みんなのシネマレビュー |
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261. ゆりかごを揺らす手 一人の女の狂気を描いたサスペンス。てっきり夫のセクハラは冤罪で、 ヒロインと訴えた主婦の両者に感情移入できる狙い、ラストにもうひと捻りあるかと思ったら、 あくまでオーソドックスでストレートなドラマだった。ただヒロインのデモーネイが美人だけに、 狂気さがより際立って見応えはあり。キャスティングが、ぴたりハマった印象の作品だった。[ビデオ(字幕)] 6点(2012-04-24 11:30:05)《改行有》 262. ミシシッピー・バーニング 人種差別をテーマにしたサスペンス・ドラマ。やや宗教色が濃い部分はあるが、 決して取っつきづらいという印象は受けない。キャラの相反する個性的な主役二人を配し、 事件の真相を解明していくストーリー展開は十分楽しめるのではないかと思う。 ジーン・ハックマンは、相変わらずアクが強いけど・・・。[DVD(字幕)] 6点(2012-04-23 13:13:31)《改行有》 263. 赤い天使 従軍看護婦という女性視点から戦争の悲劇、悲惨さを表現した作品。 アイデアが非常に珍しく、監督さんのこだわりやテーマもよく伝わってくる。 ただヒロイン役の若尾文子が中盤あたりから徐々に浮き出して、どうにも妙な違和感が・・・。 終盤にはメロドラマのような展開や、際どいシーンにはまた吹き替えを使っているようで、 せっかくのいい作品に水を差されたような印象。彼女以外のシーンは満点に近い内容の映画だった。[DVD(字幕)] 6点(2012-04-18 04:28:10)《改行有》 264. 北北西に進路を取れ ヒッチコックお得意の巻き込まれ型サスペンス。 アクションシーンが随所に織り込まれており、娯楽性の高い作品に仕上がっている。 悪者さんたちの目的や行動が不明瞭だったり、謎の一つも早い段階にわかってしまうのだが、 スリリングな展開には普通に満足。ちょっと上映時間が長いかなという感はあるが、 万人向けの娯楽作に仕上がってます。サスペンス・アクションものとしては、これが元祖かも? ということを考慮して+1点。[DVD(字幕)] 6点(2012-04-11 13:10:20)《改行有》 265. スリーメン&ベビー 状況設定が、とても愉快なコメディー作品。脚本がしっかりと練られており、 様々なエピソードを入れたり、子供は誰の子?という謎をラストまで残すことで、 途中で飽きさせない作りになっている。とにかく主役三人の善人ぶりとキャラがいい。 むさ苦しい彼らが父性愛に目覚めていく過程が面白く、ほんわかとさせてくれる。 古い映画ということもあり、映像演出は今一つ。[ビデオ(字幕)] 6点(2012-04-04 09:53:36)《改行有》 266. 夜の大捜査線 基本刑事ものではあるが、とてもシナリオのよく出来た作品。 サスペンスと友情を核に、人種差別をテーマに織り込み、人間ドラマとのバランスがとてもいい。 決して堅苦しさや重たい印象はなく、昔のテレビ映画のような雰囲気なので、さらってしていて、 とても観やすいかと。主人公の黒人刑事と地元の警察署長のキャラも個性的でよかったが、 嫌みのないラストシーンも心地いい余韻を残してくれる。派手さや映像的な見栄えはないけど、 満足感は十分に与えてくれる佳作。[DVD(字幕)] 6点(2012-03-23 02:48:10)《改行有》 267. 家族(1970) 高度成長期の世相を背景に、ある家族の姿を描いたドラマ。山田洋次監督には珍しく、 人情シーンがほとんどないリアルな描写、ややドキュメントタッチ風の演出とともに、 厳しい現実という視点から家族の絆や在り方を描いていて、重苦しい展開ながらも見応えがある。 山田作品の常連俳優さんたちの安定度も抜群だし、個人的にはこういう作りのほうが好き。 日本縦断ロケを敢行したロードムービーということで、製作者側の熱意が伝わってくる逸品。[DVD(邦画)] 6点(2012-03-19 06:06:08)《改行有》 268. 麦秋(1951) 北鎌倉を舞台にした、小津作品では定番の父親と娘のお話。 登場人物達の日常生活を中心に描く内容は、当時の世相が垣間みれて非常に興味深いが、 鎌倉の落ち着いた風景も情緒たっぷり。役者陣たちのセリフ回しは、相変わらず面白い。 ストーリー面においては物語の起伏があまりなく、ラストも割とあっさりめ。 こういうパターンもあったのかなという点では、いい意味で時代を感じさせてくれる。 ストーリーよりも、主人公たちのキャラと家族間のペーソスに狙いを絞った構成で、 小津らしいほんわかとさせてくれる作品だった。[DVD(邦画)] 6点(2012-03-14 06:27:56)《改行有》 269. 竜二 製作費が少なくても映画は作れる、見本のような作品。 やくざの世界を題材にしながらも、主人公の苦悩と葛藤を中心に描いたシナリオと、 主演の金子正次のアウトロー的な魅力が妙味を感じさせる。邦画らしい映像演出で、 総体的に泥臭い仕上がりだけど、いっさいのセリフを排したラストのカットはまさしく映画。 地味なシーンなれど、男なら主人公の心の内は十分伝わってくるはず。そういった意味では、 男性にお薦めの作品。[DVD(邦画)] 6点(2012-03-12 23:14:58)《改行有》 270. 炎のランナー 二人のランナーを視点に置いたところが面白い。そのぶん話が分散され、 人物背景の描写はちょっと薄かったかな。ドラマとしては特別妙味はなく、 いかにも実話の映画化といった内容で、淡々としたストーリーの流れが印象的。 80年代前半と古い映画ではあるけれど、映像演出、音楽はよかった。[DVD(字幕)] 6点(2012-03-06 02:58:39)《改行有》 271. 哀愁 正統派の恋愛映画で、ストーリー自体はかなりのベタ。 ヴィヴィアン・リーの存在感は抜群だが、彼女が演じるヒロインのキャラは非常に繊細で、 女々した性格。恋をすれば周りの物が見えなくなり、友達より男を優先するといった、 現在でも時々見かける困ったちゃんタイプ。悲劇のヒロイン気取りをする女は大嫌い。 反対にヒロインの友人はもの凄くいい奴で、非常に好感度が高かった。 男性側は猪突猛進型なれど、誠実な人間で描写にも問題なし。ある品を小道具として絡ませ、 ロマンチストぶりを発揮したラストのシーンには思わずジーン。 邦画タイトル通り、哀愁感をたっぷりと感じさせてくれる作品だった。[DVD(字幕)] 6点(2012-03-05 05:47:57)《改行有》 272. 楢山節考(1958) 楢山参りを控えた母親に対する息子の苦悩と葛藤が核になっているお話だが、 心情描写云々以前に、当然のことだけど圧迫感を感じるほど暗い。すべてがセット撮影、 演出面では歌舞伎の手法を取り入れ、舞台劇を観ているような印象を与えてくれる。 これはこれでいいと思うけど、映画でわざわざ舞台劇?という思いもなきにしもあらず。 田中絹代は相変わらずうまく、その演技は真に迫るものがあり、心にずっしりと響いてくる。 個人的には、もっと切ない雰囲気を出して欲しかったのだが・・・。[DVD(邦画)] 6点(2012-02-29 02:33:10)《改行有》 273. マジェスティック(2001) ジム・キャリーの真面目な演技が見れるヒューマンドラマ。 導入部のやや奇抜な設定やジムのキャスティングとは対照的に、 50年代の田舎町を舞台にしたほんわか感動作ということで、全体のバランスはいい。 ストーリー自体にヒネリはないし、ラストもやっぱりという感じだけど、安心して鑑賞できる。 ほっくりとしたい人にはお薦めの作品。[DVD(字幕)] 6点(2012-02-28 07:33:49)《改行有》 274. 3人の逃亡者 シナリオも面白いが、登場人物たちのキャラも映えてるコメディー映画。 序盤の状況設定が愉快なのと、この三人のヘンテコな関係が何ともほっくりとさせてくれる。 それほど派手なシーンもないし、映像音楽等の演出はいかにも80年代といった感じで、 あまり見栄えがよくないのは残念だけど、最初からラストまで楽しめた。 ヒロイン役の小さな女の子がとても可愛いい。[DVD(字幕)] 6点(2012-02-27 04:40:22)《改行有》 275. 欲望という名の電車(1951) ヴィヴィアン・リーとマーロン・ブランドの演技合戦が、最大の見所の作品。 マーロンもいいけど、ヴィヴィアンの鬼気迫る演技は驚きのひと言。 ストーリーは序盤から中盤でオチまで読めてしまうけど、舞台劇を観ているような構成が、 こちらの緊張感をラストまで引っ張ってくれます。ストーリーを楽しむ映画というよりは、 完全に役者を鑑賞する映画。アカデミー主演女優賞も納得。[DVD(字幕)] 6点(2012-02-26 02:27:06)《改行有》 276. 女のみづうみ タイトルから連想できるように、不倫を題材に「女の性」を描いた作品。 淡々としたセリフの掛け合い、心象描写を表現した峻烈なモノクロ映像や演出と、 ふっとフランス映画を思わせるような、それでいて邦画独特の泥臭さも残している、 一風変わった面白い作品に仕上がってます。ストーリーに多少のもっさり感は否めないけど、 女の性と女を性の対象として見る男との対比が、妙味を感じさせてくれる映画だった。[DVD(邦画)] 6点(2012-02-14 02:11:25)《改行有》 277. モンキー・ビジネス ケイリー・グラント主演のコメディー映画。コントのようなシーンが多くて、 とにかく鑑賞者を笑わせようという、製作者側の意気込みを感じさせてくれる作品。 若返りの薬が本作の妙味なのだが、ケイリーと奥さん役のジンジャーの演技が見所かな。 脇役マリリン・モンローの出演シーンは多くもなく少なくもなく、ちょうど手頃な感じで、 コケティッシュな魅力を存分に見せてくれます。シナリオ自体はどうってことないし、 抱腹絶倒というわけでもないけれど、思わずにやりとさせてくれるような、そんな映画。[DVD(字幕)] 6点(2012-02-06 11:14:03)《改行有》 278. 邂逅(めぐりあい)(1939) 二度もリメイクされている、「めぐり逢い」のオリジナル。 シナリオのしっかりした作品、良質な映画ということで見応えがあります。 デボラ・カー主演の1957年版と監督さんが同じなので、 配役、演出、音楽でどう変わってくるのか、見比べてみるのも面白いかと思う。良作。[DVD(字幕)] 6点(2012-02-05 07:59:06)《改行有》 279. フレンチ・コネクション 「ダーティーハリー」に通ずる刑事アクションものだけど、 実在の麻薬課の刑事二人をベースにしたお話ということで、娯楽映画でありながらも、 正統派刑事物という印象が強い。犯人との攻防や本格的なカーアクションに見応えがあるが、 主役二人のキャラも見所。強烈な個性でアクの強さを見せてくれるジーン・ハックマン、 相棒役のロイ・シャイダーも渋くてよかった。男臭さがムンムンに漂ってくるような作品。[DVD(字幕)] 6点(2012-01-26 03:03:26)《改行有》 280. ポネット 主役の女の子が天使のようにかわいい映画。母親を突然失くした四歳の娘の心の内を、 少女の視点からこれでもかと描いた作品ということで、 その淡々とした流れには重苦しささえ感じるけど、健気な心には胸を打たれる。 ラストは様々な捉え方ができて、よかったんじゃないかと。 少女は最初から最後まで出ずっぱりだが、監督さんはどうやって演技指導をしたのか? 男性にはちとツラい映画で、やはり女性向けかな。全編子供ばかり出てくる作品だが、 完全に大人向けなのでご注意を。[DVD(字幕)] 6点(2012-01-25 01:24:23)《改行有》
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