコよさ。御大、いい仕事してる!  【2009年1月4日追記】今日で冬休みオシマイ、明日から出社で気が滅入るもんで、景気づけに、1月4日にちなんだこの映画を鑑賞(ロケット発射日が1月4日なのです)。いやあ久し振りに観たけどやっぱり最高、そこそこ元気が出ましたです、ハイ。10点つけといたのはマチガイなかった。いや12点くらいに修正したいね。手に汗握るアクションとカッチョ良過ぎる音楽、それに対してエリオット・グールド演じるコールフィールド記者のノラリクラリぶりのギャップがオモシロい。大体、火星ロケットからの映像において、無重力の宇宙にいるハズのブルベイカー飛行士の目から涙が流れ「落ちて」いる事こそを指摘すべきですよね~。気付かない、それがコールフィールド記者の、良いところ(笑)。[CS・衛星(字幕)] 10点(2009-01-04 18:30:21)

2569.  ホテル・ルワンダ アフリカ中部に位置するルワンダは、気候も良く、通称アフリカの軽井沢と呼ばれ(てはいないと思う)、そういや高校の地理の勉強で無理やりアフリカの全部の国を覚えようとするもルワンダとブルンジがなかなか区別つかんかったなあ、という、そのくらいの認識しか以前はなかったわけですか。しかし、ツチ族とフツ族の民族対立によって発生した、想像を絶する大虐殺が発覚、そのニュースが世界を駆け巡り驚倒させられたのでした(←「発覚」って言ったって、別に秘密にしてた訳ではないだろう)。さてその衝撃の事件を題材にした映画ですが。やはり、題材の重さに映画が負けている感じは否めませんね。演出に奇をてらわず、丁寧な作りでリアルさを出した力作、ではあるのでしょうけれど。しかし、丁寧を超えた丁寧さ、すなわち「コダワリ」こそ、この映画に本当に欲しいものであり、この重いテーマを支えうるものではないか。この映画はむしろ、ストーリー性に走り、いささかエンターテインメントに走ってしまった面があり、これが正直「うっとうしい」。ドタバタし過ぎで、ラストもわかりやす過ぎ、かえって「そこで終わっていいのか~」という感想。しかしまあ、このオモシロく作ってしまうのも、この映画を一人でも多くの人に見てもらい一人でも多くの人にこの惨劇を知ってもらいたい、という製作者の気持ちの表れ、なんでしょうかね。「観るべき映画か?」と訊かれれば、私も「そうだ」と答えておきます。[CS・衛星(字幕)] 7点(2008-12-28 11:24:58)

2570.  遊星よりの物体X 《ネタバレ》 カーペンター版もコチラも、ともに絶対に落とせないスバラシイ作品。両者が完璧に別作品として楽しめるのがまた嬉しいところ(脱線しちゃったのは、コチラの作品の方でしょうけど)。コチラはまあ、時代的にも予算的にも多少キビしい面はありますけどね。それでも、ホントに極寒の地でロケしてることで、寒々とした感じがよく出てますね(実際に寒いんだから当然か)。謎の火星人の姿をあまり出さず、その分を登場人物の会話等でつなぐのは、時代を感じさせるところで、まあ、今の「何でも見せちゃう」CG全盛の時代には、一種許されざる演出(笑)かもしれませんけど、この映画、さすがハワード・ホークスが脚本を書いたからか、それともたまたまなのか、この会話部分が見逃せない。やたらたくさん出てくる登場人物たちが、緊密で見事な掛け合いを見せ、まるで火星人も攻撃するタイミングがつかめずに困っているかのような(笑)。何とか乱入してきた火星人との死闘(見ごたえあり)の末、最後は、火星人たった一匹やっつけて「人類の勝利!」とか大げさに自慢してるしなあ。[DVD(字幕)] 9点(2008-12-23 17:56:52)(良:2票)

2571.  父、帰る 《ネタバレ》 鮮烈な印象を残す映画であった。とにかく空が、雲が、美しいんだ。ロシアのどっかの片田舎でひっそりと語られる物語、それをよそに、素知らぬ顔で空は美しく広がる。と思えば、時には物語にリンクするような涙雨も(そのためには、映画製作者はどんな突然の気象変化も厭わぬのだ、はっはっは)。その空の下で繰り広げられる、「互いに面識の無い」父と息子たちの物語。息子たちにとって、「父」は理解できぬ存在。社会生活の要領をある程度つかんでいる兄は、「父」というものにどう接するべきかを「知識として」知っており、それなりに対応できるのだけど、不器用な弟(=母が迎えに来るまで飛び込み台から降りられない)にはそれができない。この弟の態度は、本来、至極もっともなものである。血のつながりのある親子でありながら(しかも父にはおそらく何かやむにやまれぬ事情があって家を離れていたのであろうが)やっぱりもっともな態度、なのである。3人の間に高まる緊張の末、ついに悲劇が起こる。会ったばかりの父、心の通わない父、実はかけがえのない父の、あまりにもあっけない死。その父が、手の届かないところに流されていく時、初めて弟の口から、「パパ」という呼び声が発せられる皮肉。この父という人は、いわば、今の世の中でだんだん希薄になりつつある“家族の絆”というもののために殉死する、現代の殉教者であった(思えば、初めて登場する父がベッドに横たわる姿は、イエス・キリストのイメージではなかったか)。[CS・衛星(字幕)] 10点(2008-12-23 17:24:57)(良:3票)

