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プロフィール
コメント数 3876
性別 男性
年齢 53歳

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2861.  男はつらいよ 寅次郎忘れな草 ゴジラシリーズにおけるキングギドラ、ウルトラマンにおけるバルタン星人、に匹敵する、寅さんの永遠の好敵手、リリー松岡!が初登場の本作。キップの良さと、その裏に孤独を隠し持っている点では、寅さんに相通ずるものがある彼女だけれど、その「孤独」の性質が寅さんとはチト異なる。むやみに惚れっぽく直情型、でも照れ性で孤独から抜け出せない寅さんに対し、リリーはどこまでも冷静な観察者、それでいて情熱への憧れが捨てきれない。そこに彼女の孤独があり、これはむしろ寅さん正反対のキャラとも言えるかもしれません。よって二人はまさに凸凹コンビ、互いに補い合ってピッタリの相性に見えることがあっても、実は二人は絶対に結ばれえない間柄のようにも思えます。とりあえず本作における彼女と寅さんとの関係は、少々拍子抜けするほど、アッサリ唐突にケリがつけられます。後に『相合い傘』で描かれる彼女との再会は、大変苦いものとなるのですが・・・(『相合い傘』の方が本作よりも内容的に深いものを感じます)。ところで、本作において、リリーと寅さんが水辺で語り合うシーンで、ナゼか彼女の足元を写すカットが挿入され、瞬間、ちょっと不思議に感じたのですが、続けて観ているうちにフト、「あのカットは、彼女の足元を見せたかったんじゃなく、彼女が手にしていたタバコを見せたかったんだ」と気付きました。つまり、「彼女がタバコを吸う女性である」ことを見せることで、彼女がどのようなキャラクターかを端的に表現したカットである「はず」が、何しろ現代の感覚からすればタバコ吸う女性なんて珍しくもなんともないもんで、私はその意味をすぐに読み取ることができなかったんですね。まあ私がウカツであることには違いないんですけども、時代は変わったんだなあ、とも思わせられたシーンでした。[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-02-28 23:18:28)(良:1票)

2862.  キャバレー(1972) ストーリーはと言うと、「汽車に乗ってやってきて」「汽車の下で叫んで」「汽車に乗って去っていく」というだけの、取り留めの無いオハナシなんですけども、これが一筋縄ではいかない。第二次大戦を前にしたドイツを舞台に、猥雑で混沌とした退廃の世界が繰り広げられていくのですが、この世界観は主に、キャバレーのショーに投影されており、実際の物語の場面は、むしろ「静的」に描かれて、この対比が印象に残ります。ナチ批判を声高に訴えるわけではなく、そういうもの一切合財を含めてのアブノーマルな歪んだ世界の描写が、我々を幻惑すると同時に、人間の持つ光と闇を、より直截的に感じさせる映画となっています。で、この映画の結論はと言いますと・・・やはり「3Pは素晴らしい」ですかね。違いますかね。[DVD(字幕)] 8点(2006-02-27 23:08:17)(笑:1票)

2863.  ガルシアの首 『ガルシアの首』と言うと、なーんとなく『ブラック・レイン』を思い起こしたり思い起こさなかったりする訳ですが(笑)。その一方で、この映画、カミュの『異邦人』を思い出させたりもするのです。この映画の主人公ベニーの行動は、確かに『異邦人』のムルソーのそれよりも、明確な「動機付け」がなされています。つまり、「金銭」であったり、「愛」であったり、「復讐心」であったり。その点では両者は異なる存在であり、「映画らしい処理」が施されていると言えます。しかし、本作のベニーもまた、この世界の秩序や制度から外れた「異邦人」には違いないわけで、実際、映画は「彼がどのような由来の人間か」という彼の「属性」については何も語りません。また、彼の行動は決して計画的とも言えず、ただ、一連の事件の流れのなかで、刹那的に、彼は漂いつづけるのみ。「ガルシアの首」を手に入れるまでの前半、「首」を手に入れてからの後半、という「折り返し」の映画構成、その終着点には激烈なカタストロフ。それは、燃え尽きる瞬間の生の輝きであり、「生きる」ということについての、逆説的で象徴的な提示であります。なぜ、この映画のストーリーはこのような顛末を辿らねばならなかったのか?と言えば、それが単に「異邦人」としての生の燃焼のひとつであったから、であり、そこには本質的な意味は無いわけで、例えば「太陽のせいだ」とでも答えるしかないのかもしれない・・・。[DVD(字幕)] 10点(2006-02-27 22:22:51)(良:1票)

