みんなのシネマレビュー |
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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
241. 滝を見にいく 《ネタバレ》 おばちゃんたちが山で遭難するコメディってことなので、なんかもっと意地悪な期待を持って鑑賞したモノです。もめたり、叫んだり、みっともないことになるんだろうと。しかし。これは想像していたのとは全く違いましたが、いいですね。長めの迷子、道草を堪能している体(テイ)。全員近所にいそうなオーラを発しているおばさん達による十五少年(少女?)漂流記の味わい。この7人の年齢差が、最大35であることに驚く。40歳過ぎたらみんなおんなじ。確かにそうだ。ラストシーン。あんな乗り物今時の農村にはないぞとツッコミつつも、きっと、彼女たちこれからきっといいことばっかりだよと思わせてくれる。優しい監督、沖田監督のかわいい良作。[DVD(邦画)] 8点(2015-08-12 11:02:43)(良:1票) 242. ヒックとドラゴン2 《ネタバレ》 お話自体は王道的というか、古典的というか、むしろ伝統芸能的といってもいいくらいクラシックなお話。ただ、ドラゴンに乗っているがごとくダイナミックで躍動感のある映像が魅力。だから、これを日本では劇場未公開というのは、どんなチカラ関係があるのか知りませんが、もったいないことです。[DVD(字幕)] 5点(2015-07-26 16:17:19) 243. アメリカン・スナイパー 《ネタバレ》 期待したほどではなかった、という率直な感想です。イラク戦争を描いた作品は数あるワケです。「ハート・ロッカー」、「リダクテッド 真実の価値」、「華氏911」は観ましたし、他のレビュワーさんが指摘しているものを含め、Wikipediaによれば24本はあるとのこと。その上に新しい色を重ねているとすれば、百発百中のスナイパーが登場したこと。人のいいおじさんのふりして、精密機械のようだ。見所はそこだけですね、なんて観終わった直後は、思っていましたけどね。 しかしなぁ。これを書きながら、ワタシはいったい何を見ようとしていたんだろうと思うと、暗い気持ちになりますね。イラク戦争映画に麻痺しているんじゃないか。何を期待してたんだろう、オレ。[DVD(字幕)] 4点(2015-07-20 19:21:20)《改行有》 244. 百円の恋 《ネタバレ》 かく言うワタクシメも「好きじゃねえんだよなあ、一生懸命なヤツ見んの」っていうゲス野郎です。だから、前半の方のつげ義春的というか、業田良家的な世界の方が好きだったな、後半カッコよくなってからよりもさ、とかね。あ、この控え室からリングまでの間をじっくり見せるシーンはいいな、一子にとっては試合に出られたことがピークだからね、むしろ試合シーン全カットでもいいかもとかね。後ろ向きなことを考えながら見ていましたが。しかし。い~い試合じゃないですか。「負けてしかるべき展開であるが、しかしそれはともかく勝て!」と力が入りましたもん。これは、いいぞ。[DVD(邦画)] 9点(2015-07-12 08:08:51)(良:1票) 245. チチを撮りに 《ネタバレ》 冒頭、おコメを研ぐシーン。渡辺真起子さんの背中はすごい説得力だ。この家でゆるぎない時間が積み重ねられてきたことが伝わってくる。そして見終わった後は、毎日をもっと丁寧に暮らしたくなる。つまり、元気になる。中野量太監督、是枝裕和を7、内田けんじを3の割合でブレンドしたような方とみた。注目株。金鉱発掘。この監督のは、全部見たい。[DVD(邦画)] 8点(2015-06-22 11:04:13) 246. かしこい狗は、吠えずに笑う すごい。正直、日本のホラーなんて小便くさいと思って一本も見たことはないワタシですが、本作の価値はわかる。本作を映画館で見なくてホントによかった。それは、大画面で見るととっても怖くて耐えられないなどという理由ではもちろんなくて、小さい画面で覗き見るようにしてからこそ、身にまとわりつくような気持ち悪い感じがわかると思うから。見終わった後、胃薬が飲みたくなる。なんか、10点やりたくない。でも10点。[DVD(邦画)] 10点(2015-06-14 05:23:51)(良:1票) 247. イコライザー 《ネタバレ》 ウォー、新しいヒーロー誕生じゃないですか。今までのヒーローと比べると、一枚も二枚も上手(うわて)の主人公のやることなすこと、うまい敵役と相まってすべてかっこいいじゃないですか。「償いをしろ」のシーンが特に好き。駆けずり回るでもなく、グチをこぼすでも、雄叫びをあげるでもないお茶と読書が好きなヒーロー。ワタシ、これは、なんというか「ジョン・マクレーン(1作目)の逆」というふうにとらえました。惜しむらくは、いかにも「2」がありそうなエンディングだったこと。もう1回、これやっちゃうと「おいおい、それじゃデューク東郷みたいだろ」ってことになりますから。[DVD(字幕)] 8点(2015-06-08 17:18:43) 248. ヒックとドラゴン 《ネタバレ》 息子を信じたい父親の気持ちとリーダーとして取るべき行動のジレンマ。息子を信じ切れなかった無念。あえて、族長ストイックの物語としてとらえたい。[DVD(吹替)] 9点(2015-05-16 19:41:21) 249. 女子ーズ 《ネタバレ》 割と気のいい怪人たちにとどめを刺さなかった演出は好印象。先に話し出した方が負けっていう息詰まるというか、居心地の悪い雰囲気を伝わってくる歩道橋のシーンは高評価。しかし、つまるところ、これってダウンタウンのアレやソレだよな。面白いっちゃ、面白いんだけど、コントのソレだよな。いや、そのつもりで作っているのを観て、それを言ってもしょうがないんですけど。[DVD(邦画)] 6点(2015-05-03 09:15:42) 250. インターステラー 《ネタバレ》 ハードSFのストーリーを一生懸命に追いかけていたら、後半ものすごい勢いで大林宣彦風センチメンタルSFが追い越していったという印象です。少しボーゼンとしましたが、いや嫌いなわけじゃないですよ。「時をかける少女(1983)」好きですし。時間を超えて、また会えるんだ。[DVD(字幕)] 6点(2015-04-29 21:43:58)(笑:1票) 251. ジャッジ! 《ネタバレ》 バカまじめなお人好しといえば、現実ではともかく物語世界ではかなり勝率の高いキャラクターだと思います。本作においても主人公は、最終的には相当うまいこといっちゃってるわけです。バカまじめなお人好しの物語。我々物語の消費者は、かなりこのフォーマットに慣らされています。かなり浸透した予定調和。だから、いやいやこんなんあり得ないというよりも、バカまじめ、もはや今の世の中を泳ぎ渡るための有力なタクティクスになっているのではないでしょうか。「あいつはもう、バカまじめだからしょうがない」と言われたらしめたもの。人を動かす力になる。ワタシ、冒頭「現実ではともかく」なんて書きましたけど、実は誠実っていうのは、かなり使い回しの効く生き方だと思っています。[地上波(邦画)] 7点(2015-04-29 08:07:50)(良:2票) 252. ベイマックス 《ネタバレ》 プニョンプニョンしたベイマックスがかわいいのだから、武装してからも中身の「こころもとなさ」を活かしたらよかったのになあ(はみでるとか。中だけパンクしちゃうとか)。そうじゃないから、戦隊ヒーローもののバッタモンみたいになってしまうんだ。最後の脱出シーンまでのタメだったのでしょうか。動きのあるシーンのスペクタクル感はよかった。「あ、これは映画館でみるんだったな」と思いましたもん。しかしまあ、全体としては可もなく不可もなく。あと、「2」はありそうだし、そのときには兄貴は実は生きているのではないかな。[DVD(吹替)] 6点(2015-04-25 13:26:30) 253. 小野寺の弟・小野寺の姉 《ネタバレ》 失恋をして涙する片桐はいり(怪優)ってのは、バラエティ番組でクイ気味に芸人と絡んでいく美人女優並に、なんかこう、見てはいけないものを見てしまったという感じがしましたね。告知で見て想像していたのとはまるで違う、乾いてない方の作品。 [DVD(字幕)] 4点(2015-03-28 11:15:59)《改行有》 254. 日本と原発 《ネタバレ》 本作を観るにあたって、「逆襲弁護士 河合弘之」(さくら舎、大下英治)を読んだ。「弁護とは『正義』ではなく、『論理』だ」と言い、「元々金権弁護士だ」と韜晦する河合弁護士の映画がどのようなものか興味津々とスクリーンに望んだ。しかし。「裁判はたったひとりでも正義をかけて闘える民主主義社会の安全弁みたいなものだ」と弁護士は言う。このこと自体、しごくもっともなことなのだけれど、そんないい子ちゃんじゃないんでしょう。「違法でない限りベストを尽くす」ってスタンスなんだから。原発にまつわるたくさんの事柄がわかりやすく解説がされていてよいのですが、弁護士自身解説者になってしまっています。だから弁護士の熱が伝わってこない。自作自演の限界かと思いますので、やっぱり監督はプロに任せて欲しかった。以上、映画としてのレビューですが、最後に。応援しています、河合弁護士。5兆5045億円の賠償を東電経営陣に求める株主代表訴訟、注目しています。[映画館(邦画)] 7点(2015-03-09 19:08:32) 255. フライト・ゲーム 《ネタバレ》 これは奥行きの深い作品でした。犯人グループのビル(リーアム・ニーソン)への信頼感が半端無い。彼が最善の策を採るであろうことを前提として、犯人は計画を進めていきます。だから、身を持ち崩した中年男ビルのことが、物語半ばを過ぎても本当は悪の手先かも知れない疑惑を払拭できません。こんなに不安定なまま、話が進んで良いのか。ホントは、別タイトル・同一主人公の「一作目」があって、他のみなさんはもっと心安らかに観てたのかも、他の方のレビュー見てからここを書き始めました。ないようですね。いや、こんな鑑賞後の気持ちは初めて。満足。[DVD(字幕)] 9点(2015-02-21 12:01:37) 256. WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~ 《ネタバレ》 「さよなら」のシーンがとてもいい。駅で見送る人たちも、バイクで駆けつける人も。名残惜しい気持ちは山ほどあるのだけれど、言葉は少ない。ワタシ日頃、「じゃ、いずれまた」とか「遊びに来いよ」とか何か付け足して、当てにならない再会の布石を置くようにしてお別れしてしまうのですが。しかし、「さようなら」。とてもすがすがしい日本語だったのですね。[DVD(邦画)] 8点(2015-02-14 18:38:19)(良:2票) 257. LUCY ルーシー 《ネタバレ》 人間の脳が100%働くと宇宙になるというお話と解釈しました。新しいような気もしましたが、そうだとすると私という存在も誰かの脳の活動なのねとか考えちゃうと、いつか見た物語のような気もしますね。終盤、脳の活動がどんどん上がっていく過程が、徐々に足下から黒っぽくなっていく主人公というのが安い。だから、長めの「世にも奇妙な物語」を見たような鑑賞後の印象です。リュック・ベッソン、これは「小説」で勝負するべき話ではなかったでしょうか。[DVD(字幕)] 5点(2015-02-11 19:26:52) 258. her 世界でひとつの彼女 《ネタバレ》 うわー、これはえらいものを観せられた。OSの彼女なんてものを道具立てしていますが、つまるところ、赤裸々かつ、あからさまに「オトコの更年期障害」を描いた作品だと思う。中身は物心ついた頃からほとんど変わらないのに、入れ物(身体)だけはどんどん衰えている。すぐ転ぶところがイヤだ。寛容にみえて、心グズグズなところがイヤだ。ウクレレや手紙集が卑猥だ。子供に見せたくないくらい。ワタシはこの映画の主人公がとてつもなくイヤだ。だから、とことん良くできていると48才のおっさんは思う。そうです、ワタシも更年期です。10点でも5点でも良いような気がしますが、ここは5点で。いや、すごい5点だよ。[DVD(字幕)] 5点(2015-02-07 21:26:53) 259. ザ・レッジ -12時の死刑台- 《ネタバレ》 うー。宗教がらみのかなり飲み込みにくいやりとりが続くのですが、その実、とっても下世話な話。手前勝手な原則を背骨にしてどうにか体を持ち上げている弱いオトコ、ジョーの有り様(よう)というのは、キリスト教原理主義者でなくとも、我々の身近にもありますよね(あ、ないですか?)。だから視聴後、とっても胸クソ悪い映画なのですが、見応えありです。やっぱ、オンナ怖いよ。[DVD(字幕)] 8点(2015-01-05 20:10:42) 260. かぐや姫の物語 《ネタバレ》 うーん。とっても美しくて才能にあふれているけれども、結婚しない女性がいます。いやあの、ワタシはそういう女性はとても生きづらくて大変なのだと思っています。「美人」という額縁で常に飾られて、一挙手一投足を見守られて。少し冷たくあしらえば、高嶺の花なんて呼ばれるし。動きづらいったらありゃしない。本当の私のことなど知らないくせに。思うがままに生きていたあのころに戻りたい…。ワタシは、昔話「竹取物語」をモチーフにそんな女性を描いた作品とみました。ただなあ。そんな物語を観たいかというとそんなことはなく、観ながら「う、メンドクサイ奴。かぐや姫」とか思ってしまいました。画の質感は好きでした。[DVD(邦画)] 4点(2015-01-04 16:17:46)(良:1票)
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