2572.  チャップリンの霊泉 《ネタバレ》 温泉施設を舞台にドタバタを展開、回転ドア、マッサージ室と、いろいろなシチュエーションでのギャグを交えながら話をふくらませていきます。が、温泉に酒が混入してしまい、アル中治療どころか…ってなオチが、かえって纏まり過ぎていて、こじんまりした印象になってしまっているのが残念なところ。もっとナンセンスで、いいのです。[CS・衛星(字幕)] 7点(2008-12-09 18:04:07)

2573.  それいけ!アンパンマン てのひらを太陽に 全編これ、ブラック大魔王との死闘が描かれた、手にバイキン握る、じゃなかった、手に汗握る作品。ブラック大魔王は、その巨体もさることながら、臭そうな息を吐きかけることにより、あらゆるものを石に変えてしまう、という、圧倒的な強さ。しかし、こういうやたら強いヤツというのは、えてしてショーもない弱点があり、非常にあっけなくヤラレてしまうもの。実際、まあ、見かけ倒しで「大男、総身に知恵が回りかね」。こんな大魔王との戦いに、映画の殆どの時間をとられ、ストーリーに膨らみがないのが残念なところ。岡リナ姫とか社員王子とか、存在感乏しいこと極まりなし。ばいきんまんも脇役に甘んじてて、物足りなーい。ところで、本作ではしつこいほど「てのひらを太陽に」を聞かされますが、いや、やっぱりいい歌だなあ。いずみたくは天才だ。[DVD(邦画)] 6点(2008-12-09 17:53:25)

2574.  フランドル 冒頭の寒々とした農村と、砂漠の戦場との、あまりに見え透いた対比に、正直、これはもしやオマヌケな映画ではないか、と思ったのだけど。でも見ているうちに、結構ひきこまれてしまう。背景が何も説明されないまま、不自然に規模の小さい戦闘が描かれ(違和感ありまくり)、これがかえって、何やら超現実的な感覚で作品を貫いており、映画にひきこませます。だけどなあ。輪姦シーンをカメラが遠目に描くのには、一気にゲンナリしてしまう。大男に囲まれ蹂躙される恐怖も痛みも、なーんにもないこのサラリ感。女性の握りしめた拳で、絶望と憤りを表現しました、ってか? そういう描き方しかできないんなら、レイプシーンなんか入れるな。とにかくこの映画の、サラリサラリと何でも流していく描き方に、せっかく引き込まれた映画の流れから、やっぱり心が離れて行ってしまう。農村には春が来て、夏が来る。だからどうなの、要するにたった半年の話なんだな、と思っただけ。この映画には音楽が入れられていない。それはいいのだけど、その代わりになるような印象的な“音”があってもよさそうなもの。というわけで、何だか見ごたえの「無い」映画だった、というのが感想。[DVD(字幕)] 5点(2008-12-09 17:40:01)

2575.  野良犬(1949) おもしれ~!と思わずうならされる刑事サスペンス。イタリアでは「自転車泥棒」が出没している頃、日本ではピストル泥棒が発生。暑い暑い最中、暑苦しい顔の刑事(ミフネ)が拳銃を盗まれてしまう。町中を彷徨う刑事(もちろん彼は他人の拳銃に手を出したりはしない、よね?)、その執念が前半描かれるのだけど、手がかりを持っているらしい女性を追い続ける場面の、セリフの無いパントマイム劇が見どころ。このシーンの音楽もなかなか絶妙。この映画、既成音楽の引用も多い(シーンと対比される明るい音楽がしばしば用いられる)のだけど、やっぱり早坂文雄のオリジナルスコアが、見事であります。さて映画後半は、ベテラン刑事(シムラのおっちゃん。結構若い)との捜査が描かれます。拳銃が悪用されるたびに大げさに悩むミフネ刑事の深刻ぶり加減が、良くも悪くもクロサワ映画だのう、と思っちゃうところなのだけど、そういう“舞台的”“戯画的”な部分が、この映画では特に、数多い登場人物の存在感をそれぞれ際立たせ、「うまい脚本だなあ」と思わせられるところです(脚本のウェイトの高さが、黒沢映画の批判を受ける部分かもしれませんが)。野球場のシーン、あるいは安ホテルのシーンでの、無類のサスペンス感覚。クライマックスの対決シーンも忘れられない。子供たちの歌声を背景にした、犯人の呻きは、時代そのものの呻きでもあります。戦後まもないこんな時代によくこれだけの作品を作った、と同時に、この時代でなければ生まれなかった作品、なのかもしれません。[CS・衛星(邦画)] 9点(2008-12-09 17:20:59)

2576.  スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス まずコレを観たときの第一感、「これから続くエピソード1,2,3の三部作は、旧三部作ほど多くを語られることはなさそうだなあ」と。結果的に、大体当たったようです、か、ね。ずいぶん「ツマラン」という声も聞かれましたけど、この、内容の無さに関する限り、「でも“スター・ウォーズ”って、こんなもんでしょ」と言いたくなったりもします(実際、驚くほど内容が無い・・・でも旧三部作だって、どうなのよ)。映像に関しては、まさにCGの集中豪雨ともいうべき、無意味なまでのCG三昧。SF映画の代名詞、スター・ウォーズたるもの、CGで他の映画に引けを取る訳にはいかぬ、とばかりに、「おい、そのシーンのその余白、まだCGを入れる余地があるぞ。何でもいいから何か入れとけ」ってなトコでしょうかね。そういう「自信の無さ」が、また、新シリーズ第一弾らしくて、微笑ましいではないですか。正直、ウットウシイ面もありますけどね。 [ビデオ(字幕)] 7点(2008-12-02 23:21:31)《改行有》

2577.  東海道四谷怪談 実に見事。物語の展開がヤミクモに速く、それでいて場面のひとつひとつがしっかりと描かれ、そこには“妖しさ”と“怪しさ”が満開の、強烈な個性がある。しばしば現れる、格子越しの映像が、なんとも後ろめたいようなイヤ~な雰囲気を醸し出す。イエモンがお岩さん殺害をたきつけられ、「毒薬・・・」と呟いた後の、鳥の鳴き声(うるさ過ぎるんだ、これが)、背景の夕焼け空(赤過ぎるんだ、これが)。見せたいもの、聴かせたいものについては、多少大げさだろうと何だろうと、容赦なく我々にぶつけてくる。まさに態度に揺らぎが無い、がははは。あるいは、どうみてもユーレイにしか見えないお岩さんに「お元気そうなお姿を見て安心しました」などと言う理不尽さ(笑)。これが実に不気味。一方には『女優霊』のごとき、誰にも気づいてもらえないユーレイの姿も(?)。不気味さ、理不尽さ、哀愁、すなわち“妖しさ”。そして、アトラクション的お化け屋敷ムービーとしてのショック描写も充実。いや、見事でした。[CS・衛星(邦画)] 9点(2008-12-02 22:58:57)(良:2票)

2578.  華氏911 何でもこの映画、カンヌ映画祭に出品されて「なかなかよく調べたで賞」を受賞したらしい。正直、この映画の内容については、どう考えていいのか、あるいはどう感じていいのかすら、よくわからないところがある。いわゆる軍産複合体などのお馴染みのネタについての、ドキュメンタリーという体裁ではあるけど、その中には“破線のマリス”が充満している。そんなこんなの結果、民主党小浜氏の勝利により、問題続出のブッシュ政権は、世界恐慌というあまりにもクサい最後っ屁を残して、今、ついに終わろうとしている。では今後状況な今よりマシになるのか?それはわからない。アメリカという国の歴史は、他国を蹂躙し不平等条約を押しつけ遮二無二覇権を目指してきた歴史であろう。それは手を変え品を変え、今でも続いている(もちろん自国に有利なように働きかけるのは、どこの国でも同じだけど……それ「自体」を商売にしてしまっているのが、アメリカではないか)。そういう観点からすれば、所詮この映画で主張されてることって、我々から見れば、正義vs悪の対立でも何でもなく、ただの「対岸の国の中での、ケンカ」に過ぎない。アメリカはいつまで経ってもアメリカだ。……ただし、ただし。やっぱりこの映画、面白いんだ。これだけ見事に「ブッシュ=悪人」というテーマで映像作品を作っちゃう手腕は大したもの、ホトボリの冷めた100年後くらいにこの映画を観た人の中には、「このブッシュって人、オモシロイねえ」とブッシュ・ファンになっちゃう人も続出するのではないだろうか(笑)。そしてまた、この映画は、前半は全速力でブッシュをボロクソけなしつつも、後半は、戦争というものの持つ問題に(意図してか、意図せずにか)踏み込んでいく。だから、観てて、ツライ。本当にツライ。いや、戦争に限ったことではなく、人が人を殺めるという、人間の歴史、人間の将来、そういったものが、重くのしかかってくる。考えすぎか?そうかも知れない。でもやっぱり時々は考えざるを得ない、今この瞬間にも、誰かのもとに何らかの不幸が訪れ続けているのだ。何か手はあるのか?我々に救いはあるのか? 少なくとも、ブッシュの退陣が、その解決には、ならないだろう。[CS・衛星(字幕)] 8点(2008-11-30 16:27:11)

