みんなのシネマレビュー
ミスター・グレイさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 565
性別 男性
自己紹介 三度の飯より映画好きです。どうぞよろしく。
※匿名性ゆえの傲慢さに気を付けながらも、思った事、感じた事を率直に書いていますので、レビューによって矛盾が生じていたり、無知による残念な勘違いや独善的で訳分らん事を書いているかもしれませんが、大きな心でお許し下され。
※管理人様、お世話になっております。
※レビュワーの皆様、楽しく読ませて頂いております。

-------------------------



投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順123
投稿日付順123
変更日付順123

21.  火事だよ!カワイ子ちゃん 《ネタバレ》 基本的にはお役人を皮肉ったドダバタ笑いの連続で、お約束的なものが多くおそらく現代人にとってはラストのオチなど簡単に読めてしまうのでしょうが、その運びはなかなか絶妙です。水着を着た女の子が入ってくるタイミングの良さ、当然起こるだろうなと思っていた火事騒動も見事で、忘れた頃に室内パーティ会場から外の寒々しい雪景色で家がボンボン燃えているシーンに切り替わるあたりは本当に巧いと思います。それに金魚のフンの如く連なって歩くセクハラ親父消防士たちはそれぞれユニークですし、暗闇でクジの賞品を返せというくだりの辛辣さもなかなかです。[DVD(字幕)] 8点(2007-12-14 18:16:26)

22.  俺たちに明日はない 《ネタバレ》 実在した伝説的犯罪者カップル・ボニー&クライドを題材にしたものですが、警察側の方が悪役のように憎々しく演じていることからもかなり美化されているでしょうし、あくまで犯罪劇ではなく二人の奇妙で強い繋がりに焦点を当てた作品なので実話としての伝記的要素は薄いですが一本の虚構の映画としてはなかなか素晴らしいです。 特筆すべきは最初と最後のシーン。冒頭のフェイ・ダナウェイのあのエロティックさ!本作を観るまで私の中ではおばさんのフェイ・ダナウェイのイメージしかなく、こんなにも美しいとは驚きでした(逆に失礼?)。そして鳥篭から救い出しに来たようなクライドとボニーとの出会いが良い。窓から覗いていた裸のダナウェイが急ぎ服を着ながら階段を転げ落ちるようにビーティのもとへ向かう姿は運命を感じさせます。そしてラストの壮絶な絶命シーンの前に二人が見つめ合い一瞬だけ見せる微笑み。ダナウェイの表情は始めのアンニュイなものとは対照的に大事なものを手にしたように生き生きとして充足感に満ちています。全編に流れる当時アメリカの不況社会、ボニー視点で見ればクライドは白馬に乗った王子様であり、彼に不能という設定を加えることで二人の絆を純愛とし神聖なカップルとして描いたファンタジーでもあると思います。[DVD(字幕)] 9点(2007-10-19 18:33:18)(良:3票)

23.  オー! 《ネタバレ》 〝ルパン実写版・犯罪は割に合わない現実編〟というような内容。裏社会の小物が殺人は犯さないと豪語する義賊気取りで成り上がり墜ちていくまでを短時間ながら要所をおえて描いています。ヒロインの突き放したような悲劇的な呆気ない最期などけっこう暗い所もあるのですが、映画は軽快なサウンドに乗せてどこまでも娯楽で進み男のロマンが息衝いている感じです。ジャン=ポール・ベルモンド演じる主人公はお洒落さんで少々すかしていますが伊達男っぷりはやっぱりカッコ良いですし、「冒険者たち」に続きロベール・アンリコ監督はジョアンナ・シムカスをとても美しく撮っています。個人的にはベルモンドが断った女と階段で擦れ違うシーンがお気に入りで、ベルモンドのシムカスに対する想いと下から望めるミニスカートの可愛らしい娘への欲情で悶々とするオーの気持ちがよく表われています。[DVD(字幕)] 8点(2007-10-17 18:18:56)

24.  冒険者たち(1967) 《ネタバレ》 甘美な香りが漂い近づくと棘が刺さるような夢物語であり、私にとっては失われてしまった甘酸っぱい青春を再び体験できるような珠玉の作品で、時々ふっと観返したくなってしまいます。とにかく何もかもが美しく、海ではしゃぐ三人の姿、海に沈むレティシア、海上の要塞、アラン・ドロンの撃たれた時の動き、一人残されたリノ・ヴァンチュラ…などなど記憶に残る良いシーンが目白押しであり、涙腺が詰まってなければきっと観る度に泣いています。[ビデオ(字幕)] 9点(2007-10-05 18:26:14)

25.  僕の村は戦場だった 《ネタバレ》 水面、雨水、しずく、音、無音、あらゆる形でのあらゆる場面での水がとことん美しいのがやはり印象深いです。〝戦争に巻き込まれる少年〟というのはどうしたって悲劇を連想させますが、物語らなくともゲッベルスの焼死体や子供たちの死体が映る場面だけで無惨さは十分に伝わってきます。また少年が楽しそうに海辺を走るラストシーンの素晴らしさが逆説的に戦争の悲惨さを訴えています。で、そのラストシーンも良いのですが…個人的に気に入っているのは、本筋とは少し脱線している軍女医との恋愛模様?を描いた森のシーンです。あの森のイメージからしてもう凄いと思うのですが、女医が倒れた木の上を歩くところや穴の上で抱き上げられるところなど妙にドキドキさせてくれます。何と言いますか幻想的であり危うい感じがして胸騒ぎを起こさずにはいられないのです。[DVD(字幕)] 8点(2007-08-29 18:26:35)(良:1票)

26.  恐竜グワンジ 《ネタバレ》 オブライエンが残した原案らしいのですが、プロットははっきり言って「キング・コング(1933年版)」そのものです。恐竜と西部劇の融合というアイデアは男心をくすぐりますが、島ならともかく谷というのはいくらなんでも少々無理があります。しかっ~し、ストーリーは確かにもう少しどうにかならなかったのかと思うのですが、恐竜〝グワンジ〟が出色!ラストの大立ち回りに壮絶な絶命シーンが凄い。さらに、もう少し出し惜しみしても良いのにと言いたくなるくらいドンドン見せ場を作ってくれています。小型の馬が登場するところからして感動的ですし、恐竜も突然、岩陰からご登場ですからね。嬉しい限りですよ。しかもグワンジとカウボーイたちによる投げ縄バトルまである(そりゃ無理でしょとツッコミたくもなりますが)。欲を言えばラストのバトルは象でなくライオン5匹ぐらいにして欲しかったなぁ。それでもエンディングのキャスト紹介に〝andグワンジ〟と出てきた時は涙ものでした。恐竜、モンスター映画の中では「キング・コング」の次に好きな作品であり、グワンジはキングコングに次ぐヒーローなのです。こういう映画は今ではまず見られません。スピルバーグ監督は何故にオブライエンやハリーハウゼンのように恐竜を描いてくれないのか?ピーター・ジャクソン監督もまた違いました。ビジョンそのものが異なると言いますか、私には彼らはモンスターに対する思い入れやファンタジックさに欠けている気がします。オブライエン、ハリーハウゼン師弟のモンスターはどれもこれも魅力的なのです。[ビデオ(字幕)] 8点(2007-08-21 18:55:40)(良:1票)

