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プロフィール
コメント数 2526
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ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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21.  カンフー・パンダ 《ネタバレ》 豪華な声優陣、かなり丁寧にカンフー世界の設定をしているなど(虎拳、猿拳、蟷螂拳、蛇拳、鶴拳と)、見所いっぱいありそうに思えつつ、あまりにストレートにカンフー映画リスペクトしてしまい、意外に楽しみどころが少ないとゆー。物語はアニメ的な誇張とギャグを除けばあまりにオーソドックス。そしてキャラに今一つ魅力がないのですよね。動物キャラものって、アメリカ産CGアニメの定番ではありますが、ただ擬人化されただけという感じで、動物だからこそ面白いという訳ではなく、あれが人間のキャラで描かれていたとしても大差はなさそうで。せめてキャラ同士がもっと絡んでいれば面白味が出たのでしょうが、パンダと5人の弟子の交流はあまりに薄く。アクションの面白さなどは、逆にアニメである事でスポイルされてしまっているようにも思えましたし。アニメならば描けて当たり前な極端に誇張されたアクションよりも、動きの流れを細かく追った方がむしろ凄く思えるんじゃないかなぁ。パンダがあんなにも強かった5人の弟子達よりも更に強くなった理由というのが曖昧な描写でハッキリしなかったのが残念でした。あれって結局は訓練の賜物と言うよりは、ぶよぶよしているがゆえに相手の力を殺し弾き返せる、それに気付いただけ、って事ですよねぇ。一方、作品の主題に積極的に東洋的な思想を盛り込むあたりは面白かったです。老師が必ずしも教えに対し真っ直ぐではなく、自らも疑問を抱きながら弟子と歩む事になるあたり、西洋的な視点から見る東洋の理解、みたいな感じになっていて。まあ、それゆえに二組描かれた父子のドラマ、そのケリの付け方がドライ過ぎなのがひっかかりましたが。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2010-11-03 21:07:29)

22.  瞳の奥の秘密 《ネタバレ》 カメラはフレームの中のフレーム、鏡に映った顔、影が一部を塞いでいる等、凝った映像を見せる一方、スタジアムのシーンではダイナミックに駆け巡って。脚本は過去と現在を行き来しながら混乱はなく、ドアやタイプライター、写真立てなど、物語を動かす小道具を散りばめて。その饒舌なテクニックの披露は素直に面白いと思いました。だけど、なんかひと味足らないと思ったんですよね。例えば、瞳は嘘をつかないとか、情熱だけは変わらないとかって抽象的なセリフと、写真立てに愛する人の写真を飾っていれば、そしてそれをずっと続けていれば愛の証しですみたいな記号、それじゃ納得できないんですね。具体的に愛の情熱を映像として見せて欲しかった訳です。それを打ち砕かれた男、秘め続けた男、それぞれのココロがそーんなには響いて来なかったというのが正直なところ。ミステリーであるという大前提がそれを許さなかったのでしょうけれど(その、重要な二人の男すら物語の最後を迎えるまでは信用できないのがミステリーですからね)、どうせ事実とは異なる映像も混じっている映画なのですから。主人公に小説を書きたいと思わせた動機、その悲劇に囚われ続ける事になる発端、そこがどうも弱い感じがしてしまい、それは被害者の生きた証しが生々しく伝わっては来ないからなんじゃないかな、って。ミステリーとしては面白く出来てる映画ってところで、それ以上のものには思えなかったな、と。[映画館(字幕)] 7点(2010-10-25 17:09:20)(良:2票)

23.  ブロンド少女は過激に美しく 《ネタバレ》 上映中、バッグの中の携帯を点滅させっ放しのおばさん、食べ物のゴミを放置してる人、階段で大声で話してるおばさん達。シャンテって映画にはうるさいけどマナー悪い古い人々が多いって気がして、下手すると悪評高い渋谷・六本木よりもよっぽどダメかも。って、映画が終わってそんな事ばっかり考えておりましたが、この映画は私にとって困った事に、まるっきり何もない状態で。中年映画小僧にとってこの「額縁の中のキレイな絵は額縁の中に入れたままにしておけ」って映画、だからどうした?としか。額縁たる映像が雄弁に語っているのは判るけど、その「いつの時代の映画よ?」みたいな時代性皆無の美術館的額縁映画、静止画の如きフィックスの画像、BGMなし、正直に言って私にはめちゃくちゃ退屈。時代の先へ先へと一歩でも映画と共に進みたいのよ。「ああ、自分がテリトリーを侵したんだなぁ」という失敗感しか浮かんで来ず。まあ、だから本来レビューなんぞ書くべきでもないのでしょうけれど、まあ、ここって逆の例もまま見受けられるサイトですし、許してつかーさい。[映画館(字幕)] 3点(2010-10-15 20:57:51)

24.  ザ・ロード(2009) 《ネタバレ》 原作未読ゆえ、恐れ知らずな状態になりますが、少なくともコレは単なる低予算B級SF映画。現代の黙示録として優れた原作って事らしいんですけど、映画は延々と人食いから隠れる逃げるを繰り返すばかり。いや、人食いが横行する世界で息子を守るという大義ゆえに、他人に施しを与えず、盗み、人を殺め、そして衰弱してゆく父と、天使を象徴する無垢な存在としての息子ってところに飽食の先の行き詰まりの状態と未来へ続く法とが描かれているんでしょうけどもさ。でも、終末=人食いって発想がピンと来ないんですわ。『ザ・ウォーカー』と思いっきりネタかぶりしていて、『ドゥームズ・デイ』みたいでもあるのですが、『マッドマックス』『北斗の拳』的世界観も含めて、本当にそうだろうか?って。あえてそういう類型的で貧困なイメージの中に放り込んで見せたい語りたいものってなんだろうか?って考えた時に、響いてくるものがちっともないのは自分には今や家族ってモノの存在が大変に希薄だからなのでしょうかねぇ? 子供でもいれば、ここに大きな共感や恐怖があるのかもしれませんけど。自分には、この映画、間違ってシャンテにかかっちゃったシネパトス映画としか映りませんでした。ってローカルな事を。そうそう、息子が途中で風邪っぽくなって寝込みますけど、あの世界では苗床となる人間が殆どいないので、ウィルスの存続もまた難しいハズだと思うのですが。そこのところ、原作ではどうなってるんでしょ?[映画館(字幕)] 4点(2010-10-12 20:37:24)

25.  TSUNAMI-ツナミ- 《ネタバレ》 吹替しか選択肢ないし。吹替だと韓流ドラマみたい。字幕でご丁寧に「キャリアウーマン ユジン」とか出てきて笑わせてくれるし。で、韓国映画ってキム・ギドクとかポン・ジュノとかパク・チャヌクとかの一部のクリエイターを除くと中身は大体一緒って印象があるんですよね。これもそう。体裁としては災害パニック映画ではあるのですが、中身はいつもの前半それなりに笑わせたりしてドラマ描いて、後半に怒涛の泣かせに走るという典型的韓国映画フォーマット。対象となる障害は病気か事故か事件か戦争か災害かの違いはあっても、描いてる事はどれも同じって感じで。あまりの定型フォーマットっぷりに怒涛の感動的展開なハズの後半は笑えてきて仕方ないとゆー。もうね、大仰な泣き叫びの連続、声優さんの喉が潰れちゃうよ、って。ツッコミどころも満載でお笑いポイントが沢山って感じで。登場人物の多くが「お前ら、どんだけ生き残ってんのよ?」みたいな不死身っぷり。少なくとも巨大な津波が二度襲ってるハズなのに、それが直接描かれた、ただひと組を除いては一度しか襲ってきてませんよ?みたいな何事もなかったっぷりで。一度目の津波の時点で高層ビルどっかんどっかん倒れてるのに、まるで強風が通り抜けただけです、って程度の人間の強さっぷり。つーかラストじゃ海辺のテント小屋みたいな店の骨組とかテトラポットとかそのまま残ってましたしねぇ。ドラマは投げっぱなしで回収してねーよ、ってエピソード多数。あと、無駄に細かくカット割ってて、その意味なしっぷりもツッコミどころ。そうそう、寺門ジモンに志村けん混ぜたようなオトボケ顔の主人公に美人のヒロインって組み合わせも韓国映画らしいパターンでございました。それでも、災害映像だけはそこそこちゃんとしてるのね。樋口版『日本沈没』とか『252 生存者あり』とかに比べたらずっとマシ。足元もロクに映せない日本特撮映画は韓国特撮映画を見習うべきです。見習うのは特撮シーンだけでいいですけど。あとは前記の監督の映画以外は見習っちゃダメだ。[映画館(吹替)] 4点(2010-10-12 20:08:15)(良:1票)

26.  ミックマック 《ネタバレ》 復讐の手順はもう少し明快にできたのではないかなぁ。2つの企業に同時に復讐してゆく、そのシチュエーションが今一つキレイに流れていなくて、痛快さに欠けてしまうんですよね。それから、せっかく多くの登場人物に超個性的な設定を施しながら、それを魅力的に活かしきれていない感じなのも惜しいです。全体を眺めた時、もっと面白い映画になったハズでしょ、って。それに、家族を失った人々が集まって擬似的な家族を形成してゆくって、結構よくある題材ではあります。映画を見ていて、懐古主義的な、やや後ろ向きなニオイも感じられました。だけど、本当に久々にジュネらしい色彩と毒気を持った映画が見られて、やっぱりいいなぁ、って。『ロング・エンゲージメント』では、かなりジュネ的色彩が抑えられておりましたが、今回は全開。こってり作りこまれた画面を、アクの強い面々が更に彩る、まごう事なきジュネの世界。ヘンな人達が織り成す、なんだか愛おしさを感じる物語。そうそう、見たかったのはコレコレ。ボガートから始まったり、サイレント映画風にセリフを廃して人の動きで笑わせたり、60年代のフランスコメディ風なタッチだったりして、そこかしこに映画に対する愛で溢れた映画。かつての冴えは薄らいだものの、ここはジュネの復活を素直に喜びたいです。[映画館(字幕)] 8点(2010-09-15 16:22:27)(良:1票)

27.  ジェニファーズ・ボディ 《ネタバレ》 このテの映画を見る力、語る力がないゆえ、かなり的ハズレな事を書くかもしれませんが。映画を見ていて、ジェニファーはニーディの抱くコンプレックスの象徴、ニーディが超えなければならない(と思い込んでいる)障害だと思いました。容姿にしろ性格にしろ、ニーディとはかけ離れた存在のジェニファー、彼女が悪魔に乗っ取られた状態は、即ちニーディにとって勝利する事によってコンプレックスを克服し、道が拓けるものの暗喩だと。だけど、そうなると果たしてジェニファーは本当に悪魔に乗っ取られていたのでしょうか? ニーディは劇中、何度も幻覚を見ており、映像となっている事象がそのまま真実ではない可能性を示唆しています。とするとニーディは果たして正常だったのでしょうか? ニーディこそが実は恐ろしい存在だったのではないでしょうか? 冒頭とクライマックスに立場が逆転する描写が存在する事で、その不安が強調されます。だけど、更に考えて、そもそもジェニファーは存在したのでしょうか? ニーディと対を成すようなジェニファー、ニーディと二人で一人の人間を形成していたようにも思えます。自分の中にあるセックスに対する好奇心と恐怖が象徴されているのが悪魔のジェニファーなのではないでしょうか。これは深く考えてゆくと、どんどんと恐ろしくなってゆく映画だったりします。エンドクレジット部分だって、単純な復讐なのか、彼らは本当に悪魔と契約したのか、ニーディの思い込みによる暴走ではないのか・・・??? だけど一方で『エクソシスト』『キャリー』『プロムナイト』などのオマージュがいっぱいなホラー映画であり、青春とセックスとスプラッタというベタで固めたシロモノでもあり、セックスと酒とドラッグを戒める教訓めいた話のようでもあり、なかなか捉え様のない、私にとってかなり難解な映画として認識されてしまいました。[映画館(字幕)] 5点(2010-08-03 22:45:50)(良:4票)

28.  ゾンビランド 《ネタバレ》 楽しい映画でした。大筋でも細かいネタでもゾンビもののお決まりパターンを踏襲しつつ、全てがあくまでポジティブ。ゾンビとの戦いも、人間同士の諍いも、ひとつひとつキッチリ笑いに変換されてゆきます。ゾンビ映画お馴染みの、悲劇的な展開を逆手に取ったネタに、しっかり見てるこちらまで騙されたりして。いやしかし、ゾンビがウロウロしている中で、姉妹はあのネタを仕込んだの? 練習とかしてたのかなぁ? 他に生存者がいるという前提に立ってた訳だし・・・まあいいや。遊園地ネタなんかは無理矢理です。別になんの必然性もありません。絵的に面白いだろうなぁ、ってノリで作られたようなもんで。でも、それがイイ。ゾンビとキラキラした遊園地のコントラストがステキ。もはや人類お終い、って世界であくまでマイペースを貫く人々の、実はちょっとハートウォーミングなお話し。メチャクチャなキャラ達(このゾンビワールドだからこそ、生きてゆけるような不器用な人々)に、だけどなんだか愛着が湧いてきて、見終わって心がほっこりしてくるゾンビ映画です。いや、マジで。限りなく前向きな、愉快な終末映画ではありました。ちょっとツッコミを入れておくと、彼的には『ガーフィールド』ではなく『チャーリーズ・エンジェル』が正解だと思うのですが。ソニー・ピクチャーズ的に自社作品の名前は出せなかったのかな?[映画館(字幕)] 7点(2010-07-26 16:41:13)

29.  オーケストラ! 《ネタバレ》 期待した程には楽しめませんでした。主軸となる、貧相なリーアム・ニーソンみたいな主人公と、若き美人バイオリニストの物語は、旧ソ連時代の共産主義下での弾圧の悲劇を背景に、なかなか魅せてくれはするのですが、感傷的な描写がクド過ぎてダレたように思います。それより問題は、予告編を見た時点では、そっちがメインだと思っていたガラクタ楽団の部分。全く笑えません。それぞれが身勝手でなかなか上手く事が運びませんって状態、個人的には見ていてストレスを感じるばかり。ユダヤ人父子なんか、ただ不快なだけのキャラ。愛すべきエピソードなんてちっとも描かれてゆかないですからねぇ。せめて本番ではなく、その前までにちゃんとした演奏をしてみせる集団になって頂きたかったです。彼女の演奏によって目覚めてゆくという映画的演出を優先したのでしょうが、プロの舞台でもダメな奴らじゃあねぇ。リハーサルなしで本番まで引っ張るという映画の作りは、さすがに無茶な感じがしてしまい。全編に渡って構成やエピソードの有りように疑問が湧き、流れに乗るのがなかなか困難な映画でした。[映画館(字幕)] 6点(2010-07-21 16:50:01)

30.  ガールフレンド・エクスペリエンス 《ネタバレ》 ハチ公前の某大手レンタル店から、DVDを買った際にお釣を500円渡し忘れたと電話があり、じゃあ、明日にでも伺いますと答えたはいいけど、500円貰うのに300円交通費払うのってどうなのよ?と。なので渋谷で映画見ようと。唯一火曜割引で安く見られる映画がコレだった、って。コレ見た理由、それだけ。高級エスコート嬢の生活を、時間軸バラバラに崩してドキュメンタリー風にコラージュしてみせた映画ですが、これが退屈で。同居する彼氏と競うように上流の人々の中に入り込んでゆく様が描かれるのですが、最後になって陳腐なドラマを語り出し、『ティファニーで朝食を』かよ!みたいな古臭い説教を始められて困ったもんです。どんだけ上から目線よ、ソダーバーグ。ヒロインを画面の端に小さく捉えたり、フォーカスを手前や奥に合わせてヒロインをボヤかしたり、シルエットにしたり、ラスト近くになるとやつれた表情させるわ、醜悪な客を描くわで、ヒロインをちゃんと人間として描こうとはしてません。売春は違法です!って教育映画かよ、みたいな。愛がねぇ、感じられないのよ。ソダーバーグ、やっぱり苦手だわ。結局500円返して貰うために、猛暑の中、時間と1300円を損したというお話し。[映画館(字幕)] 3点(2010-07-20 15:22:45)(笑:2票)

31.  闇の列車、光の旅 《ネタバレ》 主人公が、まだあどけなさの残る少年をストリートギャングの世界に引き入れる冒頭から、この映画の世界は深い闇に包まれています。暴力と殺戮に支配された世界で、ひたすら鬱々とした物語が続いてゆくばかりなのですが、情感をもって詩的に語られる映像と共に少女に託された仄かな希望の輝きは、見終わって清々しさすら覚えました。救いのない旅の終わりに、幾つもの閉ざされた未来の中に、ほんの少しだけ輝くもの。破滅の中にあって、みんなが望んだ夢。堕ちてゆく少年の姿と対比されたそれは、現実を嘆いてはいても、決して絶望はしない、前を向いた姿。物語は最初から約束された道を進むような、ひねりのないものですが、役者達から発散されるリアルな存在感、そしてそれを的確に捉えてゆく映像が、がっちりと心を掴む力作でした。[映画館(字幕)] 8点(2010-07-14 16:53:15)(良:2票)

32.  ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い 《ネタバレ》 最初に謎を散りばめて、それをいかに回収してゆくのかって映画だと思ったら、更に次々と新たな謎が生まれ、大混乱に陥ってゆくって物語。ダレる事なくスピーディな展開で楽しめました。しかもその広がりまくった大混乱をも最終的にはエンドクレジット部分まで使ってちゃんと回収しますからね。とてもじゃないけれど愛着が湧きそうにもない、クセの強すぎなキャラ達で楽しめるのかいな、と最初は思ったのですが、なかなかどうして、その強烈な個性まで含めていい感じだったりして。8万ドルゲットの部分は都合良過ぎな気がしたものの、きっちりと計算された気持ちのいい脚本。ただ、笑いの元となる素材の多くが下ネタ。下品な話と映像とが列挙されて、それで笑ってね、という状態なので、個人的にはイマイチ。スクリーンが汚い状態っていうの、あんまり好きじゃないんですよね。最近のアメリカンコメディって下ネタやグロネタで笑いを取るものが多いのですが、もう少しスマートなコメディはないもんですかねぇ。[映画館(字幕)] 6点(2010-07-07 17:44:09)(良:2票)

33.  ソフィーの復讐 アイドルとしてのチャン・ツィイーを前面に押し出した韓国コメディで、あれこれとちょっと無理がある感じがなきにしもあらずです。これまで色々と演じてきているチャン・ツィイーが、今更なんでこんなベタベタな韓国コメディ映画の演技をしてるの?って疑問が湧きますし、セリフや設定は中国なのにどう見ても韓国映画っていう状態もヘンです(もっとも『僕の彼女はサイボーグ』も全員日本人キャストなのにどう見ても韓国映画でしたけど)。だけど、スピード感溢れる笑いを繰り出す感じとか、美術や視覚効果にお金をかけた作りは韓国ラブコメディのいいところがきちんと出ていて、そしてなんと言ってもちゃんとチャン・ツィイーが可愛く見えるところがいい、と。『初恋のきた道』以来の可愛いチャン・ツィイー映画って感じです(いや、あの頃の可愛さを期待してしまうと全然違うんですけど・・・)。その分、韓流で大人気の男優さんはあんまりいい扱いをされてなくてワリを食ってる感じがしないでもないですか。ラストの唐突な物語の飛躍はどうなんだろ?って思ったりもしましたが、見ている間はずっと楽しい時間が続く映画でした。そして、見終わった後に何かが残るってワケではないのも韓国コメディらしくて、それはそれでいいんでないかと。[映画館(字幕)] 7点(2010-06-05 06:29:48)(良:1票)

34.  ローラーガールズ・ダイアリー 《ネタバレ》 懐かしいなぁ、ローラーゲーム。すっかりルールを忘れてましたけど。ドリュー・バリモアの初監督作品って事ですが、子役時代から映画の現場をよーく知っているためか、手馴れた職人監督の映画みたいな風情。もう少しハズして壊れてるくらいの方が彼女っぽくていいんじゃない?とも思うものの、ここはきっちりと手堅く見事なガールズ・ムービーを世に送り出した事を褒めるべきでしょう。元々、洋の東西を問わず、このテの映画を私が悪く言う事は滅多になかったりするワケですが、何から何までベタであっても、物語が読めまくっても、一切退屈せずにワクワクと存分に楽しめてしまう、それはやっぱりこの映画に魅力が溢れているに他なりません。テキサスの片田舎を舞台に鬱屈した日々を送る主人公が自分を見つけてゆく物語。家族愛、友情、恋愛を散りばめて、それぞれにきっちりとケリをつけてゆく、それは予定調和の道ではありますが、きっちりとパズルを完成させてゆくような気持ち良さ。ちっちゃなエレン・ペイジがよく動き、いろんな表情を見せて好演しております。試合シーンでの一部のカメラワークに見づらいところがありはしたものの、意外なくらいにしっかりとした映画なのでした。この十余年、ドリュー・バリモアはフェミニズム映画の道を歩んでおりますが、出来不出来の差こそあれ、それがいつもちっとも嫌味のないものなので好感が持てます。この映画の主人公に対する視点が、まるで自分が成し得なかった夢を託そうとする主人公の母親の視点のように見えるあたり、ドリューの成長が感慨深いわぁ。蛇足ですが「ナイスジャンプ、イーブル・クニーブル」を字幕で「いいジャンプだったわ、名スタントマン」はどうなんでしょうね? 字幕を読んでも判らない事は自分で調べろって程度のスタンスでいいんでないの? 映画を見る事で様々な事に興味を持つ、それが映画の面白さなんじゃないかなぁ。[映画館(字幕)] 8点(2010-06-05 06:28:56)(良:4票)

35.  9<ナイン> ~9番目の奇妙な人形~ 《ネタバレ》 新宿ピカデリーでは『NINE』と『第9地区』と『9』を上映中でした。大変ですな。さて、9日限定って事で本編前に元になった11分の短編が上映されたのですが、本編は長々と短編の解説をするような説明的な映画で。しかもあんまり面白くないんだ、これが。世界観とか設定デザインとか美術とか最高なのに、やってる事は延々人形VSマシンの戦闘。審判の日以降の『ターミネーター』みたいなモンで。問題はその戦いが、どういう位置関係で、キャラクター達がどういう判断からどう移動してるのか、シーンやカットで全く繋がってない、映像を羅列するばかりで判らせようとしていない点。大変ひとりよがりな状態で見ているこちらは置いてゆかれまくり。まるでマイケル・ベイかレニー・ハーリンの映画みたい。1から9までのそれぞれの個性が一人の人間という存在を象徴してゆく、という作りも個々の描写がバラけていて、なんだか失敗している感じで。あんなに大量のスタッフを動員して、だけど映画のカタチがちゃんと見えている人間皆無だったんじゃないかなぁ?みたいな映画でした。ティム・バートンってば自分から失われたモノを他人に求めて足掻いてるのかな? 点数は全てステキな世界観に。[映画館(字幕)] 5点(2010-05-09 15:21:25)(良:1票)

36.  プレシャス 《ネタバレ》 悲しい映画です。ラストでプレシャスは母の呪縛を自ら解き放ち、自立の道を歩み始めようとしますが、その彼女に未来への道が開けている訳ではなくて、限りなく閉ざされた狭い道に歩みだしただけである事がハッキリしているがゆえに悲しいのです。貧しい環境に生まれ、愛を受けず、ただじっと耐えてきたプレシャスを、誰かが救ってくれるのではなく、更なる不幸が積み重なってゆきます。希望は見えても、絶望はそれを上回って。それでも束の間の愛でも輝きをもたらすのならば、人は何をすればいいのだろう、何ができるのだろう、と。個人レベルだけではなく、教育現場の限界、行政の限界が描かれ、途中で素晴らしい国アメリカ的なニュアンスを見せたかと思えば、更にそんな幻想を打ち砕く厳しさが描かれ、子供をどう生かしたらいいのか、どう守ればいいのかを問うてきます。子供に対する虐待が毎日のように報道されるこの国も、他人事ではない話。怪物のような母親の存在が脅威的で、だけどこんな現実があちらにもこちらにも存在しているという恐ろしさ。ただ、映画自体は超悲惨版『アメリ』あるいはハンパな『嫌われ松子の一生』みたいで、ブラックな笑いを盛り込んだり、手の込んだ映像手法を駆使し過ぎていて、もう少しマジメにやろうよって思ってしまったのが大きなマイナス。プレシャスの内面世界を彩る事で彼女のキャラクターに親しみを与えようとしたのでしょうが、かえって悪趣味。[映画館(字幕)] 6点(2010-04-27 14:29:52)(良:1票)

37.  第9地区 《ネタバレ》 アパルトヘイトのみでなく、第二次大戦下のゲットーやベトナム戦争を思わせるような映像で、マジメに差別問題に向き合っているようにも見えますが、これ、基本的には現代を舞台にしたSF設定でマカロニウエスタンをやりたいってボンクラ映画ですよねぇ。実はそんなに裏とか奥行きとかがある映画ではなくって。今の時代にこういうのをやろうとしたら、徹底的に多面的で今日的な描写で埋めてゆく事で大嘘にリアリティが生まれるって感じで計算されていて、全く飽きさせません(後半、アクション映画に突っ走り過ぎた感はありますが)。超辛口『アバター』って感じですけど、アレと同じような気持ちで見に行くとそのグロい描写続出に痛いメに遭います。初日の六本木、途中退場者が二桁に上りました。私もこの映画のグロ趣味は好きではありません。あれ、リアリズムとかではなくて単に好きでやってると思いますし、そういう趣味は私にはないですし。あれこれ理屈をこねくりまわして難しく考えるよりも、ワリと単純に楽しんでこその映画って気がします。つーか、宇宙人出てきてロボット出てきて人体バラバラ!みたいな映画でマジメに差別問題を考えるのってよーく考えたらヘンだと思いません? 『モンティパイソン』や『サウスパーク』程度のモンと捉えるのが吉。[映画館(字幕)] 7点(2010-04-17 19:47:06)

38.  ニューヨーク、アイラブユー オムニバス映画で、エピソードごとに出来不出来の差が結構あったりするのが難点ではあるものの、ニューヨークの街と、そこに住み暮らす人々の姿が多彩な形でコラージュされてゆく状態は心地良さを感じます。スタイルや雰囲気が優先で内容なんて実はそんなに重要じゃなかったりするのですが(一応、各エピソードが男と女という共通のテーマで貫かれてはいます)、それもありでしょう。また個人的なハナシをしますが、最近の私のシュミに「街と人」な写真を撮るというのがありまして、この映画のテーマにぴったりとシンクロして、ああ、なんだか感覚的に理解できるなぁ、という感じで。「街に生きる」んでなくて「街と生きる」っていう意識が何気ない日常を少し刺激的なものに変えてゆく、そんな事を考えながら軽く見られた映画でした。この映画で描かれたニューヨークはなかなかにステキでしたが、東京もステキな街ですよ。[映画館(字幕)] 6点(2010-04-01 20:01:35)

39.  マイレージ、マイライフ 《ネタバレ》 登場人物に生き方の多様性を語らせながら結局は一方的な価値観を押し付けてくる困ったちゃんな映画。最終的に自分は、この映画の主人公のようにしか生きられないのが判っているので、送り手側の無神経な悪意すら感じたりします。このまだ若い監督の作品は、前作『ジュノ』にしろこれにしろ、なんだか無邪気過ぎてちょっと腹立たしく感じます。自殺するって主張し、実行した人間に対するドラマとしてのフォローが殆どないあたりに(主人公も若い女の子もさっさと逃げて全く引っ張りもしやしません)、この監督の浅さが表れていて。細かすぎるカット割りのシーンと長いコミュニケーションのシーンとで対比される形式やカタチだけのモノに対する否定と人間同士の結びつきの大切さは、あまりに安直で「いやいや判っちゃいるけれど、青臭さ爆発してるお前に言われたくはないよ」とグチの1つも言いたくなる感じ。まあ、30代前半くらいまでなら有効な映画かもしれませんが。そして私もこれを笑って生暖かい目で見られるところまでは、まだ到達してない状況ではありますが。[映画館(字幕)] 4点(2010-03-30 16:37:18)(良:2票)

40.  NINE(2009) 《ネタバレ》 フェリーニはもちろんですが、いちばんステキだった時代のイタリア映画とフランス映画の知識がしっかりあったらたっぷり楽しめる映画なんじゃないでしょうかねぇ。私は不勉強なものだからハンパに楽しめました、みたいな感じになってしまって。それでも絢爛たるミュージカルの世界を大スクリーンで堪能する悦びを存分に味わえました。中身なんてあってなきが如きモノですけど、ミュージカルなんてそれで正解だと思いますし。いやいや、亡き母の存在を引きずったまま女達を翻弄し、また翻弄されてゆくグイドのイタリア男っぷりも面白いのですけどね。だけど、六本木ヒルズの7番スクリーンを前側ブロックのど真ん中で、って状態で見ながら、これが35ミリなんかじゃなくて70ミリの湾曲スクリーンで、ドルビーデジタルのチャカチャカした音じゃなくて磁気式6チャンネルの音響で見られたら、もっともっとイイのにねぇ、ってすっかり私を懐古モードに突入させたこの映画は、今の映画の世界から失われてるモノを懐古しているような感じもして、映画も私もそれなりにトシを取ったよね、ってちょっぴり切なくもなるのでした。[映画館(字幕)] 7点(2010-03-23 15:45:08)

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