2864.  MEMORIES 3話構成のオムニバスで、互いのストーリーなり設定に直截的な連関はないのですが、いずれにもレトロなムードが漂って、どこか繋がりを感じさせます。そして、後の物語ほど、時代背景が古くなっていく---らしい---のですが、それでいて実は後の物語の方がどこか終末的---実はこちらの方が時代的には後なんじゃないか?と何となく思わせる雰囲気があります。わたしゃ個人的には、2話目の、あの研究所の雑然とした雰囲気が、ものすごーくリアルで好きですね。もしや、ホントにどっかの研究所を取材したのでは?廊下にダンボールが積み上げてるあたり、なかなか実写映画のロケでは表現できません、多分、研究所側が気をつかって、事前に片付けちゃうからね(それに、消防法違反?)。いずれの作品も、動画の緻密さは実に見事でして、この映画を観、この緻密さに触れていられるひと時というものは、実に贅沢な時間であります。[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-02-19 22:39:26)

2865.  シモーヌ 21世紀版『トッツィー』とでも言いましょうか。今回は女装どころか、実在しないCGバーチャル女優。まーさすがに、多分に荒唐無稽なコメディタッチの映画、ではありますが、ハリウッドのダメな現状を小馬鹿にし、色んな人を敵に回しちゃいそうな、はたまた、ついでに自分の首も締めそうな、思い切った映画でもあります。「俳優なんて実はCGでもいいんじゃないの~」と言うにとどまらず、「肥大化しシステム化されきった映画産業なんて、所詮、実態の無い幻影じゃないのか」、と、問題は深し。それを、まあ一応、笑って飛ばせるかな、という、ギリギリ角の立たない映画に仕上げて、楽しませてくれます。いや実際、アホらしくて楽しい映画。ストーリー的には、落としどころが無くて困ったのかな、と思わせる、いささか張り合いの無い展開ですが・・・。映像的には、背景を赤や緑の単色に染めてみたりして、ちょっと非現実感を加え、荒唐無稽な内容にマッチしておりました。またコレを観ながら、読む必要のない裏を読んでみるのもまた楽し、「このシーンの背景もCGではないのか」「このシーンの群集も実在しないCGではないのか」「そもそもこの人は本当にアル・パチーノ」なのか、等々。[DVD(字幕)] 7点(2006-02-19 22:20:00)(良:1票)

2866.  チャーリーとチョコレート工場 当時嫁さんが臨月で里帰りしてまして、彼女の故郷で観たんですけども。予定日の2日前だというのにサッパリ生まれる気配なし、だもんで、気晴らしにちょっとお出掛けしましょか、と。とりあえずシネコン行って、ホントは他の映画が気になってたんだけど上映時間の関係上、コチラを「たまたま」観ることになりました。いやあ。楽しい映画で、よかったですよ。私も楽しかったし、妻にもよい気晴らしになったみたいだし。ウンパルンパのダンスに乗って、まだ胎児だった娘もお腹の中で踊ってたそうな(・・・大音響に驚いていただけ?)。まあ、「こんなバカバカしい映画でこんなに喜んでていいんだろうか」という気もするんですけども、「こんな映画」をこんなに「喜んで」いる自分自身のバカバカしさがまたなんだか楽しくなってきちゃう、という、ひそかに心に隠していた童心のツボを見事に突いてくる映画、でありました。『2001年宇宙の旅』のパロディで、ご丁寧にもバックにリゲティのレクイエムを流すあたり、このおバカぶりにハマってしまって、必死で笑いをこらえておりました。でもバカバカしいだけじゃなく、ちょっとオドロオドロしくて毒々しい、悪趣味なブラックさが、これまた刺激的で魅力。大体、劇中に出てくるチョコレートがあんまし美味しそうに見えないもんねえ。・・・とまあ、そうこうするうちに、ついにDVD発売の時期ですか。映画観に行った10日後に無事娘が誕生し、その娘も4ヶ月を過ぎました。いやあ、月日が経つのは早いもの・・・じゃなくて、早いのは「DVD発売時期」の方、のような気もしますがね。[映画館(字幕)] 8点(2006-02-05 22:34:16)

