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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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21.  LOOPER/ルーパー 《ネタバレ》 私は良質のSFというのは科学的理屈やディテイルに完璧こだわることではなく、いかに人間や社会というものを描けているかどうかだと感じています。タイムパラドックスもののセオリーがどうたらこうたらと、物語が伝えたい本質とさほど関係ないことにうるさい人たちに、この作品の評価を落とされてしまうのはとても残念な気がします。この作品は2作目までで終わらせとけば良かった『ターミネーター』シリーズの愚かなループと、『マイノリティー・リポート』がうまく描くことのできなかった部分に、強烈な答えと光を提示してくれたと思います。私がこの映画を観て強く感じたことは「世界を良くしたいなら、まずは自分の子供を愛して大切にしっかり育てなさい」ということでした。最後に復習に来るキャラクターでさえ、自分を拾ってくれた悪人に自分の存在価値を認められたいという愛情を欲しているし、すべてのキャラが自分と関わる者との絆を大切に思っているわけですが、その大切にする方向や方法が問われてる映画だったと思います。ひとりひとりが他者への思いやりを持ち、かつ家族が愛し合って健やかに心を育て合うことができれば、社会は未来は良い方向に向かうはずだと、そういう魂を感じる良作でした。子役、上手い子を見つけたなと思います。幼くして持つ重い枷に潰されまいと、同年代に比べてしっかりした判断行動を見せる健気で逞しく孤独を秘めたキャラに合った目をしてました。[映画館(字幕)] 9点(2013-01-22 18:27:10)(良:2票)

22.  グッド・ライ いちばん優しい嘘 《ネタバレ》 観る価値のある良い話でした。「子供たちの悲鳴が消えない」と涙したシーンが1番印象に残ってます。それに対する元兵士の慰めの言葉は、優しさから発せられた言葉でしょうし、それ以外何が言えるかと問われれば、言葉もないのですが、私には腑に落ちない思いが残り続ける映画でした。平気で子供達を銃で追い回す大人たちの姿に対する怒りが消えないのです。最近のこの手の映画は、被害者とそれを支える人との交流は描くけれども、悲劇を作る張本人たちの問題は蚊帳の外で放置したままということが多い気がします。子供を平気で殺す大人に対する罰や責任の問題はどうなってるんでしょう? 子供を兵士にさせてしまう大人の責任も。[DVD(字幕)] 8点(2016-10-17 01:03:30)

23.  セッション 《ネタバレ》 妙に宣伝されまくりで、逆に引いてしまって冷めた目で傍観していたのですが、観てみたらかなり良かったです。これは生きる強さを教えてくれる映画だなと思いました。普通なら「こんなヤツ2度と信じるもんか!」と思いたいところですが「次のチャーリー・パーカーは何があっても挫折しない」この一言だけで全てを飲み込んでしまえる。納得してしまえる。この言葉こそは教師が主人公(そしてこの作品を観る者)に贈る最高のプレゼントだと思う。「どうせやられてしまうなら、自分からその人生を降りて行くのなら、自分の全てをぶつけ切ってからだ‼︎ どんな邪魔をされてもはねのけてやる!」そういう気合いがビシビシ響いてきました。主人公を呼んだのは教師なのだから、主人公は公の場でどう勝手に暴れようと責任は教師にある。才能がなければただ滅茶苦茶にしてやる反抗しかできないだろうが、才能がある者は、反撃の牙を自分の為にも敵の為にも仲間の為にもプラスに変える力があるということだろう。主人公はただ天から才能をもらったのではない。文字通り血のにじむ努力が描かれていた。それをやってきたからこそ、何が何でも粘れるとも考えられます。努力が無駄だったと思いたくないから。『自分を大切にできる』というのは、こういう裏付けがあればこそなんではないかと思いました。自分を愛することができるように、自分もできるだけ頑張るようにしたいと思いました。[DVD(吹替)] 8点(2016-05-09 21:23:30)(良:1票)

24.  HERO(2015) 《ネタバレ》 TVドラマは全く見ていないし、劇場版も過去のは観ていません。ゆえに、キムタクと松たか子にどういう過去があったのか知らない僕は「この調子でずっと置いてけぼりなのかなー?」と不安も感じたんですが、TVシリーズで途中から加わったであろうメンバー達も同じであって、彼らと同じ目線に立って見ればいいんだと納得することに。2人にどういう経緯があったかは知らないけれど、重く包むタブー感の中での質問やツッコミは、内情知らなくても笑えました。北川景子と松たか子の関係も感じ良くて好感持ちました。現実世界ではどれだけこの映画と同じようにできるかという疑問はこの際置いておいて、呼び出しくらった所長のキレちゃう訴えに感動してしまいました。こんないい上司、現実にはなかなかいないでしょうけど、でも大事な理想像だと思います。理想とは現実を導く指針なので、このシーンを描いてくれたのは本当に嬉しく思います。[DVD(邦画)] 8点(2016-05-07 17:49:49)

25.  エイプリルフールズ 《ネタバレ》 楽しめました! この手のコメディに詳細なリアリティを求めようとは思わないので、突っ込みどころもオーバーなところも、ほとんど気にする事なくノリよく話に乗っていけました。「女なら誰でもできる仕事」みたいなことを言う小娘に、その現実を見せる誘拐男の男気と哀愁もいいし、チャラくて卑怯な松坂桃李にも、弱い人の気持ちを応援したい気持ちがあったり、芋ケンピに支えられてた彼女の気持ちとか、ジンときちゃうところ結構あります。千葉真一には全く興味なかったけど、下手に台詞や演技させずに自然体でどっしりそこにいるだけですごい引き立つオーラに感心。子分のチンピラもいい味してました。ツボだったのは宇宙からの迎えを待つ中学生。その嘘をネットに投じた奴が誰かわかった時も拍手もんでした。いい具合にみんなリンクして、楽しかったです。高嶋政伸も今回のキャラはいい遊び感があって兄の方がやりそうなキャラをうまく演じてたと思います。中学生に訪れる最後の最後だけ、ちょっとついていけなかった。スカッと吹っ切れて明日の現実に爽やかに対峙しようとする彼の姿が見たかった。[DVD(邦画)] 8点(2016-04-06 02:08:29)

26.  劇場版「進撃の巨人」後編~自由の翼~ 《ネタバレ》 前編では「何故あのエピソードを省略するか〜!」という不満があったので、後編もその不満は覚悟の上で鑑賞したのですが、後編はけっこうそういう不満なく、おさえるべき見どころはシッカリ見せてくれた感じがしました。前編で「アニの格闘技について省いていいの?」と疑問に思っていた分は、TV版とは違って新たに製作された映像を後編で披露してくれました。ひとつだけほんのわずかな不満としては、森で女型の巨人に追われてエレンが「信じて」と迫られるシーンで、スプーンのエピソードを挟むという構成をなくしてしまっていたのが、ちょっぴり残念でした。けれど、アニメ13巻までのところをおよそ3分の1の尺にしてまとめなければならない条件の中で、後編はなかなかよくまとまっていると感じました。ウォール教の存在が希薄になっていますが、アニメ13巻の終わりに描かなかった部分をエンドクレジット中に描き、宗教組織の存在にインパクトを落として次作への期待をしっかりつなげてくれました。前編に比べると単なる総集編ではないプラスαを楽しめました。[DVD(邦画)] 8点(2016-04-05 02:35:36)

27.  アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事! 《ネタバレ》 子供のために借りた『マーシャル博士の恐竜ランド』で、ウィル・フェレルがテレビ放送中に子供っぽいケンカをして見せたのが可笑しくて爆笑したことを思い出し「彼のコメディなら観てみようかな」とレンタルしました。ドウェイン・ジョンソンが脇を固めることは特に興味もなかったのですが、サミュエルとドウェインというコンビが冒頭をド派手に飾るという、思ってもみない出だしも良かったです。この2人を大活躍のヒーロー警官として紹介した後に、その他大勢(アザー・ガイズ)の主役2人を登場させるという見せ方は、映画のテーマを印象的にしていました。そして、サミュエルとドウェインのこの作品の去り方が、僕にはツボで大爆笑でした。主役のウィル・フェレルはこの作品でも子供っぽいノリの笑いを披露してくれました。マーク・ウォルバーグは普通の人という感じですが、ボケ役のフェレルを引き立てるツッコミ役を違和感なく演じていました。上司役のマイケル・キートンも雰囲気良かったです。この作品のマイケル・キートンが僕は一番好きかも。コメディですが、一部の金持ちがどういうコネクションで(警察を支配して)思いのままに悪さを重ねるのか、その構造を描いてもいるし、エンドクレジット中に示される様々な金の動きの統計を示しているところなんて最高に印象的。真面目に正義を貫こうとするウォルバーグのラストのナレーションは「アザー・ガイズ」のタイトルを心地良く結んでくれて好感持てる映画でした。期待せずハードル下げて観た分、これはなかなかの拾い物でした。字幕と吹き替え両方試しましたが、フェレルの味わいは吹き替えの方が楽しめます。特典には短いスピンオフがいくつかあって、今話題のトランプ氏やパリス・ヒルトンが出てきます。異常な格差拡大の一端が隠れたテーマにある中で、この2人の金持ち族をうまく引っ張り込む手腕も、本編のキャスティングとその使い方もも結構贅沢な作品でした。[DVD(吹替)] 8点(2016-04-05 00:50:04)(良:1票)

28.  かぐや姫の物語 《ネタバレ》 「月に帰る」とは「自殺」の暗喩なのか? と、この作品を観てはじめて考えました。この世界にいたくない=この世を去る。あの世には思い出も持って行けないでしょうしね。日本最古の物語で、しかも日本最古のSFで、もし本当に自殺の物語だったら、その比喩表現の感性があの時代にあったというのは凄いことだなと思う。考えてみればオチは『コクーン』に近いのかも。[DVD(邦画)] 8点(2016-01-29 17:20:53)(良:1票)

29.  紙の月 《ネタバレ》 原作小説は読んでおらず、原田知世主演のテレビドラマ版は観てました。映画版は予告編を観た時から大島優子の演技にタダならぬ期待を感じて楽しみにしてました。やっぱり大島優子の演技イイです。そして作品の出来は十分な時間をとっているテレビドラマより数倍面白く出来上がっていて、その出来の違いは脚本について学んでみたくなる気分でした。主人公があの学生と付き合うに至る流れは不自然で、しかもテレビドラマ版に比べて学生の外見が見劣りするうえに子供っぽいので、そこはちょっと不満でしたが、映画を作ると言っていたテレビ版青年より浮ついた感じのない地味に真面目な青年になっていたのは好感持てました。三谷幸喜の嫁さんだった小林聡美は、役どころが好感持てない感じで正しいことをしてるけどキツイという雰囲気。とくに主人公と食事した時に「怒ればいいのに」と言われて返した反応に「ホントくそまじめでつまらない女」と思っちゃうんですが、その後、主人公がにっちもさっちも行かなくなったクライマックスの社内の部屋での宮沢りえとの対話にはグッと引き込まれました。これは小林さんをキャスティングしたのって凄くいい雰囲気出せたんじゃないかって思いました。こんなシーン、テレビドラマ版にはなかった。スゴくいいシーンです。小林に「あなたが行けるのはここまで」と言われた後の宮沢りえの行動は解放感に満ちてました。原作はどういう感じなのか分かりませんが、主人公は単なる犯罪者ではなく、バブル崩壊以前にリタイアした世代の中でもヤーな感じのオヤジが元で一線越えてしまった「善」の部分がある女性です。何もかも救いのないテレビ版より、この映画の締め方は非常に好きになれました。金を与えても、学生は学校を辞め年相応の女の子と付き合うようになり、国外で苦しむ貧しい子供も天災で多分死んでしまった…「結局他人に与えたところで無駄じゃん」みたいな虚しさに飲み込まれそうなところに、生き伸びて大人になり娘を持っている国外少年の姿を見つけて、自分が与えたことが決して無駄ではなかったと救われるあのシーンは清々しいです。ただ「盗み」って言えば明らかに悪ですけど「誰のどんな質の時間のための金を、どこのどんな人のために移動させたのか?」という見方をすれば主人公は女鼠小僧みたいなイイ奴とも言えますから。「横領とか悪いことすると必ず捕まるんだからね」みたいなテレビ版オチより、世の理不尽や不条理に反旗を揚げるようなこの映画の後味の方が好きです。[DVD(邦画)] 8点(2015-10-10 01:39:45)

30.  キングスマン 《ネタバレ》 カセットテープのどアップで始まり、流れる曲はよく聴いていたダイアー・ストレイツの「Money for Nothing」。あまりに懐かしい! これだけで僕はつかみにはまりました。あとはとにかくテンポよくのせられ楽しみました(DVDじゃそうはいかないだろうけど、だからこそ劇場で観た甲斐がありました)。この映画、絶対にポスターが失敗です! この映画の面白さを微塵も匂わせていない。「コリン・ファースが銃持ってアクション…面白いの?」としか思ってませんでした。これは昔々のアメリカン・リアル・イラストレーションで動きも派手なポスター作ったら良かったんじゃないかなーって思います。STAR WARS 一作目の主役ルーク・スカイウォーカーを演じたマーク・ハミルの登場もGood! この人スターウォーズ以外でほとんど観ませんから、この人選も「メチャクチャなつかしー!」なのです。さらさらヘアーの若きジェダイ騎士は髭生やして小太りのオジサンになってるー。映画ってストーリーだけじゃない、こういう楽しませ方があるのがイイです。サミュエル・Lジャクソンて人は僕はどちらかというと苦手で「あまりにもいろいろ出まくり、そのわりにどれもイマイチ光らず、どれも似た感じ」と思っていましたが、今回のキャラはわりと印象に残りました。コリン・ファースのアクション・シーンはカメラワークが面白かったです。「カメラマンどうやってるの?!」と思いながら観ました。きっとデジタルでいろいろ加工制御できちゃうから見せられる映像なんでしょうけどね。教会での大虐殺は「やり過ぎ」感ありますが、僕は『キック・アス』よりは痛々しく気味悪くなかったと思います。カルト宗教集団をコリン・ファースが全滅させちゃうのはうまい演出だなと思いました。大っぴらには絶対良くないことは分かり切っているので「これは悪玉のマイクロチップのせいなんです」という釈明がついているわけですが、この劇中のカルトのオバさんとか『ミスト』のカルトおばさん同様に狂った善を振りかざす迷惑者なので「そういう集団なのね」と思えば、スッキリする人はスッキリすると思いますよ。近頃は躾の悪い女も増えたので、女も容赦無く殺しちゃうのはいいかも。だって男女平等でしょ。[映画館(字幕)] 8点(2015-09-24 20:49:35)

31.  青天の霹靂 《ネタバレ》 川原で父と向き合い、カメラがグルーッとパンしていく…もう、あれだけで思い出すとラストのセリフに泣ける。あんなごくフツーの一言で泣かせるのは凄いなって思います。母に語る未来の話も良かったです。[DVD(邦画)] 8点(2015-03-29 00:20:04)

32.  プリズナーズ 《ネタバレ》 ギレンホール、『遠い空の向こうに』の好演以外はどちらかというと苦手だったんですが『ゾディアック』で硬派な渋みを見せたり、『プリンス・オブ・ペルシャ』で鍛えた肉体を披露しアクション・ヒーローを演じたり、幅広く頑張っているのを感じまして、今回の作品でのヒュー・ジャックマンとの共演に興味が向いた次第です。物語はもっとハードボイルドタッチでアクション寄りかと思っていたのですが、意外にも宗教と道徳を軸にしたストーリーで、中盤で神父さんの秘密が暴かれてから面白みが加速して行きました。正義に対する挑戦的なストーリー運びは『セブン』を思い出させるものがありました。「僕は本当はアレックスじゃない」「彼は来なかったんだ」という展開と、迷路描きの男と、アレックスの母とを結ぶ線がよくわからなかったのが残念。アレックスが乗ったRV車が木に激突するのは、事故というかおそらくは自らの意思でと思うし、犯人をかばっていた感じがする。「僕がいる時は怖がらなかった」って、あれも多分、彼としては優しさのつもりだったかも。「誰も悪者にしない」「他人の秘密をバラさない」という、一見良い行いに思えることが、誰かをひどく苦しめているし、悪を維持することに加担している場合があることを、上手く描いていると思いました。神父さんのやったこと、拷問をする主人公、正しいことをしようと頑張っているのに真相にたどり着けず役に立たない刑事、これらが話に深みを持たせていて、見応えありました。[DVD(字幕)] 8点(2015-03-08 01:15:36)

33.  東京難民 《ネタバレ》 経済学者トマ・ピケティに関する記事を読んだなかで、貧困を売り物(見せ物)にしてしまうメディアのことや、それに触れて「かわいそうだね、大変だね…さて…」と、何か異世界の奇異なものを見物して自分とは何の関係もないものとして日常に戻っていくという、寒くて効果のないジャーナリズムのことが、とっても引っかかっていました。そんな記憶がまだ新鮮なうちに、この映画に出会いました。自分自身、この映画を観たあとに、この日本社会に何ができるのかというと、全く分かりません。政治もメディアも正常に機能しているとは思えないので、無力感いっぱいです。だからこそ、ピケティが言うような民主主義の段階的なモデルチェンジとかも、ちゃんと考えてみたりしようかなって、そういう気持ちにはなりました。映画の感想ですが、中盤に来て「結局ホスト物語かよ」「結局男女のナンチャラカンチャラ物語かよ」と期待外れ感が漂いはじめてきたところで、そこからも転落し、ストーリー運びという意味で映画に安心しました。主人公の正義感凄すぎるなと思います。僕はあそこまで正しくあろうという生き方はできそうもないです。本当にあそこまで誠実で自己犠牲も厭わない人がいるもんでしょうか? そこだけはリアリティが感じられなかったのですが、それでも、仮にそんな誠実な人が世の中にいても、その人さえ這い上がれない生き地獄はリアルに感じられました。映画で井上順を見るのは三谷幸喜の『ラヂオの時間』以来ですが、ラヂオの時間の順ちゃんも好きだけど、今回の作品の中の井上順はとってもとっても良かったです! 泣けました。茜とのエピソードも含め思いますが、人間ていうのは絆を求める生き物だけど、落とし穴は絆に飢えはじめている人を狙い待ちしてるんだろうね。[DVD(邦画)] 8点(2015-02-28 09:42:28)

34.  世界にひとつのプレイブック 《ネタバレ》 手紙がニッキのものではなくティファニーが書いた物だと気付いた後に、なんで問いたださないのかと思いました。どう考えても、映画がこの二人をくっつけようとするのはミエミエなので、どういう狙いで攻めるのかと思ったら、イマイチな感じでした。しかし、どういうムードの映画かイマイチ分かってなくて構えがなかったからか、メチャクチャ笑わせてもらいました! 久々に笑える映画だったので、あと何回かは観ると思います。最後、ニッキに耳もとでずっと何言ってたのか、ちゃんとそのセリフを知りたいと思いました。[DVD(吹替)] 8点(2015-02-09 19:49:50)

35.  ジャッジ! 《ネタバレ》 ちくわのツマラナイCMを入賞させないとクビ、というフリだけ知っていて観ました。作品を見る前は「そのつまらないCMをどうやって入賞させるんだろう?」と思ってました。きっとその過程での妻夫木君の奮闘を描くんだと。。。しかし、映画を見始めたら「なんか、ちくわCMが入賞するのイヤだな~」と感じ始め、でもそうなると妻夫木君はクビだし…と少々戸惑い、まんまとハメラレマシタ。『ラヂオの時間』を思い出すような、制作現場の諸々の事情で迷走したきつねうどんのCMでつかみはバッチリ。そのCMも出品されているのが分かった時、だいたいこの物語の着地点は見えてきて、安心して見れるようになりました。妻夫木君が大好きなCMのセリフに対して「振り返ればって、目的地から離れるやん、途中で引き返すのかよ」とツッコミたくなるものの、そんなことどうでもよくなるくらい「そうだよね、多くの人を幸せにするために仕事はあるんだよね!」とハッとさせられるものがある映画でした。「現実はそんなに簡単じゃないよ」というのはあっても、それでもやっぱり「こうありたいよね!」というところを、きちんと描いてくれていて嬉しく泣けてしまいました。こういうことこそが作り話に求められる大事なスピリットだと思います。自分の仕事についても考えるきっかけになりました。北川景子さんの「人はみんな嘘つきで正直よ」そのあとに続く言葉を含めとても印象的なシーンでした。[DVD(邦画)] 8点(2014-10-04 21:25:48)

36.  あなたを抱きしめる日まで 《ネタバレ》 修道院の老婆に言ってやりたかった「あなたはどうやってこの世に生まれたのですか? あなたは自分の父と母をどう思っているのですか?」と。レストランでのジャーナリストとの対面では学のない女性として表現された主人公は、その後も三文小説の内容を長々とジャーナリストに聞かせたりする。ジャーナリストは学のない大衆を相手にした仕事が好きでない。そんな2人がそれぞれの目的のために行動を共にし、摩擦や葛藤がありながら徐々に物語が進展していく。主人公の学はなくとも人柄の温かさが光るレストランのシーンで、長く生き別れた息子の存在をジャーナリストがWeb検索で突きとめた場面はとても印象的でした。その直後に知る真実と、後から明らかになるもう一つの真実も、宗教的偏見によるヘイトクライムを象徴するものです。この映画の大きな背景にあるものは、きっとヘイトクライム。だから主人公は「許すことには大きな痛みを伴う」と言って憎むことをやめる。彼女は長く隠し事をして生きることの辛さと罪悪感を自らの体験で知っているし、自分の息子もまた同じような生き方をしていたことを知ったわけですが、そういう生き方をしなければならなかったのは、人々が自分を嫌ったり憎んだりすることを避けるためです。自分の人生を隠し事で生きづらくさせているものは世の人々のヘイトという感情だった。だから彼女は人を憎むのをやめる。これは、映画を観終わったあとに出てきた感想ですが、もしそればかりの描写で締めくくられたら僕はこの映画を好きになれなかったと思います。やっぱり、あの後ジャーナリストが「僕は許せない」と言ってくれるのが僕としては本当に救いでした。で、真実を明るみに出したくなかった主人公と、「これは個人的なことだ」と報道を自粛したジャーナリストは、隠し事をせず真実を人々に知らせることを願う主人公と「許せない」ジャーナリストとして同じ目的に向かえることとなるから巧い。「人を憎まず罪(行為)を憎め」みたいな言葉もありますが、憎んだり嫌ったりすることも多分大切。問題はその感情の使い方なんだろうと思います。そういうことを考えさせてくれました。 終盤で再び三文小説の筋を聞かせる主人公、もう彼女はちっとも学のないおばさんではないし、ジャーナリストも全く嫌がっていない。本当に学がないのはあの修道院の老婆のような人だから。[映画館(字幕)] 8点(2014-06-28 10:47:42)

37.  クラウド アトラス 《ネタバレ》 短く切り取られた断片を紡いでいくうちに、壮大な時空の点と点が次第に結びついて行く構成は、終わって久しい『LOST』を見るような、好奇心くすぐる面白さでした。僕はトム・ハンクスの底の浅い善人役な感じが苦手でしたが、この映画ではそんなふうに感じませんでしたし、卑しい役やワルな役も演じていて「気の抜けたフツー感」を感じずに済みました。ほとんど期待していなかったけれど、終盤は泣けました。顔メイクのバリバリ作り物な感じがなかったら、もっと作品世界に入り込めた気がします。そこだけちょっと残念でした。[DVD(吹替)] 8点(2013-11-01 23:07:28)

38.  エンド・オブ・ザ・ワールド(2012) 《ネタバレ》 地味ですが、なんというか妙にリアリティが感じられました。どこにも逃げようのない最後の時に、終末を描く映画によくある暴動やパニックが人間の主流であるか…おそらくはもっと静かにとても平常なのかもしれない。そういう「意外にそうかも」な雰囲気がとても良いです。「もう仕事行かない」な人もいっぱいいるでしょうが、おそらくは終末だからこそ自分の仕事の意義に目覚め直し、世の人々のために、あるいは自分の存在意義のために働き続ける人も、きっといるだろうな…という部分が極々普通に描かれています。飛行機、テレビ放送、警察…。クソまじめ警察が誰のためにもならない正義を行って人の大切な時間を奪ってしまう場面や、最後のテレビ放送のキャスターの言葉が印象的でした。浜辺のシーンはとても良かったなぁ! 地球が終わることを告げるラジオ放送で始まったあと、軽くブラックにクスリと笑えるノリでリードしながら、じわじわと人生の時間と質を考えさせてくれる映画でした。ラストも好きですし、バート・バカラックの曲もじ~ん。[DVD(吹替)] 8点(2013-09-12 22:27:18)(良:1票)

39.  塔の上のラプンツェル 《ネタバレ》 ポスター、パッケージのイメージで「キラキラ甘々な夢見る少女専用」という感じがして全く興味が湧かず一生見ることはないと思っていたのですが、ここでの評価が良いのでレンタルして見ました。見て良かったです! 中学生の息子は見ないだろうなぁと思っていたら楽しんで一緒に見てました。ポスターで見るラプンツェルにはさっぱり魅力を感じませんでしたが、アニメーションで見る彼女は美しく可愛らしく魅力的でしたし、ストーリーの語り始めは彼女ではなく男のキャラで、べっとり女の子向けみたいに思わせない上手な切り出し方だったと思います。男のキャラも甘々な少女用の反吐が出るような王子様キャラではなく、同性から見ても違和感や嫌味がなく程よいハンサムで好感持てるキャラでした。それに加えて警察犬のようなスゴイ馬がうまいこと引き込んでくれます。悪役の偽母は「はい、こいつが悪者です」と分かりやすく作られていますが、子供の自立過程でそれなりに心配する親が、子供を必要以上にコントロールしてしまうような良くない部分だとか「あなたのため」と恩着せがましい言い訳をしながら「実のところ親本人のエゴのためだけじゃねぇかよ!」というケースをシンボル化したキャラでもあります。締めくくりも「一緒に幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし」という感じのベタではあるけれども、語り出しと同じく男側の語りになってニヤリと笑える粋な工夫は良かったです。1点気になったのは、花を独り占めしていた偽母は褒められたもんじゃないけれど、勝手に持って行かれちゃ気分良くないのも分かるし、他人の子をさらって監禁するのはワルだけれども、あんな風に墜落させなくてもよかったかなぁと…オズの魔法使いの悪い魔女が消えてしまうみたいに、老化→風化→消滅くらいで済ませて欲しかった気がします。あの墜落が「やったぜ、いい気味!」というほどは憎めなかったので…[DVD(吹替)] 8点(2013-07-21 00:10:33)(良:1票)

40.  桐島、部活やめるってよ 《ネタバレ》 映画部のあれこれにはたくさん笑わせてもらいました。桐島は結局出てこず、全然接点のなかった前田と宏樹が最後に会話する部分に強烈なメッセージ。最後のチャプターだけ何度も見ちゃいました。「映画監督は…無理」という時の表情が何とも言えない。「ただの遊びじゃない」と言っていたけれど、映画への情熱はその程度のものだったのかと呆気に取られた。けど、自分のことを思い返してみてもそうだったよなと思う。僕が自分の夢を「無理」と思わなくなったのは、その仕事をしている憧れの人たちから作品を評され一緒に食事をして会話する機会が訪れてからだった。別世界に住んでいるように思っていた人たちが、自分と同じ世界に暮らしていて自分と会話することもあり得るのだという、とても身近なリアリティに変わったことで、その体験がジワジワと「もしかしたら、頑張れば手に届くのかもしれない」という思いを抱かせるようになった。それまでは、誰に褒められなくとも将来に繋がらなくとも、ただ好きだからやらずにはいられないという、それだけのことだった。前田もいつか「えっ、この俺が?!」とビックリする喜びを知る時がくるかもしれない、けれど、今はハナから「無理」と思っている。つまり未来なんて諦めてる(野球部の先輩やバレー部の小柄なヤツは…実のところどう思ってる? 宏樹がさげているバッグのロゴはShorai…)。だけど、それでものめり込む情熱があって「映画監督は無理」のあとに嬉しそうに語る姿が、宏樹の心を締めつける。頑張らなくてもいろいろできちゃうんだけど、情熱の置き所が見つけられない宏樹。カッコイイと褒められるけど、それだって自分の努力とは無縁のもの。努力して何かを手に入れる喜びを多分知らない、そういう意味でかわいそうな宏樹。他人からは羨ましがられるような「持てる者」なんだけど、本人は生きる充実が得られてないんだよね。その虚無感を人に話したってきっと誰もわかってくれず「贅沢」と言われるだろう孤独感。唸っちゃう映画でした。[DVD(邦画)] 8点(2013-06-08 21:29:45)(良:1票)

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