みんなのシネマレビュー
目隠シストさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 2258
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113

301.  スーサイド・ショップ 《ネタバレ》 自殺が蔓延する暗い社会。自殺幇助アイテムショップが舞台。主人公は、店を営むファミリーです。キャラクターの目にはクマ。笑顔厳禁、希望なんてもっての外。アニメでは珍しく、かなりブラックな設定です。ミュージカルを多用した演出や展開も極めてシュールながら、着地点は意外なほど常識的でした。やっぱり前向きに生きようよ。愛(あるいは性欲、または食欲も可)があれば大丈夫。この結末に異議などあろうはずもありませんが、肩透かしされた感は否めません。そんなに簡単に切り替えられるほど、人生は軽くないんじゃないの?と。表でクレープ売って、裏で青酸カリでも密売してくれた方が、よほど腑に落ちた気がします。ただし、グラマラスを越えてデブの域にあったお姉ちゃんがイイ女扱いされていたのは、良かったと思います。価値観もイロイロ。だから、生きていられるのだから。[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-11-25 19:30:50)

302.  犬鳴村 《ネタバレ》 清水崇監督の代表作と言えば『呪怨』。呪われた家に棲み付く白塗り幽霊がトレードマークの典型的な『お化け屋敷』ホラーです。本作もフォーマットは同じ。『家』から『村』へ舞台が変わっただけです。ただし、幽霊の描き方には進歩?がみられるようで、より『幽霊らしくなった』印象を受けます(これはファンだと賛否あるかも)。個人的には『恐怖回避ばーじょん』とやらの方気になりますが、探して観るほど興味はありません。ごめんなさい。さて、私は存じ上げませんが『犬鳴村』は有名な都市伝説だそう。例えば『口裂け女』のように地域性が薄い題材ならいざ知らず、場所が特定される都市伝説でこのような荒唐無稽かつ胸糞なエピソードの広報周知が許されるのかという疑問が湧きます。最近だと北原里英さん主演の『としまえん』も同類ホラーですが、かの作品はデメリットより宣伝効果の方が大きでしょう。何せお化け屋敷があるテーマパークですし。ところが犬鳴は、現存する地名です(犬鳴峠、犬鳴トンネル)。いくら『フィクションでござる』のアナウンスがあったところで、イメージ悪化は免れず、地元民は良い気がしないはずです。ですから、くるきまきさんもご指摘のとおり、この作品が地元自治体の協力を受けていることに衝撃を受けています。きっと首長の度量が途方も無くデカいのでしょう。(以下余談)映画化による『犬鳴』の名称のイメージダウンは必至でしょうが、『悪名は無名に勝る』とも聞きます。興味を持った人たちを上手く取り込めれば『禍を転じて福と為す』も可能。最も一般的なパターンはお菓子化でしょうかね。手っ取り早い。『犬鳴饅頭』『犬鳴最中』『犬鳴サブレ―』。犬の毛を模した糸状の黒糖飴で包んだりしてね。うげー。『聖地巡礼』も狙えますが、輩ばかり押し寄せそうでイマイチ。日本一大きなドッグランでも作って、愛犬家でも呼び込みますか(無責任発言)。[CS・衛星(邦画)] 3点(2020-11-20 20:30:11)(良:3票)

303.  決算!忠臣蔵 《ネタバレ》 舞台が赤穂(兵庫県)ということで関西芸人が多数キャスティングされています(バリバリ関東芸人イメージの上島竜兵さんが兵庫出身とは知りませんでしたが)。彼らに期待されているのは、ネームバリューとネイティブな関西弁を操ること。コメディリリーフとしての役目は課されていません。芸人が大挙出演しているのに彼らが全然笑わせようとしないため、妙な違和感を覚えました。そうでなくとも、大笑いするタイプのコメディではなく、現代社会と対比させた風刺がメイン。言うならば苦笑い系喜劇です。純然な笑える喜劇を期待してみると肩透かしを食うかもしれません。勿論これはコメディとして不出来なのではなく、仕様の問題。カカオ80%チョコが大して甘くないのと同じです。討ち入りシーンも無ければ、吉良上野介に至ってはキャスティングもされていない異色の忠臣蔵でした。かつて『わんわん忠臣蔵』なんて映画もありましたが、手を変え品を変え、様々なアレンジが施されるのは、原作が長年日本人に愛されてきた証であります。もはや擦られ過ぎて原形が分からない気もしますが、これも『歴史に名を刻む』事の副作用のひとつでしょう。中村義洋監督のお金時代劇は『殿、利息でござる!』に次いで本作で2作目。これはもう3部作行きますね。[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-11-20 20:27:37)(良:2票)

304.  チャーリーズ・エンジェル(2019) 日本でも放送されたTV版はうっすら(ほぼ知識として)、2000年・2003年製作の劇場版は鑑賞済です。本作はてっきり劇場版旧作リメイクだと思っていたら、懐かしのエンジェルたちが写真で登場して来てびっくり。続編だったのですね。個人的にこのシリーズに思い入れがある訳ではありませんが、それでもリメイクより続編の方が作品の歴史を尊重しているので好きです。さて、今回のエンジェルについて。ビジュアルはかなり整っている印象です。誤解を恐れずにいえば、前作が48グループなら今回は坂道シリーズ。個性重視から平均品質重視へ。これが世界的にもトレンドなんですかね。とはいえ、ポスター等のビジュアルイメージだけだと『みな似たタイプの美人』に見えますが、動く彼女たちに触れると充分に個性的であることが分かります。また本作は、キャラクターに愛着を持ってもらうには持ってこいのチーム結成エピソード。シリーズ化を狙えますね。007、MIP、キングスマンとスパイ映画は高品質揃いの激戦区でありますが、美人さんのアクションは大好物ですので是非とも頑張って頂きたいと思います。個人的には、もっと、はっきり、コメディ寄りで良い気がしますが、旧作との差別化を図る意味でカッコイイ系なんですかね。[CS・衛星(吹替)] 6点(2020-11-15 02:09:19)(良:1票)

305.  残酷で異常 《ネタバレ》 ありそうで無かった気がする××の描き方。『後悔先に立たず』されど『反省はできる』がテーマかと思いきや、『どんな完璧なシステムにもエラーは付きもの』という意外な着地点でした。キアヌ・リーブス主演の某オカルト映画のルールに従うなら、主人公は××から〇〇行きへ変更になっても良さそうな気がしますが、婆ちゃんの面目を潰したからダメなんですかね。もっとも彼は覚悟の上ですから、何度同じ体験を強いたところで、満足こそすれ反省などしないでしょう。表情をみれば一目瞭然。こういう人には、諦めて〇〇に行ってもらうか、もう一度『苦行』を課した方がいいと思いますが如何ですか、お婆ちゃん。集会で美魔女が椅子を2つ占拠していたり(一つは踏み台)、急に老化したように感じたり(時間軸が異なる)、芸が細かくて感心します。婆ちゃんやピッカリ君をブラウン管に閉じ込めたセンスもなかなか。唯一邦題だけは頂けないなあと思ったら、原題直訳ですか。なら仕方ないです。[インターネット(字幕)] 8点(2020-11-15 01:56:49)(笑:1票) (良:2票)

306.  ダークハウス 《ネタバレ》 種明かしから店終いまでが早業なので、ちょっぴり混乱ぎみ。私自身が内容を理解するために、事象を整理してみます。激しくネタバレしていますので未見の方はご注意ください。 いきなり種明かし。本作最大のサプライズは、気絶していたジョンの正体が悪魔だったこと。私たちが延々と聞かされていた彼の供述は全て「デタラメ」でした。ブライアンが悪魔に取り憑かれたのも、ミッシェルが拉致されたのも真っ赤な嘘。悪魔の虐殺からブライアン一人だけ逃れたのが真相です。悪魔の目的は、降霊会を使って自らの器を獲得し、家の呪縛から解き放たれること。受肉する器(ミッシェル)を除いて、参加者を皆殺しにする必要がありました。ところがブライアンを家の外へ逃がしてしまいました。舌を切る暇があったら、さっさと殺せばよかったのに。直接殺せなくなったところで、悪魔は一計を案じます。ブライアンを殺人犯に仕立て上げ、警察に追わせたと。全てが悪魔の筋書き通りとは思えませんが、みごと警察にブライアンを射殺させました。銃社会ならではですな。多分ブライアンには『周りの人間が全員悪魔に見える』類の呪いがかけられていたのでしょう。もちろんトランシーバー越しにジョンが吹き飛ばされたのは演技。悪魔の記録動画抹消技術が、人間の動画復元スピードをわずかに上回った事が計画成功に繋がりました。なおジョンの母親も元悪魔の器。彼女が死亡したため、新たに降霊会(と言う名の受肉物件見学会)がお膳立てされたワケです。今回は『穢れなき魂』という超優良物件をご用意。ミッシェルの子は、666が刻印されて産まれてくる事でしょう。 原題は『DEMONIC』で堂々オカルト宣言をしていますが、邦題は抽象的に『ダーク・ハウス』。結果『人間犯行説』を排除することなく物語に望めたため、タイトル変更は成功と判断します。それにしても『ダーク・ハウス』なんて“如何にも”な邦題が今まで『空家』だったんですかね   。基本となる筋立てが単純な分、構成を凝った印象です。『SAW』や『死霊館』でお馴染みのワン監督の製作ですから出来は悪くありませんが、結局見慣れたパターンという気がしないでもありません。そうそう革新的なアイデアも無いでしょうが、ホラー上手のワンさんですから、次回は思わず唸るような仕掛けをお願いしたいです。[インターネット(字幕)] 6点(2020-11-10 19:24:43)《改行有》

307.  バースデー・ワンダーランド 《ネタバレ》 小学5年生の二女と一緒に鑑賞しました。娘は大層面白かったそうですが、お父さんは物足りませんでした。そこで物語の捉え方が違うことに気づきました。娘は『旅行』として、私は『冒険』のつもりで物語と向き合っていたのです。おそらくこれは娘が正解。添乗員付き、保護者同伴なら、そりゃ『旅行』ですよね。異世界でロールプレイイングする凝った趣向のツアーであります。主人公の母親も経験者のようですし、“危険は無い”と判断し年頃の娘に夢旅行をプレゼントしたのかもしれません。ですから『千と千尋の神隠し』や『オズの魔法使い』『不思議の国のアリス』等と比較して“生ぬるい”と判断するのはお門違い。どちらかと言えば、マイケル・ダグラス主演の某作や、シュワちゃんお目々ビックリの某SFと同カテゴリー作品と考えます(こちらは完全大人向け。生半可な冒険より余程ハードですけど)。『冒険』の方が『旅行』より偉いワケでもありませんし、『〇ィズニーランドに行ってリフレッシュしたら嫌な出来事も気にならなくなりました』な結末も悪くありません。ただし、オリジナリティに欠ける点は少々気になります。他の冒険ファンタジーと似通った設定や描写が目に付くが故に、『冒険』と勘違いするのです。あるいは、かつての『冒険』を現代風にアレンジしたら『旅行』になりましたって事かもしれませんが。[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-11-10 19:23:16)(良:1票)

308.  鬼灯さん家のアネキ 《ネタバレ》 血の繋がらない兄妹のラブストーリーは、ドラマや漫画でみられる定番シチュエーション。シリアス系から軽いものまで様々な仕立てがありますが、本作はちょっとエッチなラブコメディであります。主に、色仕掛けでチョッカイを出してくる姉に振り回される弟君をニヤニヤしながら見守ります。注目したいのはキャスティング。まず弟くんを演じた前野朋哉氏について。どうみても設定と実年齢が合っていません。まるでAVのよう。ただ、この違和感ある配役が、物語の全容が明かされるにつれて効果を発揮します。彼のオッサンめいた風貌は(失礼)、『貴重な若さを引きこもり期間に失った』意味と受け取れました。幼なじみの女子役が佐藤かよさんだった事も意味がありそう。本作が一般的なラブストーリーではなく、性別を越えた愛がテーマであったことの伏線では。ちなみに名字の『ホオズキ』。江戸時代には堕胎薬として使われたとか。姉との恋愛成就も暗に否定されていたのかもしれません。考え抜かれた、手の込んだキャスティングだったと思います。最後に谷桃子さん。『ゴッドタン』での破天荒キャラのイメージが強い彼女ですが、本作ではヒロインを熱演していました。演技が上手いとは思いませんが、”勘の良さ“を感じさせる表情や仕草を見せます。もともと頭の良い方なので女優としても成功した気がしますが、もう引退されているのですね。残念。エロチックコメディからスタートして、最後は心温まるヒューマンドラマへ落とし込む手際はお見事。いい映画だったと思います。[インターネット(邦画)] 7点(2020-11-05 13:24:00)

309.  野良犬はダンスを踊る 《ネタバレ》 『殺し屋』と聞くと真っ先に『ゴルゴ13』が思い浮かびますが、あんな“如何にも”な風貌は逆にリアルとは思えず、『必殺仕事人』の中村主水タイプの方が現実的な気がします(もちろん本当のところなど知りませんが)。その点、近藤芳正氏のキャスティングは的を射たものであり、何ら違和感はありません。あるのは、名脇役が主役を張るミスマッチ感。ただ、これは明らかに本作品の“セールスポイント”であり、洒落たタイトルも含めて“ウケを狙った”感が強く感じられます。だから鼻に付くとか、気にくわないとは思いませんけど。社会のルールに縛られないという意味で『野良犬』なのでしょうが、長年クライアントから信頼を得てきた着実な仕事ぶりは、むしろ『優秀な飼い犬』に思えます。また裏稼業を『ダンス』に見立てるのも、そんなに垢ぬけた言い方をする話でも無い気がします。個人的には『走れぬ老犬も牙を剥く』くらいで丁度いい気がしました。先に挙げたセールスポイント以外に特段見どころはありませんが、殺し屋に必要なのは、殺しの技術ではなく、『腹を括る事』とする描き方には賛同します。[インターネット(邦画)] 5点(2020-11-05 13:20:15)