2867.  ルーキー イーストウッドが好き勝手やって楽しんだ作品、という感じがして、観てて愉快ですな。アクションも久しぶりにハメはずしまくってます。彼の気持ちを想像すれば、「カーキャリアから車をバラ撒いてみたいなあ」「クレーンで車を吊るしてみたいなあ」「昔、オレ様が退治した巨大タランチュラをみんなに見せてやりたいなあ」「ワイルドなオネーチャンに襲われてみたいなあ」「口から火を噴いてみたい・・・けど自分でやるのは怖いから誰かやってくんないかなあ」などなど。これらを実現するためなら、ストーリーに多少無理があったって気にしない、気にしない。犯人が単純に金目当てというのもわかりやすいし、チャーリー・シーンの暗い過去や父との葛藤もほとんど刺身のツマ程度の扱い。すべてにヒネリもなんにもなく、実にストレート。そのくせ、この犯人グループ、金だけ奪うことに専念すればいいものを、「ナゼか」チャーリー・シーンの家を襲ってみたりする、意味不明ぶり。おかげで(なのか?)チャーリー・シーンが囚われのイーストウッドを楽々発見しちゃうのはさすがにちょっとあきれたが、まあよしとしましょう。オモシロイんだから。そういや、この映画、やたら夜のシーンや、暗い室内のシーンが多い(明るいシーンはほとんど必要最低限度)。このあたりもおそらく、「そういう映像が撮りたかっただけ」という、稚気といえば稚気。しかし我々への贈り物といえば贈り物なわけで、これまたうれしくなっちゃう。ラストのオチも、実に使い古されたもの、こんなラストを今さら「敢えて」採用する確信犯ぶりに、ただただ、「・・・・シャレた事するぜ」と、うなってしまいました。歳とっても、やりたいことやりまくる、しかもそれが人をうならせるイーストウッド親爺。見習わないとなあ。ところで、「チャーリー・シーンみたいないい歳したやつが、なんで『ルーキー』やねん!!」と思いがちなのですが、観れば納得いきます。この映画のアクションはどうやら(ごく一部)『処刑ライダー』の影響を受けてる(らしい)ので、そこから自然にきまったキャスティングと見た。いかがでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-01-15 22:53:44)(良:1票)

2868.  嵐を呼ぶ男(1957) 裕チャンかっこいい! 顔がつるつるツヤツヤしております。今ならオバチャン族に人気出そうなタイプ。しかし、いつになったら「嵐」を呼んでくれるのかと思いながら見てたけど、大して何も起こらないでやんの。結局、家庭劇でした。裕チャンは、一応「ダメ長男」で、母と反目するわけですが、どう見てもこの人の奔放さは、次男タイプですよねえ。演技があまりうまくないせいか(?)出番が必ずしも多くないのが、残念(しかも、だからといって、もうひとりのキーパーソンであるはずの弟についても、やっぱりさほど深く描かれていないので、な~んか、ラストが盛り上がらんなあ)。とりあえず、目を覆いたくなるようなこっぱずかしい当時の風俗を、のけぞりつつも堪能すべし(今の流行なんて、ウン十年たったらきっと、もっと恥ずかしいヨ)。[CS・衛星(字幕)] 6点(2006-01-15 22:21:35)

2869.  アクシデンタル・スパイ あんまりヒネリのない展開、ナゾめいた展開と思ったその都度、すぐに真相が明かされ、あまり高いテンションを保てません。ジャッキーもさすがに歳で、肉体アクションにも勢いがない。彼もそろそろ限界か?と心配するが、いやとんでもない、しっかりと劇中で素っ裸になってみせ、いまだ衰えぬ肉体を披露。これにはなんだかホッとしたね。この肉体ならまだまだいけるよ、ジャッキー。彼は局部を一生懸命隠しながら逃げ回るが、なんでそんな必死に隠すんだ、肉体美には自信あるけど、アソコには自信ないのか?ってなワケはなくって、そう、彼は正義の味方、そして映倫の味方。「いや、でも一瞬見えた」とかなんとか、みんなでワイワイ言うのもまた楽し。さてそんなわけで、何かと物足りないように思える部分もあったりする映画なのですが、それでもなんでも、やっぱりジャッキーはアクション映画の申し子、ちゃんと派手なアクションも準備してて、満足! アクションが派手なシーンほど、ストーリーに無関係、という大きな泣き所はあるけれども、それでもさすがと言いたくなる。クライマックスの(ホントに本筋に関係ない)カーアクション! いかにもレトロなアクションシーンだけど、やっぱりこういうの観たいんだよ、わたしゃ。もうニコニコしちゃいます、にこにこ。「トラックは高いところから落とせ」というのは、アクション映画界の常識。基本に忠実なジャッキーに乾杯。[地上波(吹替)] 7点(2006-01-08 22:21:38)

2870.  男はつらいよ 純情篇 《ネタバレ》 オープニングのタイトルバックが、ヘリからの空撮による葛飾柴又の風景、というわけで、「故郷」というのがひとつのキーワードである本作。冒頭も夜汽車での「故郷」に関する寅さんの独白から始まりますが、この語りからして何だか寅さん、ダンディだね。缶ビールをあおってみたり(これは様にならず笑いを呼ぶ)。そして、九州で知り合った宮本信子とのやりとり、これまたダンディ。なかなかハードボイルドしてて、シビレます。もっとも、この後、柴又に飛んで帰っちゃってからはテンでダメの、いつもの寅さん。博の退職騒動での驚異の無責任ぶり、トンでもないドタバタに発展し、今度は苦笑まじりの笑いを誘う。それにしても、故郷を離れたらダンディだった寅さんも、故郷の柴又では実にノビノビしており、子供のよう。若尾文子の着替えに大興奮しつつも必死で自分を抑えようとする姿など、思春期の中学生みたいで、見てるこちらも一緒に赤面しちゃうけど、こういう感覚は誰しもの十代の頃の記憶に何となく繋がり、懐かしい感じもします。寅さんの惚れ易さが時に迷惑になることについても「頭じゃわかってるけど、心はそうはいかない」などとカワユイことを。←これはロバート・K・レスラーによる凶悪猟奇殺人犯の分類では「無秩序型」に当てはまるそうです(何でやねん)。それはともかく^結局は失恋して柴又を去る寅さん、発車直前の電車からさくらに「故郷ってのはよ・・・」と話かけるが、そこでドアが閉まり、その後はさくらにも我々にも聞こえない。こんな辛い別れのシーンも珍しい。一方、ラストでは冒頭エピソードの後日談が描かれ、静かに涙する森繁久弥が映画を締めくくる。寅さんシリーズって、映画の性質上、わかりやすく作られているので、ちょっとセリフが説明過剰に思われる場合があり、仕方ないんだけど、そんな中で、森繁久弥の役はセリフがかなり控えめで、逆にインパクトを残します。このラストはじーんと来ました。ちなみにこの映画、初代おいちゃんと2代目おいちゃんが登場する楽しさも。こりゃまるで007にショーン・コネリーとジョージ・レーゼンビーが登場するような豪華さ(←じゃあ大した事ない?)。 (ところで若尾文子にやんわり断られるシーンで寅さんは大勘違いをするが・・・実は寅さんは「わかっててわざと」勘違いして見せたのではないか?などと空想するのもまた楽し)[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-01-08 21:53:00)(良:1票)

2871.  男はつらいよ 寅次郎春の夢 《ネタバレ》 寅さんvsアメリカ人、という、カルチャーギャップ・ネタなんですけども(「外国人に梅干」なんてのは定番ギャグ)、しかしこのアメリカ人を「米国版寅さん」風に描いたのが秀逸で、外国人が珍しくなくなった現在でも古びることのない笑いと感動があります。このアメリカ人、寅さんほど押しが強くはないのですが、まあ、寅さんも口ばかり達者で、さほど商売上手ではない点では似たようなもの。それに、あの帽子、あのカバン、そして大いなる勘違いモード、まさに寅さんそっくりじゃないですか。「アメリカ大っきらい」と言い、アメリカ人批判を繰り広げてはばからない寅さんとは何かと衝突するんだけども(ついには異種格闘技戦へ発展?)、やはり似た者同士、寅さんが未亡人に失恋すれば、アメリカ人マイケルはさくらに失恋。マイケルへの恨み言をつぶやくさくらに、寅さんが「勘弁してやんなよ」と言うのには、グッときちゃいました。失恋した者の気持ちは失恋した者にしかわからない。人生に不器用な者同士が理解し合う瞬間、ですね。早朝の上野での別れのシーンでは何と、寅さんはトレードマークのひとつである、首にさげたお守りをマイケルにあげちゃう。寅さんの罪滅ぼしであると同時に、山田監督とっておきのサービス、ですよね。それにしても、確かに、さくらは複雑な心境でしょうなあ。みなマイケルに好感を持ち、おばちゃんなんか、「ヘタな日本人よりアメリカ人の方がよっぽどいい」などと持ち上げまくってたのに、フタをあけりゃあ、その「ヘタな日本人」とおんなじ、ただの惚れっぽいオッサン。男と言うヤツはどいつもこいつも・・・とは言え、何だか久しぶりのドキドキ感。そういえば、お兄ちゃんは年がら年中、こんなふうにときめいたり落胆したりしているんだ・・・てなトコでしょうか。寅さんに対する彼女の同情は、いつもと一味違ったハズ! ところで、アメリカに帰ってからのマイケル、相変わらず冴えないセールスマンで、今日も車で外回り、途中ガソリンスタンドに寄るのだけど、そこで彼が持っていたのは、さくらの写真。いつの間に入手を・・・いやいやそんなことはどうでもよくて、おおおおっ、このシチュエーション、『ターミネーター』のラストでパクられてたんじゃないか!?何となく、ですがね。[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-01-08 19:31:10)(良:4票)

2872.  コンスタンティン ラーメンの食べ過ぎ・・・ではなくて、タバコの吸い過ぎで余命幾ばくも無いキアヌの悪魔退治の映画、のようでいて、実は結局、現代版「ファウスト」(←ゲーテの)、といったところですなあ。ただしスケールは比較にならないほど極端に小さくて、ラストもほとんどタナボタみたいな終わり方、まるでスランプ時代の星新一みたいなオチですけども。あと、見るからにフツーのおっちゃんなのに、“この人は一応悪魔なんだよ”と押し切っちゃうあたり、エド・ウッド的センスも感じさせます。それから、いかにもアタマの悪そうな武器で悪魔と戦うのなんかは、フロムダスクティルドーンとかヴァンヘルシングとかいった気の利いたヘナチョコ映画を思い起こさせて、これもよろしいねえ。それでいてこのスピード感の無さ。このテのオバケ映画を、決して観る者を急かすことなく、ゆったりした気分観せてくれるというのも、久しぶりだなあ・・・という気持ちで見ればあながち楽しめなくもない映画でした。ただ、いくら害虫だって、一生懸命生きてるんだから、悪魔の手先みたいに描いちゃカワイソウだよ(と心にも無いことを言ってみる)。[DVD(字幕)] 6点(2006-01-05 21:39:01)

2873.  ヴァン・ヘルシング 吸血鬼のおねえさんたちがドラキュラに怒られたとたんにシュンとなるところがおもしろかったれす。でも肝心のドラキュラ本人は口ほどにもないやつでカッコわるかったれす。以上。[DVD(字幕)] 7点(2006-01-05 21:00:46)

2874.  男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく 一作目でさくらは、寅さんを見ても最初誰だか解らなかったのに、本作では、さくらの同級生・紅奈々子は、とらやの店員に扮装(?)した寅さんを見た瞬間、一発で「おにいちゃん!」と気付いちゃう。倍賞千恵子しっかりしろっ! それはさておき、浅草のレビューの場面がたくさん盛り込まれた本作、木の実ナナのドハデな顔立ちとも相まって、なかなか賑やかな作品になっておりますが、華麗な舞台の一方、舞台裏では、年齢的な限界や結婚問題に悩む奈々子の姿があり、クライマックスの彼女の歌(これがまたイイんだな)へと、ドラマチックな盛り上がりのある作品になってます。寅さんの方はというと、後継者問題に悩むおいちゃんの病気をよそに、九州に飛び出して青年に説教したと思えば、心機一転、自分も身を落ち着けようととらやに「就職」してみたり、はたまた仕事そっちのけで木の実ナナにのめりこんだりと、まさに「わが道をゆく」。でもそんな寅さんも、踊りをとるか結婚をとるかという彼女の悩みに対しては珍しく深刻な表情を見せる。自分が彼氏なら、そんな彼女に決してそんな思いはさせないのに・・・。静かに去っていく寅さんの姿にホレボレしちゃうのでありました。一方、武田鉄矢が、寅さんの恋愛指南でも処置ナシという狂言回し役、これが出しゃばり過ぎることのない適度な盛り上げ役で、なかなかの好演でありました。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-01-04 18:57:30)(良:1票)

2875.  Mr.インクレディブル ダッシュがジャングルをダッシュしまくるシーンにホロリときました。う~む何でだろ。まあ(映画的にも)前半の抑圧が長かったから、ですかね。後半のスピード感はとにかく最高です。内容的には、「子供は強い、母は強い、赤ちゃんは一番強い(オヤジは一番ダメ)」という、誰もが薄々認識しているようなコトなんですけどもね、グスン。あと、シンドロームの計画があまりにも壮大すぎて、『オールド・ボーイ』をちょっと思い出しました(笑)。とりあえず、期待以上に面白かったです。[DVD(字幕)] 9点(2005-12-31 18:55:05)

2876.  運命を分けたザイル 本人の回想に載せて綴られる壮絶な生還記。本人が語っているんだから、生還することはわかっているんだけど、それでも映画に釘付けになってしまう、怖い、怖い、とにかく怖い! 壮絶な雪山の映像と、淡々とした語りのギャップが、強烈なリアリティを発しています。いや、雪山は壮絶なだけじゃない、時に見せる美しい表情、美しいがどこまでも「非人間的な」その表情。彼らが山頂に達したとき、背景に流れる音楽は、トーマス・タリスの「スペム・イン・アリウム」、40声部からなるこのモテットの響きもまた、聴く者を威圧する不気味なものとして、この場面に暗示的に使われているように思います。そして不安に包まれるうちに辿る下山の途、ついに、まるで定められた運命であったかのごとく、恐るべき地獄へとはまりこんでいく・・・。この映画に出てくる人たち、決してスーパーヒーローなんかじゃない。無力な生身の人間が極限状態の中、絶望の中で、ただ「生き抜こう」とする姿。あ~あ、わたしゃこういうのにホント弱いのよ。とにかく、胸が熱くなりました。というわけで、まさにこれは、映画でなければ表現できない、迫真の映像体験であります。・・・・・・・それにしてもつくづく思います、人間って、やっぱり、すごいんだねえ、本当は。[DVD(字幕)] 10点(2005-12-31 18:22:46)(良:1票)

2877.  いかレスラー 主演はあの不屈のレスラー・西村修。若手時代には柔軟な肉体を駆使したスープレックス系の技を得意とし、新日本プロレスとしても将来のエースとして大きな期待を寄せる存在であった。しかし思うように結果を出せない。海外修行もゴネて延長させてもらい、ようやく帰ってきたがやはり結果が伴わない。周囲の期待に反し、チャンスをイカせない日々。やがて西村はリングから消えた。月日は流れ、久しぶりに彼をプロレス中継で見た時、彼の長期欠場の理由を知って私は驚いた。彼はガンに冒され、その病魔を克服してリングに帰ってきていたのだ。その彼を天山や小島がリングでメッタ撃ちにしたのは、彼らなりの西村へのエールだったのだろう。そして、西村は持ち前のクラシカルなレスリングスタイルを貫き、やがて負けないレスラー(あんまし勝てないけど)、不屈のレスラーとして、ファンの感動を呼び起こす数々の名試合を繰り広げるのである。G1クライマックスの数々の名勝負、あるいは伝説の「対カレーマン戦」(カレーマンに対抗しヨガをマスターした西村、スリーパーを取られたらそのまま瞑想に入っちゃったという、ナゾの好試合)は忘れられるものではない(笑)。さて本作ですが(前フリ長すぎ)、藤波から西村へ受け継がれた「無我」の思想が炸裂した、深みのある内容になってます。深すぎて私には多分5%くらいしか理解できてない、かも。現代のプロレス界の根深い問題、あるいは家族の絆など、テーマは多岐にわたって、もうシチャカメッチャカ。イカがタコにダブルアームスープレックスをかけるシーンはまさに大爆笑。たくさん腕があるのに何で2本しかキメないんだっての、あはは。ラストでは西村のいつものファイトスタイル(倒立!)も堪能でき、ニコニコ。演技はちょっとハズカシかったね。唄はうまかったけど(ウソつけ)。しかし、AKIRA(=野上彰)の演技はさすが、堂に入ってます。西村、ちょっと見習えっての。・・・という訳で、リング上の哲学者・西村修の生き様を、どうかご堪能ください。[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-12-23 23:16:23)

2878.  スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー 最近のCG技術の発達で、「CG部分が実写と区別できない!」という映画もよくあるのですが、本作はその逆で、怒涛のCGタレ流しの中、「一体どれが実写かわからない!」と言いたくなる程、CG主体の軽い軽い仕上がりになってます。この映像、古いモノクロ作品にそのまま着色したような感触も、ちょっと感じさせるのですが、いやいや、やっぱりコレは似て非なるもの。CGをあまりじっくり見られては、安っぽいと見抜かれるので、場面がとにかく目まぐるしい。本当に落ち着きません。実写部分まで決してじっくり見せようとはしない。これは紛れも無く現代の映画。ついでにストーリーも行き当たりバッタリ、まったくマトマリというものがありません。最初に襲撃してくるロボットに、こりゃメチャメチャ楽しい映画ではないかと期待が膨らんでしまったが、映画の途中でそんな期待は放棄した。このトコトンまで軽いノリ、驚くべきマトマリの無さは、ここまで来ると間違いなく確信犯。結局、映画はサラサラ流れつづけ、印象に残るシーンやエピソードのたぐい、なーんにも無い。このことが実は皮肉にも、「最後に残ったフィルムで何を撮るか」というオチを結果的に盛り上げてしまってる・・・・・・・ム?本当に「皮肉にも」なのか?まさか、このオチ(とそれに続くオチ)のために、あくまで「計算の上で」こんな中身スッカラカン映画を作ったのではなかろうか。だとしたら、恐るべし! オチのために映画すべてを犠牲にするとは![DVD(字幕)] 6点(2005-12-23 22:43:23)

2879.  ブレインデッド これも今は昔、甥っ子がまだ小さかった頃。まあ、こんなどーしようもない映画であっても、やっぱり小さい子にはとってはトテモ怖いらしく、ビデオ開始早々から「コワイコワイ」と逃げ回り、じゃあ見なきゃいいんだけど、台所辺りの遠くの物陰から、恐る恐る画面をうかがっておりまして。で、そのとき、棒立ちに硬直しながら彼がつぶやいた言葉、「・・・・・・くび とれた・・・・・・」がいまだに忘れられません。これほど端的に本作を表現した言葉を、わたしゃ知りません。まさに、絶妙のレビュー、ですよ。っちゅうか、子供にこんな映画見せるなっての(ちなみに私が見せたんじゃないからね~)。なぜ子供に見せてはいけないか。まあ、子供がカンフーを誤解しちゃマズいから、ですかね、へへへへ。[ビデオ(字幕)] 7点(2005-12-19 22:49:36)

2880.  眠狂四郎 悪女狩り 雷蔵晩年ということもあってか、殺陣が少ない、いやそもそも狂四郎の出番自体が少なく、なんとも物足りないのであります。それを埋め合わせるため、完全にエログロに走っちゃってます。これは、好感が持てますね、うひょうひょ。モーリス・ベジャールも真っ青のヘンテコ舞踏集団の舞など、ただでも短い映画なのに間を持たせようと一生懸命、このサイケ調のノリは、狂四郎版『ゴジラ対ヘドラ』とでも言えましょうか。雷蔵の代わりに映画を盛り上げようと一生懸命奔走するニセ狂四郎、バレバレの仮面姿が不気味だが、これがまたホンモノ狂四郎よりもしっかりとエロく、いやこちらの方が余程狂四郎らしい。しかし結局、本作の結論は、「狂四郎はふたりは要らない」という、非常にまっとうなものでした。確かにこんなヒトが二人もいたら、大変ですね。でもそのせいで、雷蔵が他界したら、シリーズおしまい。寂しいですね。寂しいと言えば、最終作が「円月vs円月」という、シリーズ別作品の蒸し返しだったのも、寂しいなあ。[CS・衛星(字幕)] 6点(2005-12-18 22:01:23)(良:1票)

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