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プロフィール
コメント数 375
性別 男性
ホームページ https://camuson.exblog.jp/
自己紹介 自分のブログに映画や本の感想文を書き溜めておりましたが、読まれることが絶無のため、こちらに出張しております。
もし興味がありましたら、弊過疎ブログにもお越しください。

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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21.  NO 《ネタバレ》 実話に基づいた話。ピノチェト軍事独裁政権下の1988年。国際的圧力から政権信任の国民投票を行うことに。SI(信任)とNO(不信任)の両陣営に許された選挙活動は、テレビの深夜枠15分×27日間のみ。国際世論に向けた茶番、出来レースであることは、何より、強権政治に馴らされた国民が感じていて、NOに投票するリスクを負うくらいなら棄権するという風潮。不信任陣営の幹部は、勝負ははなからあきらめており、与えられた放送枠を使って、過去の暴虐の被害を訴えることに固執ぎみ。そんな中で、不信任陣営に協力を請われたCM屋(主人公)が、国民を投票所に向かわせるべく、暗い過去を語るのではなく、明るい未来を示すイメージ戦略によって、本気で勝ちに行く。というような話です。未来志向といっても、まさにイメージ戦略のみで、政治的な内容は空っぽなのですが、そのおかげで、生臭くならずに済んでいて、絶妙なバランスが保てていると感じました。主人公イケメンの涙目が印象的。いい歳してスケボーはどうかと思う。[DVD(字幕)] 7点(2023-04-26 17:49:09)

22.  ヒドゥン・フェイス 《ネタバレ》 山椒魚は悲しんだ(T_T)酔っ払って音楽に合わせて指揮者のまねごとしちゃうこと。アルアルわかるようんうん(笑)って本職かいっ!しかしながら・・・こんなにも残念じゃない貧乳があるものかと。これが微(美)乳というものでしょうか。トータルで均整が取れていて、表情に少し残る少女っぽさが輝く感じです。作品としては、ホラーサスペンスになりますでしょうか。筋書きはシンプルながら、密度が濃く、中だるみしません。アイデアの勝利ですね。あり得ると思わせるリアリティがあることが大切で、チープ感が出たらアウトですが、そこはきちんとわきまえています。[DVD(字幕)] 8点(2023-04-23 15:59:25)

23.  ソーシャル・ネットワーク 《ネタバレ》 facebookの創設秘話。主人公は創設者マーク・ザッカーバーグ。私が、個人的にfacebookに興味がなく、当然ザッカーバーグにも興味がないことから、見るのが遅くなってしまいました。facebookのサービス自体に興味がなくても、その周辺には何かしら面白いことがあるかなと、思い直して見たわけですが、結果的には、あまり楽しめませんでした。facebookの成長過程を追う過去パートと、facebook創生期にアイデアを共有していた元同志達から訴えられ、いくつかの係争をかけもちでこなす現在パートとが、交互に切り替わりつつ進んでいくのですが、現在パートの係争は簡易的なもので、張り詰めた緊張感が感じられず、メリハリ面では、あまり効果的ではないように思いました。同じ係争を複数抱えていることで言えば、某巨大掲示板の元管理人なんかの方が、よほどネタとして面白い気が。しかし、アメリカの映画に出てくるアジア系の女って、化粧の派手さが独特で不快ですよね。一体全体どこから来るセンスなんだろう・・・。ヤマンバくらいに振り切れていれば、笑える分だけまだよいのですが・・・[DVD(字幕)] 4点(2023-04-23 15:52:37)

24.  アクト・オブ・キリング 《ネタバレ》 インドネシアで1960年代に起きた100万人規模の大虐殺(赤狩り)の加害者に密着したドキュメンタリー映画。当時はプレマン(free manの訛りらしい)と呼ばれる近所のチンピラが、大虐殺の実行を担っていたということです。その大虐殺実行者達が何人か集まって、学芸会よろしく、当時の虐殺を再現したりして、それを一歩引いてドキュメンタリーとしてまとめたものです。ちょっと落ち着いたパンチパーマのヤクザ風爺さん。腹で威圧するタイプの業界人風の仕切りたがりのデブなおっさん。この2人が主人公ですが、役者だと言われれば疑わないほど、素人では出せない迫力があります。何ら悪びれる様子もなく、簡便な方法として開発した針金で首を絞めるやり方を実地で解説したりする一方で、被害者役を加害者が血まみれになって演じてみたり、虐殺後にみた悪夢に現れる亡霊を前衛的なメイキャップで再現したり、被害者達が加害者に対して「殺してくれてありがとう」と次々と口にする妄想を再現したり(それなんて補完計画?)、加害者達にとって、ある種のセラピーになっているとも受け取れる、なかなか複雑なことになっていて、虐殺加害者のドキュメントというより、この映画を作るプロジェクトに参加する加害者達のドキュメントになっていて、メタ構造な上に、更に訳の分からんセラピーにもなっているという。もうね。訳が分かりません。[DVD(字幕)] 8点(2023-04-23 15:46:30)

25.  少女は自転車にのって 《ネタバレ》 サウジアラビアの活発でお転婆な娘が主人公。親父は汚れたつなぎを着てたりするので整備工か工場労働者でしょうか?家は結構立派で、テレビゲームと大型テレビまであって、親父が遊ばない間にピコピコ遊んだりするくらい。家の中で、宗教的厳格さはまったく見られません。自転車は案外高級品のようで、家にはなく、主人公の少女は、自転車に乗りたいので、自転車を買うために、ミサンガを密造し、学校で密売したりします。かなりフリーダムです。情報化が進み、欧米の文化が入り込んできて、女性が自身で情報を得て、考え、行動する機会を得るように変化している。一方で、宗教的な縛りは旧態依然として残っている。そのアンバランスな現状を見せることで、受け手に何かを考えさせるという作品。とは言えメッセージ性が前面に出ることはなく、役者の演技も自然で、いい感じです。サウジアラビアでは映画館(集会所)が禁止されていて、かつ女性監督による作品と言うことで希少性が高く、サウジの普通の家庭の内側が見られて、知識としてはたいへん貴重なのですが、だがしかし、面白いかと言われるとどうかなというのがあります。イスラム教における女性の地位が、考えさせられる問題だとしても、部外者が解決できる(解決させてもらえる)問題じゃないので、今ひとつ、突きつけられないのですよね。[DVD(字幕)] 4点(2023-04-12 18:05:11)

26.  インセプション 《ネタバレ》 他人の夢の中に入り込んで、自由に行動できる技術があるという世界設定。他人の夢に入り、アイディアを盗むことをビジネスとして営んでいるのが、主人公のディカプリオ。とある会社の経営者、渡辺謙が、ライバル会社の跡継ぎの潜在意識をいじるようにディカプリオに依頼するという話。と、ここまではまだノーマルな想像の領域なのですが、これに、夢の中でも夢を見る、その夢でまた夢を見る・・・という夢のネスト構造、ネストの奥の奥まで入り込んで行けるという設定と、夢の中では時間の進みが遅くなるという設定が重ねられ、一気に複雑になります。(私体験で恐縮なのですが、夢から覚めて、重たい体を鞭打って、大変な思いをして起きてみたものの、実は夢から覚めたのは夢で、まだ寝床に寝ていた・・・以下ループ。という悪夢に陥ったことがある私ですが、この発想は考えつきませんでした。感心しました。)と、ここまでは、何とかついて行けるのですが、これに、薬の調合だの、目覚めても虚無に陥るだの、細かい設定が、説明っぽく後付けされるので、わー、めんどくさー!となってしまいました。それと、夢に荒唐無稽なところが少なく、全然夢っぽくない感じですね。夢と現実を区別がしづらいことが、その後の展開にも関わってくるので、登場人物の感覚と視聴者の感覚が乖離しないよう調整した部分もあるのでしょう。序盤でやたら複雑さ、めんどくささを感じた割には、終盤、それなりにスッキリまとまって納得感はありました。細かいところは理解できてないと思いますが。[DVD(字幕)] 6点(2023-04-12 17:57:35)

27.  メタルカ-METALCA- 《ネタバレ》 襲われたゾンビのデス声に惚れ込み、飼い慣らしてバンドの一員にして、無名バンドから一気に人気バンドに駈け上がるといったバカ設定コメディーです。ゾンビのメイキャップのチープさからも、リアルなホラーとして勝負することは放棄していることが伺えます。とはいえ、ヴォーカルの女性が幼少時に受けたトラウマを抱えていたり、その彼氏がキレやすい束縛系だったりと、結構ディテールに凝っていて、役者もそれに応えていて、以外としっかりした作品になっている印象です。器用に肉付けしている分、そこそこ面白いのですが、バカバカしさの勢いが削がれているような気もしないでもないです。根幹的な部分で新しさがないので、驚きもあまりないのですよね。ロックバンドGacharic Spinが出ていることがきっかけで見たわけですが、オレオレオナ以外は端役でしたね。もう少し活躍が見たかったです。逃げ込んだ寺の坊主が座禅しながら奏でるギターをバックに、登場人物達が座禅しながら回転して曼荼羅紋様になるシーンは、神秘とバカバカしさがない交ぜになっていて好きです。PVっぽいですが。自衛隊のおばさんは一番笑えるキャラでした。ゾンビ役の風貌や仕草がマキシマムザホルモンのギターそのものだなぁと思って見ていたのですが、DVD付録の監督のコメントによると、6年前マキシマムザホルモンを聴いてからロックに興味を持ち、数年前Gacharic Spinを聴いて、本作を企画したとのことで、なるほど納得でした。ちなみにゾンビ役はSHAZNAのベースが演じているとのことです。[DVD(字幕)] 5点(2023-04-09 13:15:18)

28.  ゴーン・ガール 《ネタバレ》 映像は、この作家らしく落ち着いていて深みがあるし、サスペンスとして最後まで飽きることがないし、登場人物のキャラクターは立っているし、役者は細かな感情の動きを丁寧に演じているし、下世話なスキャンダルを好むマスコミと大衆、その共同妄想が反映される司法制度への揶揄にもなっているし、全体的に質の高い作品だと思いました。そして、今までにあまり見たことのないサイコパス像をつくりだしたことを特に評価したいと思います。緻密な計画が必ずしも成功しないところに、少し萌えました。[DVD(字幕)] 8点(2023-04-09 13:12:55)

29.  バビロンの陽光 《ネタバレ》 フセイン政権崩壊3週間後。イラク北部のクルド人のお婆さんと孫息子が、戦地で行方不明となった孫息子の父親(婆さんにとっては息子)を探す旅に出るという話。北部の乾ききった荒れ地をヒッチハイクしてバグダードまで辿り着き、そこからバスで、父親が収容されているという南部のナシリア刑務所に辿り着くが、収容者の中に父親の名前は無く、行方がわからず。そこからは、どこそこの集団墓地を探せと言われれば、それ以上の情報がないので従うしなく、集団墓地をハシゴして探し回ることに。バビロンまで来るも、結局見つからず。といったような話です。実際に戦乱による行方不明者が数十万人いて、似たような境遇の遺族がたくさんいるとのことです。大きな感動はありませんが、荒涼とした大地と、そこで暮らす人々の営みが感じられて、途中であった人たちとの交流も描かれていて、悲しみだけで終わらず、しみじみとした味わいのある作品です。イラクには映画産業が無いので(監督の話では崩壊したとのことなので元は多少なりともあったのでしょうか?)、役者という職業も無く、演じ手は皆、素人から監督が選んだ人たち。この人しかいないだろうと思わせる人選と、自然な演技。見習いたいものです。映像特典の監督インタビューが興味深かったです。映画産業が崩壊したイラクでの撮影の苦労は、我々の想像する以上のものだったことでしょう。[DVD(字幕)] 6点(2023-03-30 17:47:48)

30.  マッドマックス 怒りのデス・ロード 《ネタバレ》 砂漠化が進み、水や資源が枯渇し、近代国家はなくなり、暴力が支配する近未来。すぐに「北斗の拳」を思い浮かべますが、調べるに、「北斗の拳」の方がマッドマックスのシリーズ初期作品から、大きな影響を受けたとのことです。全面的に砂漠が舞台なので、ISISを連想させなくもありません。時宜を得ていると言えなくもありません。そんな何でもありの世界ですから、当然、悪い奴が暴力で支配をしていて、女性を手籠めにしていたりするわけで、女隊長がこれに反旗を翻し、女性を解放しようとし、主人公マックスもこれに加わるというような話です。何もかもが過剰でスピード感も半端ないので、2時間とそれほど長くないのですが、爽快に疲れます。バカっぽいアイデアを、とことん突き詰めて磨きをかけると、驚きと笑いに混じり、妙な説得力が生まれます。なかなか、この領域までは届かないものです。太鼓にエレキギター。棒高跳び。笑えます。[DVD(字幕)] 8点(2023-03-26 15:38:04)(良:1票)

31.  ムカデ人間3 《ネタバレ》 舞台はアメリカの刑務所。1作目、2作目の主役がまさかの共演。1作目のマッドドクターが、刑務所長役となり、2作目のとにかくヤバい人が、その補佐役の事務方を演じています。ヤバさの面で2作目の主人公は1作目の主人公を完全に凌駕し、行き着くところまで行ってしまった感があり、もうやることないだろうと思われたのですが・・・3作目においては、まったく違う役で共演させることにより再逆転を図っています。そのアイディアに感心しました。そんな手があるものかと。役者もそれにきちんと応えています。ホラー要素をほとんどなくし、コメディーに大きく振っています。アメリカを舞台にしたことで、カラッと乾いた感じとバカっぽさが引き立っています。基本、大笑いできるのですが、これ以上ないくらいに下劣で暴力的なシーンも混ぜ込んであります。一人で見ていたから笑えましたが、人と一緒に見ていたら場が凍るかもですね。一家団欒の場で見ることはあまりお薦めしません。所長の性奴隷の事務の姉ちゃんも、慣れてくると結構かわいいです。一緒にムカデにされてたのには笑いました。[DVD(字幕)] 7点(2023-03-23 20:26:39)

32.  ゼロ・グラビティ 《ネタバレ》 ハッブル宇宙望遠鏡の修理作業をしていたアメリカ人たち(サンドラ・ブロック他)が、遠くで爆発事故を起こしたロシアの宇宙船から飛んできた破片の雨あられに巻き込まれてしまうという話です。宇宙でこんな事故に遭ったら、万に一つ、否、億に一つも生き残れないところですが、とは言え「みんな、てんでんぱらぱら、宇宙の塵になってしまいました。おわり。」では映画として成立しませんから、いかに視聴者に見透かさないように話に引き込むかが勝負だと思います。まあ上手くやっていると思います。事故を警告した地球の管制塔サイドのシーンもなければ、回想シーンもありません。ひたすら主人公廻りの宇宙空間または宇宙施設内の視点のみで構成されているので、息が詰まり、逃げ場がありません。空間が無限に広がっているがゆえの閉塞感、孤独感に押しつぶされそうになります。余計なシーンをそぎ落とすことは、創り手にとっても逃げ場がないわけですが、そこは妥協することなく、徹底的に宇宙空間を、無重力感を、ディテールを創り込んでいます。その妥協の無さこそが最後の解放感にもつながってくるわけですが、まあ、邦題は余計なものを付けたもんだなと。[DVD(字幕)] 8点(2023-03-14 18:39:23)

33.  シン・ゴジラ 《ネタバレ》 日本でも制作費をそれなりにかけて、本気で創れば、海外映画に負けないパニック映画が十分成立するんだな~と、改めて感じ入りました。62年前に公開された初代ゴジラが到達していた境地なのですが、長かったなと。ようやくそれを超えれたなと。ま、ゴジラシリーズはこれまでに初代ゴジラ以外見たことがないんですがね。映像のリアルさ、グロテスクさ、迫力は、怪獣映画の頂点と言って過言ではないでしょう。ただリアルだけを求めると、ハリウッド的になってしまうのですが、リアルさを捨ててケレンを付加しているところもあり、そのさじ加減がたまらんです。話としては国家の災害対策にフォーカスしているのですが、真面目かつ滑稽で、緊張感と笑いのバランスが絶妙です。エヴァンゲリオンを観たことがあれば、さらに楽しめ、終始ニヤニヤすることができます。思いっきりネタバレになりますが、キモカワイかったシャムシエルから、かわいさを引いて、腐ってやがる早すぎたんだ的な生物的なグロテスクさを、とことん突き詰めた造形です(後日修正:かわいさを引いて→かわいさはそのままに)。キャストに石原さとみが入っていることに一抹の不安を感じていたのですが、杞憂でした(これまでCM等で見かける裏が透けて見えるわざとらしい演技が嫌いでした)。今回ちょっと見直してしまいました。カヨコ・アン・パタースンと名乗り、英語混じりの日本語をしゃべる米国大統領特使という、作品内でも随一にマンガチックでわざとらしいキャラがあてがわれていて、ムチャぶりもいいところなのですが(おそらく、香貫花・クランシーのような日系辣腕才女のテンプレートを意識)、熱演が結構ハマっているんですよね。新たな発見でした。制作陣の本気度、熱が役者にも伝わるものなんだなぁと思いました。[映画館(字幕)] 10点(2023-03-14 18:23:07)

34.  ルーム 《ネタバレ》 前半は母親が5歳の息子を利用して犯人を欺く脱出作戦を計画し、母息子協力して実行。脱出が成功するかどうかのサスペンスとしてのドキドキ感があります。後半はガラッと毛色が変わり、脱出後の母息子の生活に焦点が当てられます。息子が、少しずつ外の世界に慣れていく一方で、母は、PTSDに苦しむことになります。女性にとって、10代後半からの7年間、犯人の性奴隷として生きることはあまりに苛酷で、失ったものは大きく、心に重大な傷を負い、精神が不安定になるであろうことは、想像に難くないところ、母への事件についてのインタビューの不躾っぷりが、あまりにひど過ぎて(それをきっかけに母の精神が病んでいく)、今ひとつリアリティが感じられませんでした。そんなわかりやすい話にしてしまっていいのかなと思いました。また、本来の怒りの矛先であるはずの犯人に関する情報が、脱出後にまったく出てこないというのも、不自然に感じました(作品として部分部分はいいのに、何かが抜けてて、全体としてまとまらない感じがする原因かも知れない)。このようなシチュエーションに陥った場合、人の心はどうなるのだろう、周りはどうあるべきなのだろうと、いろいろと考えさせられる作品であり、その意味で価値ある作品だと思いますが・・・作品内で示されたリアクション(解答)は、自分としては感情移入できるところが少なく、あまり心が動かされませんでした。[DVD(字幕)] 4点(2023-03-14 18:13:30)

35.  レヴェナント 蘇えりし者 《ネタバレ》 西部開拓時代の骨のあるサバイバル復讐劇。西部劇と言えば、まずは乾いた荒野をイメージしますが、そうではなく極寒の雪山を舞台にしているのが新鮮です。インディアンのテリトリーに入り込んで、毛皮を狩る白人部隊の話。序盤、インディアンに襲撃を受けて、殺し合いになるところで、一気に引き込まれます。そして、主人公のディカプリオが熊(グリズリー)に襲われるシーンがすばらしいです。日本でも最近、熊の被害が多くなっているようだし、時宜を得ているなと思いました。「熊が襲ってきたらよけるから大丈夫www」とか「パンチで仕留めるからwww」とか、冗談半分に言ってる人、周りにいませんでしたか?無理だと言ったところで、聞く耳を持たず、なぜか逆に謎の上から目線で、自信満々な人いませんでしたか?そういう人にこそ、まず、熊のスピードをこの作品で体感して欲しいものです。突撃されたら、まず避けることなど不可能だと言うことを。それでも、本作品内のシーンは実際に比べれば、かなり甘いと思います。馬乗りになられたのにもかかわらず、瀕死の重傷程度で済んでいるのが奇跡的です。主人公が死んでしまったら元も子もないとは言え、ちょっと甘すぎるなと思いました。話はシンプルで、複雑さなどまったく不要、というかむしろ邪魔という勢いで、大自然の厳しさと、厳しさ故の美しさを疑似体験させてくれるという点で、他に類がないレベルに達していると思います。狡猾な敵役を、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のイケメン主人公が演じていたのには、まったく気付きませんでした。大したものです。[DVD(字幕)] 8点(2023-03-11 13:56:33)

36.  GODZILLA ゴジラ(2014) 《ネタバレ》 武藤さんが活躍し過ぎで、主役が霞んでしまいました。前半がドラマパート、後半が戦闘パート。ドラマパートは、ゴジラの祖国である日本に対するリスペクトに溢れていて楽しめました。外国人が撮影する日本の、肌触りの違いが面白いです。ドラマ自体は実にありきたりで、深みが感じられませんでした。戦闘パートは、最初、暗くてよくわかりませんでした。戦闘シーンの大半が夜中で、光量が絞られていて、昼間、光が入る部屋で鑑賞すると、ほとんど判別できません。夜中、照明を消した状態で見直したら、なるほど、よくわかりました。「絶対に昼間には見ないでください。」と注意書きしておいて欲しいですね!で、MUTOの話になりますが、重量感、硬質感、速度感、スケール感からくる非生物感が凄くて、ダイナミックではあるのだけれど、リアルに感じませんでした。一方で、子作りをして子孫を残したいだけのただの小市民であることが判明し(ちょっと「エイリアン2」の既視感あり)、倒すのはかわいそうに思えてしまいました。後味があまりよくないのですよね。正直なんでゴジラがちょっかいを出したのかがよくわからないのです。随分と人間に都合の言い終わり方だと感じてしまいました。ゴジラの造形は、いままでのものよりズングリしていて、ヒグマを感じさせます。特に咆哮時の顔の動きが獣を感じさせるものでした。個人的にはゴジラに対しては生物的なリアルさを求めていないので、あまり好みではないですが、バリエーションとしてはありかなと思います。[DVD(字幕)] 4点(2023-03-11 13:22:43)

37.  15歳、アルマの恋愛妄想 《ネタバレ》 いきなり白人の若い女が、ベッドの上でパンツの中に手を突っ込んで、オナニーしてるシーンから始まり、大爆笑です。それを見てる飼い犬の顔が神妙で笑いを誘います。この若い女(15歳、見えないが)が、エロ妄想をするという話です。この娘がPUFFYのかわいい方じゃない方くらいにはかわいくて、いい塩梅です。あまりかわい過ぎてもリアリティはなくなりますし、あまりブサ・・・平均より劣っていては、ふざけるなという話になりますし。で、クラスメートの男と二人っきりになったときに、なぜか生チンチンを押し当てられ、後日クラスメートの女子に話したところ、嘘つけと言うことになり、男も否定したため、妄想虚言癖と言うことになり、「チンチンアルマ」という不名誉なあだ名を付けられ、仲間はずれにされてしまいます。続きは作品をご覧ください。他のクラスメートの女が皆ブs・・・それほど美しくはなく、相対的に主人公が一番カワイイので、応援したくなります。ノルウェーの山奥の寒村を舞台にしたのも、内容との妙なギャップが生まれていて面白いですし、なんせノルウェーらしくて良いです。コメディー作品で、役者が過剰にコメディーを演じてしまうと、一気に安っぽくなって笑えなくなるのですが(日本のテレビドラマに多い気がします)、そこは抑制されていて自然な感じでとてもイイと思います。テレホンセックスで高額料金が請求されるシステム、今や忘れ去られたダイヤルQ2(死語)を、ノルウェー映画で思い出させられるとは・・・感慨深いものがあります。[DVD(字幕)] 8点(2023-03-09 19:47:41)

38.  サウルの息子 《ネタバレ》 何も予備知識を入れずに見ました。アウシュビッツ強制収容所のゾンダーコマンドの男が主人公。ガス室で死体の処理をしていたところ、その中から少年が奇跡的に息を吹き返しました。たいへん珍しいケースで、医者が首を絞めて殺します。その少年が実は主人公の息子だったらしく、息子の遺体を医者に解剖させずに、きちんと埋葬をしようと、収容所の中を男が奔走するという話です。現在進行形で大量に人が殺されていく中で、死者の埋葬どころじゃなかろうに。と普通に思ってしまい、最後までその疑問を引き摺ってしまいました。正気が奪われて、息子の埋葬を心のよりどころにせざるを得なかったのだとは思いますが、感覚的にわかりづらかったです。映像は、臨場感を持たせるためか、主人公に接近した位置から、画角の狭いカメラで主人公を大写しにしていて、限られた画面の隙間から、凄惨な情景が垣間見えるという手法をとっています。一つ一つの凄惨さにフォーカスするのではなく、凄惨さが飽和に達し、感覚が麻痺して、何が何やらわからない中で、虐殺がオートメーション作業のように進行していく感じが再現できていたように思います。[DVD(字幕)] 6点(2023-03-09 19:45:19)

39.  ロブスター 《ネタバレ》 大まかに言うと「バトル・ロワイアル」のように、限定的なエリアでサバイバルゲームをやっているわけです。が、経緯やルールの説明がほとんどされず、結果としての奇妙なディーテールからにじんでくるもので、なんとなく察っするしかないところが、この手の閉鎖空間限定ルールものの通常のスタンスと決定的に異なるところだと思います。サバイバルゲームをやっているようで、同時に男女のお見合いパーティーをやっているようで、更には、限られた期限で目的を達成できないと、動物に変えられてしまうという、トンデモ設定が絡められていて、シュールななんだけど、なぜか突飛さが浮くことなく、むしろ不思議なほど調和していて、説得力があるのですよね。説明しないことによって、説明するまでもないという空気が漂っています。作者はなかなかのキレモノかも知れません。(追記)というのが第一印象だったのですが、レビューを書きながら、作品の情報を集めてると、それなりに理屈の通った世界設定のようで、少し拍子抜けしたような、安心したような。上記の私のレビューはかなり認識が混乱しているのですが、その混乱を楽しめたので良かったかなと。[DVD(字幕)] 7点(2023-03-09 19:41:42)

40.  バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) 《ネタバレ》 かつてヒーロー「バードマン」(バットマン風)として人気を博した老いた映画俳優が、ブロードウェー舞台劇に主演兼演出で打って出るというような話です。業界の裏側を見せ、かつ、劇中劇と劇中現実の境界を曖昧にさせるところなどは、「脳内ニューヨーク」の感覚に似てるかなと思いました。なにせ、男女ともに、個性と主張の強い、濃ゆい人だらけで、仕事がらみだけでなく、元妻、元彼女、現彼女、子供までが、関係入り乱れて応酬を交わすので、飽きる暇が無いです。場面が変わるところでも、映像処理で長回し的に繋いだことも、テンポの良さに貢献しています。プレ講演だからとアドリブで暴れまくる人気俳優、そいつが娘にちょっかいを出すなど、主人公から見て、かなりムカつく役をムカつく顔の人が好演(後で調べると、日本語も話せるナイスガイらしい、それだけなりきって好演してたということですね)。「バットマン」の映画を見たこともないし、マイケル・キートンを初めて見ましたが、前知識が皆無でもメチャクチャ楽しめました。随所で笑えます。[DVD(字幕)] 9点(2023-03-08 18:39:05)

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