310.  最高の人生の見つけ方(2019) 《ネタバレ》 偶然手にした今は亡き少女の『やりたいことリスト』。余命僅かな2人の女性が、少女に成り代わって、彼女の夢を叶えていきます。ただし、原則セレブがお金の力で豪快に夢を実現していくため、庶民からすれば単純に羨ましい限り。ちょっと意地悪な言い方をするなら、『最高の人生の見つけ方』とは、金持ちとお友達になるることですか?と。また、事情も知らぬ赤の他人が本人の承諾も無しに『親子の仲を取り持つ』など善意の押し付けもいいところ。結果オーライだから許されるものではありません。イマイチ乗れぬ(感動できぬ)展開の連続にフラストレーションが溜まりました。唯一良かったのは、手帳の少女の顛末でしょうか。こういう裏切りなら大歓迎ですけども。さて、キャスティングについて。何故吉永小百合さんだったのでしょう。生活感なく、人生経験豊富とも思えぬ、何処からどうみてもお姫様。切ない系人情ドラマに耐えぬ人選です。しかし、『最高の人生の見つけ方=自身の人生の肯定』とするならば、どんな人でも当てはまらなくてはいけません。一見ミスキャストに思える吉永さんの器用も、見方を変えれば深い意味があると思えてきます。(以下義務的余談)モノノフ(ももクロファン)として、ライブシーンについて捕捉をします。収録が行われたのは、ニッポン放送主催の恒例ライブイベント、通称『バレイベ』でした。2019年2月の横浜アリーナ。いつものガッツリライブとは異なり、ラジオドラマやコントなど企画色が強い演目が特徴。とはいえ映画収録について事前告知など無し。当日のお客には箝口令が敷かれたとか。ちなみに、収録が行われたのは2デイズの初日。私は2日目参戦でした。残念。なお、劇中ムロさんがオタ芸を披露しておりましたが、ももクロにオタ芸文化はありません。特定の曲でメンバーと同じ動き(フリコピ)をすることはあっても、基本はペンライトを振って『ウリャ』だの『オイ』だの叫ぶ程度です。ですからももクロのライブは、予習なしでも余裕で楽しめますので、少しでも興味を持った方がおられましたら、(コロナが落ち着いたら)是非お越しくださいな。全身唐辛子っぽい人とか、人形をぶら下げた人とか、見た目はキテレツで驚くかもしれませんが、基本的には圧倒的に常識人揃いですのでご安心を。[CS・衛星(邦画)] 5点(2020-10-30 21:42:36)

311.  グレイトフルデッド 《ネタバレ》 何かを検証する場合、多角的な視点を持つことは必須です。本件についても、ナミの生い立ちを知る事で、事件の原因や全体像を探ることが出来ますし、ナミの立場に立つならば、一連の狂行にも確実に合理性が存在します。しかし、被害者にとっては加害者の事情など知ったこっちゃありません。突然拘束され、辱しめを受け、息子を殺された事実が全て。今は殺すか殺されるかの修羅場ど真ん中。「これは戦争だ」この異常事態にパニクらず、的確に状況を把握した笹野じいさんは流石だと思いました。狂気には狂気をもって抗うのが道理ですから。果たして2人の全面戦争は、じいさんの勝利で終結しました。しかしながら、これはナミが望んだ結末でもあります。愛する者の手にかかり、孤独な生から解放される幸せ。しかも神様の御許しありのオマケ付き。笹野じいさんにとっては、死合に勝って勝負に負けたようなもの。無力感は想像を絶するものでしょう。さて、この後じいさんは立ち直れるでしょうか。きっと神様はじいさんに、これまでと同様に救いの手を差し伸べてくれるはずです。それが神様の仕事。しかし、元を正せば、一体誰のせいでこんな事態になったのかという話。人は苦しみから逃れる為に神様をつくり、その神様に苦しめられる。何の事はない、要するにマッチポンプです。確かに万人にとって、死だけが救いかもしれません。(以下余談)主人公ナミの子供時代を演じたのは、アイドルグループ『アメフラっシ』の愛来さん。ももクロのご縁で存じあげております。子供時代の愛来さんと、成人したナミのビジュアルマッチングが実にお見事でした。にも関わらず、お姉ちゃんの方はお前誰だレベルの違和感で不思議マックス。これは単にキャスティングの不手際か、あるいはお姉ちゃんだけは運命から脱出できた事実を端的に表すための変化と捉えればよいのでしょうか。さて、どっちなんでしょう。[インターネット(邦画)] 6点(2020-10-30 21:21:32)

312.  アストラル・アブノーマル鈴木さん 《ネタバレ》 肩書ユーチューバー、過激な言動やお花の眼帯からは地雷臭が漂います。番組制作会社からは『テレビに出しちゃいけない人』認定される主人公ですが、果たして本当にヤバイ人でしょうか。ユーチューバーは芸能界への憧れが投影された活動ですし、眼帯はタモリさんをリスペクトしたもの(嘘)。TPOで眼帯を使い分ける良識も持っています。きちんとバイトし、健康的にジョギングまでしちゃってます。確かに彼女は『拗らせ』てはいますが、常識的な方向への捻じ曲がり。そりゃ大して努力もしていない(と感じる)双子の妹(ポテンシャルは同じはず)だけが評価されたら、腐りたくもなりますよ。それに拗らせているのは何も主人公だけではありません。引き籠りの弟、将来を棒に振った妹も似たようなものでしょう。『アストラルアブノーマル』なるパワーワードはいわば誇大広告で、後に続く『鈴木さん』は主人公だけを差したものでなく、『よくある苗字』=『あなた』を意味していると考えます。誰だって、多かれ少なかれ拗らせながら生きています(と思いたい)。 『拗らせ』に特効薬はありませんが、環境変化や体験が治療効果を発揮する場合があります。主人公は『見下し対象』の才能に触れ己が無力さを思い知りましたし、弟くんは細ネクタイとの“映画史に残る”泥試合を経て外の世界へ踏み出せました。人生、何が契機になるか分かりません。芸能界という特殊空間から解放された妹が、早々に目を覚ましたのも道理でしょう。もっとも、拗らせが解消されたところで、現状は改善しません。今までより“公平に”状況を把握できるだけ。そこにある希望は『最悪に比べればマシ』程度のもの。意識高い系の人なら鼻で笑うでしょう。しかし小さくとも自身を肯定するのは大切な作業です。そこを土台として、自分なりの『正解探し』が始まります。主人公が拗らせて苦しんだのは、全てを否定したからに他なりません。 当初は『拗らせ系女子』の生態を生暖かく観察しよう位の意識でしたが、次第に物語へ引き込まれました。恥ずかしながら、主人公の気持ちは大変よく理解できるもので、私も彼女と同じように拗らせる素養を持ち合わせていることになります。双子の妹との差しの勝負(withピストルライター)、鈴木家全員集合(with逆ギレ男)の空気感は絶品で、修羅場コメディとしても秀逸でした。主にララ氏のワードセンスにやられました。エンドクレジットで彼女が踊る『コンテンポラリー風出鱈目ダンス』は、本作で提示された人生観を体現したものであり、清く正しく美しい『推奨されるき生き方』とは真逆に位置するものです。だからこそ鋭く突き刺さったのでしょうが、私の心が弱っていたことも否定できません。私にとって、大いに愛せる映画。人生に行き詰まっている人には『観ると楽になるかもよ』と無責任に勧めてみたくなる映画でもあります。[インターネット(邦画)] 9点(2020-10-25 08:31:09)(良:1票) 《改行有》

313.  屍人荘の殺人 《ネタバレ》 『吹雪の山小屋』や『絶海の孤島』といったミステリー常套の『日常遮断』状況を、『ゾンビ』を用いて成立させたアイデアは『いちご大福』なみに斬新で、さらに『ゾンビ』の特性を密室殺人のトリックのタネ仕込んだり、徹底してグロテスク描写を排除したりと、ミステリーとしてもゾンビ映画としても、意欲作であるのは間違いないでしょう。まず注目したいのが『ゾンビ』の定義。一般的には以下の条件を満たすものが『ゾンビ』と考えられます。①死人であること②人を食らうこと③知能減退と感情喪失④ゾンビに噛まれるとゾンビに変わること⑤頭が急所であること⑥もう人間には戻れないこと。細かな条件はもっとあるでしょうが、大まかこんな感じ。さて本作の感染者たちは『ゾンビ』と言えるでしょうか。答えは『わからない』。③④の条件は満たしていますが、②⑤は微妙(食らうというより噛んでいるだけ。ゾンビじゃなくても頭を破壊されれば死ぬでしょう)、①⑥は未検証です。にも関わらず館に立て籠った人たちは早々に『襲ってくる顔色の悪い人』を『ゾンビ』と認定しました。これをもって『短絡的』とか『あり得ない』と非難する気はありません。トイレに落ちてた『かりんとう』は、もう『アレ』にしか見えないのと同じ。それより、イチホラー映画の架空の設定が、常識化している事実に感動します。ホント『ゾンビ』は偉大な発明です。さて、次の焦点は『ゾンビ対処法』。人々が取った作戦は専守防衛でした。これは当然の選択です。救助が来るのは時間の問題ですから。彼らは『正当防衛』でしかゾンビを殺していません。ただし『殺人(殺ゾンビ)』の倫理ハードルは常識より遥かに低く設定されています。これは『武器』を手にした効果と考えます。映画『トレマーズ』のガンマニア夫婦同様、『武器』があるなら使いたいのが人情というもの。死が隣り合わせにあり、武器を手にし、倫理ハードルが異様に低い状況で『復讐』は決行されました。もちろん犯人には『覚悟』がありましたが、土壇場で踏み留まる可能性も十分にあったでしょう。また犯人は『ゾンビにすれば2度殺せる』と憎しみの感情を吐露していますが、『一度ゾンビにしてから殺せば心が痛まない』理由もありそうです。いずれにしても『環境』が『復讐』を後押ししたのは確か。『場の空気』とはかくも恐ろしいものです。そういう意味で、比瑠子ちゃんが明智ゾンビを殺した件も『場の空気』に違いませんが、彼女の場合は積極的に利用したのです。そもそも比瑠子ちゃんが明智と葉村くんを合宿に誘ったのは、ワトソンを明智から奪い取りたかったから。優秀な人間は千載一遇の好機を逃しません。迷探偵から名探偵へ『ワトソン君の移譲』が本作の裏テーマでありました。本作は、いわば新探偵コンビ結成エピソード。そうだとしても、明智恭介という愛すべき超優良キャラクターを葬った罪は重大であります。責任を取って比瑠子ちゃん&葉村君コンビが活躍する続編をつくって頂きたいと思います。できればコメディ強めで。[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-10-25 08:26:33)(良:1票)

314.  クロノス(1992) 《ネタバレ》 ゴシックホラーの風合ですが舞台は現代。『吸血鬼もの』にも関わらず、コウモリに変化もしなければ、人を襲ったりもしません。お約束の美女を吸血するシーンすらなし。私たちが思い描く『吸血鬼もの』とは一線を画していました。一般的なホラーというジャンルにも当てはまらない気がします。それでいて紛うことなく『吸血鬼もの』の趣。それは吸血鬼映画特有の美しさ(芸術性)が、ギレルモ・デル・トロ監督によって見事に担保されていたからだと思います。さて本作では、錬金術で生み出された『クロノス』という昆虫型機械がドラキュラ伯爵の代わりを務めました。機械内部にはグロテスクな生物の姿。コイツがクロノスのカラクリを使って人を吸血し快楽でその者を支配すると共に、人を不死の生物に変化させる仕組みです。魅入られた美女がドラキュラ伯爵に身を捧げるのとシステム的には大差ありません。効能、常習性、それに伴う代償。機械針で吸血という手法も含め、ドラッグに溺れる中毒患者を彷彿とさせます。一度そう認識してしまうと、もう『麻薬中毒者の末路』を比喩した映画としか見えなくなります。果たして主人公に与えられた選択肢とは、モンスターとして生きるか、人として死ぬかの二択。結末に救いを感じるのは、私たちが人間だからに他なりません。 素晴らしきはギレルモ・デル・トロ監督の映像作家としての実力です。聞けば本作が長編デビュー作との事ですが、どの画の端々にも監督のサインがみて取れるよう。並の監督でないのは一目瞭然でした。物語の骨子は『ドラキュラ』ですが、主人公の姿は『フランケンシュタイン』を模していました。本作のテーマ『人が人たる条件とは何か』を語る上で、人造人間もまた欠かせぬモチーフだったのでしょう。愛する人がいるからこそ、人は人でいられる。それはすなわち、人は一人では生きられないというメッセージと考えます。[インターネット(字幕)] 8点(2020-10-20 15:28:59)《改行有》

315.  綱引いちゃった! 《ネタバレ》 外的要因(綱引きで結果を出したら解雇取り消し)と高い目標(県代表に選ばれること)で幕を開けた綱娘の活動は、終盤で内的要因(綱引きが楽しい)に変化し、目標も下方修正されました(大会に参加できればいい)。これは当然の成り行き。餌に釣られて大会に出場したら、優勝してラッキー!なんて筋書きで感動できるはずもありませんから。特筆すべきは競技シーンの短さでした。ハイライトの県大会は、終盤僅か10分程で処理されます。これは競技の特性も去ることながら、明確な『過程重視』の主張と考えます。プロは結果が全て。ですが、アマチュアスポーツは違います。健全な心身を育む『努力の過程』にこそ、本来の価値があるはず。もちろん勝つに越した事はありませんが、勝利至上主義のアマチュアスポーツなど本末転倒もいいところです。でも現実は違いますよね。その点で本作のアマチュアスポーツ観は賛同したいですし、結果を問わなかった点も綱引き競技への敬意と受け取りました(綱娘の対戦相手は体つきからしてガチ。あのチームに初心者マークがマグレでも勝ったら失礼というもの。善戦で十分な結果です)。で、本作で重視された『努力の過程』は、技術や体力より精神面でした。キーワードは「ひとりじゃない」。どんな困難も皆で乗り越えようというメッセージです。残念ながら『給食センター廃止撤回』は叶わなかったワケで、団結しても、努力しても、届かぬ願いはあります。それでも「ひとりじゃない」と思えるだけで救われるのが人間なのだと思います。 実は『白ゆき姫殺人事件』で井上真央さんの演技力の高さに興味を持ち、本作を鑑賞した次第。特別輝いていたとは思いませんが、与えられた役柄を手堅く演じていたと思います。でも、もうちょっとハツラツとしていても良かったかな。一般的に市役所職員のイメージって、あんな感じなのでしょうが。[インターネット(邦画)] 6点(2020-10-15 18:56:27)(良:1票) 《改行有》

316.  シグナル100 《ネタバレ》 荒唐無稽な洗脳技術については、実はそんなに気になりません。例えば神様や宇宙人の手にかかれば魔法の動画をつくるなど造作もないでしょう(完全にトンデモSFコースですけど)。ゲームルールには従うのみ。問題は攻略法です。あまりに『無理ゲー』過ぎました。ヒントもなく「100の自殺誘発行動に気を付けろ」と言われて、どうしろと。でもゲームに参加した(させられた)以上、文句を言っても仕方ありません。お客様相談窓口は無いのですから。こんな状況でもゲーム攻略のカギ『100のシグナル』を素早く解読した者がいました。彼だけ特別に便宜を図られていたワケではなく、スタート地点は皆同じ。彼は自らの才覚で『情報』を獲得したのです(ただし過程に説得力がないのは困りもの)。このゲームの本質は究極の先手必勝。文句しか言わない人、のんびり屋など即死ですよ(私のことです)。『情報』は『武器』に同じ。悪人として描かれている彼ですが、情報を独占した事を責めるのはお門違いというものでしょう。戦争で敵に武器を分け与える人などいません。それより平和ボケが抜けない主人公たちが愚かだと知るべきです。さてこの構図、「資本家」と「労働者」の関係に見えなくもありません。「持てる者」の圧倒医的なアドバンテージの前に、その他大勢の「持たざる者」が抗うのは困難を極めます。資本主義の問題点を揶揄した社会派の作品だったら恐れ入りますが、多分そんなワケありません。 前述のとおり『無理ゲー』ですから、ゲームとしての面白さは皆無です。しかし『死に方コレクション』として楽しむ手はあります。でも『ファイナル・ディスティネーション』や『ソウ』シリーズのような凝ったギミックや理念も無ければ、ゴア描写も程々。殺しのエンターテイメントとしても、満足いくレベルに達していないと感じます。結論。好事家か橋本環奈マニアでなければスルー推奨です。[CS・衛星(邦画)] 2点(2020-10-15 18:55:13)《改行有》

317.  白ゆき姫殺人事件 《ネタバレ》 夕子の言葉『みんな自分に都合の良いように言う』は、なにも赤星の取材対象者に限った話ではありません。彼女自身は元より、物語上『謎解き』に該当する城野の回顧文にさえ当てはまります。嘘偽りだけでなく、自身すら気づかない改編もあるでしょう。事実を認定することは出来ても、それが真実とは限りません(だから「真実はいつもひとつ!」と能天気に断言する探偵さんにモヤるんですけど)。斯くもあやふやな『真実』が流通しているのが実態です。こうなると『信じたいものを信じる』のもアリな気がしますが、おめおめ騙されるのも癪な話。少しでも真実を見極めたいのが人情です。この際大切なのは自分の頭で判断すること。権威、宗教、思想等の『ものさし』を機械的に利用するのは要注意です。これらもまた『自分に都合の良いように言う』の例外ではありません。城野父のように『世論』という『ものさし』に踊らされぬために。疑問を持つこと、反省すること、広い世界を知こと。意識して自らに負荷をかけ、健全な心身を保つことが、後悔しない明日に繋がると考えます。人間、楽に慣れるとロクなことがありませんから。おっと、今日も日課のウォーキングに出かけなければ。 SNSと対比されるのが、アンとダイアナによる灯交信でした。情報量、スピード、伝搬力、どれをとっても蝋燭の火と比べるべくもありません。ただ、唯一勝る点があるとすれば、それは「相手を思いやる心」なのでしょう。ここに居る。あなたを気にかけている。それだけのメッセージで救われる命もあります。「昔は良かった」とは思いませんし、進んだ文明の針を戻すことも出来ません。SNSに限らず、包丁だろうが、原子力だろうが、あらゆるテクノロジーの基本は同じ『諸刃の剣』です。私たちに出来るのは『正しい目的』で使用すること。危険性を知ること。トラブルの対処法を身に付けておく事も肝要であります。主人公に降りかかった災難は、今や交通事故と同じ。いつ誰が被害者だけでなく加害者になっても可笑しくありません。ラスト赤星が城野に轢かれかけたのはそういう意味。SNSに規制をかけることも必要ですが、それ以上に使用法の教育が重要なのは言うまでもありません。本事件を『他山の石』としない手はありません。 ネットの声やマスコミにより『世論』が形作られていく過程は、私たちが経験している日常と相違なく、十分なリアリティと恐怖をもって物語に望めました。そんな観客の思いを受け止める当事者・城野美姫を演じたのが井上真央さん。証言者ごとに『城野美姫』は姿を変え、実体を掴ませません。この演じ分けはお見事でしたし、美人女優が平凡・地味女を演じる違和感がまるで無かった事にも驚きました。演技派女優の実力を思い知りました。『八日目の蝉』を越えて、本作を井上真央さんの代表作としても良い気がします。[インターネット(邦画)] 8点(2020-10-10 17:23:40)(良:1票) 《改行有》

318.  サマー・インフェルノ 《ネタバレ》 ミスリード、スカシ、伏線など、脚本テクニックの手数は多いものの、どれも効果的とは思えません。あからさまで驚きが無かったり、そもそも意味が無かったりするからです。例えば発狂原因について。当初『綿毛』の可能性が疑われました(序盤から延々と伏線を張っています)。しかし直ぐさま検証を完了しシロが確定します。本来仕事が早いのは良いことですが、映画の場合はそうでもありません。折角ミスリードしたなら、少しは引っ張らないと。間違った方向に進むから意外な展開が生まれる訳で、アッサリ看破してはミスリードした意義が失われます。とはいえ感心するアイデアも見受けられました。敵と味方が頻繁に入れ替わる『バトルロイヤル』はスリリングで、どのキャラが途中退場するのか先が読めません。打開策も気が利いていましたし、オチも納得できました。ただ着想が良いだけに、もう一工夫すればもっと面白くできたとも思います。『バトルロイヤル』は大人数が参加することで変化や広がりが生まれます。視覚(メガネ)の喪失も意外とホラーでは見ませんが、相当怖い話。敵見方を間違って攻撃とか、ピンホールメガネをつくるとか、いくつも展開が生まれる種だったと思います。よく若手芸人が使う言葉で例えるなら、『跳ねた』とまでは言えないものの『爪痕を残した』くらいの満足感は得られる脚本でした。[インターネット(字幕)] 5点(2020-10-10 17:22:26)

319.  いつも月夜に米の飯 《ネタバレ》 いきなり結末に触れています。未見の方はご注意ください。 最大の関心事は、千代里とアサダが再び巡り合った経緯です。最も現実的な可能性は、アサダが千代里を呼び寄せたパターン。でも、それは母娘に別れを告げた男の決断に反しますし、再会時の驚いた様子や、砂浜を共に歩くシーンでの会話とも矛盾します。よってこの説は却下。次に考えられるのは、千代里がアサダを探し出した可能性です。アサダは2人にとって思い出の料理屋に身を寄せていたのですから、彼女の捜索網にかかっても不思議ではありません。ただ、それなら店主から「お前を探している女がいるぞ」くらいの事前情報は入りそうなもの。よってこの説も不採用。となると、残る可能性は『偶然』です。アサダを見つけた時の千代里のリアクションの薄さは気になるものの、彼女がこの再会を必然の『運命』と捉えているなら、あの態度も府に落ちます。ただ、そうだとしてもこの『偶然』、少々キナ臭いのです。何故アサダはあの料理屋に居たのかという話。もちろん馴染みの店なのでしょうが、同時に千代里が訪ねてくる危険性も排除できません。もし男が本気で母娘と縁を切るつもりなら、あの店を選ぶ道理はありません。そう、アサダは千代里が訪ねてくることを内心期待していたのでは。自分が呼び寄せるのは道義的にNGでも、彼女から見つけてもらう分にはOKという理屈。狡い。あくどい。でもその下心は理解できます。親子ほど年齢差のある年下美女をGETできる大チャンスを棒に振る独身男など、この世に存在しないのですから。彼は2人に別れを告げることで泥沼関係を一旦清算し、奇跡の再会に賭けたのだと思います。いやー見事な博打でした。アサダ自身も理解しているように、千代里の恋心は経験不足とファザコンによる『気の迷い』の類。一般的にいう『虎舞竜シンドローム』というヤツです(失礼。そんな言葉はありません)。2人の関係が、恋→愛→情と上手く成熟させられれば長続きするでしょうが、私は5年以内の決別にスーパーひとし君人形を賭けたいと思います。 さて、主演を務めた山田愛奈さんについて。基本的に表情が薄く、台詞も棒読みで、演技が上手いとは思えません(ごめんね)。ただ「今時のJK」感は抜群でしたし、感情が見えない事がかえって『女の業』を感じさせました。エンドロール直前の彼女の一言は完全に『ホラー』ですが、安易に『ロマンス』に落とし込む話でもないので、結果オーライだった気がします。また高橋由美子さんの『恋多き女』役もお見事でした。高嶺の花ではなく(失礼)、手を伸ばせば手に入る感が絶大で、現実の『モテる女』とはああいう感じの女性なのだと思います。名作ドラマ『南くんの恋人』でお馴染みの美少女が、このように成長したと思うと何か得も言われぬ感慨もあったりします。[インターネット(邦画)] 5点(2020-10-05 18:53:13)(良:2票) 《改行有》

320.  キャビン・イン・ザ・ウッズ 《ネタバレ》 本作は、原題『キャビンインザウッズ』邦題『キャビン』とは別物。ああ、ややこしい。とはいえ、こちらもかの作品に負けず劣らずクレイジーなミステリーホラーでした。いつもなら、正解・不正解にかかわらず、自分なりの解釈を述べたいところですが、本作についてはご勘弁ください。というのも、不可思議な現象を提示しているのみで、事象を読み解くヒントが見当たらないからです。真相は観客それぞれ自由に想像してね、の丸投げスタンス。黒幕は、神様でも悪魔でも宇宙人でも、どれでも問題なく当てはまるでしょう。勿論ドラッグによる幻覚説も排除しきれませんが、それが一番ツマラナイ解釈なので、わざわざ採用しないですよね。私は面白ければ何でもアリ。オチを付けない投げっ放しな結末も容認するタイプですが、本作の場合さほど面白いとも思えないため、このような評価となります。[インターネット(字幕)] 5点(2020-10-05 18:51:17)

030.13%
1110.49%
2311.37%
3994.38%
41587.00%
541218.25%
649722.01%
749221.79%
836616.21%
91446.38%
10451.99%

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS