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【製作年 : 1950年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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21.  北北西に進路を取れ 《ネタバレ》 ~North by Northwest~…北北西じゃないんだよ。北の大都市ニューヨークからイリノイ州、サウスダコタ州と、どんどん北西へ移動しているので、『北部から北西部に向かって移動しますよ。』的な?ノースウエスト航空がスポンサーだから説は面白い。 オープニングの緑バックと白線がビルに変わる画。国連ビルから逃げるロジャーをビルの上から撮る画。だだっ広い農道で帽子の男と向かい合うロジャー。印象的なカットが結構ある。 ちょっとしか出てこないロジャーのお母さん。50ドルのお小遣いでホテルの鍵を取りに行くとことか、殺し屋相手にエレベーター中を笑いに包むなんて素敵だ。再び殺し屋が来た時、お母さんが使った“笑いを起こして目立てば逃げられる”を、オークション会場で実践するのも親子らしくて良い。このお母さんの活躍をもっと見たかった。 旅のさなかに出会う美女ケンドールの大人の落ち着き。特にマッチの火に手を添えるところがセクシー。 最後の舞台がラシュモア山、観光地ものの2時間サスペンスっぽい。今回久しぶりに見て、こんなにラシュモア山のシーン長かったっけ?って思った。 この映画で観光地としての魅力は出し切った感があるせいか、ラシュモア山が舞台の映画はしばらく無かったと思う。 落ちそうなケンドールの手を掴むロジャーの唸り声が、急に優しい声と笑顔に変わるエンディングが印象深くて好き。[地上波(吹替)] 7点(2021-06-24 23:13:20)(良:1票) 《改行有》

22.  ベン・ハー(1959) 《ネタバレ》 高校の頃、牧師さんと映画の話をすることがあって、『ベン・ハーの監督はキリストに否定的で、キリスト批判な中身だったけど、制作しているうちに“私はなんて罰当たりな事を”と改心し、今の映画になったそうだよ』と。原作アリだしどうかな?とは思ったけど、ワイラー監督はユダヤ教の家庭に生まれてるし、案外本当だったりするのかもしれない。 今回初鑑賞。てっきりグラディエーター的な映画かと思っていたけど、これほど宗教色の強い映画だったとは。 ハッキリと顔を見せず、佇まいで表現されたイエスがとても神々しい。ユダに水を飲ませたあと、ローマ兵の前にスッと立つ後ろ姿。物語後半、群衆の中で丘の上に立つ姿。あんな遠景なのにどれがイエスかハッキリ解る撮り方。神の子の表現としてこれ以上無いくらいの表現方法に思う。 奴隷となり神の子キリストから水をもらうユダ。ローマ司令官アリウスから水をもらい養子になるユダ。磔にされるキリストに水を与えるユダ。キリストの血が雨とともに流れ、母と妹の病を治す。他にあったかな、誰かに水を与えることが物語の転機になってるみたいだ。 衣装とセットの豪華さ。当時の大作ってお金の掛かり具合が凄い。 海戦。特撮も陳腐にならない上手いバランスで撮れていたし、ガレー船の漕手の悲惨さも伝わる。 戦車戦。4頭の白馬と4頭の黒馬が並んで走る姿は映画とは思えない迫力…変な書き方だけど、スタントの安全性はもちろん、32本の馬の脚がどこかで絡んでしまわないか、心配になる。こんなナマの映像は今後絶対撮れないと思う。 あと最初のMGMのライオンが動かないの。初めて観た気がする。[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-06-20 13:56:09)(良:1票) 《改行有》

23.  バンド・ワゴン(1953) 《ネタバレ》 ~The Band Wagon~『時流(に乗れ)』って名前の劇中の舞台劇。 この一年くらい、過去にあまり見てこなかったミュージカル映画を観るようになったけど、この映画を見てアステアのダンスの凄さが伝わった気になった。 靴磨きのダンスがいきなり凄い。前半は磨き台の上だからほぼ足の動きだけで踊って見せる。その動きの多彩さ・華麗さに驚いた。 アステアの身体の使い方を観ると、特に足もと、大きな動きの前に小さな予備動作?が入ってるんだけど、一連の動作に無駄がなくて美しい。相当体幹が優れてないと出来ない動き。 それを涼しい顔してやってのける。細かく大胆に動く下半身に対し、上半身は優雅で滑らか。公園でガブリエルとのダンスの美しいこと…こんな書き方しか出来ないけど、とにかくスゴイなって思えた。 当時のゲームセンターって手作り感が面白い。あの“?”の箱にあんな仕掛けがあったなんて。 公園で社交ダンス(無料参加イベント?)してるのも、当時はそういう文化があったのかな? コードバのキャラが魅力的。なんかスポンサー相手に、熱心にファウストを説明するコードバに声を出して笑ってしまった。良いキャラだなぁ。 最悪の初対面をしたトニーとガブリエルがだんだん仲良くなって、吸えないタバコを勧められてぷかぷか吹かすガブリエル可愛い。 大失敗の公演初日のあと、無人のパーティ会場と、若い団員の打ち上げの対比。そこからの方向転換、仕切り直しで盛り上げるトニーと、舵取りをトニーに譲るコードバの柔軟さが良い。最後のプログラムをめくる毎にミュージカルナンバーを流す演出も良かった。[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-06-07 15:32:44)(良:1票) 《改行有》

24.  追想(1956) 《ネタバレ》 ~Anastasia~ロマノフ王朝最後の大公女の名前。 それを『追想=過去を思い出すこと』なんて邦題にしてしまったのは勿体無い。アナスタシア。神秘的で格調高いタイトルだったのに… 「赤毛だったら良かったのにな」「なかなか上手いじゃないか」大金目当てに下地がそれっぽい偽物を探し、本物に仕立て上げる。 作る側も最初からアンナを偽物として見ている。頭の良いアンナは教えた以上の知識を披露したりする。 人にタバコを注意しておいて、裏ではタバコをプカプカ。ポール公とシャンパンを泥酔するまで飲むなんて、いかにも偽物臭い。 マリア皇太后の存在感、迫力と気品がよく描かれている。見る側もアンナは偽物として観ているため、面会の緊張感が凄まじい。 「一族の名を気安く口にしないで、偽物!」たくさん偽物を見せられてきた皇太后の、うんざりした気持ちが良く出ていた。 皇太后は咳から彼女を本物だと認めるが、一言「でもあなたでないとしても、私には言わないで」老い先短い皇太后の本心だろう。 記者会見で病院の隣室の者が現れて、偽物疑惑が再浮上。ドレスのままアンナはタバコをプカプカ。 ※色々調べるとニコライ2世にタバコを吸わされるアナスタシアの写真が見つかる。「あ、本物も吸うんだ」って思った。 リーベンバウム夫人「舞踏会場を御覧ください、昔に戻ったみたいですわ」無関心なマリア皇太后「防虫剤が臭うわ」 最初の面会と違って、アンナにおばあ様として話すマリア「結婚相手はポールでいいの?」 「私たちは過去と一緒に朽ちるけど、未来はあなたのものなのよ」それを受け、マリアに何かを耳打ちするアンナ。 説明や経緯をすっ飛ばして駆け落ちしてしまうアンナとボーニン。 ポールの「皆になんて説明を?」に「“芝居は終わった、帰りましょう”と」と答える皇太后。 ロマノフ朝の亡霊たちが踊る舞踏会場に掛かる“THE END”の文字。 神秘的なアナスタシア生存説。 高級なお菓子の箱に描いてそうな美しい生前の写真。次々現れる自称アナスタシア(偽物)。 オープニングで石の壁にロマノフ王朝の紋章の影。真っ赤な“Anastasia”の文字は、彼女が銃殺されたことを大前提としている。 この映画は『もし本物のアナスタシアが生きていたなら、きっとこうしただろう。』として描かれた作品だと思う。 財産には手を付けず、無粋な恋愛描写も抜きに、将軍と忽然と消える。とても神秘的で美しい終わり方。 だからタイトルは、ロマノフ王朝最後の大公女の名前『アナスタシア』だったのに…[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-05-29 20:44:56)《改行有》

25.  80日間世界一周 《ネタバレ》 制作された1956年でさえ、世界を一周できる人は限られた人だけだったろう。だけど決して実現不可能ではない時代。夢が広がる世界旅行。 気球に乗ってパリへ…テーマ音楽を聞くと幼少期の日曜の朝を思い出す。兼高かおる世界の旅…パンナムのジャンボジェット…は出てこない。そんなのがない時代、1872年(明治4年)の物語だと言うから驚きだ。 ロンドンから西欧、インド、香港と進むが、考えたらイギリス・ロンドンから、インド、東アジアの端っこ香港まで、大英帝国の領地だったのって凄いことだな。そして日本・横浜が当時ももちろん独立国家だったことも、当たり前だけど凄いことだ。 国によってちょっと冗長に思えるが、海外ロケの費用なんかを考えると、仕方ないかな。 全財産を湯水の如く使うのも豪快。特に最後の、燃料が切れるパドル船を解体しながら突き進む姿は熱く、冒険旅行のロマンに溢れている。 それゆえ、フィックス刑事にあのタイミングで逮捕される展開が、フォッグ達と一緒にがっかりできる。 日付変更線のくだりは、海外旅行が割と一般的な今だからこそ「え?それ計算してなかったの?」ってなるが、公開当時は「そうなんだ!」ってなったろうな。[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-03-13 11:39:00)《改行有》

26.  お早よう 《ネタバレ》 小津監督の映画を観るのは本作が初めてです。低い位置から見上げるように撮るカメラが特徴的に思えました。風景では家々の間の狭さ、東京の空の狭さが感じられましたし、屋内では足元がつま先までしっかり入るカメラアングルが『家では靴を脱ぐ日本の文化』を感じさせてくれます。あと話している人物を正面から(話される相手側から)観るポジションのカメラ位置も、小津監督の特徴のようですね。 些細な親子の衝突から、挨拶をしなくなった林家の兄弟。急に話さなくなったことから色々想像し、それが近所や学校で、林家の悪い噂が広まってしまう。ご近所がそんな考えになっているとは知る由もない民子。う~ん、怖い。 挨拶の大切さを小さな町内の騒動で、解りやすく見せる構成は、小さい頃に観たNHKの子供向け道徳番組を思い出します。『みんななかよし』ってタイトルらしいです。「口笛吹いて~空き地へ行った~♪」とかってOPのやつ。調べたらこのドラマは'62年から始まったそうなので、この映画は少なからず影響を与えたかもしれません。「昨日のズボンは~、も~お履けな~い♪」って歌も意外な形で影響を与えてるかもしれません。(※みんななかよしの歌じゃなかったわ) 伝わらないジェスチャーで給食費を学校に持っていけない兄弟。駅のホームで挨拶は出来ても、節子への心の内を言い出せない、平一郎のもどかしさ。言葉で伝えることの大切さは、幾つになっても変わらないものですね。でも気持ちを伝えないでいる、あのもどかしいような時間も心地よく感じられます。 しかし、昔の新興住宅地って道路が狭いんだな。車も通れない道幅の向かいにご近所さん。家の鍵も掛かってるんだかいないんだか。酔っ払って帰宅したらお隣さんの家だったなんて、のどかな時代です。近年、若者の間でシェアハウスなんてのがあって、一人の時間が無いと生きていけない私には、理解不能な生活スタイルだと思っていましたが、案外、この映画の時代の人々の暮らしと、そう変わらないモノを、現代の若者は求めているのかもしれませんね。[CS・衛星(邦画)] 6点(2024-05-23 22:07:34)《改行有》

27.  グレン・ミラー物語 《ネタバレ》 “The Glenn Miller Story”邦題ままですが、固有名詞の人名の前に、冠詞の“The”が付いてますね。なので『“あの”グレン・ミラーの物語』みたいな意味合いかと思います。 曲のタイトルは分からなくても、聞けば「あぁ、この曲!」ってなる名曲の数々が、誕生のキッカケとともに軽快に流れてきます。 そしてグレンとヘレンの恋愛模様…というか、ほぼほぼグレンが強引にヘレンを引きずり込むような強引さでグイグイ進む2人の関係。 更にルイ・アームストロングだけでなく、ジーン・クルーパやベン・ポラック、アーヴェル・ショウといった当時のジャズ界の巨匠が本人役でドカドカ出てくる贅沢な映画。ジャズの知識が殆ど無いので知らなかったけど、なるほど、ジャズ版ブルース・ブラザースのような映画でしょうか。 没後10年、バンドマン・グレンの功績と、ヘレンとの交際・生活を映画というカタチで残す手段として、とてもスタンダードな創りです。当時彼の死因・事故原因は不明だったので、不明のまま(生々しい事故再現も避けた)にするのも正解に思います。きっと、誇張された美談・トラブルも入れていないと思うので、淡々とした印象はありますが、この映画の目的として、グレンの家族や友人が集まって、彼との思い出を振り返る映像作品にすることだったと思うので、良い思い出や、苦労を乗り越えた話を集めて、綺麗に一本の映画にまとまっています。[DVD(字幕)] 6点(2024-03-13 08:24:07)《改行有》

28.  ジャイアンツ 《ネタバレ》 “Giant”『ジャイアント』。要するにテキサス州のことです。当時テキサス州はアメリカで最大の州('59年にアラスカが州になって第2位になるまで)だったため。というのと、アメリカ本土最大の油田『ブラック・ジャイアント』と呼ばれた東テキサス油田のこともひっくるめてるんでしょう。日本で言えば『でっかいどう』みたいなタイトルですね。 ジャイアンツって複数形になっているのは、なんかジョーダンを巨人(偉大な人物)に例えたんじゃないかな?って解釈があったので、そこに故ジェームス・ディーン演じるジェットを2大巨頭のように絡めてみたから、ジャイアンツなんじゃないかなぁ?と言った解釈…あと絶対、読売巨人軍の人気にあやかろうとしたんだと思われる。 開拓時代の映画だと思ったら割と近代的なタンクローリーとか出てきてビックリした。3時間超えの大作だけあって、色んな物語が詰め込まれている。ジェットの一攫千金物語。ベネディクト家の再興。ショック!息子の嫁はメキシコ人?。え?あれ…もしかしてペドロ!?。誰を主軸に観るかで、大河だったり朝ドラだったりする作品。長時間作品だけど、案外スイスイ観られました。 『テキサスに嫁いだレズリー嬢の奮闘記』として観るとまさに朝ドラ。面白いのはレズリーが動くとき、つまり人生の今後を自分で決めるとき、どういう意図が込められているのか、顔をあまり映さないんです。 まずはジョーダンに告られてテキサス行きを考える時。まだ決まりきっていないためか、木の枝の影で顔の半分が隠れてます。ジョーダンの方針に賛同できず実家に帰る決断をした時。照明の影で完全に顔が観えません。あと子供たちの進路でジョーダンと対立した時。自分の意見を言うレズリーの顔はジョーダンの本に隠れて観えません。他にもあったのかな?どうかな?この『レズリーの顔を隠す』演出って、どんな意図があったんでしょうね?思うにテキサスの男尊女卑で閉鎖的な古い体質を、表現したんでしょうかね? それかエリザベス・テイラーがテキサス人に、男に歯向かう自己主張の強い女!って思わせないように、配慮した演出?う~ん、どうでしょう?[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-04-27 22:52:11)《改行有》

29.  理由なき反抗 《ネタバレ》 “Rebel Without Cause”邦題ママ。何とまぁ…映画観終わって改めてこのタイトルを見ると『これ絶対、雰囲気で適当に付けた邦題だよね?』って思ったのに、原題そのままだったわ。ついつい何がどう『理由なき反抗』なのか考えてしまったわ。 父親に「あばずれ」と言われ、家を飛び出したジュディ。父親の前では少女のままで居たいからキスをするジュディと、もう大人なのだからと拒む父。 子犬を撃ち殺したプラトン。息子を家政婦に任せて誕生日にさえ帰らない母親と、養育費を送るだけで別居中の父親。彼が求めたのは家庭の父親。 妻に頭が上がらない父と、人前でも父に小言を言う母。エプロン姿で食事を運ぶ父親の情けなさ。その反動で“腰抜け”と呼ばれることに怒りを覚えるジム。 3人それぞれが家庭の、特に父親に対する不満を抱えているのに、我が子の不満・怒り・反抗の理由を理解できない父親。精神的に不安定な子供と向き合わない父親。一方的に大人の常識を押し付ける父親。 原題のモトは“With Or Without Cause”って契約書なんかに用いられる文言で『理由が有っても無くても(契約を解除します)』って意味だそう。タイトルから“With”『(理由)あり』を敢えて除いたのは、子供の反抗理由に目を向けない、理解しようとしない父親。って意味があるんでしょう。 “思春期だから”と一言で片付ける大人にしてみれば、今回の事件の原因が家庭そのもので、実は延々と積み重なった結果とは理解できないから、突発的な『理由のわからない反抗』として映るんでしょう。 今の私達にしてみれば思春期というと、中学生とかで卒業するイメージ。…何となくだけど。 だけど劇中では17歳の設定のジム(23歳)。車を運転して酒を飲んでキスをして銃を撃つ17歳のアメリカ人に共感出来るかと言われると…当時の日本の若者(特に同年代)の目にはどう映ったんだろうか? 『ナイフは刺すのではなくちょっとチクッとするもの』とか『チキンレースは入念に脱出の練習をする』とか『吊るした鶏は用が済んだら下ろしてやる』といった“不良像”。この辺、つい子犬を殺したり人に銃を撃った“不良じゃない”プラトンと比較させることで、若者に配慮したんだろう。 しかし、バズが死んだ直後のケロッとしてるジュディ。廃屋での彼ら3人の行動は展開がちょっと急すぎて、どう捉えてよいのやら… やっぱり本作がジェームズ・ディーンの死後に公開されたインパクトは大きい。そして私の時代なんかでも、作品よりジェームズ・ディーンのブランド・イメージ(リーバイス履いてないのに)が先行したことから、若者のシンボルになったのは大きかったんじゃないでしょうか? ウッドとミネオがアカデミー賞助演にノミネートされていて、ディーンは本作ではノミネートすらされていない。ちょっと不思議。[地上波(吹替)] 6点(2023-03-13 11:25:14)《改行有》

30.  ビルマの竪琴(1956) 《ネタバレ》 私が持っていた世界地図にはビルマって書いてました。それがいつしかミャンマーになって。小さい頃に習った国の名前が変わるって、何かすごく印象に残ってます。 '85年版を先に観て内容は知ってました。水島といえば中井貴一だったので、この映画の水島の印象は、メジャーリーグの川﨑みたいな感じでした。 食糧難の南方戦線にしては、随分と穏やかな日本兵たちにちょっと疑問があったんですが、創作とのことで納得。イギリス軍と日本軍の“埴生の宿”の合唱には、やはり熱いものがこみ上げます。でも実話なら、まだ戦中だと思っている日本軍はもっとピリピリしていたことだろうと。 物売りのお婆さんもいい味出してます。って日本人の女優さんだったのか、へえぇ~~。 三角山で負傷した水島。老僧の服を盗み、剃髪して僧に化けるんだけど、どうしてそんな事したのか疑問。普通に都市部に行って、軍に合流すれば良いものの、捕虜になってから脱走を考えたってことだろうか。終戦を知っていて、捕虜として登録されていて、今さら脱走してどうなるのか。 ここが理解出来ないから、僧の格好してると食べ物恵んでもらって寝るところも困らない、シメシメって思ってるのかなぁ?なんて思ってしまう。この時の水島の目的と彼の本性がわからない。 でも総じて日本軍の“戦争中のちょっといい話”として、未来に残していきたいお話です。[インターネット(邦画)] 6点(2022-10-10 14:07:35)《改行有》

31.  私は告白する 《ネタバレ》 ~I Confess~邦題そのまま。 DIRECTION→(こちら→)からの、死体。遊び心のある演出。 夜中の11時過ぎにあんな幼い少女が二人、外を歩いてるなんて、平和だなぁ…すぐそこで殺人事件起きてるけど。 告解の内容は誰にも話せない事から、ローガン神父の苦悩と、神父に対する世間や警察の誤解に焦点が当たっている。 そっちがメインなためか、当の殺人事件や犯人の行動や動機がかなり雑な印象。 神父ももう少し警察に言えることがあるんじゃないか?って思うけど、どうなんだろ? ローガン「ビレットが死んだ」ルース「私たち自由ね」のシーン。同じ時間同じ場面を、ラルー警視側の視点と、車で来たルース側から見た視点の両方から見せるのは面白い。今では割と使われる撮影方法だけど、当時他にあったかな? 裁判での逆転劇がクライマックスかと思いきや、証拠不十分で無罪というスッキリしない判決。 恩人に罪を被せるケラーの卑怯さ加減。あぁ憎たらしい!と思っていたら、あれだけの観衆の前で銃を撃つという、最後のヤケクソ感。 最初からケラーの犯行に後ろ向きで、でも告白する勇気もない妻のアルマ。ローガン神父のために勇気を出した結果、夫に撃たれて命を落とすなんて、ひたすら可愛そう。[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-08-20 20:23:32)《改行有》

32.  ダイヤルMを廻せ! 《ネタバレ》 ~Dial M for Murder~ダイヤルのMは“殺人”のM。 序盤、完全犯罪のタネ明かしから入るのは珍しいと思った。説明聞きながら電気を消して、暗い中で動けるかとか確認するスワンも芸が細かい。 タネ明かしから見せるってことは、当然その通りにいかないって想像が付くんだけど、奥さんが私も出掛けるって言われたときはドキッとした。その後時計が止まって計画がズレるけど、こっちは特に悪影響なかったんだっけか? 優秀な警部相手に、とっさの思い付きで“駅で彼を見た”とか“上司の電話番号を聞くため”とかポンポン出てくるトニー。苦しい言い訳にも取れるけど凄い。 マークの推理が、最初の完全犯罪のタネ明かしとほぼ一緒なのが、ハラハラして面白い。さすが推理小説作家。 最後の鍵がマーゴのでなくスワンのだと気がつくシーン、警部の読み通りになるところをトニーのセリフ無しで見せるのも上手いなぁ。 しかし、殺人とは言え、不倫カップルに制裁を加える夫が悪人に描かれるって、なんか時代を感じてしまうなぁ。最後にマーゴとマークが警部と一緒にトニーを出迎えるところ、ハッピーエンドと言って良いんだかモヤるけど、全てを諦めて二人に酒を薦めるトニーが格好良くも見えた。 そもそも鍵を開けてすぐ、階段のカーペットに鍵をしまったスワン。自分の家の鍵とそっくりだからそうしたのか?家の鍵が多様になった最近の家では使えないネタ。このアパートの玄関、この時代にオートロックなのか?トニーが出ていくとき鍵かけてないよーな。 有罪から死刑になって執行されるまで早っ!とか、警部令状もなしにマーゴの鍵で家宅捜索しようなんてアウトローとか思ったけど、一番ビックリしたのがインターミッション。105分の映画で途中休憩が入るなんて予想外だった。[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-08-17 21:38:47)(良:1票) 《改行有》

33.  間違えられた男 《ネタバレ》 ~The Wrong Man~邦題そのまま。 連行されてから刑務所に入れられるまで、ほとんど流れ作業で抵抗の余地がないのが怖い。そもそも誤認逮捕だから、弁明の余地とかあると思って特に暴れたりしないだろうけど、黙ってるとこんなにも淡々とコトは進んでしまうんだな…って、ある意味感心してしまった。 何かもっとこう『弁護士を呼んでくれ!』とか「いい加減ゲロしちまいな!(バキッ」なんて展開ではなく「はい、電話は後でね」「はい次、あそこに立って」「はいこれ書いて」「はい隣の人と手錠して」みたいな、この怖さ。気の弱い私なんて、ずっと黙って従ってそう。 ミランダ警告というのをダーティハリーで学んだけど、それがまだ無い時代とは言え、突然逮捕される事を現実として受け止められず、ボーッと流されるマニーの心境が伝わる。 護送される車の中で向かいの人の靴をジーっと見てる自分…怖さと、現実味の無さと、今後の不安と、色々な気持ちが頭に浮かんでいただろうな。 気丈に振る舞っていたローズが、遂にタガが外れて笑い出す瞬間の怖さ。自分の親知らずがモトでこんな事件に巻き込まれたこと、自分のせいで貧しい暮らしなんだって思い込みから、ノイローゼになるローズ。こんなタイミングでって思うけど、こんなタイミングだからだろう。 有利とも不利とも解らない裁判。自分の人生が掛かっている裁判なのに、周りの関心の無さ。 自分がどうなろうとどうでも良い人たちによって行われる裁判って、怖いな。 裁判で勝つでもなく、真犯人がアッサリ捕まってチャンチャン。だけど、取って付けたようにローズが2年後回復したことになっているけど、些細なことがきっかけで、これだけの時間と、あらゆるものを失うという、怖い映画だった。 過去に2回も強盗をした男が、その事務所に「金を貸してほしい」なんて、ご丁寧に妻の保険証券まで持って来るだろうか? 何件も強盗を重ねた男が、保険証券の登録住所に済んでてアッサリ逮捕なんて、警察も疑問に思わないんだろうか? 7500ドルは大金(今の価値で800万円くらい!!)だけど、強盗しても保釈されるんだ。 ついでにローズの親知らず4本は300ドル≒32万円くらい。高い![CS・衛星(字幕)] 6点(2021-07-10 19:02:31)《改行有》

34.  見知らぬ乗客 《ネタバレ》 ~Strangers on a Train~電車の中の見知らぬ人。邦題のままでよいです。 二人の男の靴(足もと)から始まり、靴がぶつかって話が始まるオープニングがスタイリッシュ。 何度も出てくる小物『ブルーノのタイピン』よりも、この時締めてた可愛いロブスターのネクタイが気になったわ。 テニスコートで一人首を振らないブルーノの不気味さ。 パーティでバーバラ(ヒッチコックの一人娘だったんだ)を視ながらカニンガム夫人の首を絞める異常さ。 証拠のライターで自分のタバコには火を着けるけど、他の人にはわざわざマッチを使う変なこだわり。常人じゃないところが上手く表現できていたと思う。 名前のあるちょい役と思ったヘネシー刑事が、主人公といい感じに友達感を出して、バーバラにもバラバラ殺人のネタ話で怖がらせたりと、とても魅力的なキャラクターになっていた。 アントニー家に侵入。懐中電灯と地図の見せ方はダンジョン感があり、途中の犬も怖くてハラハラ出来る。 高速回転のメリーゴーラウンド。ガイとブルーノの格闘より、下をくぐる刑事さんの方が観てて怖かった。 全体的にゆるい感じはあるけど、ぼや~っと観ているうちに、その世界観に引き込まれる。 ヒッチコック作品は、後年のカラーの方が有名な作品が多い気がするけど、モノクロの方が若干、私自身の評価が甘めになっている気がする。掘り出し物を見つけた感があるからか?単に初期→中期作品のほうが私の好みに近いからか?[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-06-24 23:57:33)(良:1票) 《改行有》

35.  禁断の惑星 《ネタバレ》 ~Forbidden Planet~邦題の通り。~Forbidden fruit~禁断の果実。手にすることが出来ないもの=クレル遺跡・性的な不道徳=アルタ。 ブリキのレトロ玩具とかで見たことあったロビー。スピード狂で車に乗った姿が可愛いすぎる。ポスターの美女を抱えた姿がちょっと怖そうだから、いつか人間を襲うと思ったが、最後まで良いやつ。 アクションでもコメディでもなく、結構真面目に作られた内容なのが意外だった。当時ロビー見たさに劇場に行った子供は退屈したかもしれない。渋々子どもたちを連れて行ったお父さんも、アン・フランシスの太ももがなければ危なかったに違いない。 足跡からイドの怪物の足を再現するくだりは、未知の怪物の見せ方として素晴らしい。怪物が実在のものか考察するくだりも説得力がある。 制御できないものは壊してしまえ!宇宙の叡智クレル遺跡を惑星ごと破壊するモービアス博士。でもクレルの技術で作られたロビーは制御できるから連れて行くアダムスたち。 人目もはばからずアルタとイチャイチャするアダムス。「お父さんは我々は神ではないと教えてくれた」光速で恒星間を移動できるこの時代の人は、自分たちが神になった気でいたんだな。ヨーロッパが新大陸に渡った時代から全く進化してない。[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-03-26 09:29:44)(笑:1票) 《改行有》

36.  ギターを持った渡り鳥 《ネタバレ》 孤高のヒーロー、可愛いヒロイン、凄腕の悪党、見知らぬ街の旅情…当時の楽しい映画の要素がいっぱい詰まった娯楽映画。 滝は元刑事で、ギターも歌も射撃も上手いが、そんな経歴の割に随分と若い。 殺し屋ジョージの不気味な薄ら笑いがとても印象的。女性の扱いは酷いが、ズルさの無い悪役だから何か憎めない。 この映画ではピストルの扱いが軽いなぁと思った。簡単にポッケから出して簡単に撃つ。 これは日活無国籍アクション。固っ苦しい法律や貧乏くさい日常生活は描かない。架空の日本ってことだろう。 自然豊かな駒ケ岳の原野を背景に滝が現れる様は、日本を舞台にした西部劇然としている。 函館は北海道で南西の大都市。観光地も多いし、自然も豊かだ。まさに(サウス)ウエスト・ワールド。 駒ケ岳、金森倉庫、函館山…当時の函館の景色が綺麗。ロケ地で同じ角度から写真を撮った人のブログがあり、今と昔を見比べると楽しい。 肩の凝らない映画だったから、ぜひ他のシリーズ作品も見てみたい。[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-03-15 23:17:41)《改行有》

37.  パリの恋人 《ネタバレ》 ~funny face~『変な顔』とか『愉快な顔』…ヘンなタイトルだ。 邦題は〜パリの恋人〜…別にパリに恋人は居ないし、フランス人と付き合う訳でもない。ヘンなタイトルだ。 雑誌編集社から始まるが、実に楽しそうな職場。「着る服に迷ってる読者がすっ裸で待っている」。 ファッション業界を目指すなら、こんな会社で働けたら最高だろうな。 小難しい言葉を吐きまくるジョー。何言ってんだかサッパリ解らない。共感主義?宗教みたいなもんかな… パリでの浮かれっぷりを表した3人の歌とダンスが可愛くて素晴らしい。一緒に「ボンジューパァリィー!!」って歌いたくなる。 でもジョーのキャラは好きになれない。パリに連れて行ってもらって、用事そっちのけで自分のやりたい事をする。 「少しは共感しろよ」ごもっとも。 設定として2人の年齢差があり過ぎて、ジョーがディックに魅力を感じるという設定に無理があり、違和感しか感じない。書店でのキスシーンまで、恋人役は他に出てくるんだろうと思ってた。あとジョーが変身前も変身後も、綺麗な顔のオードリー・ヘップバーンにしか見えなく、着飾った後に『おぉ、あの変な顔の娘が、ここまで見違えるとは!』感が少ないんだよな。 …と言うこの見かたが、間違いなんじゃないだろうか? これはミュージカル。そう考えると、違和感を感じたキャストも、適役として立ち上がってくる! ディックはお爺さんでなく、ジョーよりちょっと歳上の素敵なデザイナー役。 オードリーはどこを切っても美しく見えるが、変な顔でメイクと衣装で大変身した娘の役。 『オードリーに面と向かってfunny faceって歌うくらいだから、きっと(素敵な顔)って意味もあるんだわ~』…なんて言うのは、後からの付け足し解釈で、文字通りジョーは『変な顔』なんじゃないか。かと言ってオードリーに変顔メイクは、色々とNGだったろう。 アステアの年齢やオードリーの顔への不満は、キャッツを観て『タイツを着た人間にしか見えない』と言ってるのと大差ない。アレは猫。それがミュージカル。 当時、邦題考えた人は悩んだろうな。『変な顔』じゃあお客が入らない。パリが舞台のラブロマンスだから、パリの恋人にしよう。…出した結論は安直だ。 アステアの華麗なダンスと、当時1番脂の乗っていた美しいオードリーをミックスしたミュージカルを、何度でも観られるフィルムにしよう。そう言う意図で作られた映画かもしれないね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-12-19 22:36:12)《改行有》

38.  エデンの東(1955) 《ネタバレ》 主はおっしゃった 〜ガチのサプライズ・プレゼントは、ハズしたらお互い気まずいから。報・連・相と根回しって、大事だから〜 今回が初見。昔リーバイスのCMで見た、機関車の屋根で寒そうにうずくまるシーン。この映画だったんだ。 アーロンと結婚を決意しているアブラ。だけど普通にキャルとも接する無邪気さがある。アブラにとってキャルは恋人の弟だけどキャルにとってアブラは女だった。そんなね、密着して屈託のない笑顔見せられたら、もうね…彼女みたいのを近年では小悪魔って言うのかも? 兄弟で一人の女性を…って言えばあだち充のタッチを連想してしまう。一方はちょい悪で不真面目。もう一方は優等生で真面目だけどちょっとズルい。こういう三角関係で優等生が勝つパターンってあるのかな? 真面目なアーロンの壊れっぷり…頭でガラスを割るのは、どんなセリフよりも衝撃的だった。見ててアダムは倒れてしまったが、私もビックリした。[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-12-08 23:00:02)《改行有》

39.  黒いオルフェ 《ネタバレ》 “Orfeu Negro”『黒人のオルフェ』うん、良い邦題です。 オルフェって奥さんのエリディスが大好きな人なんです。新婚早々に死んでしまったからってこともあるんでしょうが。それが本作のオルフェは婚約者が居て、エリディスは言ってしまえば浮気相手。しかも隣人の従姉妹ときた。この設定は脳内がぐわんぐわんしますね。 現代のオルフェはイイ男なんでしょうけど、ミラと結婚した理由が見えない。なんか、モテ男が街一番の美人の女と適当にくっついたようにしか思えない。で、一目惚れなのか運命なのか、田舎娘のエリディスにアッサリ鞍替え。しかも婚姻届出したその日に。従姉妹のセラフィナは、オルフェとエリディスの関係をバックアップしたり、この人もどこかぶっ飛んでる。ミラの目を盗んでカーニバル中イチャイチャするオルフェとエリディスに、ちょっともやもやしてしまった。原作では奥さんの役柄が浮気相手になるだけで、こんなに冷めた目で観てしまうものなのか。 神話ベースっぽいトコを探すとギターに書かれた『オルフェは私の主人』の文字。幾星霜の時を超え、琴はギターに変わって、現代に転生したんでしょう。オルフェとエリディスは他人に。エリディスを殺す毒蛇はガイコツの男に… 妻を生き返らせようと、冥府深く下っていく場面は、逆にビルの12階まで登っていく設定に。これ富裕層は海岸沿いの平地に住んで、貧民層(ファヴェーラ)は高地に住むリオデジャネイロを模したんでしょうか。 高地から見下ろすリオの街。当時のカラーフィルムが映し出す少々荒い画が、異国感を強く感じさせて美しかったです。 ギターを弾く少年と、踊る少女はオルフェとエリディスの生まれ変わりでしょうか?じゃあもうひとりの少年は…ガイコツの男?[インターネット(字幕)] 5点(2023-04-22 00:24:15)《改行有》

40.  戦争と平和(1956) 《ネタバレ》 “War And Peace”邦題まま。 208分の長編のため、DVDに焼く(話すと長くなる)とき、2つに分割したんだけど、インターミッションが無い。適当なところで割ることにしたけど、暗転場面も無く、場面代わりの音楽が続いて掛かってるので、1:53くらい(ナポレオンがツァーリの信書を読んでモスクワ侵攻を決めたトコ)でブツ切りしたわ。 ロシア貴族の国内話とナポレオンのロシア遠征の戦争話が展開される。なので原作未読でタイトルの『戦争と平和』の意味がわからない私は、戦争(ナポレオン)編と平和(ナターシャ)編とし、両方の主人公をピエールと考えて観てみた。 ナポレオンの歴史ものって観たこと無いから、すごい数の軍隊がぶつかり合う戦争が多く、勉強になるなぁと思いながら、そちらはそれなりに楽しめた。 一方で平和編は、どうしても華のあるオードリー(ナターシャ)の活躍を期待してしまうけど、彼女が会う男会う男に色目使ってるビッチのように思えて、どうも素直に応援できない。どこか影のあるアンドレイに求婚された直後、グイグイ来るアナトーリにあっさり鞍替えするところ。ピエールに阻まれて以降アンドレイ(というかボルコンスキィ家)に再接近を試みるとか、このあたりの流れって、迷作パールハーバーを思い出してしまった。あっちはダメでコッチは良いんかい?なんか…どーなんだろーねぇそういうの。 最後は終始安パイで、今後も裏切りそうにないピエールに落ち着くって、あんたそりゃあまりにリアルでしょ。 長編小説に流れる体感時間と、いくら超大作とはいえほんの208分で終わる映画の体感時間とでは、受け取る側の印象も変わるのかもしれない。[CS・衛星(字幕)] 5点(2023-01-15 22:40:29)《改行有》

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