2579.  ニューヨーク東8番街の奇跡 空飛ぶ円盤型生命体(?)と人間の交流を描いた映画、と言えば、何だかアホらしいようだけど、丁寧な作りに好感が持てるファンタジー。UFO登場のシーンこそ何だかあっけなく、「もう少しもったいぶった演出があってもよいのでは」と思えるけど、このUFO、特殊効果の丁寧さもあって、違和感を感じさせず、物語に溶け込めます。“地上げ”といういかにも世知辛さの典型みたいなわかりやすい背景。周囲が取り壊されて一軒残ったアパート、という舞台設定も、なかなかリアルなセットによる表現で、惹きつけるものがあります。そこに住む住人が本作の主人公たち。カフェを経営する老夫婦には、実生活でも夫婦のヒューム・クローニンとジェシカ・タンディ、この二人を見るだけでも価値アリ。また、寡黙な元ボクサー(フランク・マクレイ)もユニークで、「そんなヤツおるか!?」と言いたくなるキャラだけど、UFOを治療(?)するために大好きなテレビを“黙って”壊しちゃうあたりなど実にウマい。“見せる”面白さにこだわって、よく計算された丁寧な映画、という感じがします(カフェの看板が落ちるところなんかも、芸が細かい)。……ただし。個人的な好みの問題かもしれませんけど、この映画の、「壊れたモノをUFOが何でも直してくれる」という設定、この“可逆性”が、何だかツマラナイ。一般に映画を観てて面白い(コワい、ツラい、何でもいいけど)と感じるのは、むしろ、不可逆的な変化、取り返しのつかなさ、そういったものなのだけど……・[CS・衛星(字幕)] 7点(2008-11-30 15:48:56)

2580.  原子力潜水艦浮上せず 30分もあれば描けそうな物語を、なんとか引き延ばして一本の映画に仕立て上げたような感じがしてしまう内容。原子力潜水艦が事故により海底に沈んでしまう。そんな緊急事態にもかかわらず、原潜の乗組員たちは妙にノホホンとしており、どーにも緊張感が無い。それは、もうじき救出の手が差し伸べられるという期待からなんだけど、しかしねえ、同僚にたくさんの死傷者が出てるのに、こんな緊張感の無さで、いいのかねえ。中には、映画『ジョーズ』を観て楽しんでいる奴までいる始末(←このシーンはきっと、後で描かれる原潜からの救出劇において、サメの襲撃がある、という予告的伏線なのであろう、と私は妥当にも予想していたのだが、驚いたことに、ハズレであった。くそぅ)。そんな弛緩した空気の中、並行して海上での救出活動も描かれるのだけど、こちらの撮影はなかなか気合が入っており、ちゃんとホントに海上で撮影しているぞ(背景の海が合成映像のスタジオ撮影、などではないのだ)。しかもそこで活動する若い士官のひとり、セリフが少ない割に顔だけはやたらよく登場するのだけど、おお、あんたスーパーマンではないですか(だからと言って彼が青タイツに着替えて原潜を助けにいくわけではない)。そういうキビキビした海上に比べ、海底の救出作業は、実にモッチャリしており、なかなか盛り上がらぬ。ではパニック映画はそういう時、どうやってお話を盛り上げるかというと、ええと、大抵の場合、適当に登場人物に死んでもらうことになる(この点でなかなか基本に忠実な映画でもある)。そんなこんなで、最初はノホホンとしていた原潜内部も、危機また危機で、それなりに危機感が高まっていく、まあ、そんなオハナシ。ついに内部の照明も消え、焦燥感は高まる一方…と言いたいところだけど、おおよそ救出の目処がついた段階になってから照明が消えても「今さら、なあ」というかんじ。こういう演出をもっと早い段階で(いっそ、早すぎるのでは?と思えるほど)やっとかないと、どうも緊張感に欠ける。基本には忠実かもしれないけど、要するに、出し惜しみのし過ぎ、なんだねえ。[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-11-29 18:42:22)

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