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プロフィール
コメント数 678
性別 男性
自己紹介 ソフト化されたタイミングでのレビューが中心です。2008年、子供の頃から夢だった自宅シアタールームがついに実現しました。(100~110インチ程度、音響2.1ch)できるだけネタバレせずに書いていますので文章がおかしい場合もあると思いますが、暖かい目で見守ってやってください。(2014初登録)

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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順123456789
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21.  プルートで朝食を 《ネタバレ》 「プルートで朝食を(Breakfast on Pluto)」この素敵な響きからもっと別の物語を予想していましたが、まさかの「キトゥン」の映画でした。しかしパトリック‘キトゥン’・ブレイデン(キリアン・マーフィ)の演技が上手すぎるので、ただのオカマ映画にならず彼女(彼)の自叙伝としてきちんと芸術作品に昇華しているのは流石でした。 章立てでかなり細切れな演出ですが、これのせいでちょっと集中力を削いでしまっていますが、キトゥンの半生を足早に説明するには仕方がなかったのかもしれません。オープニングの乳母車のシーンから映画に一気に引き込まれますが、その流れが理解できるのはほとんどラストになってからです。途中途中にも沢山の素敵なシーンはありますが特に終盤、ブランコに乗っている彼女(彼)にマジックミラー越しに両親の秘密が明かされるシーンは素晴らしい。本来なら告解を聞く側のリーアム神父(リーアム)がマジックミラー越しに息子に対して告解を行うシーンは素晴らしいとしかいいようがありません。 また、彼女(彼)のライフワークであった”母を探す”旅が終る時も感慨深い。彼女(彼)が保守的で女性的なオシャレをして母に会いに行くシーンには泣かされます。ラストは笑顔も涙もないのですが、母に自分の正体を明かさなかったのは良い選択で、何だか凄く清々しく綺麗にまとまっていたと思います。そう何度も見たい映画ではありませんが、映画好きなら一度は見ておいたほうが良い素敵で意味深い作品でした。[地上波(字幕)] 8点(2022-06-24 20:50:24)《改行有》

22.  マシニスト 《ネタバレ》 【ネタバレしているようなしていないような・・ なので一応ネタバレ有にしました】 ラスト5分になるまで全てが訳ワカメな作品ですが、シニカルかつ暗~い雰囲気はなかなか嫌いじゃない・・ いや、むしろ結構好きでした。全編を通してほとんど意味不明ですが「激やせ」「長いこと不眠症」「何かに追われていそう」そして、「ハングマンゲームのメモ」で、およそ察しがつく感じです。何となくイレイザーヘッドなどの方向性も感じますが、アレよりはずっと意味がありそうな話が続きますのできちんと映画の体を成しています。 ウェイトレス親子とのデート、遊園地の乗り物、ブルースが流れるバーの雰囲気、冷蔵庫の中身などなど、意味深でイミフなシーンの連続が妙に心地よい。この全編に渡って流れる意味深かつ意味不明な空気感の理由がラストで明かされる訳ですが、意外にもシンプルなオチで驚きます。この種のタイプの人間には一切共感できませんが、反面、何だか凄く理解はできるといった妙な感覚がありました。考えようによっては、こういう状況に陥っている人間の心理ってこんな感じなのかもしれません。そういった意味では非常に興味深く鑑賞することができました。 総合的に考えると大して面白い映画ではなかったと思いますが、でも何だか凄く印象深くて忘れることができない作品に仕上がっています。後で考えると確かに伏線は沢山散りばめられていて、ほとんどネタバレしているようなシーンも少なくないです。点数をつけるのが非常に難しい映画でしたが雰囲気が素晴らしかったので少々甘めです。 PS. 個人的には辛うじてギリ若い時代のJ・J・リーに出会えて嬉しかった。彼女が娼婦を辞めるといって甘えるシーンは妙に生々しくて素敵でした。(2004年の作品なので40歳くらいかな?)[インターネット(字幕)] 8点(2022-04-19 11:48:13)《改行有》

23.  プリズン・サバイブ この映画が日本未公開&ビデオスルー(ビデオスルー=公開もレンタルもされずにひっそりDVD発売のみされること)であるのは驚きです。 過剰にカメラが揺れること以外はおおむね文句のない仕上りで、コンパクトで完成度の高い脚本でした。おそらく画質の粗さとカメラの揺れはドキュメンタリータッチな作風を狙ったものと思われますが、その狙い通り非常にリアルな作品に仕上がっています。キャステングに関しても出演者全員文句のない配役で、副看守長のハロルド・ペリノーなど二面性が凄まじく非常にねちっこく描写されています。対するゴードン役のサム・シェパードはとても温和で柔らかい雰囲気を醸し出していて、緩急のつけ方が絶妙です。ジョン役のヴァル・キルマーの貫禄はすさまじく、AB(アーリアン・ブラザーフッド)の最高幹部と並んでも遜色ない風貌だったのもお見事でした。 感情を表現することに重きを置いたせいなのか(もしくは低予算ゆえなのか)、全体的にキャストのアップ映像が多くて若干情緒に欠ける作りになってしまっています。しかしその分主人公の心情に訴える感覚はすさまじく、徹底的に無駄をそぎ落とした脚本と相まってまさに弱肉強食の世界なんだということがまざまざと映し出されています。アメリカの刑務所は無法地帯、暴力に自信がない、人を見抜く力がない、このような人間は1日でも生き残れない本物の地獄であることが理解できる映画になっています。 しいて文句を書けばラストのカラクリが若干わかり難かった点と、主演二人が長い間一緒にいたという具体的な描写が無いせいで深い友情を育んだようには見えず、ラストの手紙の文面には若干の?マークが付きました。序盤の過剰防衛も割と雑な感じなのでそれらの点が少し残念だったといえます。しかしリアルな脚本&シンプルな構成がお好みな方には強くお勧めできる映画です。凄く良かったと思います![インターネット(字幕)] 8点(2020-03-24 10:40:22)《改行有》

24.  キングダム/見えざる敵 《ネタバレ》 なかなかの拾い物でした。いつまでたってもドイツ=悪者と同じ構図で中東=テロとして描き続けるのもどうかとは思いますが、歴史上それだけ大きな事件が何度か起きていますので仕方がないところでしょうか。(平和な市民には気の毒ですが) 結局動物は全て自分本位な生き物です。私は無神論者ですが、宗教というものは基本的に自分の心の中でのみ育て敬うものであるべきです。これをどんな形であっても他人に押し付けてはいけません。あくまで自身の心の支えとして宗教があるべきで、世界の人たちがこれを忠実に実践できればこの映画のような不幸で不毛な争いは起きないはずです。 全体的な緊張感や臨場感はなかなか凄かったです。特に序盤のテロシーンのリアル感は凄いです。ただ中盤のサスペンスパートが簡単に解決しすぎで、若干緊張感に欠けたシーンになってしまってます。【ネタバレ】終盤誰が死亡するか判らないギリギリの緊張感は素晴らしかったです。サウジの警官だけ死亡するのはご都合主義満載でしたが、しかしサウジが助かりアメリカが死亡してもそれはそれで偽善だとか色々叩かれそうで、難しい判断だったと思います。(エンタメ作品としては今作のラストでベターかとは思いますが、子供との握手は不愉快では?) 総じてこのテンポの良さと緊張感、誰が敵が見えない怖さはなかなかGOODです。メッセージ性があるようでない感じもライト層向きで、ラストの決めセリフも双方ともよくハマっていました。エンタメ&ちょっと社会派として見て損のない作品だと思います![インターネット(字幕)] 8点(2018-10-19 11:46:01)(良:1票) 《改行有》

25.  ザ・セル 《ネタバレ》 皆さんおっしゃるようにオープニングの砂漠の雰囲気は素晴らしい。プロットもキレイにまとまっていて特殊なストーリーの割には全体的に判りやすく仕上がっています。話の屋台骨はよくあるカルト殺人を追う話がメインになりますが、序盤、システム説明を行うために昏睡状態の子供を治療する先鋭的な治療法が語られます。これがちょっと無理が多くていまいちリアリティに欠けますが、この映画の肝になる部分なので致し方ないところです。この先鋭的なシステムを使って殺人鬼の心の中に侵入する訳ですが、侵入するためのストーリー展開は非常に自然でした。 心に入ってからは何ら違和感はなく、むしろ連続殺人鬼の病んだ心中の表現がとてもキモ&グロくてGoodです。やたらとキモイこの表現がドン引きにならずなかなかの芸術に昇華しているのは監督と美術のセンスか(それともパクリ全開のせいなのか・・) 個人的にはオッド・ネルドルムのドーンのシーンが素晴らしかったのですが、私はこの映画で初めてこの芸術作品を知りました。とにかく馬が輪切りになったり階段がアチコチにあったり、逆さ向きに転落したりと・・ 印象深い映像が多くて驚くばかりでした。(ただ、後半はちょっと小林幸子風味で失笑を誘うシーンもあったりします) 公開当時話題になった、美し過ぎる主人公キャサリン・ディーン(ジェニファー・ロペス)ですが、確かに非常に美しい女優ですが個人的にはあまり好きなタイプではありませんでした。また、序盤にある死体を漂白するシーンの後、自分を吊るして○○するシーンはあまりにもおぞましく非常に強烈でした。 巨大な水槽が拳銃で割れるとか、なんでFBI捜査官(ヴィンス・ヴォーン)まで心の中に入ってくるんだ?とか色々突っ込みどころも多い映画ですが、この映画はビジュアルで見せる作品なのでそういう部分は華麗にスルーしたいです。何度も見たいとは思いませんが、強く心に印象付けられる映像美だったと思います。(衣装担当の石岡瑛子さんは素晴らしい仕事をしたと思います!)[インターネット(字幕)] 8点(2018-02-17 10:40:59)《改行有》

26.  アメリ 15年ぶりに再鑑賞。こんなに面白かったっけ?そんな驚きがありました。言葉の響きと美しい風景、ポップな色合いなどなど、フランス映画特有の良さが最高に表現できていると感じました。表面上はオシャレでポップなガールズムービーを装っていますが、男子が見ても十分共感できる仕上がりになっています。(いわゆるこじらせ人間でしたら性別に関係なく共感できると思います) おフランスらしく下ネタは結構ストレートですが、それでも全体のトーンは非常に落ち着いていて上品で小綺麗。画面の細部まで細かく演出されていて、置いてある小物から全体の色調、アメリの目の表情から指のしぐさまでどこをどう切り取っても抜かりがありません。編集も過不足がなく、ほぼ完璧といえる編集でしょう。15年経った今見ても映像の見せ方やカメラワークもCoolで素晴らしいです。「デリカテッセン」、「エイリアン4」を撮った監督の作品とは思えない綺麗で軽快な作品です。いや、全く色褪せない名作と呼べるレベルの仕上がりでしょう。 昔はあまり共感できなかったのに今は共感できるのは、自分自身が成長して己をよく理解できるようになったためか。人間の根本にある「笑い」と「自意識からの脱却」がよく表現されています。個人的には文句なしの名作です![インターネット(字幕)] 8点(2017-12-13 10:53:46)《改行有》

27.  ソウ 「ゲームオーバー」なにこのエンディング!超ビックリ!全体的に痛さを連想させる演出も多く何から何まで素晴らしいと感じました。とにかく第一印象としては完成度が高くてすごく入れ込んでしまった映画です。 でも不思議なことに、後から疑問点も結構沸いてきて、あれ?あそこおかしくない?あれ?あそこも変じゃない?冷静に考えると全体的に結構無理が多いような気もしました。 結局ソフト購入には至りませんでしたが、7作目まで続編が作られたことを考えると大成功の映画でしたね。個人的には1作目で終わって欲しかったような気はします。「完全読本」のようなサイトを読んで理解が深まりましたので、他の方のように7作目まで一気にマラソン鑑賞してみようと企画中です(心が病まないか心配ですが・・)[ビデオ(字幕)] 8点(2015-01-08 17:51:30)(笑:1票) 《改行有》

28.  月に囚われた男 プロット・展開・表現(見せ方)・監督の価値観、どれも素晴らしいものでしたが、、なんだか地味。派手なだけのバカ映画が氾濫する昨今、本作のような大人向け映画は非常に貴重で、確かにホンモノの香りがする作品なのは事実ですがやはり多少の派手さも必要なんだなと改めて感じました。馬鹿っぽさとは違う、何かこう、ワクワクさせる派手なシーンが一つでも差し込まれていたらもっと高得点だったかもしれません。 ストーリー自体はかなりよく練られていて、目立った破綻はありません。”設定がザル”という意見も見られますが、確かにルナ産業的には完全犯罪を行うならもっと月を完全隔離するくらいの勢いで周到に周りを固めるべきでしたが、まあ周到に固めたとしてもほころびは出るもんです。 ガーディ役のケヴィン・スペイシーが作品の出来を見てから後半合流だったそうですが、声がアフレコで単独録りだったのかが気になりました。アフレコ&単独録りでこの雰囲気を醸し出していたとすれば、作品をかなり深く理解している証拠です。地味に凄い。また、特典映像で確認できますが、サム・ベル役のサム・ロックウェルの演技も何気に凄い。仕組みとしては一人二役を別撮りで合成している訳ですが、演技から合成した感じが全く感じ取れない。監督が凄いのか、撮影技術者が凄いのか、サムが凄いのかよく判らないくらいに凄いですが、おそらくサムがかなりシビアにタイミングを合わせながら演技したものと思われます。とにかく違和感が全くなくて自然なのは賞賛に値します。 救いのないストーリー展開と結末が許容できれば名作認定できると思いますが、、なかなか人には勧めにくい映画でもあります。二度目の鑑賞でより深く理解できましたので少し点数をアップすることにしました。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2015-01-02 13:45:52)(良:1票) 《改行有》