27.  砂漠のシモン 《ネタバレ》 ブニュエルと言えば「アンダルシアの犬」や「黄金時代」とシュールレアリスムの巨匠であって、私の貧困な感性では3000年の月日を要しても到底理解できないような境地に達している監督であるとストレートのフォアボールで歩かせていたのですが、久々に勝負を挑んでみました。・・・と、これがけっこう面白い。何と言いますかブニュエルの方から3000年分も歩み寄ってくれたという感じで、一般人にも分かり易いのです。あの砂漠の景観の素晴らしさ。それに悪魔の棺桶が暴走族の如くスライディングしてくるところなんぞ笑えます。しかし一番の見所は時空間移動の場面!異次元からの突然の介入で飛行機が映し出され、次ぎに柱が映るともう人影が無い。このジャンピング方法の見事さ!一瞬で現代都会のクラブへ移った時は思わず目が点になってしまいました。・・・ただ、一つ不満なのは試練に耐える者で砂漠が舞台なのに嵐が襲ってこないこと。映画で砂嵐が起きないなんて海水浴場にまで来て泳がないのと同じですよ。聞くところによると制作費が足りなくなりやむを得ず中編になったらしいので、もしかしたら構想にはあったのかもしれませんね。完全版を観てみたかったなぁ。[DVD(字幕)] 7点(2007-06-20 18:40:58)

28.  ケス 《ネタバレ》 本作は私にとって初のローチ作品であり一遍にローチの虜になってしまった記念すべき作品・・・  逃げ場無し八方塞がりの閉塞感がじめじめとした画面から漂っています。ケスはそんな中で少年の唯一の生きる希望や自由、もしくは避難所として気高く描かれているように思えますが、厳しいローチはそのケスをボロ雑巾のようにしてしまうのだから泣けてくる。それでも少年が一心にケスを語るシーンに成長を思い、しっかりとケスを埋葬するシーンで締めくくったことに死の受容という強さを思いローチの温かさを感じます。舞台である60年代頃の英国ではイレブン・プラス(11歳で試験を受け進学コースと職業コースに振り分けられる)があったりと子どもの可能性など蹂躙され早々と将来を決られてしまう辛さがあります。ビリー少年のような境遇の子も何も格別に珍しいわけではないのでしょう。その悲劇的な状況を訴えるように描きながらも時にサッカーシーンのようなユーモアを交え、さらにはケスを失っても少年に前進させたところにローチの強いヒューマニズムが息衝いています。それも決してビリーに同情を誘うような作りになっていない甘さのない真のヒューマニズム。校長室に別の用件で来た子どもが、巻き添えで罰を受けるところなど震えるほどの辛辣さなのですから。  また、本作はヴィットリオ・デ・シーカ監督の「靴みがき」という作品を想起させます。あの作品でも選択肢のない過酷な状況にある少年にケスと同じような存在として〝馬〟が出てくる。またケスは同じくデ・シーカ作の「自転車泥棒」の自転車であり、あるいは「ウンベルトD」の愛犬フライクにも似ています(それぞれの対象を見失った時のあの不安さと言ったらない!)。戦後イタリアの惨状を描いたこれらの作品と同じように厳しい社会背景に生きる弱者を鋭く冷静に見つめ、支えを存在させている共通点。素人俳優の起用といいローチは一連のイタリア・ネオレアリズモに少なからず影響を受けているのでしょうね。 [ビデオ(字幕)] 10点(2007-06-18 18:18:10)(良:1票) 《改行有》

29.  ふくろうの河 【93分オムニバス版鑑賞】 台詞はほとんどなく映像だけで迫ってきますが、これが叙情的であり寓意に富んでいて見応えがあります。とりわけ三話目の「ふくろうの河」が素晴らしいです。絞首刑が実行されようとする緊張感!男の逃亡の躍動感!とにかく泳ぐ泳ぐ、走る走るで後ろを振り向くことなく止まらず前進し続ける男の姿は凄まじい生命力を感じさせてくれます。それにあのオチの見事さ。これは傑作です。各映画祭で短編賞を受賞したこの三話目が出色ですが、他の二話もなかなか捨てがたい秀作なのです。 一話目…虫の音が聞こえる静寂の森の中、月明かりに照らされ見張りをする兵士、このシチュエーションだけでもうすでに劇的です。それに回想シーンでの白い鳥篭と黒い鳥のメタファー。 二話目…英雄に憧れる子どもの視点から過酷な戦場風景を幻想的に映し出すことによって、逆に悲惨さを痛烈に訴えています。血だらけの兵士をピエロと錯覚させるところなど巧いです。 どの話も台詞が少なくラストに共通のちょっとしたオチが用意されていますが、これが非常に強烈な反戦へのメッセージとなっています。実際に南北戦争に従軍した原作者ビアスの嘆きを見事に映像化しているのではないでしょか。[DVD(字幕)] 9点(2007-05-21 18:25:35)

30.  薮の中の黒猫 《ネタバレ》 怪談ものの常套でもある悲劇の物語は概して単純なのですが何とも強い吸引力があります。冒頭の絶妙な構図の藪の中より物々しく現れる野武士の集団に不安な心持ちにさせられ、実際に暴行される母と嫁のシーンの毒々しさは現実さがあり残酷で、ある意味、本作で最も怖い部分と言えます。それに対して妖怪となった母と嫁が復讐を行うシーンは、まるで能を見るような品格を感じさせ美しさすらあるのですが、実行され殺害された侍たちの姿は夢から覚めたようにやはり無惨でギョッとさせられるのです。この幻想的な描写が人間業ではない物の怪の不気味さや怪しさを醸し出しているのですが、これが実に巧いのです。女たちの浮遊感、屋敷と藪の境界線の不透明さ、そして復讐のシーンに限らず銀時と嫁が絡み合うシーンの官能的な美しさなど特筆ものです。この胸の詰まるような物語後半、腕を取り戻しにくる箇所などは渡辺綱の逸話と同じ流れですが、愛欲あふれる母と子の関係だからこそ一際すざまじい情念が渦巻いておりドラマがより劇的なものとなっています。また人間の描き方も良くて侍の捉え方、特に酒呑童子を山賊だったと笑う頼光の豪快なキャラクターが面白いです。・・・ただ一点だけ気になるのは言葉遣いで、なんだか時々あからさまに現代語が入り混じっていたような気がします。[ビデオ(邦画)] 8点(2007-04-28 17:22:21)

31.  2001年宇宙の旅 おっ~、これが金字塔と言われているものか~。ほっ~なるほど、ふむふむ…もし私が眼鏡を掛けていて鑑賞後おもむろに外し、ツルの先を口の端にくわえ一考した後、「凄いねぇ」と一言発したら少しはインテリに見えるんでしょうね。・・・しかし正直言ってよく分りませんでした;。いやいや分らぬどころか眠気を催すばかりの始末。こりゃイカンと頭ハッキリのお目目パッチリで持ち得る限りの感性と知性を総動員し、改めて挑みもしたけれど箸にも棒にも掛からないとはこの事でものの役にも立たず撃沈…。この映画の良さを雄弁にまくしたてたりすると映画通だったりお洒落さんっぽかたりしてカッコイイんですけどねぇ。残念ながらモノリスのハイレベル過ぎる芸術性には周回遅れでついて行けませんし、内容もつまるところ凄く簡単なことを言っているのかなとも思うけれど、やはり疑問点もあり合点が行かないのです。するとこんな私にも密かに眠る自負心のような余計なプライドがムクムクと呼び起こされまして、良さを解らぬ悔しい気持ちもフツフツと湧いてくるのです。でも熱くなってみたところで悲しいかな、結局のところ〝猫に小判〟〝豚に真珠〟〝私に2001年宇宙の旅〟なのでした。ということで私はマタタビの方ががいいなぁ。[ビデオ(字幕)] 3点(2007-04-26 18:15:24)(良:1票)

32.  パサジェルカ アンジェイ・ムンク監督の遺作と聞いていたのですが、どうやら完成前に既にお亡くなりになったようで撮れなかったシーンはスチール写真やナレーションで構成されています。それも含めて、と言うよりそれのおかげもあってか?極めて秀逸な出来映えとなっているのですが、ナレーションによる説明は中立的に聞こえる一方、明確に問題提起への誘導をしているようにも聞こえムンク監督の意向と同じものかは分らない感じもします。それでも、収容所の場面を観る限りではナチスとポーランド政治犯という図式にさして重要性はなく、あくまでマルタとリザという普遍の人間性を主にした支配する者とされる者の関係を追及することで、人間の内面を抉り出しているように思います。それも特に会話するわけでもなく佇まいだけで伝わる雰囲気が絶妙です。最後も本当にあれで終りにするつもりだったのか続きを作るつもりだったのか分りませんが、先を見なくとも既に十分に人間の本質に迫っています。[ビデオ(字幕)] 8点(2007-04-13 18:13:27)

33.  剣鬼 《ネタバレ》 花造りの名人にして走れば脱兎の如しという漫画チックな主人公の物語は、いささか精密さや盛り上がりには欠けますが、なかなか良いシーンが多いです。まるでその場に居合わせているかのように肩ごしから撮られた噂話をしているシーンや登城途中の風説で状況を伝える巧さ。そしてラストの幻想的な花畑での怨念渦巻く壮絶な斬り合いは圧巻です。美しいロマンスの花畑が一変してバイオレンスに血塗られる凄さ。さらに、一見、幻のように現れる居合抜きの達人などの素晴らしい構図も随所に見られます。また哀しくも不気味な斑平を演じる市川雷蔵さんが良いです。飄々としていながらも心情をしっかり感じさせてくれます。[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-04-11 18:39:04)

34.  ナック 白黒ですし雰囲気からかなり以前の作品だと分るのですが実験的な作りは意外なまでに新鮮であり、予備知識ゼロですが当時としては前衛的で斬新だったのではないでしょうか。英国の香り漂っていてファッショナブルですし。ところで本筋とは少しズレますが、製作年から逆算するとハジケタ若者であった登場人物たちも今や初老を向かえているはず…いつの時代も社会と若者の位置付けは同じなんですね。むしろ年配者が若者を狂っていると思う方が健全な状態なのかもしれません。それは時代の変化から自然と生まれる世代間の差であり、両世代が理解し合っていたら素晴らしいのかもしれないけれど、そんな時が来たら社会が異常をきたしているのかもしれません。[ビデオ(字幕)] 6点(2007-04-02 18:06:02)

35.  暴れ豪右衛門 《ネタバレ》 兎にも角にも豪右衛門のキャラクターに尽きます。戦好きで言葉も態度も悪いし頑固っぷりスパルタは兄貴としては願い下げたいのですが、ただの乱暴者ではなく相当な傑物として描かれています。それぞれの長が集まった会議での態度や商人たちと軽口をたたきコミュニケーションをとる様子から感じ取れる懐の深さなど、日常の様子や一連の騒動から人物像が決定付けられていく過程が見事です。只者ならぬ雰囲気、豪快で圧倒的な存在感という特徴は三船敏郎が演じるにも相応しい役であり魅力が十分に発揮されています。ラストの馬群シーンも迫力があり侍にはない彼ら百姓の力強さを感じさせ、この先どうなるの?と無い続きを見たくなってしまうのです。[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-01-29 18:09:16)

36.  審判(1963) 同じカフカの『変身』でもそうですが、ある朝突然トラブルに巻き込まれる不条理劇は不可解で非現実的にしてリアル。暗闇に堕ちたようにもがく姿は人間の原罪について問うたのか、司法に対する皮肉なのか、この後台頭するナチスや複雑な現代社会の到来を予期したのか、多様な解釈が可能です。映画では現代性を持たせ職場での機械的な匂いや巨大なコンピューター、冷気が漂い閉塞感に満ち迷路のように迷い込み息が詰まるのは現代社会の息苦しさを象徴しているようです。特に不気味なのは画家の隙間だらけの家で見張るように覗く子どもたちの目、目、目!法廷でも大勢に囲まれましたが、大人に見られるより純粋な子どもに見られる方が罪悪を感じるようで居心地が悪いです。特異な世界を持つカフカ作品を映像化するなんて到底無理な話と思いましたが、個人的には映画のほうが好ましいぐらいで、どのシーンも強烈なインパクトを残します。[DVD(字幕)] 8点(2006-12-07 18:26:25)(良:1票)

37.  この首一万石 《ネタバレ》 〝侍〟と言えば誉め言葉の代名詞として使われ侍精神には賞賛に値する面もありますが、その反面恐ろしい部分も混在するのが事実。そもそも封建社会のもと(殊に江戸時代)武士道は主君に都合の良いように組み込まれた思想体系。身分制度による差別や、面子・建前を重視し過ぎ生を軽んじるといった醜く残酷で好ましくない面も存在します。そして侍も人間なれば現実には良き面よりも悪しき面を実践していた者の方が多かったのではないでしょうか。酒を差し入れてくれた優しい侍までもが斬りかかってくる恐怖。侍の醜悪さを表面化させたラストの壮絶な大立ち回りはかなりショッキングです。・・・ところでこの物語展開どこかで見た気がするなぁと思ったら、偶然が重なり様々な思惑が絡み合い最後に一つに収束していくスタイルは…『ロック、ストック~』じゃないですか!いや~日本ではこんなに以前にやっていたのですねぇ。[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-11-27 18:20:22)

38.  ローラーとバイオリン 《ネタバレ》 ローラー車の運転手セルゲイとバイオリン弾きサーシャの互いの胸に抱く別世界への憧憬が詩情豊かに描かれています。サーシャがローラー車の運転に夢中になるシーンやセルゲイがバイオリンの音に恍惚とするシーンに、労働者階級と資本家階級、別世界の住人同士の親交の新鮮さが感じられます。全く別次元の代物なのにローラーもバイオリンも棒を引いて扱うという共通項があると思うのは考え過ぎでしょうか。サーシャが子どもだからという理由でローラー車に憧れているのではないことは、音楽家と言ってバカにする他の子たち(彼らもおそらく労働者階級となる)がバイオリンに憧れていることで証明されています。しかし憧れを抱いても両者とも自らの境遇に不満があるようには描かれていません。セルゲイにバイオリンを弾いて見せるサーシャは誇らしげであり、セルゲイの働く姿は勇ましく写っているのです。ただ両方を手に入れるのは土台無理な話で結局、人生は無いものねだりなのでしょう。そんな交われぬ異世界の一時的交流が温かい目線で描かれています。[DVD(字幕)] 7点(2006-10-24 18:22:50)

39.  バーバレラ 《ネタバレ》 真にくだらない題材が、ポップでクールでハイセンスでアーティスティックに仕上がっているのは監督の手腕とジェーン・フォンダの肢体が見事だからに他なりません。美女にSFに冒険と男心をくすぐる要素を盛り込み、バーバレラが無重力ストリップを見せたり人食い人形に襲われたりセックス拷問マシーンにかけられたりと、男の妄想を具現化した耽美的カルト作品。私がバーバレラを助けた暁にはもちろんで〝古いやり方〟でお願いしたい。[ビデオ(字幕)] 7点(2006-09-29 18:20:32)

40.  タイム・マシン/80万年後の世界へ 《ネタバレ》 まず近年のリメイク版よりは原作に忠実なのが嬉しいです。科学的脳で未来への介入を危惧したりせず人間的良心の信じるままに行動するジョージは冒険者として親しみ易いですし、同じ所に長々飾る訳ないなんていう野暮なツッコミはやめにしてマネキンの服装で時代確認なんてとっても洒落ていてセンスを感じます。それに友人との再会と思わせてその息子と会うシーンなどはけっこう胸に迫るものがあります。CG技術が進み本物と偽物の区別すらつけられなくなった現在からすれば、どう見ても完全にミニチュアな街並みの崩壊や着ぐるみ感満点のモーロックは愛(哀?)らしいですが、アカデミー賞特殊効果何ちゃらを受賞しているんですから当時としてはそれなりのものだったのではないでしょうか。この作り物っぽさ、私は好きですよ。それにやっぱりH・G・ウェルズの原作が素晴らしい。SFの原点はここにありき![DVD(字幕)] 7点(2006-07-17 15:55:35)(良:1票)

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS