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261.  エイリアン2/完全版 《ネタバレ》 ~『エイリアン2 』の続き~ 10代の頃アホほど観たエイリアン2ですが、この完全版をきちんと観たのは、最近DVDを買ってからです。まだ視聴3回目。もしかしたらエイリアン2自体さえ、20年以上観てなかったかも? 2000年頃は私の中の第二次映画鑑賞ブームが来ていて、そこそこ新しい作品を色々観てたけど、この完全版は観てなかったなぁ。当時はCGメインの時代。スター・ウォーズもお色直ししている時代なのに、エイリアン2は特撮が古いまま。大好きな作品が古臭く観えてガッカリするのが怖かったのかもしれない。 今になって観たDVDの映像は、思いのほか綺麗だった。解像度調整したりしているんだろうか?あと今ではアナログな近未来メカニックについては、私は全然OKだった。未来世界なのにブラウン管モニターなんて古臭く感じるかもしれないけど、ラピュタの飛行船の技術や進撃の巨人の立体機動装置みたく、過去のどこかで枝分かれした架空の未来だと思って楽しめた。 さて完全版。単に長いだけでなく、テーマが変わっているのが凄い。エイリアン2がリプレー(女)自身の過去との戦いなのに対し、完全版は子を思う母同士の戦いになっている。 数ヶ月の航海のハズが57年もの月日が経過し、小さかった娘が自分より年上になって、しかも既に死んでいた事実を押し付けられる悲しみ。ニュートを娘とダブらせ、死物狂いで救い出すことだけに全てを掛ける母の姿。劇場公開版で娘について一切触れなかったのも、思い切った切り捨てだったと思う。 もう一人の母親がエイリアン・クイーン。前作の考察から、エイリアンは宿主の思考を学べるんだろう。だから人間が攻撃できないハズの、安全な熱交換機の下に巣を作って子供を産んでいたんだろう。 リプレーに「ドウェインだ」とファーストネームを名乗るヒックス。ヒックスとリプレーが、身寄りのないニュートと3人で、家族として暮らすことを暗示していたのかな。そう言えばニュートの両親って、外観が少しヒックスとリプレーに似ていたっけ。 ファーストネームといえば『フェッロC、ドレイクM、アポーンA…ヒックスD以外の海兵隊員は、生体モニターにリアリティを持たせるため、ファーストネームのイニシャルを付けるんだけど、俳優さんの本名そのまま』ってのを偶然発見した時は、誰かに言いたくて仕方なかったわ。けど今じゃwikiにも書いている常識になってしまった、残念。ハドソンがWなのは、ビル・パクストンの本名がウィリアムなのね。 フロストをフロスティって呼んでたり、ウィズバスキーをスキーって呼んでたり、キャラクターの作り込みがハンパない。そうそう、今回の見直しでウィズバスキーとスパンクマイヤーの顔を見分けることが出来るようになりました。 マメついでに、脱出艇ナルキッソスのD-7ドアの下に、リプレーがエイリアンを宇宙に放り出したワイヤー銃が転がってるの。こんなのを再現するところが、キャメロン監督のこだわり、マニアックな性格の現れに思う。だけど恐らく、この銃にエイリアンが引っ掛かったから、僅かに軌道が変わって、57年も漂流したんだろうって思うと、重要なアイテムかも。 このマニアックな監督だから創れた続編。前作エイリアンを愛し、自分の作品を愛する監督の渾身の一作。 今後何回この映画を観るか解らないけど、これほどハマった映画は、今後出てこないかもしれない。[DVD(字幕)] 10点(2023-01-31 22:53:08)《改行有》

262.  エイリアン2 《ネタバレ》 “Aliens”『異星人たち』洋画の原題に興味を持ったキッカケがこの映画なんです。 まだパソコンやプリンタの普及していない平成初期、ダビングしたビデオテープに、インレタって方法で綺麗に背表紙ラベルを作るの、たぶんここのレビュワーの多くの人も、やってたと思います。「えぇと、ALI…EN……ん?2じゃなくてS??」気がついた時に本当にショックを受けました。前作で1匹だったエイリアンが、今回はたくさん出てくるから、シンプルに複数形の“S”一個を持ってくるこのセンス。しかも“S”を裏返したら“2”なんですね。当時の続編作品といえば、大味、マンネリ、悪ノリが当たり前だった時代、ハリウッドのSFアクション映画に、こんなにも繊細なタイトルを付けるなんて! さて、初見は中2の頃かな、友達で集まってのビデオ鑑賞会でした。エイリアンと言えば有名なSFホラー映画(当時は未見)、この2も当然怖いんだろう、でも、ビビリの自覚はあるけど、友達にビビリの烙印は押されたくないぞ!と、平気なふりをして耐えることにしましたが…怖さより興奮のほうが遥かに勝ったわ。 ドロップシップ墜落に落胆し、いっしょに籠城準備している気になり、天井裏から迫るエイリアンに驚愕し、最後のドロップシップの脱出に手に汗握り、ホッとしたのもつかの間、クイーンの再登場に驚き…エンドロールから最後のカサカサまで、完全に映画の中に入ってたわ。 数日後改めてレンタルしました。観たばっかりの映画をレンタルするなんて…パッケージをマジマジ見て『今度は戦争だ!』の文字に妙に納得。そうだ、これはSFホラーというより、上質のSF戦争アクション映画だ。 '80年代は現実世界の延長線上のリアルな近未来、サイバーパンク映画真っ盛りだった時代。バークの渡す電話カードに未来を感じ、リプレーがよじ登るドロップシップのタラップの、画面左にあるクルクルコードにリアリティを感じた時代だったわな。 アームが伸びて腰に固定するスマートガン、バスケスとドレイクの阿吽の呼吸に痺れた人は多いだろう。 APCにズラッと並んだ生体監視モニター。エイリアンと初接触した際の、ザラザラのモニター越しに、リアルタイムに仲間が殺されていく絶望感。ショットガンを撃つヒックスを客観的に観せる画は、まるでドキュメンタリー映像のよう。 APCに踏み潰されるエイリアン。クシャッと潰れる頭部。バスケスとゴーマンの最後。あの役立たずの中尉が最後に見せた勇気。キャメロン監督のテーマとも言える戦う女と自己犠牲。 登場人物全員が兵隊ならともかく、映画の主役リプレー(記憶違いかもだけど、最初期の字幕ではこうだった記憶が…)は民間人。こういう場合、映画の中の兵隊って、ワラワラと数だけ多い、いわゆる雑魚キャラなのが通例だったと思う。きちんと個性と見せ場を創るのは珍しかった。 「みんなが守ってくれるわ、兵隊さんなのよ」彼ら宇宙海兵隊はきちんと仕事を果たし、守るべき民間人と生き残った生存者を宇宙戦艦まで連れ帰った。そして最後はリプレー自身の戦い。戦争映画のゴタゴタで有耶無耶にするのではなく、毎晩悩まされる悪夢を振り払う戦いで決着を付ける。ヒューマノイドとの確執も払拭しているのも地味に素晴らしい、続編ものとしてこれ以上無いくらい完璧な終わり方。 兄「またエイリアン2観てるのか?お前、どれだけ好きなんだ…」10代の頃、それこそ月に2回は観てたと思う。ダビングしてたのを日曜の昼間、茶の間で観て、洋画劇場でやればリアルタイムに観て、その後LDを買って自分の部屋のテレビでも観てたわ。たぶん私の人生で一番観た映画が、このエイリアン2です。 ~『エイリアン2/完全版 』に続く~[ビデオ(字幕)] 10点(2023-01-31 22:47:46)(良:1票) 《改行有》

263.  釣りバカ日誌 《ネタバレ》 有名な長寿シリーズで、釣りとは無縁の私には守備範囲外だったので観ていなかった。けど、面白かった。 釣りバカと言うから釣りばっかかと思ったら、釣りのシーンは3回。“初めて釣りをするスーさんがハマる”って事が伝わればそれで良し。ってくらいで、特に釣りマニアが喜ぶような構成にはなっていないと思う。 師匠と弟子の関係が、実は社員と社長の関係だったことが、いつ、どのようにバレるのか、もしくはバラすのかが本作のメイン。だから、ハマちゃんがスーさん=社長だったって知った瞬間、どんな顔するんだろう?って事に興味が湧いたけど、その瞬間を描かないのは意外。 そして夜になってもまだ怒ってるみち子さんとは対象的に、事実を受け入れてるハマちゃんの表情がね、なんか良かった。 高松から間違って本社に来て、最後再び高松へ帰るハマちゃんの構図。この一作で見事に完結していて、更にその後の物語も気になり、『面白かったなぁ、この続きが見てみたいな』って気にさせる。ただやはりスーさんの正体はこの物語のクライマックスに相応しいし、それ以降の『続き』は蛇足でしか無いんじゃないか?って気持ちもある。…1話がクライマックスで、残り22作が蛇足ってのも、すごい話だわ。(いやあくまで勝手な想像ね。まだ観てないですから。) そして石田えりが理想の奥さん過ぎる。男にとっての理想かな。ハマちゃんにペッタリくっついてくるみち子さんが可愛く、パジャマ姿でイチャイチャするシーンは、エピソードの区切りの“オタノシミ”として機能していたように思う。というかみち子さんの存在がこのシリーズの牽引力になっていたのかも。 世のお父さん方は国民的映画の石田えりの“服を着てても溢れ出る日常的なエロス”を観て、ひとときの“幸せ”に浸れたんじゃないだろうか? この勝手な思い込みの是非を検証するため、2も観てみようと思う。[インターネット(邦画)] 7点(2023-01-28 22:58:48)《改行有》

264.  モンスターズ・インク 《ネタバレ》 “Monsters, Inc.”Inc.=インコーポレイテッドは“法人組織”なんだって。ふぅ~ん。お化けには学校も試験も何にもないのに大変だモンスター。ディズニーのCGアニメなんて、どうせ子供向けだろう。って観ないでいたけど、当時ついつい出来心で観に行って、そしてとっても驚いて、DVDまで買ってたんだな。 CGのオモチャ、CGの虫と来て、ついにCGの人間をメインキャラにしたのって、本作が初めてだったと思う。ファイナルファンタジー(未見)はいろいろ酷かったらしいけど、さぁコッチはどうだ?って思ったら、普通に可愛く動いてる。目がクリクリ動いて、アニメのキャラと変わらない、体温を感じさせるキャラになってた。凄いなディズニー。ってかピクサー。 ストーリーはドタバタと追いかけっこなんだけど、子供に振り回される大人が主役だから、完全に子供向けではなく、大人の視聴に耐えられるかの実験要素も入っていたのかな?日本のアニメで子供だけでなく大人も楽しめるとなると、どうしてもノスタルジックな演出になってしまうところ、会社や出世やデートを入れてくる辺り、新鮮に思えたわ。さすがハリウッド。 トイ・ストーリーがやや怖めだったので、モンスターが主役だけど怖さは控えめ。ブーが潰されたんじゃないか?ってシーンも、最初に“ブーは無事だよ”って観せておいて、子供が怖がらないようショッキングな要素は減らしてる。 エンディングについては、最後ドアの木片に微笑んで仕事を頑張るサリーで、大人は大満足だったろう。そこから先の再会は大人にしてみれば蛇足なんだけど、子供はそっちのほうが喜ぶものね。正しい選択です。 エンディングのNG集は驚いた。自分たちで構築した世界観壊すんだ。でもドラマや映画の悪役が、実生活でも苦労してるって話もある業界だから、ランドールみたいな悪役も“そういう役なんだよ”って認識させるエンディングは、アリと言えばアリか。 子供向けアニメも真面目に創れば、大人の鑑賞にも耐えうる物になるお手本のような作品かな。[映画館(字幕)] 7点(2023-01-22 21:04:08)《改行有》

265.  少林サッカー 《ネタバレ》 “少林足球”邦題まま。わかりやすくて面白い!この単純だけど難しいことがしっかり出来ている映画です。観る度に元気が出るというか。WCアジア初開催で盛り上がってたサッカー。CGたっぷり、ワイヤーアクション少々の味付け。隠し味はジャパニーズアニメ。当時下火になっていたカンフー映画を、国際的に売り出すのに申し分ない盛り込みようでした。私のなかの『第二次映画鑑賞ブーム』の中で、かなり衝撃を受けた作品。そうそう、香港映画を劇場できちんと観たのはコレが初めてだったと思う。 欠点が無い訳ではなくて、歌とダンスを思いついて、チンピラに絡まれるところまでが長く感じる。そして『下品だなぁ、香港ではこんなコテコテの昭和ギャグが、未だにウケてるのかな?フフン♪』って。でもそんなクドさすら無くなったら、国際的な娯楽映画として無敵じゃないか香港映画!って、驚異に感じてしまった。ファンの立ち小便から名刺入りの空き缶を見付けるまでなんて、まるでサイレントコメディのお手本のよう。 ただのコメディとしてじゃなく、素晴らしいカメラワークにも注目したい。シンがチンピラ相手に本気出したときの、ファンの驚きは、ぐわんぐわん回るカメラで表現。シンの壁リフティングがどんどん上達する様子や、最初の本試合でキックオフシュートを決めるトコなど、ボールが如何に非常識なスピードで動くかは、固定カメラで客観的に観せる。少林チームの連戦連勝は本当の試合のように遠景で。圧巻は決勝の魔鬼隊戦を前に、主要メンバーの顔アップ。みんな右側に目線を送り、カメラも右にゆっくりスクロール。その先には優勝トロフィー…こんなの観せられたら心震えてしまうではないか。 最後のボロボロのシューズ、ムイの予想外の活躍に涙が出てしまう(私だけか?)のは、この映画が真面目にしっかりと創られてるからだと思った。 今後どれだけ面白い映画を創ってくるんだ?恐るべし香港映画界!…って思ってたけど、あの年代辺りがピークだったようで、正直残念に思う。 またこんな楽しい映画を創ってくれないかな。[映画館(字幕)] 9点(2023-01-22 21:01:34)(良:1票) 《改行有》

266.  トロン:レガシー 《ネタバレ》 前作を観て暫くしてからだったし、ストーリーや設定なんて殆ど忘れてるなか劇場で観た。2Dで映される現実世界と、3Dで映されるコンピュータ内部の世界。視覚のメリハリがハッキリしていて、ダフト・パンクの音楽も格好良くて、アトラクション映画として中々良かったと思う。あと若々しいジェフ・ブリッジスには驚いた。 今回新旧トロンのDVDを買って、続けて観た。まぁま同じような展開だったわ。前作のオマージュも多く散りばめられてるけど、大まかな流れが 現実世界→グリッド→ゲーム→逃走→決戦 と一緒。 盛り上がるのが中盤のディスク投げ合いとライトサイクルなのも一緒。前作の終盤が盛り上がりに欠ける決戦だったからか、今回飛行機のバトルも加わったけど、3Dで観た時はともかく、家のテレビで観るぶんには、ライトサイクルほどではなかったかな。 前作の“コンピューター世界のそれっぽさ”に対し、映像技術が格段に進化してるんだけど、どうも“仮想現実の世界”にしか思えないのは残念。ライトサイクルがジャンプの後バウンドしたり、曲がる時に蛇行したり、遠心力が掛かったりするの、まさにバーチャルゲーム映像。もっとコンピューターの中の世界らしく、不自然な直角軌道を観せてほしかったわ。 結果として近年の美麗なCG映像作品と、明確な差別化が出来ていなくて、あのトロンの続編としては失敗したんじゃないかな。 当時は驚いた若いジェフ・ブリッジスだけど、今の目で観ると目元と眉があまり動かない。当時のCG映像の限界だったのか。 トロンも正義に目覚めてからの活躍が無いし、ケヴィンとクルーの魔法っぽい最後の戦いも、なんか前作の最後同様、印象に残らない。[3D(字幕)] 4点(2023-01-22 16:39:38)《改行有》

267.  スター・ウォーズ/フォースの覚醒 《ネタバレ》 “sequel trilogy(後日譚・三部作)”EP1~が新3部作だったので、こちらは“続3部作”としているそうな。 他のレビューでも書いたけど、SWはあくまでEP4~EP6が本編で、そこを十二分に楽しむための前日譚(その過去)と後日譚(その未来)という構成だと考えてる。なので本編を凌駕するようなビッグ・イベントや、世界観の無限の広がりを期待するのは、ちょっと違うような気がする。でも今回は新3部作と違い、結末が解らない楽しさがあった。公開前のイベントで初お披露目されたBB-8の可愛らしいこと。SWの世界観を壊さず、旧3部作よりちょっと先の未来を感じさせる素敵なキャラクターに期待が高まる。 続3部作は本編から約30年後の話。砂漠の星で朽ち果てているスター・デストロイヤー。EP4のOPで、幼かった私に未来を感じさせた超兵器が、この世界では過去の戦争の遺物となってる光景。レイの住処になってるAT-ATウォーカー同様、役目を終えた昔の戦場の主役たちの姿が、痛々しくも寂しくも感じられる。その流れからファルコンの登場には鳥肌が立った。スター・デストロイヤー同様過去の遺物だったファルコンのエンジンに火が入り、現役時代そのままに華麗に飛び回る。私がSWで観たかったのはこういうのだ。出だしから私の知っているSWとは別な世界を観せられたEP1と違い、懐かしさと安心感、特撮技術の進歩を感じさせる見事な展開だった。 結局、色んな新しいメカを見たい反面、私が一番見たいのはXウイングの活躍なんだよな。って気持ちを満足させるタイ・ファイターとの空中戦。 白髪頭だけど当時のまんまなハン、シワが増えたけど当時のまんまなレイアに、“私も心の中は当時のまんまだよ”と再会を喜べた。ハンの死は残念だけど、敵と戦ってピンチの中死ぬのも、年老いて安らかに死ぬのもハンらしくないから、あの最後で良かったんだと思う。続3部作は後日譚なんだし。 レイとフィン。2人とも中身がまだ子供だから、ファルコンでのやり取りとか、まだ恋愛って感じじゃないのがいい。真冬のスター・キラー基地で寒がってたチューイが、コートを見付けてハンに渡す愛情。それを見てかポーのジャケットをレイに着せるフィンが微笑ましい。 SWは家族と親子の話だから、レイの両親がレイを置き去りにして消えた理由、名前のないフィンの過去は今後の展開が気になる。 他にも今後解明されるであろう謎として、レイの名字=両親の謎。いきなりフォースを使える理由。ルークがEP5で無くしたライトセイバーの行方と、レイが共鳴した理由。スノークって何者?ベンとルークに何があったのか?なぜルークは消えたのか?…ベンって名前、ルークが付けたんだと思う。オビワンのことをずっとベンって言ってたし。 謎を多く残すけど、最後に神秘的なルークの登場。モヤモヤさせない、むしろ今後に期待できる素晴らしいエンディング。 トドメはエンドタイトルの最後に流れるオルゴールのようなSWのテーマ。EP1の最後がダースベイダーのテーマで、新3部作の重たい最後を暗示していた。ってことは、この続3部作でSWの環が閉じることを暗示させてるんだと。 これは単なる妄想だけど、公開当時、レイの顔って幼い頃のアナキン=ジェイク・ロイドに似てると思ったんだ。そしてベンは最後の方のアナキン=ヘイデンにちょい似てるかな?って。アナキンって父親がいないから、なんかそういう…時空を超えてスカイウォーカーの過去に結びつくような…そんな環の閉じ方をするのかなぁ?なんて思ったりもしてました。 あと、ファルコンのレーザーがシスのライトセイバーを連想させる赤、逆にタイ・ファイターのレーザーがジェダイな緑なのも、何かあるんだろうか?って。 気になったのはあまりにEP4をなぞり過ぎてる展開。スター・キラーとかファースト・オーダーの組織がデカすぎ。EP6の大団円から、レイア達が築いた共和国の平和って、30年も保たなかったの?とか。不満が無い訳でもないけど、ファンを満足させる素晴らしい続編の始まりだったと思う。[3D(字幕)] 8点(2023-01-22 16:38:18)《改行有》

268.  スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け 《ネタバレ》 EP8→ソロ→本作。この流れはマズイと察知したのか、EP8公開直前にEP9の監督交代劇があったようで、再びJ.Jが監督。 EP8のリカバー(尻ぬぐい)と、J.Jが頭の中で描いていたEP7の続きと、SWサーガの結末を組み直す作業。私の気持ちも新作にワクワクと言うより、最後だけど、どうオトシマエを付けるんだろう?って感じだったかな。 結論から言うと、あの厳しい流れから、よく1本の映画にまとめたものだと思う。あの密度ならいっそハリー・ポッターのように『EP9を前編・後編にする作戦』を使ってほしかった。でも興行成績の悪かったハン・ソロの後だし“SW疲れ”から“SW離れ”を招きかねないので、2本ぶんの内容でも1本で行くしかなかったんだろう。その一番のシワ寄せが冒頭の“パルパティーン復活”。こんな重要なエピソードを文字で見せるなんて。黄色い液体に入った操り人形スノークたち…あんなシーン、エヴァで観たなぁ。 ルークのセイバーをレイアに返したり返されたり。チューイが死んだり生きてたり。C-3POの記憶が無くなったり戻ったり。ちょっとキャラが被ってるゾーリとジャナ。ベンとレイの戦いが3回も。このへん前後編に分けるとスッキリしたと思う。パルパティーンの復活とレイの秘密を前編の最後にして。 時間さえあれば、懐かしいタナヴィーⅣがレジスタンスの旗艦になった経緯、ナイン・ナンとランドの再会、ウェッジも旧型X-ウイングで活躍させられたかもしれない。パッとしなかったレン騎士団。アッサリしたハックスの退場「私がスパイだー!」はぶっちゃけ過ぎ。笑ったけど。 フィンは本作でベンの気配さえ感じ取れるようになった。彼がレイに言おうとしたことは、たぶんフォースが使えることだと思うけど、彼がジェダイの血筋の者なのか、ホウキの少年と同じ一般人かは不明のまま。 ただ、レイアの死期が近いことレジスタンスの人たちが察知しているような描写もあり、フィンは後者の可能性が高いかも。 こんな終盤に修行してるレイ。自分で壊したマスクを直すベン。ホルド提督のワープ特攻は100万分の1の成功率。ルーク「ジェダイの武器にはもっと敬意を払え」と、EP8の尻ぬぐいは続く。「ここに残れって言われた」大幅に出番が減ったローズ。最後チューイ(SWオリジナル・メンバー)と抱き合ってるのは、この映画のために苦労させられた彼女への、制作側に出来る最大限の謝辞に思えた。 レイ「私には不可能です」レイア「不可能なんて無いわ」レイ「えぇ、不可能なんて無い」…レイア、フォースで丸め込んでないか? チューイ救出の時に撃ち殺されたトルーパー、たぶん7人くらい女。人材不足なのか、ポリコレに対するJ.Jの回答か。 アイテム探しとお遣いイベントが続く。たまたま流砂にハマって、ヘビを助けたら先に進むとか、限られた上映時間にRPGみたいな要素を入れたのは謎。 一方で回を重ねるたび、メキメキと魅力が増していくベン。デス・スターでのレイとの戦いも、レン騎士団相手のセイバーさばきもカッコ良かった。EP7を彷彿とさせる父ハンとの対話。レイに生命を分け与え、母レイアとともに消えるのも良い。 ベンが死の間際にシリーズで初めて笑顔を見せるところ。この時ベンの顔の右半分しか映さない。笑うときに口角を上げる、ハンの面影を見せる上手い演出。ここ最高にカッコイイ。 最後のシス・パルパティーンの血を引き継ぎ、最後のジェダイ・ベンと生命を分け合ったレイ。自分の杖を改造して作った黄色いセイバーは、もうジェダイ(ライトサイド)もシス(ダークサイド)も無いという意味だと思った。レイはジェダイを引き継いだのではなく、“フォースのバランスを正す者”スカイウォーカーの起源=~The Rise of Skywalker~となったんだろう。タトゥイーンに沈む夕陽で終わった前日譚に対し、昇る朝日が後日譚を締めくくる。 物語の最後は駆け足だったけど、42年にも渡って創られた壮大なサーガが終わった。私の長~いSWレビューも、ここで一旦おしまい。 続3部作に対し賛否はあると思うけど、この作品群でキャリー・フィッシャーが、彼女の代名詞とも言えるレイア姫を演じて他界されたこと。彼女が過去の人ではなく、歳を重ねてもなお気品あるプリンセスの姿を私たちの目に焼き付けてくれたこと。そして改めて、ルークやハン、レイア姫の当時の活躍を観たくなったとしたら、このタイミングでこの続3部作が創られた意味もあったと思う。スピンオフに新シリーズ、今後もSWの世界は広げられていくだろうけど、それはソレとして、生きているうちに全てのエピソードを観られて、本当に良かったと思う。[3D(字幕)] 7点(2023-01-22 16:37:46)(良:3票) 《改行有》

269.  フラッシュダンス 《ネタバレ》 “Flashdance”『(見た目が派手な)カッコいいダンス』…とかだろうか?“What a feeling”『サイコー!』だし“” 今回始めて観たんだけど、これだけ有名な映画だと、後発作品に美味しいところをパクられまくって、せっかくのオリジナル見所がスカスカになってる恐れがあるんだけど、この映画は充分に楽しめたな。 あの有名なイスに掛けて水ザバー!のシーン、近くに座ってるおっさんが、水掛かったことに驚いてるのが面白かった。モービーズ、自由度の高いわ。 モービーズでアレックスはプロダンサーを、親友ジェニーはプロスケーターを、友人リッチーはコメディアンを目指してる。すぐ近所にヌードを売りにするザンジバーがあって、栄光と挫折の構図がとてもわかり易く描かれているのも良い。何にでも忖度する今の時代だと、ジェニーはあの後主旨転換して前向きにザンジバーで働くって話になってそう。そうなるとアレックスも何にも言えないんだよな。方向性は違うけど、それぞれが目指すべき目標があるから、そこを目指してガムシャラに頑張っている若者が輝いてるんだよ。 社長のニックと付き合って、ポルシェに乗って高級レストランに行っても、養成学校のオーディションは実力で行きたいアレックスの気持ち、歳を取るとゴチャ混ぜになるけど、その線引の大切さって、あるよねきっと。 ジェニファー・ビールスって凄く華のある女優さんだなぁって思った。写真で見ても素敵だけど、動くとここまで可愛いんだ。肩からずり落ちるシャツの着こなし。…『色の風』って書いてあるのかな?シャツ下でモゾモゾやってブラだけ取るのなんて、タマラナイでしょう。“Maniac”掛けて黙々と踊るシーンがもう格好良いのなんの(…吹き替え?知らないそんなの)。 95分という尺もちょうどいい。モービーズ仕込みの“新しいものを取り入れる姿勢”で、オーディションで派手なブレイクダンスするのもイイ。ダンスのフィニッシュ観せないのも、審査結果を観せないのも、なんかイイ。コレがイイ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-01-22 16:35:29)《改行有》

270.  ニューヨークの恋人(2001) 《ネタバレ》 “Kate & Leopold”『ケイトとレオポルド』単に名前で来ましたか。コレだとどんな映画か、いまいちピンとこない気がしますが、日本にも『愛と誠』があります。奇遇にもどちらも女性名が先に来てますね。 ヒュー・ジャックマン。私にはウルヴァリンの印象が強いので、こんなカッコいい紳士役が出来るなんて以外だったというか…でも当たり役のX-MENの次がメグ・ライアンとの共演って、大抜擢だよね。 一方でメグは、いつもの調子のロマンチック・ラブコメ路線にブレーキが掛かる。色々あったんだろうか? レオポルドが、現代社会にカルチャーショックを受けまくる作品かと思いきや、意外とその辺はあっさり流して、逆にレオポルドの生き方にケイトたちがショックを受けるという、タイムスリップものとしては逆張りな展開が面白い。 鳥の羽根で書いた手紙の字の美しいこと。女性に贈る花それぞれに意味(花言葉)があること。仕事でも不味いものは宣伝できないと突っぱねるところ。 細かいところは目をつぶって、現代人のケイトを通して、私達が求めているものってなんだろう?という問いに対する答えの一つを提示してくれている。 ただ逆張りタイムスリップものだけに、最後ケイトの今まで培ってきたものすべてを捨てる決断。今まで関心を持ったこともない時代に飛び込む決断って、それで良かったの?って不安というか疑問が残る。数々のツッコミどころに目をつぶって、『ケイトとレオポルド』の事だけに焦点を当てましたって映画で、それはそれで潔いロマンチックコメディに仕上がっているかな。[CS・衛星(字幕)] 5点(2023-01-22 16:34:33)《改行有》

271.  網走番外地 北海篇 《ネタバレ》 このシリーズ初めて観たけど、4月に第1作が公開されて、7月、10月、そして4作目の本作が12月と、とんでもないハイペースで作られています。当時はまだカラーテレビが普及しきってなくて、本作のような娯楽アクションは映画館の大画面で観るのが当然な時代だったんだろう。どう考えても楽しそうな時代でした。 トラックで荷物を運ぶ代わりに高額の報酬が入るなんて、“恐怖の報酬”っぽいし、行きずりの人たちが同じトラックに乗り合うのは“駅馬車”っぽいな。 この作品のお約束が解らないんだけど、刑務所の中が案外短いのが意外だった。ペンケセップ?鹿走内町?オポチョッカ?ワッカ?北海道っぽいけど聞いたことない地名。「道北イチの難所」を“東北”と聞き違えてたところで私は小混乱のここどこだ?状態。 フルヤのガムの包みに入れた『誘拐されています』のメモ。あれ?誘拐されてたんだっけ?逃げようと思ったらいつでも逃げられる緩~い状態な気が…。 しかし、なんであんなトコに葉山の女房と敵の親分がいるんだ?東北と勘違いしてたのはあるけど、荷物の運び先ペンケセップに向かう途中に居るのは、たまたま?あんな事件になっちゃって、葉山のお母さんの仕送りはどうなるの?? 謎の男の正体はナルホドだったけど、骨折した子と母親、自殺未遂の美女の結末がアッサリし過ぎ。もう少し回収してほしかったかな。 ポスターのキャッチコピーが『・・・オホーツクの飛沫をあびて 追跡200時間の追撃戦』…またテキトーなこと書いて。 でもこの映画、巧くイジり直したら歴史に残る名作になるぞ? …なんて思いながら、このいい加減な感じ、劇場で一発上映のために作られた“撮り棄て”な感じが、まるで私達が子供の時代の週刊連載マンガのようだわ。鬼寅があんなところで出てくるトコなんてまさに!だわ。同シリーズで年に4作。マンネリにならないようにアイデアを捻り出しながら映画を創っていく感じが、熱々のライブ感を感じさせる。ホント楽しそうな時代だわ。 本年が映画デビューイヤーの大原麗子。ショートカットがまた似合ってて可愛い。やせ我慢で真冬の大雪原で上着を脱ぐ健さんがカッコいい。本作のように、最後何となく事件が解決した感じで終わって、その時それで満足して劇場を後にできれば、それで良い気がしてくる。[CS・衛星(邦画)] 6点(2023-01-21 11:09:06)《改行有》

272.  愛情物語(1984) 《ネタバレ》 '83年、原田知世は舞台『あしながおじさん』で主演デビューをしていたと言うから、この映画は今で言うメディアミックス的な相乗効果があったのかもしれない。ただ如何せん角川監督が何を観せたいのかが解らない。いや原田知世を!俺が!可愛く!撮り!たいんだ!!ってのは伝わるんだけど、その熱意が見事に空回りしている感じ。 ダンサーを目指す少女のサクセス・ストーリー。あしながおじさんを探す日本情緒なロードムービー。なんかホラー調な部分もあって、何がしたいんだか解らない映画に仕上がってます。楽しい幕の内弁当と言いたいところだけど、宴会オードブルの残り物詰め合わせのように思えてしまう。 当時の風景くらいしか見所がない映画かというと、原田のダンスは中々のもの。ボディウェーブとか出来てんじゃん。振り付けに時代は感じるけど、結構長い時間ワンカットでダンスシーンが観られる。だけど電車の中(特撮)で踊ってたり、渡瀬が岩をカンカンやってる横で踊ってたりと、なんともシュールな画が挟み込まれる。角川春樹ら大人達の期待に答えようと、一生懸命踊ってる原田が健気に思えてしまう。彼女が今でも年齢相応の女優として活躍している理由が解った気がする。真面目なんだ。 無国籍感満載のオーディション。というかアメリカ人(風)ダンサーだらけのなか、1人子供みたいな体型の原田がちんちくりんに見えてしまう。 そんな不利なオーディションで主演女優に抜擢という謎のアメリカンドリーム。星条旗も掛かってるし、当時の日本はアメリカの真似をすることがカッコイイと思ってたんだろうな。 そんなアメリカンなダサ格好良さとは裏腹に、久しぶりに聞いた主題歌『愛情物語』には、こんな曲あったなぁって、世代直撃の懐かしさに唸らされたわ。[インターネット(邦画)] 4点(2023-01-17 22:23:05)《改行有》

273.  戦争と平和(1956) 《ネタバレ》 “War And Peace”邦題まま。 208分の長編のため、DVDに焼く(話すと長くなる)とき、2つに分割したんだけど、インターミッションが無い。適当なところで割ることにしたけど、暗転場面も無く、場面代わりの音楽が続いて掛かってるので、1:53くらい(ナポレオンがツァーリの信書を読んでモスクワ侵攻を決めたトコ)でブツ切りしたわ。 ロシア貴族の国内話とナポレオンのロシア遠征の戦争話が展開される。なので原作未読でタイトルの『戦争と平和』の意味がわからない私は、戦争(ナポレオン)編と平和(ナターシャ)編とし、両方の主人公をピエールと考えて観てみた。 ナポレオンの歴史ものって観たこと無いから、すごい数の軍隊がぶつかり合う戦争が多く、勉強になるなぁと思いながら、そちらはそれなりに楽しめた。 一方で平和編は、どうしても華のあるオードリー(ナターシャ)の活躍を期待してしまうけど、彼女が会う男会う男に色目使ってるビッチのように思えて、どうも素直に応援できない。どこか影のあるアンドレイに求婚された直後、グイグイ来るアナトーリにあっさり鞍替えするところ。ピエールに阻まれて以降アンドレイ(というかボルコンスキィ家)に再接近を試みるとか、このあたりの流れって、迷作パールハーバーを思い出してしまった。あっちはダメでコッチは良いんかい?なんか…どーなんだろーねぇそういうの。 最後は終始安パイで、今後も裏切りそうにないピエールに落ち着くって、あんたそりゃあまりにリアルでしょ。 長編小説に流れる体感時間と、いくら超大作とはいえほんの208分で終わる映画の体感時間とでは、受け取る側の印象も変わるのかもしれない。[CS・衛星(字幕)] 5点(2023-01-15 22:45:11)《改行有》

274.  大怪獣ガメラ 《ネタバレ》 昭和ガメラをしっかり観たこと無くて、ガメラが敵の怪獣の背中を木琴代わりに叩いて『強いぞガメラ』を演奏していた記憶が薄っすらあるだけ(どの作品か不明)…記念すべき第一作ということで観たけど、最初はガメラも人類の敵だったんだねぇ。 オープニングからもったいぶらずにガメラがしっかり映ってて、どんな顔してるか良く観えるわ。バストアップはなかなか迫力あるんだけど、引きの画で観ると、思いのほか甲羅が薄いのね。なんか胴体がペタンとしててアタマがデッカイ印象。目の電球と火炎放射器が入ってるからなのかな? 登場する航空機は拘りを感じさせる。アメリカ軍のF-102(またマニアックな…)は木型から造ったっぽいし、アラスカ基地(?)のF-104は基地から離陸するだけでなく、隅っこに滑走路に向かってタキシングする機体を再現するなんて芸が細かい。ガメラが飛行しながら空港を破壊するシーンは、想像以上の大爆発。飛び散る火の粉が飛行機に引火する表現はなかなか…飛行機愛溢れる作品です。 銀座に現れるガメラ。天井が壊れたビルの中を逃げ惑う人々に容赦なく火炎吹きかけるガメラが怖い。一番感心したのはTowaビルを襲うシーンで、窓の中に逃げる人が見える。影絵の応用だって解ったけど、こんなアイデアよく思いついたものだわ。 Zプランの巨大なカプセルの本来の使い道が気になって仕方ない。“人類の手に負えないから火星に放り出してしまえ”って結末もエゴ丸出しでブッ飛んでる。 アトランティス大陸とガメラの伝説とか、後の平成ガメラって、昭和ガメラの適当な初期設定を上手にフォローした名作だったんだなって、改めて思った。 人間なんてお構いなしにちどり丸や銀座を破壊する中で、なぜか俊夫くんを助けたガメラの謎。平成ガメラ3の助けられた子供のシーンは、ここに掛かってたんだろうな。子供の思い込みをあっさり捨て流したガメラ3に対し、“ガメラはチビの生まれ変わり”“ガメラはいいヤツ”って思い込みで突っ走るクソガキ俊ちゃんに焦点を当てたのが本作で、この子がすんげぇウザったい。 怪獣が出てきたのに灯台に登る。時間稼ぎのガソリン電車に勝手に乗る。伊豆の大島行きの船に密航する。周りの大人の寛容さも含めて、どうして誰もこのガキをビンタしないんだろう?と疑問ばかりが膨らんだ。 俊夫の切れ長の目、特徴があるなぁって思ったら、この前観た“高校生ブルース”の昇じゃないか! このクソガキがわずか5年であんなクソガキになるなんて。子供の教育って大事だわ…[インターネット(邦画)] 4点(2023-01-14 18:49:41)《改行有》

275.  高校生ブルース 《ネタバレ》 オープニングの4バカ(あ、ウルトラマンタロウの人だ!)、女子の生理日チェックに、もっとヌードや性行為が売りの、ロマンポルノ的な映画かと思っていたけど、大人に成りかけの子供が妊娠してしまうという、当事者の悩みと苦しみが丁寧に描かれていて、エロスよりそっちに関心が向かってしまい、観終わって心がズシンと重くなる内容でした。 スラッとしてスタイルと姿勢が良く、顔立ちが整っていて、今の目で観ても美しい関根恵子。当時15歳にしては大人びて観える。 彼女の表情が演技演技していなくて、例えば昇に妊娠を告げる不安げな表情。佐伯のオジサマに嫌悪感を示す表情。とてもデビュー作は思えない。 興味本位で美子と関係を持って、妊娠を告げられて動揺する昇の台詞。責任を背負いたくない感じがよく出ている。 それでもスラックスにネクタイで、妊娠の本を読んだり産婦人科に行ったりと、子供なりに何とかしようともがき苦しむ姿が生々しい。堕胎費用を工面しようと、美子にも家族にも内緒でバイトするところなんか、自分が撒いた種、美子の妊娠を無かった事にする努力がリアル。内田喜郎がこれまた見事に演じていた。賢そうで内気っぽく、イザって時に頼りなさげなところが、イケメン五十嵐とまるで違う。でも目に力があるなぁ。窓際から美子を見る姿に、昇が何を思っているのか手に取る様に解る。 クライマックスの体育倉庫の衝撃。本当に、痛いんじゃないか?これ、演技なのか?関根恵子、演技でこんな表情出来るのか?デビュー作で。若干15歳で。 昇の苦しそうな表情から、徐々に遠慮が無くなる負の感情も伝わってくる。自分が撒いた種なのに、まるで逆恨みのように。延々と続く苦しみの表現に思わず目を伏せたくなってしまうが、目が離せない。映像の力が凄い。 硫酸。いつも笑っている少女。微笑ましいカップル。そして今の自分。「~これから始まるのよ…」オープニング同様、堂々と胸を張って歩く美子が美しい。[インターネット(邦画)] 8点(2023-01-12 23:00:31)《改行有》

276.  最強のふたり 《ネタバレ》 “Intouchables”『触れ合わない人たち』かもしれない。“Untouchable”のフランス語です。 翼くんと岬くんなんかを連想しそうな邦題は、『2人の間の不可侵な友情』を表しているんだと思います。ただもしかしたら、『接点が無く会う筈のない2人が出会った結果、こんな事になるんだよ』って意味のタイトルかもしれません。 疾走する高級車とパトカーのチェイス。命の危機って感じの深刻なOPから、もうすっかり騙されてしまった。 全身麻痺の大金持ち相手に、どう付き合うかを考えたら、やっぱり私も辞めていく側の介護士みたくなるだろうな。フィリップはもともと障害を持っている人じゃないから、その部分に対する必要以上な気遣いとか、もう沢山って感じだったんだろう。かといって何かが出来る身体でもないので、不満を持ちつつその生き方を受け入れていた。障害者になってから、自分の行動を自分で決められないイラつきを介護士にぶつけていたところ、ドリスが現れて、立場お構いなしにメチャクチャいじられて、ズケズケと物を言われる。 健常者の頃は当たり前だった他人との距離が、ドリスの登場で取り戻せたんだろう。足に熱湯掛けたり、マリファナ薦めたり、オペラで爆笑したり、髭剃る時ヒットラーにしたり、笑っちゃいけないことに笑ってしまう。 エレノアに障害を隠した写真を送ったフィリップに感じる人間臭さ。あれだけの大金持ちならフラれる可能性こそ少なく思うけど。『彼女は車いすの自分を見て同情するんじゃないか?』という不安が湧いたんだろう、もともと障害を持っている人じゃないフィリップらしい不安。この恋の行方がハッピーな方に進んだのも良かった。[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-01-10 23:20:49)《改行有》

277.  フル・モンティ 《ネタバレ》 “The Full Monty”『フルチン』…キャー(笑) 世間でよく言われる『スッポンポン』訳でも良いんだけど、アタマにTheが付いてるし、せっかくだからコッチ選びます。 フラッシュダンスを観てたら、どうしてもこの映画をまた観たくなりました。メインのダンスが吹き替えなことでなく、溶接の火花にツッコミ入れるなんてWhat a feeling!! そんなわけで大好きな映画の一つです。失業して追い詰められた男たちが、なりふり構わず大金を手に入れるためにストリップショーを開く。素人の中年男たちのストリップだし、公開当時はキワモノ作品の一つって思ってたけど、やたらと周りの評判いいのね。で、薦められるがまま観たらハマってしまいました。 ウォーターボーイズや少林サッカーなど、こういう、素人が集まって努力して、挫折ありトラブルあり、笑いあり涙ありで、最後に本番でドカンと爆発する映画の、もしかしたら元祖にして、完成形にも思います。…イギリスと日本って同じ島国だし、感性似てるのかな? 映画同様、失業率の高かった斜陽国家イギリスが、クール・ブリタニアと称して音楽やファッションを新しい産業として世界に発信する中で、イギリスの現状を自虐的に観せる、ある意味開き直りとも言えるこの映画もまた、世界に“COOL!”と受け入れられたのかもしれない。 この映画の一番の魅力は、ある意味失業以上に悩みを抱える、愛すべき登場人物たち。 子供に会えなくなる。ストリップに通う妻。浪費癖の妻。高齢の母の介護。名前がホースなのに小さい。ジェラルドがすぐ勃ってしまう悩みを、勃たなくなったデイブに相談するシーンは、相談する方も聞く方も、どっちも辛かったろう。 腹にラップを巻いてチョコバーを食べるデイブ。この時の音楽がロッキーのトレーニングの曲っぽいのもたまらない。同性愛に目覚めたロンパーとガイを横目に「あいつらゲイを極めちまった」には毎回笑わされる。悩んでても辛くても、前向きな彼らに何度笑わされ、何度勇気づけられたことか。 ハリウッドの大作ばかり好んで観ていた当時の私に、貴重な一石を投じてくれた作品です。[ビデオ(字幕)] 10点(2023-01-10 21:18:15)《改行有》

278.  アバター(2009) 《ネタバレ》 “Avatar”サンスクリット語の『化身』がモトで、仮想空間の自分の分身を意味する。アバター使うSNSってAmebaだったっけ? 公開当時は本格的な3D映画が世の中に出だしたばかりで、キャメロン監督だし期待値も高かったけど、あの真っ青な宇宙人にどこまで感情移入できるか不安も大きかった。ナヴィのモチーフは猫科っぽい。豹だろうか?う~ん… 青い人というとインドのシヴァ神を連想するけど、アバターの語源から、意外な繋がりがあったんだね。 地球人サイドで物語が進んで行く中で、今の技術から運用方法が想像出来る未来兵器の数々。スペースシャトルやヘリコプターの未来版とともに、世界観的に違和感なく運用される二足歩行ロボット。キャメロンは相変わらず近未来ミリタリーものとして観せ方が上手いなぁ。巨大なタイヤに刺さった槍が、地球人側から観るから不安感を掻き立てる。 未知の惑星。パンドラの植物、動物、そしてナヴィ。地球と異なるパンドラの生態系を、徐々に体を慣らすように観せる手法も上手い。ハレルヤ・マウンテンで『ほえぇ~!』と驚いてる頃には、ナヴィの見た目の特殊さなんてもう慣れっこになっていて、人間同様に喜怒哀楽を表す彼ら。特に両親からジェイクの教育を言いつけられたネイティリの不満声。言葉の意味はわからんけど、感情が手に取る様に伝わって面白い。もうナヴィに親近感を感じている。これも3Dという、映画の世界に入り込む感覚が、よりそう感じさせるんだろうか? 最後の全面戦争の派手さ。後から思うと地球人として複雑だけど、果敢に戦うジェイク達を応援してしまう。エイワが力を貸した時のカタルシスも大きい。あの一戦で手を引く地球人じゃないのは想像付くけど、ひとまずの結果にホッとする。 『一人が死に、一人が再スタート』兄の代役として、車いすのジェイクが自分の足で走り回るのは、テクノロジーの進化、将来像に夢を見られる時代だったように思う。そして高度に発達した世界での、肉体の必要性について考えさせられるエンディングに繋がる。 そうそう、これが人生初の3D映画体験。鋭利なトゲとかがわざとらしく目の前に迫ったり、爆発の破片が飛んできたりってのを想像したけど、もっと奥行きや世界観の広がりに3Dを使ってて、CGバリバリの映像なのに、作り物の嘘くささは感じなかったな。ただメガネ無しの映像に比べて、少し暗かった気がする。濃度の薄いサングラスを掛けて観ている感じ。あと高かったな。2,800円とかした気がする。 凄い映像の映画だったけど、『ダンスウィズ…』や『ラスト・サムライ』と展開が似ていて、まさかこの映画の続編が、こんなに年数経ってから創られるとは思わなかったわ。[3D(字幕)] 8点(2023-01-09 22:51:42)《改行有》

279.  アバター:ウェイ・オブ・ウォーター 《ネタバレ》 “The Way of Water”『水の(世界で生きる)習わし』。前作が森を舞台にしたのに対し、海を前面に押し出してきた本作。 体験型アトラクションとしてとても解り易い住み分けですね。ストーリーより映像美重視な作品とはいえ、前作より30分も長い3時間超えの上映時間を飽きさせない手腕はさすが。 前作から10年以上、“あれからジェイクたちに何があったか?”を駆け足で伝えていく中で、ネイティリとの実の子と養子養女。5人も出てくる。もし序盤のまま森が舞台だと、みんな青くて細くて、じっくり観ないとどれが誰だか??ってなりそうだけど、外観上違いのあるメトカイナ族の中にサリー一家を放り込むことで、きちんと(かろうじて?)区別は出来るようになっている。 ただ顔と名前が一致するまでちょっと大変なのと、パンドラ世界の固有名詞がポンポン出てくるので、直前に前作を観ておくと理解はスムーズだったと後悔。 ストーリーは、南北戦争の映画を観ていると既視感多いかもしれません。戦争に巻き込まれた大家族の宿命も。 本作は最初から続編を考えての作品の為か、全力を出し切った感が薄いです。キャメロンはターミネーターにしてもT2にしても、一つの作品に全力を出し切る姿勢が大好きでした。過去のどの作品も“彼らの戦いは今後も続くけど、映画で描くのはここまでおしまい”って感じがしっかりしていたのに、本作は“まだ続きますよ”感がありありで、こう観せられると『続編作りの神様でも、普通な終わり方するんだな』って思ってしまいました。 本作のヒロイン・キリが、まさかのシガニー・ウィーバーってことに最後のクレジットまで気が付かなくて。動く城の映画で感じた声の違和感が全く無かったのが、さすがのクオリティ。キリがシガニー本人なら、彼女の出生の秘密や不思議な力の理由も、モヤモヤっと解る気がしてきたぞ?そんな事より、この映画のモーションは、演者自身の動きから取り込んでいるんだろうか?だとしたら凄いなシガニー。 ひと作品の中で、同じような“捕まって逃げて”を何回も繰り返すから、さすがに『また捕まるのかい』って思った。そう言えばキャメロン映画の多くに“捕まって逃げて”が出てくるっけな。でも本作ほど何回も似たような展開がってのは、初めてだった。 『息子には息子』サリー一家の中で唯一純血のナヴィ・ネイティリの、スパイダーへの行いが、私の中でも未消化。あれで終わったのか、今後掘り下げるのか?う~ん、交われない存在って事なのかなぁ。 アトラクション映画として、今回4DXの字幕版で視聴。SWのEP9以上に映像と座席の動きに一体感が感じられました。浮遊感が素晴らしく、大佐のビデオメッセージのシーンでは宇宙酔いしそうに(※長時間じゃないので心配無用)。さすが家庭ではなく劇場で観るために作られた映画らしいなって思いました。 登場人物がナヴィばかりなのに英語のセリフが多いのは、字幕に気を取られるのを防ぐためだろう。そう考えると吹替版が一番適してるのかも? 映像に合わせて背中を叩かれるような衝撃が伝わるんだけど、3時間超えとなると首がじんわりと痛い。水しぶき同様、衝撃OFF機能が欲しかった。肩こり持ちの人はIMAX版のほうが良いのかな? そうそう、直前までIMAX版と迷ったせいで、うっかりREALD・3Dメガネをまた買ってしまった。これで5本になりました。欲しい人居れば…[3D(字幕)] 7点(2023-01-02 12:30:52)《改行有》

280.  ベンジャミン・バトン/数奇な人生 《ネタバレ》 “The Curious Case of Benjamin Button”まずバトン姓は日本語読みだとボタンなのね。『ジムボタンの冒険』のボタン。なので『ベンジャミン・ボタンの興味深い事案』とかってなるのかな?OPのボタンいっぱいのモザイクとか、出生の秘密、戦争で富を成したバトン家とか、親から引き継いだベンジャミンのライフワーク(?)だったりとか、ボタンは重要アイテムなのに、この映画とボタンの関係なんて重要視して観て無かったなぁ。 老人として生まれ、年々若返っていくなんて設定、とても面白いじゃないですか。ただ期待したような若年化現象の映画じゃなく、正直、あれれれ?と戸惑ったのは事実。何だろう?一つ一つのエピソードは興味深いんだけど、それらを年々若返っていく男の視点で描く意図を、私は理解出来なかったのかも? 逆回転する時計が象徴するように、人生は時間に縛られていて、ちょっとしたイタズラでその後の人生が大きく変化します。デイジーがバレエを辞めた理由の交通事故なんかがそうで、誰かが何かタイミングをズラせば、あの事故は起きなかった。またあのタイミングで起こるべくして起こった。って言えるかもしれません。時は戻せないし起きたことはやり直せない。 若返っていくベンジャミンと年老いていくデイジー。この2人が同年代になるタイミングで結ばれるんだけど、ここもやはり、偶然にして必然のタイミングということでしょう。80年という長い人生で、ほんの数年、あのタイミングしか無いんだから。 この映画がデイジーとの恋愛のタイミングを描きたかったとすれば、他の部分が同じくらい興味深くて、何が言いたいのかが、ボヤケてしまった印象です。 コートのボタンが取れたときとか、予備があれば良いけど、お店には全く同じボタンなんて見つからないから、仕方なく似たようなのを買ってきて付けた経験って、ありませんか?無くしたボタンが変わったカタチなら尚さら変えが効かなくて困ってしまう。自分の人生に関わった人は、失ったら他に掛け替えの無い存在。まるでコートのボタンのように。 『人生はチョコレートの箱のようなもの』ってフレーズが有名な映画があるけど、日本人には人生とチョコレートの箱って謎掛け言われても、正直ピンと来ない気がする。この映画が『人生はコートのボタンのようなもの』だとしたら、日本人にはピンとこなくても、この映画はもっともっとボタンの印象付けが大事だったんじゃないかな。バトンて邦題付けた人。[映画館(字幕)] 5点(2022-12-31 11:31:28)《改行有》

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