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プロフィール
コメント数 375
性別 男性
ホームページ https://camuson.exblog.jp/
自己紹介 自分のブログに映画や本の感想文を書き溜めておりましたが、読まれることが絶無のため、こちらに出張しております。
もし興味がありましたら、弊過疎ブログにもお越しください。

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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21.  カメラを止めるな! 《ネタバレ》 廃墟になった浄水場を舞台としたゾンビ劇です。とても楽しめました。丁寧に、わかりやすく織り込まれた伏線とその回収が素晴らしいです。わかりやすく、でもあまりわざとらしくなく、でも時にはわざとらしくのバランスが絶妙だと思いました。念入りに仕込んだ伏線がスピード感をもって次々と本来の姿を現していく中、主演の女の子が監督に恫喝されて本物の涙を流すシーンが、個人的にはクライマックス。仕込みの細かさ、巧みさに感動してこちらもいつのまにか涙が流れていました。しばらく面白いのですが、その後ちょっと1本調子になってしまい、もう一ひねり欲しかった気がします。あと、廃浄水場のロケーションが素晴らしかったです。地下に掘り込んだ吹き抜けの大空間とか、光の加減とか、上層に行くと大きなポンプが立ち並んでいたりとか、そこから両開きの鉄扉を開けると地上に繋がっていて、陽光で一瞬目がくらんだ後、草いきれと青空が飛び込んできて、地上の建物は、地下に大空間があるとは思わせない、ぱっとしない古びた低層建築物で、さらには屋外階段を上ると屋上に出られたり、その屋上も、真っ平らではなく、適度に複雑な形状になってたり。[映画館(字幕)] 8点(2023-02-18 20:19:27)(良:2票)

22.  ボヘミアン・ラプソディ クイーンのヴォーカル、フレディ・マーキュリーの素晴らしきロックン・ロール人生を振り返るという内容。フレディ役の彼が素晴らしいですね。フレディ本人はここまで内面の繊細さを表に出さない人間だと思いますが、細やかな心の動きをわかりやすく、けっしていやらしくなることなく演じているのは凄いなと思いました。まるでフレディの魂が降りてきたかのような迫力で、作品世界に引き込まれました。それと比較すると他のメンバーの配役がちょっと雑かなと思いました。ブライアン・メイは髪型と背の高さでなんとかなっていますが、ロジャー・テイラーとジョン・ディーコンは雰囲気がかなり違うし。そっくりさんである必要はまったくないにしろ、似てないなりに個性が演じられていれば良いと思うのですが、それが感じられず、ちょっと薄っぺらい感じがしてしまいました。フレディの女恋人役は、美人で感じが良くて、大人の女性の魅力があって、とてもイイです。劇中で流れた曲はすべてが知ってる曲で、一々懐かしかったです。特に終盤「ドント・ストップ・ミー・ナウ」から、エンディングロールで「ショウ・マスト・ゴー・オン」の流れは熱かったです。個人的に「オペラ座の夜」に匹敵するアルバムだと思っている「ザ・ミラクル」からの選曲がなかったのは、ちょっと残念でした。「素晴らしきロックン・ロール・ライフ(Was It All Worth It)」とか作品のテーマにピッタリだと思うだけに・・・[映画館(字幕)] 8点(2023-02-17 18:38:49)

23.  赤い闇 スターリンの冷たい大地で 《ネタバレ》 丁寧につくられた重厚で落ち着いた映像は、品格があり一気に引き込まれました。主人公は、モスクワに入ったのち、現地の大手紙の記者たちに会いますが、ソビエト側の監視が強く、自由な取材どころではないことを悟ります。経過は省きますが、自力でウクライナに潜入し、収穫のすべてを取り上げられ、飢餓に苦しむ人々と、手押し車の上に積まれた死体の山を目の当たりにします。主人公がウクライナに潜入してからのホロモドールの描写については、死者はともかく、生存者はとてもこの程度ではすまない惨状だっただろうと想像しますが、餓死寸前の生存者を再現するのは高度なCG処理でもしない限り難しいでしょうから、致し方ないかなといったところでしょうか。飢餓のリアルな再現よりは、飢餓の子供たちが歌う讃美歌が響くという幻想的な印象付けを狙ったようで、それも一つの選択肢かなとは思います。「五カ年計画」、「ソフホーズ」、「コルホーズ」は、学校の教科書で習いましたが、「ホロモドール」は習いませんでした。「ホロモドール」について学べただけでも貴重です。しかし、当時のソ連の情報統制、鉄のカーテンっぷり。そして、その表側と裏側のあまりの違いっぷりには、ホントにばれないと思ったんかねと呆れることしきりです。大量の奴隷が甲板の下でオールを漕いで進む船を作ってやろうとか、箱の中に人間を入れてハイテク機械ってことにしようとか、そういうレベルの発想ですよね。そういう人間だからこそ、国家元首になってしまうというのが何ともやりきれないというか。飢餓ジェノサイドとも言われており、呆れて済むことではないのですけどね・・・[インターネット(字幕)] 8点(2023-02-07 18:15:53)

24.  恋の罪 《ネタバレ》 前作「冷たい熱帯魚」では、でんでんの怪物っぷりが凄かったのですが、本作では、作品を引っ張る怪物役は、大学助教授兼売春婦に置き換わり、冨樫真が見事に怪演しています。園子温の作品は「愛のむきだし」「冷たい熱帯魚」と見ていますが、後になるほどエンターテインメント性が薄れ、文学性?の比重が高まっているようで、本作となると、洒落っ気が随分少なくなっています。そんなこんなで、序盤、中盤と鬱屈した流れが続くこともあり、大学助教授の母親が登場し、しゃべり始めたところで、観客が一気に緩んで笑い声が漏れました。皆、無意識のうちに笑いどころを求めていたのかも知れませんね。このタイミングでこれを持ってきたのは、なかなかだなと思いました。女性主人公3人の女性の性の物語なので、作品を女性が見てどう感じるかが最も興味深いところで、かつ、そこに作品の価値があるのかなと思います。私があえて言えることと言ったら、「坂恵のおっぱいはもう飽きた」くらいなことでしょうか。すみません。ちょっと言ってみたかっただけです。そこまでではないので気にしないでいただければ幸いです。[映画館(字幕)] 7点(2024-02-22 17:52:11)

25.  エリジウム 《ネタバレ》 さて、そもそもSFはアイデアが出尽くしていて、なかなか新味を出すのが難しいと思うのですが、本作は前作「第9地区」に続き”汚いSF”を突き詰めていて、SFにはまだ開拓余地があるのだなと思わせてくれる作品です。もちろん過去のSF作品においても、清濁の「濁」は様々な形で描かれてきていると思いますが、血や肉や貧困や汗臭さや泥臭さをリアルに取り込み、現実世界の縮図として端的に示しているものは少ないように思います。リアルな表現を可能とする映像の技術的進歩も大きいと思います。というような評価をしていた中で、終わり方があまりにありがちな美談だったので、ちょっと、引いてしまいました。やはりこの作風には毒のある終わり方が似合うと思います。肉体に乱暴にドリルで穴をあけて、強化機械を差し込むような乱暴な鉄と血肉の融合表現に「鉄男」を少し思い出しました。[映画館(字幕)] 7点(2023-07-28 18:45:09)

26.  セルビアン・フィルム 《ネタバレ》 美人の奥さんとまだ小さい息子と3人で暮らしている昔はポルノ男優としてブイブイ言わせていた男が主人公で、スナッフ・フィルムに出演するようはめられていくという話です。スナッフ・フィルムということで、全編、猟奇的な血みどろに彩られていると思ったのですが、結構きちんと物語がつくりこまれていて感心しました。映像の雰囲気が、ビデオゲームのサイレントヒルシリーズを彷彿とさせるダークなサイコスリラーです。これに暴力的なセックスを付加した感じです。個人的には、肉や骨のぶつかりあいに終始した性交に興味がわかず、感情移入はほとんどなかったのですが、サスペンスとしては、シンプルで楽しめるものでした。1つ目のクライマックスは、主人公が女性を剣で切り付けるところで、十分に刺激的なものとなっています。2つ目のクライマックスは「セルビア家族」のシーンですが、こちらは狙いすぎで、思わず笑ってしまいました。笑い事ではないのですが。完全版と銘打たれたものでも部分的検閲があるようで、真の完全版はスウェーデン版のみのようです。リージョンコードが異なっていて面倒くさそうなので、購入まではしないと思います。[DVD(字幕)] 7点(2023-07-10 19:18:40)

27.  イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 《ネタバレ》 第二次大戦時に敵国ドイツの暗号情報解読を成し遂げた英国人の実話に基づく物語。主人公は学者で、天才肌な変人で、研究第一で友達できないタイプ。元々チームワークという概念を持たず、孤立気味だったのですが、実力はあるので、チームのリーダーの座を勝ち取ります。使えないスタッフを解雇し、優秀な人材を集めることに。選抜試験のクロスワードパズルを自分よりも早く解いた女性がチームに加わり、その美人で優秀な女性に触発され、チームに打ち解ける努力をするようになります。暗号解読のための機械(コンピュータの原型)を開発し、難易度の高い暗号をなんとか解読するというのが前半。暗号解読の喜びも束の間、話が暗転するのが後半。後半、ナルホドと思わせる展開なのですが、前半の予定調和的な流れがちょっとイマイチでした。暗号解読において、劇中ひらめきで解読にいたった手法は、本来、基本のキだと思うのですが、どうなのでしょう?あと、二重スパイが発覚するところが、いまいちピンと来ないというか、思わず膝を打つような切れ味がないというか。何で見つかるかなぁという。また、物語の中にチューリング・テストを組み込んだのが、いたずらに複雑になってやしないかと。さらには、天才主人公の現在の人間性に至る説明として、しばしば学生時代の回想劇が挟まるのですが、現在の凜々しい人間像(内面・外見共)と乖離しているのが、違和感が残ります。以上のような気になるところを除けば、総じて、地味目な話を地道に密度高くつくり込んでいるなと思いました。[映画館(字幕)] 7点(2023-05-09 17:26:40)

28.  NO 《ネタバレ》 実話に基づいた話。ピノチェト軍事独裁政権下の1988年。国際的圧力から政権信任の国民投票を行うことに。SI(信任)とNO(不信任)の両陣営に許された選挙活動は、テレビの深夜枠15分×27日間のみ。国際世論に向けた茶番、出来レースであることは、何より、強権政治に馴らされた国民が感じていて、NOに投票するリスクを負うくらいなら棄権するという風潮。不信任陣営の幹部は、勝負ははなからあきらめており、与えられた放送枠を使って、過去の暴虐の被害を訴えることに固執ぎみ。そんな中で、不信任陣営に協力を請われたCM屋(主人公)が、国民を投票所に向かわせるべく、暗い過去を語るのではなく、明るい未来を示すイメージ戦略によって、本気で勝ちに行く。というような話です。未来志向といっても、まさにイメージ戦略のみで、政治的な内容は空っぽなのですが、そのおかげで、生臭くならずに済んでいて、絶妙なバランスが保てていると感じました。主人公イケメンの涙目が印象的。いい歳してスケボーはどうかと思う。[DVD(字幕)] 7点(2023-04-26 17:49:09)

29.  ムカデ人間3 《ネタバレ》 舞台はアメリカの刑務所。1作目、2作目の主役がまさかの共演。1作目のマッドドクターが、刑務所長役となり、2作目のとにかくヤバい人が、その補佐役の事務方を演じています。ヤバさの面で2作目の主人公は1作目の主人公を完全に凌駕し、行き着くところまで行ってしまった感があり、もうやることないだろうと思われたのですが・・・3作目においては、まったく違う役で共演させることにより再逆転を図っています。そのアイディアに感心しました。そんな手があるものかと。役者もそれにきちんと応えています。ホラー要素をほとんどなくし、コメディーに大きく振っています。アメリカを舞台にしたことで、カラッと乾いた感じとバカっぽさが引き立っています。基本、大笑いできるのですが、これ以上ないくらいに下劣で暴力的なシーンも混ぜ込んであります。一人で見ていたから笑えましたが、人と一緒に見ていたら場が凍るかもですね。一家団欒の場で見ることはあまりお薦めしません。所長の性奴隷の事務の姉ちゃんも、慣れてくると結構かわいいです。一緒にムカデにされてたのには笑いました。[DVD(字幕)] 7点(2023-03-23 20:26:39)

30.  ロブスター 《ネタバレ》 大まかに言うと「バトル・ロワイアル」のように、限定的なエリアでサバイバルゲームをやっているわけです。が、経緯やルールの説明がほとんどされず、結果としての奇妙なディーテールからにじんでくるもので、なんとなく察っするしかないところが、この手の閉鎖空間限定ルールものの通常のスタンスと決定的に異なるところだと思います。サバイバルゲームをやっているようで、同時に男女のお見合いパーティーをやっているようで、更には、限られた期限で目的を達成できないと、動物に変えられてしまうという、トンデモ設定が絡められていて、シュールななんだけど、なぜか突飛さが浮くことなく、むしろ不思議なほど調和していて、説得力があるのですよね。説明しないことによって、説明するまでもないという空気が漂っています。作者はなかなかのキレモノかも知れません。(追記)というのが第一印象だったのですが、レビューを書きながら、作品の情報を集めてると、それなりに理屈の通った世界設定のようで、少し拍子抜けしたような、安心したような。上記の私のレビューはかなり認識が混乱しているのですが、その混乱を楽しめたので良かったかなと。[DVD(字幕)] 7点(2023-03-09 19:41:42)

31.  ウルフ・オブ・ウォールストリート 《ネタバレ》 原作小説は未読。ちょっと、ホリエモンとかがブイブイ言わせてた頃を連想しましたが、ITバブルは、それでも、多少なりとも中身が少しありましたが、こちらは、すべてが虚業ですからね。主人公のディカプリオは、それなりに名の通った証券会社に就職して、その会社の売上No.1男から、ヤクでテンション上げて売上成績も上げる方法を学びます。胸を叩きながら低い声で歌いテンションを上げることを学びます(ラグビーのハカみたいなものでしょうか?)。その後、ブラックマンデーで勤めていた会社は倒産。電話で口八丁で低位株を売りつける方法で復活。徐々に、地道に、派手に会社を大きくしていく物語です。前にNo.1男から学んだとおりにヤクは常用してるし、職場にストリップ嬢、風俗嬢を呼んで乱痴気騒ぎをしたり、とにかくメチャクチャで基地外で破滅的なのですが、でも、社員慰労会をやる日本的経営と言えなくもないなと思ったり。仕事の内容に魅力は感じませんでしたが、刺激になりました。[DVD(字幕)] 7点(2023-03-06 18:30:58)

32.  セデック・バレ 第二部 虹の橋 《ネタバレ》 第1部では、学校の運動会にセデック族が奇襲をかけ、首を狩りまくるところで終わりました(霧社事件)。本作、第2部では、日本の反撃が始まり、セデック族は、健闘しながらも追い詰められていくという流れです。第一部のクライマックスを超えるイベントがあるわけもなく、基本単調な展開の中では、近代兵器に対抗する変幻自在のゲリラ戦のアクションで、緊迫感を保っていると思いますが、さすがに日本軍弱過ぎだろというのが目につき始めてきて、そこでちょっと笑ってしまうと言うか、没入感が弱まりました。最初から負けると分かっていても闘わなければならない、敗れゆく者の美学のようなものは感じられ、日本の武士道的な価値観にも通ずると思っていたところ、最後にそれを言葉にして言われてしまうと何だかなと。果たしてどこまで実際に則しているのかが不明なので、他の資料等を調べたくなりました。[DVD(字幕)] 7点(2023-03-05 15:43:11)

33.  ラ・ラ・ランド 《ネタバレ》 ミュージカルのダサさ具合は悪くないです。主役2人がミュージカルをやりそうな人でないところイイです。そのバカっぽさを隠れ蓑に、誰もが一度は思い描くような淡いif物語とほろ苦い現実をブッ込んでくるあたり、脚本が巧みだなと思いました。男の主人公は、典型的な美形ではないですが、飄々とした感じで、終盤はかなりかっこよかったです。女の主人公は、遠目に見ると小娘なのですが、近寄ると妖怪人間もしくは鳥のヒナといった感じで、マンガチックというかデフォルメが効いているというか、まあかなり好きです。[DVD(字幕)] 7点(2023-03-02 19:49:13)

34.  ハドソン川の奇跡 《ネタバレ》 結構最近の事故だと思ってましたが、月日の流れるのは早いものです。機長の英断により多くの乗客の命が救われ、機長はヒーロー、めでたしめでたしで終わったものと思ってましたが、まさか、裏側でこんなことになっていたとは・・・。この知られざる事実が、どうして詳らかになったのかと思ったのですが、機長自身による原作があるようです。和訳はされていません。未読です。テーマに対して素直で、余計な表現がなくて潔いなと思ったのですが、後でクリント・イーストウッドが監督であることを知りました。なるほど、イーストウッドらしい映画です。トム・ハンクスは実際に老けたのか、老け役だったからなのか、これまでとは違う感じでした。[DVD(字幕)] 7点(2023-02-27 21:01:23)

35.  マイ・インターン 本作は、インターンシップ制度の本場?ともいえるアメリカにおいて、新興企業が先進的な取り組みとして導入したシニア向けインターン制度に、会社をリタイアした男が採用されて・・・というような話です。当該企業は、若い女性社長が起こした新興WEBアパレル企業と、絵にかいたような若い企業文化の会社で、社長はアン・ハサウェイ。一方、シニアインターン生に応募して採用されるのは、斜陽産業筆頭ともいえる電話帳印刷会社を定年退職になったロバート・デ・ニーロ。女社長的には、人に勧められるままに形式的に導入したインターン制度だったようで、最初は頼むべき仕事が無くて持て余し気味でしたが、デニーロが、若い会社に欠けがちな人生経験からくる知恵を発揮して、社員に適切なアドバイスをしまくり、信頼される人材になっていくというような流れです。そこそこわざとらしい設定ながら、あまりいやらしくなることがない匙加減が心地よいと思いました。ロバート・デ・ニーロが演じるジジイが、決して差し出がましくなく、でも芯がしっかりしていてぐらつくことなく、的確な判断ができるのがカッコいいのですよね。自分のやりたいことで起業する若い女性であったり、その女性を支えるために専業主夫を選んだ夫であったり、第二の人生を全く別業種の会社のインターンから始めるリタイアジジイだったり、働き方の多様性と、価値観の多様性が、ごく自然に示されていて、ふと自分の働き方を振り返るきっかけにもなりそうなところがいいと思いました。[インターネット(字幕)] 7点(2023-02-08 20:31:10)

36.  ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う 《ネタバレ》 冒頭アバン部分はなかなかインパクトがあっていいと思います。ですが、展開の節目になる出来事のリアリティの無さが目立ち、その点は、作者の開き直りすら感じます。ダークな世界を描くのに、ツッコミどころが多いというのは、やはり今ひとつ引き込まれないです。そういった、かなり無茶な展開に加えて、使い古された設定も目立ってきますが、そこそこ、最後まで楽しめるのは、作り手の手慣れた手腕もあるのでしょうが、やはり、佐藤寛子氏のお陰なのでしょうか。氏の「たわわ」な感じが功を奏したのでしょうか。氏のことは初めて尻ましたが、今後は注目したいと思います。作品の暗い世界観と、劇場のロケーションは、なかなかあっていたように思います。[映画館(字幕)] 6点(2024-06-25 17:21:59)

37.  ロビン・フッド(2010) 《ネタバレ》 12世紀のイギリス・フランスあたりを舞台にした、いくさ物語です。ロビン・フッドについては、ほとんど前知識がなく、せいぜい榊原郁恵を思い出すくらいですが、いざ始まると、木造の人力戦車をわっしょいわっしょいの肉弾戦。下っ端肉弾が油の袋を敵陣に仕掛けて、炎の矢で射貫いて炎上などなど。細部までこだわった迫力のある絵の連続で、2時間半という長さは全く感じませんでした。銃がない時代なので、飛び道具としては弓矢が主流で、近接戦では剣が主流。騎馬隊もいますが、下っ端は歩兵。封建制、荘園制の時代なので、王や領主がアホだと農民が飢え苦しめられるなどなど、日本の時代劇との類似性が垣間見られ興味深かったです。なかなかイメージしにくい時代を可視化することは、何にせよ貴重なことです。物語が淡々と進みすぎて、あまり感情移入ができず、心が動かされなかったところは難ですが。[映画館(字幕)] 6点(2024-06-04 19:21:38)

38.  必死剣 鳥刺し 《ネタバレ》 藤沢周平の原作は未読です。久々に骨のある、しっかりとした時代劇を見た気がします。キャストにごり押し感がなく腰を据えてみることができます。本来当たり前のことですが・・・主要キャストいいですね。豊川悦司、吉川晃司の両者がこれだけ渋い味を出せるとは。バカ殿(村上淳)も雰囲気出ています。岸部一徳は相変わらず安定してます。池脇千鶴の純朴一途な役はどちらかというと見た目相応で、もうちょっと変化ある役をやらせたほうが面白いと思うのですが、まあこれはこれでよいでしょう。話もシンプルで無駄がなく、キャラクターの立ち位置もわかりやすく整理されています。志からすれば、むしろ手を組むべき者同士が、立場上、命をかけて剣を交えなければならないところに、侍(さぶらうもの)の悲哀を感じました。映像も落ち着いていて、信念を貫く侍たちの姿を損なわないものでした。[地上波(字幕)] 6点(2023-09-05 20:09:34)

39.  スペイン一家監禁事件 《ネタバレ》 スーパーのビニール袋をかぶせられ、後ろ手に縛られ、おそらく激しく殴打されビニール内部で顔がグチャグチョになっているであろう男が、意識を取り戻し、ヨタ歩きする冒頭の長回しで一気に引き込まれました。呼吸が激しくなるに伴い、息を吸い込んだときにビニールに口の形が現れ、息を吐いたときにまた戻る、異形の生物を思わせるようなグロテスクで面白い映像でした。迫真の映像と渾身の演技による暴力と恐怖のリアル感が素晴らしいのですが、終盤、観客の予想の裏をかくためだけに不自然になっているところがいくつかあって、気持ちが萎んでしまいました。そこだけが惜しいですね。[地上波(字幕)] 6点(2023-05-12 18:15:52)(良:1票)

40.  インセプション 《ネタバレ》 他人の夢の中に入り込んで、自由に行動できる技術があるという世界設定。他人の夢に入り、アイディアを盗むことをビジネスとして営んでいるのが、主人公のディカプリオ。とある会社の経営者、渡辺謙が、ライバル会社の跡継ぎの潜在意識をいじるようにディカプリオに依頼するという話。と、ここまではまだノーマルな想像の領域なのですが、これに、夢の中でも夢を見る、その夢でまた夢を見る・・・という夢のネスト構造、ネストの奥の奥まで入り込んで行けるという設定と、夢の中では時間の進みが遅くなるという設定が重ねられ、一気に複雑になります。(私体験で恐縮なのですが、夢から覚めて、重たい体を鞭打って、大変な思いをして起きてみたものの、実は夢から覚めたのは夢で、まだ寝床に寝ていた・・・以下ループ。という悪夢に陥ったことがある私ですが、この発想は考えつきませんでした。感心しました。)と、ここまでは、何とかついて行けるのですが、これに、薬の調合だの、目覚めても虚無に陥るだの、細かい設定が、説明っぽく後付けされるので、わー、めんどくさー!となってしまいました。それと、夢に荒唐無稽なところが少なく、全然夢っぽくない感じですね。夢と現実を区別がしづらいことが、その後の展開にも関わってくるので、登場人物の感覚と視聴者の感覚が乖離しないよう調整した部分もあるのでしょう。序盤でやたら複雑さ、めんどくささを感じた割には、終盤、それなりにスッキリまとまって納得感はありました。細かいところは理解できてないと思いますが。[DVD(字幕)] 6点(2023-04-12 17:57:35)

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