29.  エイリアン3/完全版 《ネタバレ》 エイリアンシリーズは4作で一つの作品として考えたいです。バックトゥザフューチャーやゴッドファーザーと同レベルの映画なのは間違いない!でしょ?(笑) また他の方からも指摘があるように続きモノ作品は連続で見たほうが正しく評価できると思います。結果論ですがエイリアン2の続編として考えた場合、劇場版は最低でした。あれはあまりよくない。1-4まで完全版で通して鑑賞した場合はパート3もかなりの完成度です。 パート3はパート2のようなエンタメに走らず、またパート1ともタッチが違う哲学的(宗教的?)&重厚感あるSFに仕上がっています。観客はもう十分にエイリアンの怖さを知っていますので、なかなか姿を表さない演出も正解だと思いました。そのおかげで荒涼とした無名の星での置いてけぼり感&たった一匹の最強生物と対峙することになるであろう終盤に向けての絶望感が素晴らしいです。今作は囚人の人数が多いのでワケワカメですが、パート1とは違う鬼ごっこになっているのも素晴らしいです。ラストのメッセージ性も含めて、なかなか奥深い仕上りになっています。フィンチャー監督は嫌いですが、意外とイイ映画に仕上がっていますよ完全版は。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-09-06 18:08:49)《改行有》

30.  光の旅人 K-PAX ケビンスペイシー&ジェフ・ブリッジスのダブル主演なのにこの安っぽさには驚かされます。(悪い意味で安っぽいB級映画風に見えてしまっていて非常に勿体ない) 中盤、若干の間延び感があるので余計にかったるいのかもしれませんが、まあ、哲学的な雰囲気の作品なので致し方ない部分なのかもしれません。 個人的にはこの映画にかなりハマってしまったので原作本まで取り寄せましたが、原作本と映画版は結構雰囲気が違っていて驚きます。原作と比較すると映画はより宇宙人に寄せて描かれています。映画ではどちらかというとプロート目線で、地球人(+パウエル医師=ジェフ・ブリッジス)の救済といったファンタジックな流れの優しい雰囲気に仕上がっていますが、小説版ではもっとパウエル医師の目線で、どちらかというと現実路線で精神病と向き合いつつも説明がつかない謎をどうやって理論的に説明するか?といったような、小難しい流れがメインとなります。 色々書くとネタバレになるので書きませんが、この映画には素敵な教訓が沢山散りばめられています。外から見た地球人という観点から、観客自身が自分たちの置かれている状況を客観的に考えることができるようになっています。光の速度で旅して行って帰ってくるという小芝居はあまりに適当過ぎて笑えますが、「結婚という概念があるのは地球だけだ、宇宙では誰もそのような非合理的なことは行わない」など、妙に説得力がある話も多くて興味深い。 青い鳥の一件と合せて故郷(K-PAX)へ帰ると言い始めてから俄然面白くなります。ラストへ向かう緊迫感とスピード感は大変素晴らしく、オチもかなり納得できるものでした。重要だったはずのプロートが何者であったのか?という疑問が小さなことのように感じられる素敵なラストは今も心に残ります。個人的には非常に高評価だったので一生懸命人にお勧めする作品ですが、一般的には知名度が低くて非常に残念な作品だったりもします。[DVD(字幕)] 8点(2014-09-04 16:51:29)(良:1票) 《改行有》

31.  1408号室 《ネタバレ》 大嵐のオープニングや閑散としたサイン会の雰囲気など、さびれた雰囲気で語る作風はなかなかです。そして、うさん臭さ全開の支配人(サミュエル・L・ジャクソン)とのやり取りや56人が自然死したという部屋の説明なども面白く、1408号室に到着する頃には観客側の緊張感は最高潮に達しています。 結果的にほとんどのシーンがエンズリン(ジョン・キューザック)の一人芝居だったにも関わらず、静と動のバランスに優れているためストーリーの完成度は高めです。エンズリンが独り言をいってる側から急にカーペンターズが流れたり、窓に指が挟まる演出もお決まりとはいえ非常に面白い。また、飽きさせないギリギリのラインで思い出したかのように幸せだった当時の家族団らんシーンが差し込まれたりしますが、娘ケイティ(ジャスミン・ジェシカ・アンソニー)の人選も素晴らしく、多くを語らずとも病気で亡くなってしまったことが暗に理解できるようになっています。 これら序盤の素晴らしい流れに反して物語が動き出す中盤以降がどうにも退屈します。部屋の温度が上がる件や窓の外を歩くシーンなどは面白いものの、妙に間延び感を感じてしまいます。観客の気持ちとは裏腹に部屋の現象自体はどんどんエスカレートし、水が溢れたり壁が壊れたり、氷点下のシーンなどはもうほとんどドリフのコント状態、さすがにちょっとやり過ぎではないかと感じてしまうほどです。 後のストーリー展開に不安を覚えるほどカオスに陥るものの、基本的にこの1408号室という部屋は本人の感情を揺さぶることしかやっておらず、高齢の父、娘の喪失、妻との不和など上手に攻撃します。ぶっちゃけ、家族や子供を使って精神的に追い詰めるやり方はかなりの反則技だとは思いますが、実際これが一番効くんですよね。(首吊りロープや墓穴も素晴らしい) 現実的な決着を見せるラストはなんともアメリカ的ですが、支配人から貰った酒の伏線も上手く消費しますし、あれはあれで正解だったと思います。さらにラストカットで子供の声を出してくれたことも含め、幻想的なストーリーからよくリアル路線に戻してくれたもんだと関心しました。個人的にはあのテープレコーダーのおかげで作品の質がワンランク上がったと感じます。他人にはあまり勧めませんが個人的には非常に好きな作品。ちょっと甘めの8ドクロで。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-05-03 12:35:40)《改行有》

32.  ビーンストーク ジャックと豆の木 この手の海外ドラマが大好きです。特に当作品とアラビアンナイト(1999)は異例の完成度ではないかと思います。ぶっちゃけ、そこいらの有名な映画よりずっと面白いです。 ジャックと豆の木といえば、通説では豆の木を上って天界の悪の巨人を成敗、金の卵を産むガチョウとハープを持ち帰ったヒーローとしてジャックが描かれています。でもよく考えたらこれは一方的な言い分で少々都合が良すぎます。このドラマでは天界の超人格者である巨人を殺害し、金の卵を産むガチョウまでをも奪って逃走してきた極悪人ジャックという設定になっています。確かにこのほうが無理がありません。ストーリーもラストまで破綻なく、大人の心に響く素晴らしい結末に仕上がっています。騙されたと思って是非一度お試しください!お勧めですよこれ。[地上波(吹替)] 8点(2014-04-30 17:51:18)《改行有》

33.  ヴィレッジ(2004) 《ネタバレ》 監督お得意の二段落としもあまりインパクトがありませんでした。やはりシックセンスには敵いません。でも演技派アクターが多く出演していましたので素晴らしい映画でした。 そもそも森の怪物の話は最初からおかしいし、第一世代の違和感も含めて全体的にかなり胡散臭い脚本になっています。これの意図するところはやはり第二世代と第一世代の違和感の大きさを強調したいがためではないかと感じます。 ホアキンなど新旧大御所もかなり出演していますので、心の動きなどはバッチリ表現されています。第二世代が感じる「無理な感じ」がこの映画を文学的で素晴らしいものにしていると思います。難点を挙げるとすればアイビーだけ演技指導が甘いです。彼女だけ40点にしたいところですが、壁の外の青年とのピュアなやりとりが素晴らしかったのでOKとしときます。。 ラストは5分延長して、アイビーとルシアスが結婚してくれたら映画が締まったような気もします。彼らだけでもハッピーエンドになれば、、とりあえず第一世代も苦労した甲斐があったというものでしょうし。 人には勧めないけど好きな映画、自分だけの映画です。[DVD(字幕)] 8点(2014-04-12 13:05:57)《改行有》

34.  007/カジノ・ロワイヤル(2006) 《ネタバレ》 ダニエル・クレイグ版の第一弾。白黒のオープニングは最高でしたがOP曲は微妙。個人的にはガンバレルから曲のトーンまではいつものものを踏襲していただきたかったところ。Wikiによるとアメリカでも本作OP曲はあまり人気が無かった様子でサントラ版にも収録されていないとのこと。 序盤からアクション満載で全速力ですが今までのボンドよりリアル路線でかなり真面目な流れ。新生ボンドは今までとは違う!というのを強調したかったのかもしれませんが、観客が見てるのはボンド映画だという矛盾。(派手なアクション映画は他にも沢山ありますし) ただ、ミサイルが出ないリアルなアストンマーティンは最高にクール(でも派手に横転しちゃって即刻退場)。ボンドガールのエヴァ・グリーンも大健闘していますが、当時26歳にしてはちょっと老け顔(でも後半はなかなか可愛いらしい一面も)。新しいカクテルを注文してみたり、やっぱりマティーニを注文してみたり(でもシェークはどっちでもイイなんて適当具合)、Qやマネーペニーが出てこないなど不満点も少なくないですが歴代の小ネタも多く出てきます。あと途中途中で挟まれる場面転換のシーンが歴代ボンドのシーンを踏襲したような雰囲気が多く、この点もよく考えて入れてあるんだろうなと感じました。 全体的な流れは結構良いものの、脚本はちょっと複雑で尻切れトンボ気味。私だけじゃないと思いますが、現シーンの結末が理解できていないまま場面転換、観客置いてけぼり状態のままで次のシーンに進んでしまう強引な流れが多かったように感じました。登場人物も多めなので誰が誰を裏切ったのかいまいちピンとこない部分もありますが、最後に全体的な流れを見たらまあ辻褄が合う状態にはなっています。 ラストカットでようやく出る定番のセリフ「Bond、James Bond.」は最高にカッコよく、歴代最高のシーンの一つに挙げられると思われます。個人的にはクレイグ版ボンドで唯一好きな回です。[地上波(字幕)] 7点(2023-10-02 10:29:35)《改行有》

35.  アメリカン・ギャングスター 《ネタバレ》 多分10何年振りの再鑑賞。以前見た時はパッとしない作品だなと思っていましたが、落ち着いて見返してみるとまあ悪くない。決して良作とは言い難いですが、個人的にはアンタッチャブルよりは面白かったです。 そもそもフランク・ルーカス(デンゼル・ワシントン)の苦悩が描かれていないのでいきなり跡目を継いで大物風情になったようにしか感じられないのが違和感でした。バンピーことクラレンス・ウィリアムズ3世の雰囲気が良かっただけに、彼との前日談が見られなかったのは残念です。ただし、フランク・ルーカスの価値観や考え方は非常に魅力的で、人としても一目置くに足る人物だったと思います。この人物は悪ではなく良いことに情熱を注げばきっと大成したことでしょうね。 アカデミー助演女優賞にノミネートされたルビー・ディー(ママルーカス)は流石の演技力で可愛くてか弱く、そして芯が強い素敵な母親を演じていましたが、反面ラッセル・クロウはイマイチでした。イイ人臭は漂っていますが無理にガサツな人物を演じているようで少し役柄に合っていない印象でした。ただ代役を挙げろと言われてもなかなか思いつきませんので難しいところではありますが。あと何気にトルーポ刑事(ジョシュ・ブローリン)が魅力的で、こちらもちょっと勿体ないキャスティングだったなと感じました。彼にはもっと悪として引っ掻き回していただきたかったところですが、淡泊で綺麗に収束させてあります。イタリアンマフィアとの一件もサラっとなぞっただけだし、全体的に3時間でも時間が足りていない印象でした。 実話ベースなので仕方ないと思いますが、終盤の流れがこの映画を地味にしてしまったような気がします。終盤はガッツリ創作でドラマチックに仕上げていただきたかったところです。でもまあ全体的には悪くない、良い作品でした。[地上波(字幕)] 7点(2023-09-18 13:50:19)《改行有》

36.  ジュラシック・パークIII 《ネタバレ》 二作目の惨劇で懲りたのか、スピルバーグは原作&総指揮に下がっています。しかしこの新監督ジョー・ジョンストンがなかなかウマくて、一作目のグラント博士(サム・ニール)とエリー(ローラ・ダーン)がまさか結婚して幸せな生活を送っている。。と、見せかけて実はという流れは一作目のファンも納得の導入部でした。出演陣も大分減らしてスッキリさせていますが、ポール(ウィリアム・H・メイシー)とアマンダ(ティア・レオーニ)の夫婦も一癖ありそうで、序盤から一気に映画に引き込まれます。 脚本も今までとは一気に決別し、まさかの子供探しのために三度この島にやってくるという設定です。出てくる恐竜は見慣れない「スピノサウルス」というものですが、これがなかなか強くて恐ろしいのが最初からよく表現されています。また、飛ぶ恐竜の定番「プテラノドン」が本作では大活躍で、鳥かご設定と合わせてこれがなかなか面白かったです。エリック(息子)とビリー(アレッサンドロ・ニヴォラ)の空中戦はなかなかの見せ場になっています。 アマンダは素敵な女優さんですが、ちょっと喧しくて鬱陶しい感じ。またその旦那の設定が小さなタイル塗装屋というショボさでなかなか笑わせてくれますが、終盤には冴えないポールとグラント博士が大活躍します。個人的にはラプトルの卵ネタと発声器官ネタはなかなかスムーズに伏線回収出来ていて素敵でしたが、その反面、子供と一緒にパラセーリングしていた男性がなぜ死んだのかには一切言及されておらず、ちょっと違和感を感じたりもしました。 世の低評価の割には案外綺麗にまとまっていてスッキリした脚本は判りやすくて好印象でした。ちょっとオマケしておきます。[インターネット(字幕)] 7点(2022-09-01 16:17:05)《改行有》

37.  3時10分、決断のとき 《ネタバレ》 オリジナル版は未見。地味そうなので見るのをためらっていましたがついに鑑賞。結果的には想像していたよりもかなり楽しめました!ただし難点もチラホラ見られるので、皆さんがおっしゃるように惜しいなといった印象も強く残ってしまう残念な映画でした。 まず、ダン・エヴァンス(クリスチャン・ベール)が男前なのでダメ人間に見えない。そしてベン・ウェイド(ラッセル・クロウ)はやっぱりイイ人に見える。いや、実際にはリアルでは性格にかなり難アリの問題児だそうですが、見た目から意外とインテリジェンスが感じられて悪そうに見えないのがちょっと残念でした。反面、チャリー・プリンス(ベン・フォスター)が一見するとチャーミングな愛されキャラに見えて、油断していると実は極悪非道という二面性をウマく表していて素敵でした。 キャラの見栄えの問題もさることながら一番は脚本の詰めの甘さです。ピーター・フォンダ扮する賞金稼ぎ(探偵)に関しては「俺を生かしておいたら後悔するぞ」と言っておきながらあさっり無駄死にします。また、女性陣がやたら美しい割りにただのお飾りにしかなっておらず意味深なセリフのみで非常に勿体なかった。そして最も残念だったのが皆さん同様にラストです。アレではせっかく今まで貫いてきた知性のウェイドもただ気分屋の変態に成り下がってしまいました。彼の気持ちは理解できますが、それでもわざわざ助けにきてくれた部下をああもアッサリ・・ これは無理があり過ぎました。そもそもホテルの部屋から「お前らは一切手を出すな、ボスの俺に任せておけ!」で済んだ話ですよっと。 全体的に見渡してみると、息子ウィリアム(ローガン・ラーマン)とダンとの物語は非常に良かった。文句のつけようがなかった。そしてウェイドの佇まいと迫力、絵と聖書の伏線も素敵だった。しかしラストがねぇ・・ 以下略。[インターネット(字幕)] 7点(2022-08-29 11:50:07)《改行有》

38.  ムカデ人間 ついに視聴できました。博士が施術を説明するだけでおぞましさが100%伝わるのは素晴らしいです。スリラー的な要素も含め、B級を通り越して結構良い映画に仕上がっていますが、一言でいってしまうと「変態の極致」といった印象しか残らないのは題材があまりにも突飛なせいだと思われます。 この映画、日本人にとっては結構大きなマイナス点があり、先頭が日本人やくざになっているので、どうでもイイ罵倒&ダミ声が常に耳に入ってきて物語に集中できません。女性を真ん中にしたい意図からすると仕方がないのかもしれませんが、アレはちょっと喧しいだけでいただけませんでした。 反面、ハイター博士はなかなかの役者で、インテリっぽくも脳内がクラッシュした雰囲気が上手く表現できています。庭での調教シーンとかおぞまし過ぎる。ただ、警察が訪ねてきた後のグダグダ感は残念でしたが、尺の関係から致し方ないのかもしれません。(警察無能すぎるだろってツッコミは無しで) よく考えたら鉄腕アトムのお茶の水博士もハイター博士とそんなに違っていないのかもしれません。犯罪者側が天才的な医者なだけに、やろうと思えばやれちゃう感は怖いです。もし自分が捕らえられていて、あの説明を受けている側だと想像したら・・[インターネット(字幕)] 7点(2021-12-14 17:40:34)《改行有》

39.  エディット・ピアフ~愛の讃歌~ 《ネタバレ》 頻繁に過去と現在を入れ替える編集(手法)にはあざとさと判りにくさを感じますが、終盤のマルセルの一件でこの仕組みがとてもドラマチックに機能します。判りにくさは複数回鑑賞すれば理解が深まるものと思います。まあ・・ 編集の部分を抜きにすればなかなか重厚で素晴らしい自伝映画でした。皆さん同様、やはりマリオンの眉毛と女優魂が素晴らしすぎます。まるで本人が乗り移ったかのような熱演で、これだけでも見る価値がある映画だと思います。 何から何まで間違った価値観を身にまとったピアフですが、それは育ちに原因があったのでしょうね。歌声は何物にも代え難い美しさがありますが、おそらく過酷過ぎる人生と引き換えに得たものなのでしょう(もちろん元からの才能もあったでしょうが)。特にマルセルと知り合ってからは歌声にも磨きがかかり絶頂期を迎えますが、この幸せも不倫という元々間違ったものの上に成り立つものです。とにかく何から何まで間違っていたピアフで、マルセルを失ってから人生が清算されるかのごとくガタガタと崩れ落ちてゆく様は悲劇を通り越して哀れです。 実は二人のマルセルを失っていたことが明かされるラストはドラマチックすぎます。彼女が耐えがたいほどの不幸を背負っていることを理解した上で聴く「水に流して」は深すぎるラストです。ちょっと暗めの映画ではありますがなかなか奥深くて素敵な作品です。(あまりに暗いので-1点)[インターネット(字幕)] 7点(2019-09-19 13:52:04)《改行有》

40.  アンジェラ(2005) 《ネタバレ》 芸術性とエンタメ性のバランスがよく非常に洗練された映画でした。画面に映るパリの風景がとても美しく、特にカメラワークとアングルが素晴らしい。二人が橋の上を歩く引きのシーンなどモノクロームならではの美しさが堪能できます。 ストーリー的にも切ない気持ちが刺激される素敵な恋愛映画で、「どうしよう? 神様、どうしよう?」と悩むアンジェラに対して「神様なんかほっておけ」といって二人でほほ笑んでキスするシーンなど泣けてくるほどの名シーンです。(普通ならベタですがこの映画だと意味深) ダメ男に関してかなり厳しい意見が見られますが、彼はアンジェラのおかげで本当の愛を知り、自分の内にある優しさと男らしさを理解します。アンジェラのほうも決して完璧な天使なんかではなく、ルールを破ったり苦悩したりする人間らしい一面を持った不完全で愛すべき天使です。最後にはダメ男は自分の本当の気持ちをアンジェラに伝え、そして一緒に歩む選択をした時点でもう十分に男として成長したといえるでしょう。 マンセーしていますが、少し無駄なシーンも散見されます。特にラストが本当に残念。アンジェラも常々苦悩していたわけですから、互いに男女の泥沼を演じたのは全く問題ありませんが、しかしながら天に召される=羽はあまりにも安易。できればオープニング同様橋から飛び降りて天に召されたほうがドラマチックでした。タバコの超能力も蛇足で、できれば彼女の正体をできる限り曖昧にしたほうが奥深い余韻が残るでしょうから残念でした。(個人的には序盤のエロイ流れも一切不要だったと思っています) ラストカットだけでもカラーになったほうが彼女の美しさも確認できたし色んな意味で素敵だったと思います。(特典も全てモノクロームなので監督はカラーで見せる気はないようですが)とても素敵な映画でした![ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-09-07 16:07:49)《改行有》

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