みんなのシネマレビュー
K&Kさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 829
性別

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142

241.  アルゴ 《ネタバレ》 “Argo”実際にあった架空のSF映画のタイトル。モトはギリシャ神話の巨大船だそうです。 ベン・アフレックと言うと、なんかアイドル俳優みたいなイメージがあります。パールハーバーやアルマゲドンの影響かな?そんな彼が実際にあった事件映画の監督をやってることに、正直違和感を感じたものでした。 『架空のSF映画をでっち上げて、イランに閉じ込められてる外交官を脱出させる』なんて、映画以上に映画っぽい事を、CIAが大真面目に実行したことが非常に興味深い。 怖さの演出は控えめです。路上で囲まれて撃たれる人の1シーンと、クレーンで吊るされる死体のシーンがあるくらい。それでも『捕まったら残酷に処刑される』緊張感はきちんと伝わってきました。 911テロ以降、私たちに焼き付いている“中東=命の価値が違う国だから怖い”ってイメージからでしょうかね?印象操作? 恐怖演出は控えめながら、バザールのロケハン。デモ隊との遭遇、写真を撮ったことから始まる揉め事など、バレたら即殺される、生きた心地のしない緊張感はきちんと感じられました。 クライマックスの空港脱出も、アメリカとイランにまたがってのハラハラ具合は、まさに映画の醍醐味。ここに来て予想外な人物の活躍もスカッとさせてくれました。視聴2回目の今回、大統領史上かなり地味なジミー・カーターが、作戦承認を即決したところが良かった。またこの救出作戦を、自分の人気取りに使わなかったことも好感度UP。 最後の飛行機とパトカーのチェイスは、やっぱり映画的演出だそう。でもそこを映画的に脚色するなら、脱出の前の晩に外交官たちが酒宴を開いてるシーンは削っても良かったかな。 せっかくトニーが入国するとき、イラン領空で乗客のアルコールを回収するシーンを入れたんだから、脱出で領空を出てから、やっと久しぶりの酒呑んでみんなでイェアーー!!じゃないでしょうか?映画的には。 でもこの事件において、外交官6人はもちろん、人質となった52人全員が解放、死者もゼロだったことは、当時のイランとは、まだ話の通じる関係だったんだなって、思えました。[映画館(字幕)] 7点(2024-01-20 18:12:56)《改行有》

242.  男はつらいよ 知床慕情 《ネタバレ》 シリーズ38作目。あれれ?夢オープニングじゃないぞ?寅の一人語りと桜が満開の江戸川の土手。そして語りの〆が「私の故郷と申しますのは、東京は葛飾柴又…」そう!東京って付いてるから、1作目の一番最初のナレーションを意識してのオープニング。 あぁ、本作が寅さんの最後って噂もあったのか。確かに、おいちゃんが肺炎で入院している。跡取りの寅は何してるんだって話をしてる。おばちゃんは「もう店辞めよう!」って騒いでる。そして三船敏郎がゲストで出てくるとなれば、最後の寅さんと言われても納得の布陣。 本作の本流は獣医の先生と、はまなすママの恋愛模様です。'80年代に入り、もう若くない寅は、若者の恋をサポートすることは多くなってきたけど、熟年の恋をサポートするというのは、意外性としても面白い試みだったと思います。 常に難しい顔をしてた先生が、その難しい顔のまま、勇気を振り絞ってママに告白するシーンは、とても手に汗握る展開で、ある意味微笑ましく、そして知床の風景に負けないくらい爽やかでした。 舞台はほとんど“This is知床”の斜里町。観光名所も多く、カラッと爽やかな斜里の風景がじゃんじゃん出てくる。ご存じの方もいるだろうけど、劇中何度か歌われる『知床旅情』って、斜里の裏側、観光地化があまり進んでない漁師町・羅臼町の歌です。 斜里の自然描写が多いぶん、割りを食ったのが、寅とマドンナりん子との恋愛模様だったのかもしれません。二人の関係が終わるところも、船長の語りで済まされてしまいました。 ところで、りん子はどうしてまた東京に出てきたんでしょうか?東京にはあまりいい思い出はなく、知床で暮らしたほうが幸せだったんじゃないかと思うところ。もし本作が最終回だったら、寅とりん子の今後を、もう少し匂わすカタチで終わっていたのかもしれません。だから、東京に出てきたのかな?って。 何せ竹下景子は3度も別人マドンナをしたくらいだから、リリー/浅丘ルリ子とは別な意味で山田監督のお気に入りだったんでしょう。 本作が最後でも納得の内容でした。でも一本の映画としては完成度が高く、寅という一人の男の物語の最後としては、少し消化不良だったんでしょうか?何より寅が大きな恋をしないで終わるというのは、ちょっぴり寂しかったのかもしれませんね。[CS・衛星(邦画)] 7点(2024-01-18 22:41:53)《改行有》

243.  かもめ食堂 《ネタバレ》 フィンランドという非日常空間で繰り広げられる日本人女性の日常。不思議な雰囲気とやんわりとした空気が、なんか良いのだ。 何でその話?って思えるオープニングのナレーション。太った猫の死と痩せた母の死。美味しそうに食べる太った生き物に弱いって話から、遠巻きに店を見る太めな現地女性3人組。このお話はどこに向かっていくのかな? サチエがフィンランドに来た理由。ミドリにもっともらしい理由を話すけど実はその場の思いつき。「ここならやっていけると思った」と言うけど、結局サチエが日本を出てここに来た理由は不明。小さいけど綺麗なお店。ピカピカの食器に調理器具。統一感のある北欧家具。サチエ、お金はあるんだな。 ミドリがお店をガイドブックに載せて宣伝したり、現地の人向けのおにぎりの具を考案するのに対し、売上にまるで執着がないサチエ。ダメなら辞めます。ってのは、自信があるからというより、サチエは自分を曲げて商売に熱を入れるんじゃなく、好きなことをやってる今が大事なんだろうな。だから明日世界が終わっても良いような毎日を送っているんだろう。 目をつぶって地図を指差したミドリは、ムーミンが好きなくらい。親の介護が終わったマサコもエアギター選手権で興味を持ったくらい。サチエ含めみんなフィンランドに絶対のコダワリはない。 3人とも過去に何かがあって日本を出てきている。3人ともそんな過去をリセットして、たまたまここで出会って、同じ時を過ごしている。 夫が出ていった中年女性、コーヒーの煎れ方を教えた中年男性。共に過去をリセットして、これからリスタートするかどうかってところ。 食堂のメインはとんかつや唐揚げ、鮭の塩焼きといった日本食。ソウルフードのおにぎり。おにぎりにはシャケ、梅、おかか。 おにぎりにトナカイやザリガニを入れても合わない。こちらから無理に合わせるのではなく、自分に合うものを選んでもらう。 そんな生き方がしたくて、サチエはこの地で店を始めたんだろう。 日本を離れた彼女たちの生き方が、この映画自体が、遠い異国のフィンランドから、日本人に向けて発信されているメッセージのように思える。 そんなメッセージを受け取る勇気も行動力もなく、ただ忙しい日常に流される毎日だけど。 サチエの「いらっしゃい!」がとても心地よい。[CS・衛星(邦画)] 7点(2024-01-08 14:46:44)《改行有》

244.  キャノンボール 《ネタバレ》 “The Cannonball Run”訳すなら砲弾レースでしょうか。'70年代にアメリカで実際に開催された、非合法の大陸横断レースの映画化です。公道を警察に捕まらないように工夫しつつ、ゆる~くゴールを目指すレースで、同様のレースは'80年代以降も開催されていたけど、回を重ねる毎に、スピードとテクニック重視の、いわゆる“しょっぱい内容”になっていったようです。 映画は同レース初期のコンセプトに沿っているため、正攻法のスーパーカーもあれば、忍者のようなハイテク四駆やボンドカー、警官が止めにくい救急車なんて各チーム工夫のあとが出てます。 子供の頃この映画が大好きで、ゴールデン洋画劇場で放送される度に観てました。ジャッキーがコミカルに活躍するのが嬉しいし、カッコいいムーア・ボンド本人が三枚目を演じるのもイイ。ドクターが顔は不気味だけどお茶目なところとか、キャプテン・ケイオスの登場シーンなんて、こういう明るいおじさん、子供は大好きなんです。 ピチピチ衣装の美女コンビ&黒いカウンタックの組み合わせが最高だけど、それ以上にノーブラ童顔のファラ・フォーセットがエロ可愛い。 スーパーカー、豪華俳優陣、セクシーな美女。オープニングからワクワクする要素が詰まりまくったこの映画。レンタルレコード(当時そういうのがあったのよ)で借りてもらったサントラをカセットにダビングして、あのオープニングをステレオ(ラジカセでしたが)で聞いたら、もうテンション爆上がり。 またエンディングののNG集が、撮影現場のゆる~い空気を感じさせてくれて、ホンワカしていい感じです。今回DVDを安く手に入れたところ、嬉しいことに吹替版が入っていて、懐かしい超豪華声優陣に感動してしまいました。アドリブ満載。意訳たっぷり。吹き替え現場もきっと、撮影現場並みにホンワカ・ゆる~く楽しく録ってたんでしょう。 あのカッコいい映画ポスターもゆるくて、何故か美女コンビのピンク(タラ・バックマン)の衣装を着たファラ・フォーセットが真ん中でババ~ンと…カウンタックも赤だし…もう見栄えが良ければ何でもアリです。 バート・レイノルズにはトランザムに乗ってほしかったけど、カッコいいJ.J.と明るいビクター、天然ボケのパメラと変態ドクター。レースより4人の珍道中がメインなので、この映画では救急車で正解でした。当時は気が付かなかったけど、J.J.ほとんど運転してないのね。9割ビクターが運転してたわ。 ジャッキーは「ニホンの~イチバンの~カーレーサー」です。ジャッキー&日本車と言えば三菱のイメージだけど、本作ではハイテク装備のスバルレオーネ。あんな小さい車体に四輪駆動って、当時はまだ珍しい先端技術だったんですね。 最後まで三枚目のボンド。画面に出る度に助手席のボンドガールがコロコロ変わってるのが芸が細かい。「すご~い!私がジョージ・ハミルトンの車に乗ったなんて!!」を吹替版では「ショーン・コネリー」に変えてるのがもう100点満点! 思い入れたっぷりだから映画は7点!サヨナラ~!バイバイ!![地上波(吹替)] 7点(2024-01-05 12:56:52)《改行有》

245.  男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎 《ネタバレ》 シリーズ32作目。夢の中のニセ寅を観て、この人知ってるけど、誰だっけ?ってなったわ。あぁレオナルド熊か、懐かしい。 博のお父さんの墓って話が出たとき全然ピンとこなくて。あぁ、“ん゛ん゛一郎”さん亡くなってたんだ。その作品のみの登場人物で亡くなった人はいたけど、過去に出た人で亡くなったのって、飃一郎さんが初かなぁ?でも三回忌の年のお話として、湿っぽくならない創り方が上手い。 坊主に扮する寅。どんなミスするかワクワクしてたら上手いこと乗り切ってしまうのが逆に面白い。お経をどう乗り切ったか不明だけど、その後の御法話に人相の啖呵売を混ぜるのがさすが。その後の飃一郎の法事は思い切った悪ノリっぷり。青い顔のさくらと困ってる博。「兄さん」「「ん~??」」に吹き出してしまったわ。 当時の杉田かおるは、ホントあどけなくて可愛い。ひろみが寅に相談した後、滑って落っこちそうになるシーンの、二人の動きの大きさが名人芸。精一杯のおしゃれをして東京に出てくる姿もまた可愛い。この当時の杉田かおるの作品をもっと観たかったけど、本作以降しばらく映画には出て無いそうで、後から知った芸能界の闇が怖い。キスシーンはあったけど、そこから先はおいちゃんにストップさせたのが、山田監督による彼女の使い方の良心に思えたわ。 竹下景子の“町で評判の美人”っぷりが良い。表向きの顔と、父との会話からチラチラ観える内面が彼女の魅力を引き出している。 とらやに来た朋子が積極的で、これだけ自分の気持ちを出してくれる中、柴又駅での延長戦は手に汗握った。距離を置くさくら。『頑張れ寅!ここは頑張れ!』って応援してしまった。佃煮だのと逃げ道を探す寅にヤキモキしながら、あぁ、冗談にしてしまうのか。と落胆。東京駅で更なる延長戦もあるのか?って思ったところの試合終了。さくらの横を素通りせず「ヘヘへ…と言うお粗末さ…」と言い出す寅の背中が切ない。 タコ社長と博の経営方針の違い。飃一郎の死。一道が持つひろみの写真はカラーで、寅が持つ朋子の写真はモノクロ。世代の違いと時代の流れを感じさせる一作でした。[CS・衛星(邦画)] 7点(2023-12-17 14:09:46)《改行有》

246.  男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋 《ネタバレ》 シリーズ29作目。寅さんでスズメのアニメーション(白組作画!)が観られるとは。まるでメリー・ポピンズみたいになめらかな動き。 オープニングの歌の間に台詞のある本編ドラマが入っているのも新しい。 そして前作に引き続き、どこか哀愁のあるメロディ。う~ん、今回も悲しい終わり方するんだろうな。 片岡仁左衛門さんは歌舞伎役者か。映画主演作がほぼ無い中、劇中に馴染んだ演技を見せてくれる。貴重な茶碗をもらった寅の雑な扱いにワタワタする姿が面白い。寅が高齢になるにつれ、年齢の釣り合いの取れる(&お客さんの関心を集められる)マドンナとなると選択肢が減ってくるんだろうなって思う中、ゲストで豪華さを見せるのも上手いところ。 あといしだあゆみと吉岡秀隆の北の国から親子共演に思わずニヤニヤしてしまう。 そのマドンナいしだあゆみが、シリーズに異色な印象を見せる。顔より先にカメラが捉えるのは足。加納の家で寝込んで、朝方寅の寝室に入るかがりの足。丹後の実家で再会の時も、階段から降りてくるかがりの足から入る。寅とサシ飲みの俯瞰図もかがりの足がきれいに収まり、子供を寝かしつける時のふくらはぎは、寅でなくてもついドキッとしてしまう。そして階段を登る足。どうしちゃったんだろう?寅さんにこんなにエロ要素入れてくるなんて。 でもね、寅の寝室に入る時は意図的に足を映さないの。もう全身からフェロモン出てるから足は映さないの。寝たフリをしてやり過ごす寅。かがりが出ていく時にようやく足を映すのも上手い。徐々に盛り上がって、頂点迎えて取り逃して、クールダウン。ここで寅の恋は終わってます。 かがりから誘われたあじさい寺デートは、あまりに寅が可哀想な展開。そしてとらやの寅と旅先の寅の描き分けがハッキリしていて、一応旅先に含まれるあじさい寺に、とらやの満男を連れて行ったらどうなるかが初めて観られた。あぁ、こうなってしまうんだ。 そして、こうなることが解っていて、満男を連れて行ったのは、やっぱり丹後で燃え尽きていた自覚があったからなんだろうな。[CS・衛星(邦画)] 7点(2023-12-02 10:56:58)《改行有》

247.  カンフーハッスル 《ネタバレ》 “功夫”『カンフー』。これは良いとして英題“Kung Fu Hustle”『カンフーぺてん師』??…ハスラーのハッスルだと思うんだけど、こんな訳で良いのかなぁ?まぁ、シンはハッタリだけのチンピラ。豚小屋砦の達人5人も正体を隠してた。最強の火雲邪神も奥の手はインチキ。シンに秘伝書を渡した仙人も…だからまぁ、これで良いのか。 少林サッカーが大好きなので、この作品も素直にハマれました。斧頭会に囲まれて絶体絶命の場面で3人の達人が立ち上がるシーンは鳥肌ものの格好良さ。DVDでここばかり何度もリピートしてしまいます。シンと相棒も安定の面白さ。痛面白いナイフ投げのシーン最高。アイス売りの娘から小銭を奪うところ、相棒がラムネを差し出すところで胸がジーンとなってしまう。 少林サッカーと比べ、序盤のボス殺害シーンがちょっと残酷で少々鼻に付いてしまうけど、琴の暗殺者が猫を切るシーンがまたセンス良くて、ここは良い意味で裏切られた気分。このシーンのミスリードのために序盤に残酷シーン入れてたのかなぁ?って思えるくらい。猫上手い。 漫画チックに脚をクルクルさせてのチェイス・シーンとかは、まぁ、私はあまり得意ではありません。気持ちがすとんと落ちたところで唇ブルブルのシン。こういうのも、ちょっと…達人3人のカンフーは素晴らしかったけど、それを凌駕する大家夫婦のカンフーが体技ではなくCGメインなのも、最初ちょっと残念に思ってたっけ。今ではそんなに嫌いじゃないけど。 火雲邪神は強敵感があっていい味出していたわ。シンとの対決もアツいものがあったけど、やっぱ最後はCG合戦かぁ。 シンは大家夫婦の死んだ息子。って訳じゃないんだよね?たぶん。 ただね、ツッコミどころはいっぱいあるけど、キラリと光るセンス。他の映画じゃやらないであろう、ウケるかスベるかギリギリのギャグ。観終わった後の満足感。笑いあり涙ありの99分間。少林サッカー同様、当時のチャウ・シンチー映画には不思議なパワーがあるんですよ。[地上波(吹替)] 7点(2023-11-22 22:52:45)《改行有》

248.  隠し砦の三悪人 《ネタバレ》 “男勝りなお姫様”の元祖だろうか。そもそもの初登場が崖の上での仁王立ちである。 ただそっちの画より、湧き水のところで太平と又七が初めて雪姫に会うところ、こっちの画の方が黒沢監督が観せたかったんだと思う。太腿を観せてからの振り向きの構図。脚から胸、顎にかけての女性独特の美しい線とキリッとした顔。この構図一枚こそが“男勝りなお姫様”を表現する画なんだと思えた。宮崎駿監督の“男勝りなお姫様”でよく観た構図のモトは、この映画だったんだと思う。 一国のお姫様だから、その辺の女とは違い、高く綺麗な声質…なのに、男勝りなことを言う雪姫。彼女の独特な話し方は、恐らくそういう演出でしょう。上原美佐は経験不足ではあるけれど、決して実力不足ではないと思う。 一つ不思議に思ったのが、最後に本来の姫の姿の戻ったときの、画面一杯に寄った画が無いこと。落ち延びている最中のキリッとした眉の時とは違い、姫らしく眉や髪を整えた美しいお姫様の顔なのに、何故か寄って撮らない。ここは恐らく、太平と又七側から見た目線のためで、お姫様の顔を間近に観るなんて恐れ多い。という演出かもしれない。劇場の大画面で観ていたら、印象も違ったかもしれないけれど。 戦に間に合わなかった二人の百姓目線で進んでいく序盤はとてもわかり易く、展開も早い。秋月、山名、早川。聞いてるだけではこんがらがりそうだけど、砂に書いた丁寧な領地の説明。そこに放られる金塊。『七人の侍』の野武士の人数同様、解り易く胸躍る演出にグイグイ惹き付けられる。 題名にもなっている隠し砦が燃やされ、最後の抵抗をする秋月の老将らの最後はバッサリ割愛するのも、取捨選択が絶妙と言える。文句なしの前半。 ただ良くも悪くも百姓娘のその後なんかもバッサリ。というのは、少々味気なさを感じてしまった。太平と又七それぞれに金一枚づつあげれば良いのに。なんて思ったりも。いや、そういう予定調和にしない所もまた、黒澤映画の味わい深さなのかもしれない。 後半、三船の馬術の素晴らしさ、火祭りの躍動感に目を奪われつつも、『隠し砦の三悪人』という題名に少々違和感を感じてしまうのも事実。三悪人って誰のことだったんだろう? 普通に考えて太平と又七と真壁なんだろうけど、最後の雪姫・真壁・田所がズズイと寄ってくる場面を観ると、もっと別な解釈もあるような気がしてしまう。[DVD(邦画)] 7点(2023-11-12 23:39:55)《改行有》

249.  ガタカ 《ネタバレ》 “Gattaca”劇中の宇宙局の名前。DNAの基本塩基の頭文字、G・A・T・Cを組み合わせた造語だそう。 核酸塩基には5番目の頭文字ウラシル (U)というのもあって、このUはDNAにはほとんど含まれず、RNAを構成(G・A・U・C)する基本塩基だそう。遺伝情報を永久保存するDNAと、一次保存するRNA…まぁあまり掘り下げてもだけど、不確定要素の話になっていきそうです。 '97年の映画だけど、登場する車が'60~'70年代くらいに作られた、当時考えられていた未来チックなデザインの車。ヘッドライトが何故か緑色。この映画公開時の時間軸の未来ではなく、'60年代くらいから観た未来の世界を、遡って表現したんだと思われる。 だから最後、リアリティある宇宙服でなく、空想科学SFの宇宙旅行らしくスーツで旅立つんでしょう。レトロフューチャー感が味わい深い。 アントンが遠泳で負けたのは、引き返すことを考えたから。そんな考えの「適正者」ばかりの世の中では、想像を超える世の中にはならないんだろうな。 エリートのヒューゴと、彼より年上の部下。彼は不適格者だろうな。だけどこの刑事の直感と執念で事件は解決する。 銀メダルで終わったジェロームの苦悩。適性者が買って当然の競技に、どうして順位を付ける必要があるのか。今思うと対戦相手は不適正者だったのかな。 生まれた瞬間にどんな病気の可能性があって、推定寿命まで伝えられる怖い未来。ビンセントにとって30歳が人生のゴール。 でも、だからこそ、どんな無茶をしても“土星のタイタンに行く”事をゴールに出来たんだろうね。帰ってくることを考える必要のない、片道切符の目標。 あまりお金掛かってないけど、ツッコミどころも探そうと思えばたくさんあるけど、人生が長いから忘れがちだけど、努力の瞬間の積み重ねが夢を叶えることを再認識させてくれる映画です。[DVD(字幕)] 7点(2023-11-05 16:12:48)《改行有》

250.  男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 《ネタバレ》 シリーズ25作目。ここらで半分折り返しです。オープニング、華麗な身のこなしをするねずみ小僧。寅の役をスタントマン(だよね?)が演じるのは本作が初じゃないだろうか? 前作でひっそりと初の海外ロケをした寅さんシリーズ。本作はいよいよ沖縄。飛行機嫌いの虎さんも沖縄は初上陸。まだ戦争の名残りが感じられる米軍基地と、チンプンカンプンな琉球語。日本であっても異国情緒が色濃く出た作品です。 ここ最近(個人的に)低空飛行だった寅さん。もしかしたら、この辺でシリーズをお終いにする考えがあったんじゃないでしょうか?そうなるともう、寅に一番近いマドンナ・リリーに再登場願うしかなかったのかなぁ?って。本作を含めてリリー3部作と呼ばれているそうですが、前作“相合い傘 ”で、十分綺麗にまとまっていたと思えます。 リリーとは、最北の北海道で出会い、最南の沖縄県で再会するのは上手な〆方です。またTVシリーズの最終回も沖縄だったとのことで、益々最終回感を強く感じます。寅と一番相性のいいリリー。夫婦のような同棲生活をするふたり。リゾート感満載の沖縄での生活は、まさに夢のようなひと時。現実世界では消して結ばれることのない、でも相思相愛のふたりにとって、本作自体が夢物語のようなポジション、リリー前後編の番外編ポジションのように思えます。 悲しいのは、この同棲の中でも、寅は一人でふらりと遊び歩く毎日。終いには些細なことで大喧嘩してしまいます。夢の世界でさえ上手く行かないふたり。当然、現実世界で上手くいく筈もありません。 「リリー、俺と所帯持つか?」寅がこれほどしっかりと、言葉に責任を持って、真剣に告白するのって、本シリーズ初じゃないでしょうか?冗談として返すリリーが“相合い傘”のアンサーにもなってますが、このシリーズ全体の寅次郎の結末にも思えます。 旅先のバス停。爽やかでカラッとした心地よい再会が、寅とリリーにとって結ばれる以上に幸せな関係に思えてしまう。 こんなの観せられると、これでシリーズが終わりだとすると「あぁ、綺麗に終わったなぁ」って思えたことでしょう。 だけどシリーズはもう半分続きます。そして私も観続けます。 数え間違いじゃなければ、本作まで観続けてるレビュワーさん、私含め16名。さぁこれからも楽しもう![CS・衛星(邦画)] 7点(2023-11-04 00:22:32)《改行有》

251.  カサブランカ 《ネタバレ》 “Casablanca”邦題まま。モロッコの大都市。当時はフランス領で、戦時中は仏が独に占領されたため、ヴィシー政権下。 学生時代、ハンフリー・ボガート(ボギー)って名前だけは結構知られていて、映画観たこともないのに、渋くてかっこいい男の代表みたい扱いだったわ。 名台詞『そんな昔のこと覚えていない』『そんな先のことは分からない』、そして『君の瞳に乾杯』は、40年以上経った日本の高校生でも知ってました。もちろん映画から直接でなく、バラエティ番組や漫画からとかだけど、それでも凄い浸透具合。 初見は割と最近。バーグマンとボガードではかなり年齢差を感じてしまったけど、ボギー当時まだ42歳か、あの渋さで私より年下か… さて劇中4回も出てくる『君の瞳に乾杯』(※私が観たDVDでは1回めは『謎の美女に乾杯だ』だった)。“Here's looking at you, kid.”は「君のような可愛い子を見つめることが出来ることに(乾杯!)」みたいなセリフですね。つまり『君に逢えた(これから先の)俺は、なんて幸せなんだろう』って意味だと思いました。1度めは出会った時。2度めはパリを旅立ち結婚しようとした時。ともに回想シーンです。 3度めは現代のカサブランカで、ラズロとの間で揺れ動くイルザに言うセリフ。自分のもとに戻ってきたイルザに言うので、復縁の意味にとれますが、リックの表情を観ていると、前2回のように笑顔はありません。自分が今後どうするべきか、頭では解っていたんだと思います。 そして4度め、別れのシーン。パリの思い出を胸に生きていく事を決めたリック。イルザの居ないカサブランカで、ずっと時が止まっていたリックが、いよいよ、この狂った世界で自分がするべき事の為に立ち上がります。 “As Time Goes By”『時が経っても』イルザに逢えた幸せは失われない。という考えに至ったんでしょうね。 プロパガンダ映画として、自分の国土を守るためとか、直接的な利益が手に入らないながら、ヨーロッパでの戦争に参加するアメリカの立場として、正義という名の美学のための参戦というのが、イングリッドの次回作『誰がために鐘は鳴る』と被る部分だわ。 ドイツ軍人の合唱「ラインの守り」を打ち消すフランス人たちの「ラ・マルセイエーズ」の大合唱。シンプルながら自国を思う気持ちを高揚させる。[DVD(字幕)] 7点(2023-10-23 23:50:03)《改行有》

252.  男はつらいよ 噂の寅次郎 《ネタバレ》 シリーズ22作目。寅がとらや以外の場所で家族と久しぶりの再会をするのは、今回が初じゃないだろうか? バスの中で博の父と再会するのも、いくら何でも偶然が過ぎる気がするけど、まぁマドンナ(&登)とは結構あるパターン。 今昔物語で自分の人生について考え込んでしまう寅が可愛い。人に聞いた良い話が寅が話すと別な話になるのが面白い。今回は怪談話か。思いっきり聞き入ってしまった。さくらの「あら虚無僧」で吹き出したわ。 仮病の寅が救急車で運ばれる。臨場感ある俯瞰図と困ってキョロキョロする寅がまたヒット。今回笑いのツボが私に合ってる。 大原麗子はCMなどで観るイメージ通りの大原麗子。まさに可愛い大人の女性。なのに男はつらいよの世界観から浮くことなく上手く馴染んでる。 お弁当食べて「あは…見ないで!」の色っぽさ。三角巾を結べず「寅さんあたし泣きそぉ…」のエロさ。帰ろうとして立ち上がりおばちゃん(!)に抱きしめられる躰の細さ。ぱっと見何でもないシーンなのに、これだけ伝わりやすい色気を感じさせる女優さんは他に居ないんじゃないだろうか? ついでと言っちゃアレだけど泉ピン子も当時(渡鬼以前)のイメージ通りのピン子だったわ。最初だけ登場かと思ったら、また美味しいところで出してくる。 「離婚、離れる、切れる、別れる。この手の言葉は一切使わない…」このパターンも久しぶりな気がする。シリーズ初期を彷彿とさせる丁寧な出来。マンネリも適当に創れば適当な出来になるし、しっかり創ればしっかり面白くなるんだな。 久しぶりの飃一郎。博の家で居心地悪そうな空気なのに、寅が来ると知るとパァッと明るくなるのが可愛い。 添田の後を追うよう早苗を諭し「(話は)明日聞くよ」と言いつつ旅に出る寅の不器用な優しさがとても沁みる。寅さんスタンダードな作品にして、寅さんの魅力がギュッと詰まった作品。[CS・衛星(邦画)] 7点(2023-10-16 22:55:31)(良:1票) 《改行有》

253.  A.I. 《ネタバレ》 “Artificial Intelligence”『人工知能』。今さらだけどそのまんまだったんだ。 スピルバーグの代表作“E.T.”を彷彿とさせるタイトルから、相当な意気込みで制作された作品だったんじゃないだろうか? キューブリック原案の作品とのことで、もしキューブリックが監督していたなら、ブルー・フェアリーに祈るデイビッドのその後がバッサリ無かったんじゃないか?とも言われているけど、もしかしたら常人には理解不能な2000年後が描写されて、頭ん中“???”状態のエンディングになってたかも? でもスピルバーグだから、常人が納得できる『めでたし、めでたし』なエンディングを用意出来たようにも思える。 食事中急にツボに入って大笑い。モニカをママと呼び方を変えたのに、ヘンリー(父)はヘンリーのまま。自分じゃ靴紐も結べない子供。純粋に母の愛情を求めるデイビッドって、もう人間の子供じゃないですか。ちなみに私は劇場で観た時、テディが髪の毛を一房出した時、ボロ泣きしてしまいました。 髪の毛に残るモニカ記憶は、まだデイビッドに危険を感じる前の記憶。だからモニカはデイビッドに無条件に優しかったんだと思う。 神が人間を造ったように、人間がロボットを造った。 未来のロボット(スペシャリストだって)は人間を観たことがなく、かつて人間と接していた最後のロボット=デイビッドを通して、初めて人間を観る。 人類はとっくに滅んでいるけど、クローン技術で人間を作り出すことは出来るけど、彼らスペシャリストにとっては、クローンよりデイビッドの記憶こそが、貴重な人類最後の足跡だったんだろう。 スピルバーグ作品だけに、クローンのT・レックスよりヴェロキラプトルの鉤爪の化石のほうに価値を感じる博士のよう。 クローンのモニカを眠らせ、デイビッドも人間として眠り、ここで人類の歴史が終わる。 この映画がどこか物悲しい最後なのは、この先、ロボット達からは何も産まれないからかもしれない。[映画館(字幕)] 7点(2023-10-16 21:59:50)《改行有》

254.  愛しのローズマリー 《ネタバレ》 “Shallow Hal”『薄っぺらい(=うわべだけの)ハル』。太った子が薄っぺらに見える。…なんて意味はないだろうけど。 ハルにとって初見の人“だけ”内面の美醜が外観に反映されるって設定が面白い。初めて会う社長夫人はスマートだから、ローズマリーは父親似だと思ったわ。催眠術を解かれてからの婦人はぽっちゃりしてて、あぁこの婦人の内面の綺麗さが遺伝したんだな(父親からは頭の良さを)。そして両親の遺伝子と、たぶん止める者の居ないハイカロリーな食生活(家政婦ヘルガさんも同じような体型)が、ローズマリーをあの体型にしてしまったんだろう。 恐らく催眠術中、内面がきれいな美女は美女のまま。内面が汚いブスはブスのまま。なんでしょうね?たぶん。 小児病棟の件。大人の女性と違い、少女は催眠術で美人にもブスにもならず(病棟には小太りの子も居たね)、ただ火傷が消えただけ。 前回と同じく接しようとするハル。少女の真実に驚きながらも、まっすぐ少女の目を見て話すハルに、何度観ても涙が出てきます。 ハルは心から美女だけを狙っていたわけではなく、父親の遺言『美女をモノにしろ』が強い暗示になっていたんだろうね。催眠術に掛かったハルにはローズマリーが『とびきりの美女』に見えていた。正直この段階で、内面の美しさは二の次だったようにも思う。彼女と一緒に居て楽しい。それだけだと。 催眠術が解かれた際に、『美女をモノにする』という父親からの呪縛も一緒に解けてたんでしょう。外見とか内面とかでなく“ただ愛する人とずっと一緒にいたい”という事に気がつく、良い終わり方でした。 表向きは太った女性がハルにだけ美人に見える、そのギャップを楽しむ単純なコメディ作品。この作品はほんの22年前なんだけど、最近は人の見た目を表立ってネタにするのがタブーな時代になってきた気がします。今はブスとかデブとか言うことに厳しい時代。美人とかカワイイとかは当時とほぼ一緒なのに。当時と今と、どっちが息苦しい時代なのか、ふと考えてしまいます。[ビデオ(字幕)] 7点(2023-09-27 21:48:14)《改行有》

255.  イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 《ネタバレ》 “The Imitation Game”『模倣ゲーム』。コンピューターに人間らしい回答をさせて、人間臭さの精度を見るテスト。って解釈かな?それで良いのかな?まぁまとにかく、主人公アランが嫌なヤツとして確立していて、この人を主人公にして感情移入できるのかなって不安になる出だし。 ギスギスしたチームにジョーンが加入、まさに人間関係の潤滑油。研究とは無関係な場所からヒントを得て(よくある展開といえばその通りだけど)の、困難を乗り越えての解析装置完成は、どんよりした空気が吹っ飛ぶカタルシスを感じました。 …まさかここからが真のドラマの始まりだったとは。 大局的な勝利のために助けられる味方を見殺しにする。神の目を持ちながら感情に流されず、必要最低限の情報利用に留まることは、どれだけ心身が疲労することだろうか。信頼できる仲間がスパイ。ナチスはいま戦っている敵だけど、将来はコミュニズムとも戦う時代が来る。敵にバレちゃ不味い機密情報を仮想敵のスパイが共同制作している。あぁこれこそ、タイトルの『イミテーション・ゲーム』だな。 可能性だけど、どこかの戦闘で暗号機と暗号解読員が奪取されて、ドイツ軍が“送った暗号が筒抜けになった可能性”を考えて、アランたちとは無関係に、新エニグマを開発する可能性もあっただろう。もしくはエニグマ解読を大々的に活用したとして、ドイツが次なる暗号機を、すぐに作ることが出来ただろうか?伸び切った各戦線に暗号機を配備して、誤用・誤解釈なく運用できただろうか? アランは青酸カリ入りのリンゴをかじって死んだそうな。彼の死から30年後にかじられたリンゴがトレードマークの『マッキントッシュ』が世に登場する。[インターネット(字幕)] 7点(2023-09-25 01:26:33)《改行有》

256.  E.T. 20周年アニバーサリー特別版 《ネタバレ》 ~E.T.の続き~ DVD買ったらコレでした。特別版の存在自体知らなかったから、観てて徐々に違和感を感じました。なんか、E.T.表情豊かでない?アップのシーンで瞳孔が収縮するのが、コレ当時の技術で出来ないでしょ。って。 E.T.はパペットの創りものだけど、CGで上書き修正されたコレは創りものの造り物感が強い。E.T.の豊かすぎる表情が、公開当時の『何考えてるのか解らない感』が減ってしまっている。 自転車のシーンとかは今の技術で特撮ぽさを減らしたほうが良いかもだけど、E.T.の顔をいじっちゃダメだと思う。 オリジナルをもう何年も観てないけど、今観たらよりショボいんだろうか?それでも、本作に限ってはオリジナルを観た方が良いと思うなあ。 装置を作ってエリオットと一晩森で過ごし、どこかに消えてしまうE.T.の謎。特別編でバスタブに入るシーンが追加?されてるらしい(オリジナルではどうだったっけ?)けど、ここにヒントがあると思いました。 E.T.にとって水に浸かることは、一種の治療なんじゃないかな?地球の大気で体調を崩したE.T.は、治療のために水場を探し、浅い川を見つけて力尽きます。水では治らない病気(感染症だろう)だったんだろうね。 E.T.を治療する科学者たち。治療をしつつ、E.T.の言葉をマイクで録ってるのがリアル。一方で「少年は助かります。でもE.T.は絶望的です」科学者の女性の声だけど、宇宙人のことを、子供が名付けた“E.T.”って呼ぶところに、凄い思いやりを感じました。彼らは悪い人たちではない。でも宇宙服で家を取り囲んで、ママたちを怖がらせたのは、ハロウィンのジョークにしては、やりすぎだぞ。 一度死んで生き返る謎。地球に戻った母船から遠隔で治療を受けた。ってことになると思います。それか少年の…愛? 嘘だろ?リアリティ無いぞって思った。E.T.をトラクタービームで引っ張る技術もない宇宙人なのに。 でも近年の『置くだけで充電できるiPhone』の技術に、遠隔でエネルギーを送るくらいは出来そうだなって思うようになったわ。 そういやE.T.胸とか指が光るもんな。E.T.って、純粋な生命体でなく、宇宙人が創った調査ロボット、生体端末なんじゃないかな。バッテリー切れで動かなくなって、母船からの遠隔充電で復活…なんて夢がないかな。 最初置いてけぼりにされるE.T.。森の中を走って逃げるけど、そういやあなた飛べるでしょ。子供の乗った自転車5台も飛ばしたでしょ。その能力で母船までビューンと飛べば…これも夢がないかな。 エリオットが愛称に“イーティー”を採用した謎だけど、もしかしたらE.T.が発音しやすい言葉だからかも?彼らはテレパシーで話すから、言葉はカタコト。イーティーは比較的言い易いから、エリオットにそう呼ぶようテレパシーで… 銃を無線機に変えてたのは気が付かなかったわ。ここは銃でいいと思う。これまで宇宙人と言えば地球を侵略しに来るのが定番なんだし、警官たちは『捕まえた宇宙人が生き返って逃げた!』って情報しか無いだろうから、街を守るために銃を構えるのは仕方ないことなんだ。E.T.は友好的な宇宙人の代表で、“侵略しない宇宙人映画”の歴史的ターニング・ポイント作品。宇宙人への古い考えの象徴として、銃のままが正解だと思うなぁ。 父親が出ていった家庭の、エリオット少年の成長物語。兄のオマケ的な存在だったエリオットが、仲間を率いてE.T.を逃がす。E.T.は友達であり、父親代わりでもあったと思う。『イコウ』と誘われるエリオットの心に、メキシコに行った父と、隠れて涙を流す母が浮かんだんでしょう。 ガーティの「ここにいたわ!宇宙人よ、ママが殺しちゃった」ここメッチャ可愛くて大好き。そして死にかけたE.T.に電気ショックを与えるのを見て泣き出すガーティ。子供が“死”とはどういう事かがわかった瞬間。スピルバーグの夢と現実のさじ加減が絶妙です。[DVD(字幕)] 7点(2023-09-09 11:22:54)《改行有》

257.  インデペンデンス・デイ 《ネタバレ》 “Independence Day”『独立記念日』。アメリカがイギリスから独立した記念日です。 宇宙人の地球侵略を、これでもか!ってくらいストレートに表現し、大迫力の都市破壊シーンを映像化した映画の元祖かもしれません。都市を飲み込む巨大な円盤。どう考えても勝てっこない相手に、現役のF/A-18が果敢にも戦ってます。 当時のCMを観て、劇場の大画面と大音響サラウンドで観てこそ、この映画の価値は最大限に活かされるであろうことは、想像するまでもないことでした。 うん、後日テレビ放送も観たけど、F/A-18が母船のバリアに突っ込んで爆発するシーンなんて、ハエが飛んでるくらい小さく観えたわ。 序盤は“もし、巨大なUFOが現れたら、政府はどうする?”を、結構リアルに表現できていたと思います。偵察機を飛ばしたり、ヘリで歓迎の意を示してみたり、UFOに発砲しないようニュースで呼びかけたり。民主主義国家は未曾有の出来事に対し後手後手に回ってしまうのは、先の震災でも体験したとおりです。だけどそこはアメリカ(製の映画)、一方的にやられてからの反撃の決断が早い。当時、それまで再現されたことのなかった物量攻撃。でも流石に最終手段の核を使うまでは悩むんだな。そして核さえ効かない絶望感。さぁどうなる? 初期のCGでスター・ウォーズ並みに迫力のドッグファイトを観せてくれるけど、都市破壊映像はミニチュアのビルの模型を使ってるのが凄い。ビルの砕け方とか、いまのCGじゃ再現できないハリウッド職人の技術を感じてしまう。 色々飛ばして大統領が「インデペンデンス・デイ!!」「うぉお~~~!!!」ってトコ大好きです。本作の『最終決戦。リーダーが演説で兵士たちの士気を高める』シーンの中で、この映画の右に出るものはないかもしれません。今でも娯楽番組で使われる劇中音楽も良いよね(大統領の紹介とかでよく掛かるイメージ)。そしてやっぱり親父の特攻はホロリと来てしまう。ここを観ないとこの映画は終われない。 テレビのUFO特番でよく聞いたエリア51とかロズウェル事件とかを“劇中ほんとにあった話”にしたのは斬新…というか、劇場で観ていた当時、まさかこの映画で矢追純一な設定持ってくるなんて思ってなかったわ。 まぁ一見陳腐な設定に思えたけど、変に新しい設定創って話を難しくするより、誰もが知ってるミステリーから引っ張ってきたほうが分かり易いよな。だって派手な破壊シーンを楽しむ映画なんだし。 エリア51のクリーンルーム。完全防備の研究員の奥からマスクすらしてない白衣の博士が…。デビッドが反撃を思いつてから、トントン拍子に一晩で色々諸々が完成。ウイルスが効くなんて敵の母船はマイクロソフト製か?小型UFO、宇宙人もテレパシーでなく手動で操縦してたの?研究施設なのにどうしてUFOの射出カタパルトみたいになってるの?大統領が戦闘機で出撃なんてブッ飛んでんなぁ… 敢えて残したと思えるくらいツッコミどころは多い。けど、面白かった。[映画館(字幕)] 7点(2023-09-06 22:40:32)(良:2票) 《改行有》

258.  男はつらいよ 葛飾立志篇 《ネタバレ》 シリーズ16作目。前作が名作とは言え、寅もリリーも可哀想で、心がヒリヒリとなる作品だったため、本作の“寅さんスタンダード”な明るさは、一服の清涼剤に思える。もっと言えば普段以上にとらやの修羅場が(極力)回避された回に思えた。 オープニングは前回同様凝った作りで、メキシコ風ウエスタン。寅の夢だからかな?さくらはいつも可愛く、タコ社長は何故か悪いやつの側で、社長なのにボスではない。さくら歌上手いなぁ。 順子の「たいてい500円ですけど」に「やっぱり寅ちゃんかねぇ?」で吹き出した。今思うと、500円札って惜しげなく出せる、気を使わないで受け取れるコミュツールとして優れていたなぁ。500円玉だと有り難みが落ちる。「お父さんなの?」でつい流れでうなずいてしまう寅も可愛い。 御前様の身内がとらやに下宿するのは2回目。どっちも勉学に励む人(甥の岡倉金之助は東大理学部助教授、親戚の筧礼子は東大考古学の助手)。で、岡倉役の米倉斉加年 が交番のお巡りさんで出てくる。後で知った「クッククック♪」のシーン、無かったと思うなぁ。版権の問題かな?(※BSテレ東) やっぱりスポンサーしてたブルドックソース。四角いボトルのパッケージが約50年前の劇中と今と、ほとんど変わりないのが脅威(※と思ったら最近リニューアルしたらしい)タコ社長がとんかつソース舐めてたけど、私もやったなぁ。ママンに怒られたわ。 交番にチラッと写った指名手配犯『桐島聡』の写真。これも、今とぜんぜん変わらないなぁ。 小林桂樹が日本沈没と同じ田所って名前なのも嬉しいツボ。時代に合わせて新しい笑いを追求しつつ、悪ノリで基本路線を踏み外さないさじ加減が、男はつらいよは上手。 さて礼子先生はてっきり田所先生のプロポーズをウケたものだと思ったから、寅に話すとき、私も寅と同じ勘違いをしていたよ。観返すと「結婚を申し込まれたの」って。あぁ、人生の考え方に迷いが出たって話してるんだけど、“結婚”ってパワーワードでその先が頭に入ってなかったわ。あといつものパターンだなって思い込みを利用した、高等なトリックなのかも?頭真っ白でも寅が礼子先生に掛ける言葉の暖かさが素晴らしい。 『男はつらいよを数作品だけ観てみたい』って人に、自信を持って勧められそうな作品でした。[CS・衛星(邦画)] 7点(2023-09-03 15:20:53)《改行有》

259.  明日に向って撃て! 《ネタバレ》 “Butch Cassidy and the Sundance Kid”『ブッチ・キャシディとサンダンス・キッド』。どうしても『俺たちに明日はない』と比較してしまうし、邦題も意識して付けたと思われる。 観終わった後スカッとするでなく、ズウ~んと重たくなってしまうアメリカン・ニュー・シネマ。ベトナム戦争で世の中が暗くなってるから創られたというより、まだ全体的に明るい世の中に『一部暗い影も落ちてるんだよ。』って気付かせる目的の作品。言い換えればまだ世の中に“打たれ強さ”があるから創れた作品だったんだと思う。打ちのめされてたら、暗い結末の作品は敬遠するものね。 その日暮らしの強盗ブッチとサンダンス。どっちつかずなエッタとの関係。流行り物の自転車。将来に夢を抱けないアメリカの若者のような2人。追いかけるピンカートン探偵社。逃げても逃げても追ってくる彼らは、さしずめ当時の若者の、不安な未来の象徴だろうか。 夢のゴールドラッシュに湧くボリビア…とその前に最先端のニューヨークで遊ぶ3人を写真で見せる演出が見事。そして好き勝手やってきた若者が、現実から逃げて辿り着く先に相応しい極貧のボリビア。 結局はケチな強盗に逆戻りしてしまい、エッタも呆れて変える始末。より悪くなった状況に追い打ちをかけるような包囲網。こんな状況でも夢を語る2人に、当時どれだけの人が共感しただろうか?なんかこの2人から漂う「明日から本気出す」オーラが強い。 地元警察を相手に「レフォーズ保安官じゃないなら勝てる」「今度はオーストラリアに行こう」でも警察は軍隊を呼んでいた。飛び出した2人の静止画に、響き渡る多数の銃声。 容赦ない最後の姿を観せた『俺たちに…』に対し、観せなかった本作。まるで世間を知らない半人前(泳げなかったり、人を撃ったことがなかったり)の若者が、突っ走った挙げ句の最後、「カッコ悪い死に様だけは観ないでくれ」って叫びにも思えた。[ビデオ(字幕)] 7点(2023-09-02 18:01:25)《改行有》

260.  アビス(1989) 《ネタバレ》 “THE ABYSS”『深淵』。底なしの海溝の底には何があるのか? この作品は、中学校の授業の一環で観ました。平日、学年全員で映画館に映画を観に行くなんて、ウチの学校だけだろうか?そういうイベント今でもやってるのかなぁ?先生は無難にBTTF2(前年末公開)にしようとしたそうだけど、人気作だったし観たい人はもう観てる状態。映画授業は2月末。そこで無理を言って、まだ公開前の本作を観せてもらいました。先生と劇場に感謝。 当時、深海/海洋映画が立て続けに公開されて、それがたまたま2作品続けてホラー映画。「また海洋モノか」って、食傷気味ではあったけど、そこはあのJキャメロン監督。しかも初のオリジナル超大作。期待が高まる。 ヘリから降りる軍用ブーツ、軍用ブーツ、軍用ブーツ、スト足パンプス。これだけで掴みは充分だ。そしてキャメロン監督らしく、しっかり“強い女”と“自己犠牲”を抑えています。 リンジーが自分を溺れさせて後に蘇生させる提案の奇抜なこと。それでいてあの状況で2人とも助かる可能性を考えると、最適解と思えること。かと言ってバッドにもリンジーにも辛い選択なこと。 延々と深い海中に沈んでいくバッド。信管解除から残り時間を見ての「片道切符は覚悟の上だった」。これを無機質なタイプ文字で観せる演出も見事。あれだけの人が見守ってるなら酸素残量がどこで半分になったかも解って当然だろうに、演出が上手い。 離婚寸前の夫婦、夫婦ともに死を体感するが、その過程もタイトルの『深淵』(夫婦の深淵、生命の深淵)に掛かっているのかも。 最新技術。先の海洋ホラー2作品に比べても海の中のシーンが多かったように思う。ディープコアに潜水艇、液体酸素と宇宙服のような最新潜水服といった、ちょっと未来の技術(現実にはあるのかなぁ?)が凄い。縦横無尽に動く潜水艇のチェイスは、海中だけにちょっとモタモタ感があるけど、なかなかの迫力。この撮影のために原発の廃炉で作った超特大プールを存分に活かした撮影は圧巻。 そしてヘビ状の水(みんな何て呼んでるの?)が人の顔にモーフィングするCG技術。メカ物以外でこれだけ自然なCGが映画で出たのは初めてだと思うし、この映画からT2が産まれ、この応用でジュラシックパークが産まれると思うとメチャクチャ胸熱。映画の新時代を体験出来た喜びが大きい。 唐突に姿を見せる深海生物。ここがどうにも処理しきれない。たしか当時は宇宙人と取れる訳し方をしていたはず。どうしてリンジーは海底で不思議な物体(小型偵察機っぽいのと飛行機っぽいの)を見たからって、即宇宙人に結びつけたのかが意味わかんなくて…素直に考えたら海底人じゃんって。 リンジー「Non-terrestrial Intelligence」を“地上(陸上)以外の知的生命体”と素直に訳してくれたら良かったけど、“地球のものではないわ”とか“エイリアン”とかって訳してた(と思ったうろ覚え)から、宇宙人が何でわざわざ海底に?ってなるよね~。でどうしてリンジーは突然宇宙人って力説してるの?って事になっちゃったんだと思うんだわ。英語圏ではこの混乱はなかったのかなぁ? 普通に海底サスペンス(地上からの孤立。減っていく酸素。SEALの暴走)で面白いのに、目的不明な深海生物。劇場版でバッドを助けたのは解るけど、その後母船でディープコアを地上まで持ち上げる“おせっかい”に、「おいおいやりすぎだろう」って思ってしまった。 そしてここでも“宇宙からの移住者だ”って字幕が。宇宙なんて言葉は出てこなくて“彼らは暫くここに滞在していたようだ”って言ってるだけなのに。 もうすこし現実的な解決策を観せてくれたら、作品の評価ももう少し上がったんじゃないかな? ~続きは『アビス/完全版』に~[試写会(字幕)] 7点(2023-08-28 22:48:29)《改行有》

000.00%
120.24%
2111.33%
3182.17%
4728.69%
515718.94%
617821.47%
716519.90%
813816.65%
9546.51%
10344.10%

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS