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性別 女性
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自己紹介 After shutting down my former blog, I'm writing some boring stories at new site. Anyone who's interested in, come along if you'd like to.

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381.  サタンクロース 《ネタバレ》 こいつはいいぞっ。 ブレット・ラトナー。「天使のくれた時間」は豪華キャストなのに駄作であったが、「レッドドラゴン」は物語性があってよかったものだ。 で、このハチャメチャなブラックコメディ、スカッといたします。 なんといっても、見どころはサタンクロースの滅茶苦茶な暴れっぷりのキレの良さ。ここまでされると、「恐怖」ではなく「快感」になるということだ。 有り得ない登場の仕方に有り得ない暴れぶり、その割にはペンタゴンに懲りてラビには手を出さないとか、人喰いトナカイとか、ちょっとしたところにもこだわりが感じられる。こんなキャラクター、待っていたんだ。 残念なのは、主役の二人に魅力が欠けること。こういう話だから主役にティーンエイジャーを持ってくるのは仕方ないとしても、じいさんの存在感に比べ、ニコラスとメアリーの場面では面白さが全く感じられず、早送りしたくなるほどである。この二人のシーンには、脚本に工夫が足りない。 ビル・ゴールドバーグの圧倒的なアクションのキレには驚く。さすがレスラーにして、演技もそれほど悪くはない。 続編が待たれるが、頼むからティーンエイジャーを登場させるならこんなつまらない描き方をしないでくれ。[DVD(字幕)] 7点(2007-03-21 12:51:56)《改行有》

382.  DOOM ドゥーム 《ネタバレ》 監督さんはカメラマンから進出した人なんですねえ。他の監督作品は未見であるが。 いつものように、ゲームのことは全く知らず(私はシューティングができない)、純粋にサバイバルホラーとして消費しようと思ったのだった。 まあ、映画「バイオハザード」と大して変わらない設定なわけだが。そこは映画の規模や監督脚本の力量の関係で、「バイオ」には数段落ちることは確かである。 緊迫感が足りないし、脚本も安い感じが否めないし、アラを探せばそれこそキリがない。が、ことB級映画については、「減点方式」ではなく「加算方式」によりいいところを拾って評するのが正しいというものでしょう。 で、本作の場合は見どころといえば目玉である「ザ・ロック」出演と、「いかに特殊部隊らしく見えるか」を楽しむということだと思う。まあ、それ以外の部分が拾えない出来であるともいう。 特典によれば、軍事アドヴァイザーには退役したばかりの元将校を迎え、俳優陣はプラハで本格的な軍事訓練を受け(たことになって)ている。この映画で最も力を入れたのは、「特殊部隊」をリアルに描く、という部分であったわけだ。…その結果は、それなりに出たというべきか。 それにしてもザ・ロックの肉体美といったら、画面いっぱいに占領して当然といえる堂々たるもの。また、この人は顔面もなかなかだ。肉体だけでなく顔もアップに恥じない堂々のスター顔である。ゴツいだけでなく、演技も「大根」というほどでもないのだから、大したものだ。頭も良さそうだ。天は二物を与えることもあるのか。 戦闘場面では、デストロイヤーの最後の闘いが見ごたえがあった。…ケガはしなかったのだろうか、と思うくらいに迫力があったなあ。あれだけの見せ場を与えられれば、あの俳優さんも本望というものだろう。 個人的にはポートマン役(エロ兵士ですね)の俳優さんが、面白かった。こんなに色々な表情を見せられれば、なんだかもうけたような気もする。いつもヘラヘラしているのに、戻って怪物退治を命じられたときはものすごーく情けない顔になる。人間のずるさ、弱さを演じさせたらピカ一、という俳優さんではないだろうか。拾い物だ。 兄妹の名前が「グリム」ですかあ。とかくB級は長所を探しましょう。[DVD(字幕)] 5点(2007-03-13 12:05:51)《改行有》

383.  アンビリーバブル 《ネタバレ》 ホアキンは出すぎではないだろうか。一時のニコール・キッドマンに感じたような「見飽きた」感がそろそろ湧いてくる。 売れっ子ホアキンにしてみれば箸休め的な参加とも思われるこの作品、余裕の表情で語るホアキンに比べ、クレア・デインズはかなり消化不良でストレスがたまっているように見うけられた。不条理には向かない女優さんかもしれない。 しかし、見るほうにしたってこれを消化するなどということはほとんど無理。消化など考えずに「雰囲気」だけ味わうのが無難である。 監督・脚本のヴィンターベアが飛行機で世界中を飛び回るという地に足の着かない生活を送るうちに、このアイディアを思いついたという。 それは何かというと「この世界が自明のものではなくなるのではないかという漠然とした不安」であり、それを映像化したということだ。「不条理」である。 「孤独になると心臓が悪くなって死ぬ」も「7月に雪」も「ウガンダで人が飛ぶ」も「妻のそっくりさんが3人出現」も、それ自体に大した意味があるわけではなく、すべて「漠然とした不安」の現実化なのである。しつこいようだが不条理なんである。 がここに、「不条理」と「退屈」は紙一重である、という危険がある。 例えばスコセッシの「アフターアワーズ」では、「不条理」を描いて「退屈」を遠ざけるに足る「芸」が凝らされていたと思う。「不条理」を描くには「だからなんなの」と観客に言わせない「芸」を必要とする。 残念ながら、「雰囲気」は充分出した本作だが「芸」があったとは言えない。 「スケート」という要素にしても、「なぜスケートでなければならないのか」を観客に納得させるだけのものがなく、「単なる思いつき、監督の趣味」の範疇を出ない。 「孤独になると心臓が悪くなって」の部分などは、それこそ邦画「回路」のパクリとしか思えぬ。 「回路」のテーマは「生きてる人間は助け合え」で、本作の場合は「愛こそすべて」。…似たり寄ったりである。 全体としては、「回路ヴィンターベアバージョン」といっていい作品である。が、やはり経験不足ということなのか、資質の問題か、己の思いつきを適当に散りばめたのみ、という結果。おしゃれな店などで、バックグラウンドに流しておくにはいいかも、という程度。「不条理」から「退屈」を遠ざけるには、この監督さんには荷が重過ぎた。[DVD(字幕)] 5点(2007-03-10 00:01:21)(良:1票) 《改行有》

384.  ロード・オブ・ウォー 《ネタバレ》 ユダヤ人のふりをしてソ連から移住してきたというオルロフ一家は、家名からして偽名、最初からウソを背負っているわけだ。ユーリの父は、ウソと事実の隙間を少しでも埋めようと、熱心なユダヤ教徒になる。ウソの量の多さに耐え切れないということだ。 しかしユーリは違った。ウソを空気のように吸って育った彼には、ウソに対するアレルギーなど全くない。誰もがウソをつくのが当たり前で、自分もウソをつくわけだから、他人にウソをつかれても本心からは怒らない。彼は長じてシニシズムの権化のような人間となり、ウソの上に築かれた関係こそうまくいく、という信念を持つに至る。本作では、これが死の商人ユーリを成立させた背景とされている。 当然女を落とすのもウソを利用するわけだから、妻に対してもウソをつきつづけ、貧乏移民の子としての本当のユーリの姿をさらすことができるのは、弟の前だけだ。それが「戦友」という弟との呼び交わしの意味である。 いついかなるときもシニカルなユーリは、判断を誤ることがない。それで銃弾が飛び交う現場へ行っても、余計なトラブルに巻き込まれず常に生き延びる。そんなユーリの負の部分を引き受けてしまったかのように、弟ヴィタリーの精神状態はおかしくなっていく。 妻エヴァに「なぜ商売をするのか」と問われたユーリの答えは、「俺には才能があるからだ」というものだ。ウソに対する抵抗がなく、ウソとウソの間を自由自在に泳いでいくことができる、それが非合法な武器商売に必要な「才能」であり、自分にはそれがある、ということだ。「才能」があるから、それを生かしたくなる、それが「ネイチャー」というものだ、とユーリはいう。 しかし、さしものユーリも妻のウソだけは見破ることができなかった。これで万事休す、と思ったら間違いで、監督アンドリュー・ニコルは、薄っぺらい勧善懲悪ドラマなどは排している。 ニコラス・ケイジは好演していて、ラストのイーサン・ホークとのやりとりでは寒気がするほど鬼気迫る。逆にイーサン・ホークは単なる正義派の刑事の枠を超えず、人物に幅がない。 もともとそういう目的で作られたとはいえ、ラストで常任理事国の国名を並べて非難するなどは、映画としての出来を損ねる気がして残念だ。政治的メッセージをあからさまに出すのはいつでも逆効果と思うのだが。[DVD(字幕)] 7点(2007-02-24 15:58:46)(良:3票) 《改行有》

385.  ザ・フォッグ(2005) 《ネタバレ》 なんだかとても惜しい気がする作品だ。 これは、悲劇と夫婦愛の話であるから、怖いとかそういうことを期待してはダメなのだ。 なんといっても、現代っ娘としての自分と、よみがえる前世のブレイク夫人としての自分との狭間で翻弄されるエリザベスをどう描くかという脚本演出、そして女優さんのウデにかかっているわけだ。 それは、ニックのガールフレンドとしてのエリザベスと、19世紀に生きるやり手の商人ブレイク船長夫人としてのエリザベス、それぞれの男性の吸引度を秤にかけてもらわなければならない。 が、どちらも中途半端なんだよなあ。だいたいニックというのが単なるハンサムのスケコマシ、ブレイク船長とは、ハナから太刀打ちできぬ軟弱な奴だ。これでは、「どちらの男性を選ぶか」などと悩む必要もなし。ドラマにならない。ブレイク船長というのが…この俳優さんは誰だか知らないがこの作品の中では格の違う出色の出来なのだ。しかも、ほとんどセリフなどないに等しいというのに、そのたたずまい、もう、目いっぱい「19世紀」している。なんでもうちょっとガイコツじゃない通常の場面を増やして、エリザベスとの夫婦愛を表現しないかなあ。惜しすぎる。 そして、エリザベス役の女優さんというのが、役不足。前世の記憶がところどころよみがえるという場面の後では、自分でもワケのわからぬ「過去の夫」への思いに、とらわれている様子を表現してくれなくては。単に「何かマボロシを見ちゃったわ」とか思っている場合じゃないのだ。物語のキモなのだぞ。 子々孫々タタられても仕様があるまい、というような悪業を犯しておきながら、リベンジに来られたと思ったら、妻を取り返したら気が済んで帰っちゃった、というオチにするならば、それほどの「夫婦愛」をきっちり描いておいてくれないと。例えば、この夫婦は結婚して5年くらいでまだ子供も居ないようだから、「移住したら、子供を何人作ろう」とか、「庭を作って、花の種を植えたいわ」とかさ。 全般に、「あらあらそんなわざとらしいハマり方して」というような凡庸な演出であり、複線の張り方にも工夫がない。監督の力量は知れている。 が、ラスト、結婚時のポートレートで終わったことは誉めておきたい。これはよくできたいい写真だった。ここはエリザベスも毅然としたいい表情だったね。ブレイク船長役の人はとにかく素晴らしかった。(ガイコツじゃない時の)[DVD(字幕)] 6点(2007-02-24 00:09:12)《改行有》

386.  ギミー・ヘブン 《ネタバレ》 「探偵物語」とか、「傷だらけの天使」とか、好きだったんだろうなあ。 「都会」であることといい、カタギじゃない稼業をやっているところといい、あのマンションの内部といい、安藤を水谷豊になぞらえたところといい、パクり心全開です。作り手の世代を考えると、無理もない。この世代の男の子って、どうしてもああいう感じにあこがれているわけね。 しかし、ここまで露骨にマネをされたうえ商業映画として公開されると、「おいおい」という感じになりますね。「あーたたちがそういうのが大好きだったのはよーくわかったけど、それだけで商品にしてしまうのはどうなの」 たとえば、しろうとがコピーバンドをつくって喜んでいるのはいいが、それを武道館で発表してしまっていいものか、とかそういう感じですね。 心配なのは、もしかすると、作り手はパクったつもりがないかもしれない、というところですね。そうだとすると、日本の映画界にとっては大変悲惨なことだ。こういうものに制作費がつくということが不思議だけども。 江口洋介は、「アナザヘブン」でも似たような役柄を主演し、今や邦画では正統派のヒーローとして主役を張って〝もつ〟という数少ない俳優となった。 「アナザヘブン」を見ながらその地味な容貌、これといってアクのない演技、「なぜ江口?映画界は江口を偏重しすぎていないか?」と考え続けていた私だったが、あの作品を見終わってなんとなく納得がいったのだった。 江口は〝良心のスタンダード〟みたいなものを体現することができる役者さんなのだ。彼はどんな突飛なストーリーであっても、観客の〝良心〟をはずすことなく、ラストまで連れてくる役割を果たす。あのちっこい目が真剣に見開かれるとき、観客は完全に江口と同化してしまう。 織田裕二ではこうはいかない。〝やんちゃ〟に過ぎるからだ。「踊る」の青島だって、観客は織田についていっているのではなくて、〝キャラクター〟の1人として鑑賞しているにすぎない。…というようにたまには江口について考えてみたりするわけです。 しかし安藤はどうしたものか。マネをするならするで、「傷だらけ」の水谷豊を見て勉強ぐらいしなかったのか。江口が妙に上手く思えてしまうほどの大根役者、舞台と間違えているとしか思えない大仰なセリフまわし。脇役とはいえ、こんなんで映画に出してもいいのだろうか。[DVD(邦画)] 4点(2007-02-12 22:30:00)《改行有》

387.  M:i:III 《ネタバレ》 かなりよろしくない。ちょっと驚いてしまうほどに。 トム・クルーズの出演作であるから、それなりのクオリティを期待してしまうのだが。 脚本が無茶苦茶すぎる。 トム自身のオーラで保たすのも無理なくらいに、全編これ茶番としかいえない。 「3」でのイーサンは、「弾のほうがよけてくれる」状態でありほとんど無敵になってしまっていて、荒唐無稽なアクションをすんなりこなされても、なんの感動も覚えぬ。 また、ここにきての「トムのオーラ」についても、若干の疑問が残る。ちょっと顔を直してはいるようだが、どうも焦点が合っていないような、浮世離れした感じがする。「コラテラル」では確かに感じた「お宝感」に欠ける。 監督が凡庸にすぎる。「減点をもらわないように」というポリシーで撮ったように思える。 フィリップ・シーモア・ホフマンも、「最も凶悪な犯罪者」とわざわざ言われないとわからないくらいに地味。ミスキャストと思う。フィッシュバーンにしても、「なんで出たのか」と思うくらいに存在感が薄い。極めつけは、黒幕というのがあんな情けないヘタレキャラのうえ、おおむねバレている。…どこをどうしたら良くなるとかいうレベルを超えたダメさである。 それにしても、「2」で仲良くなったアジア系の女とは別れたのかイーサンよ。だいたい、自ら育てたブロンド美人から、栗色の髪の女(しかもブス)に乗り換えるって、それはあんまりにもあからさまではないか。ここの設定に「私生活」まったく関係ないとは言えないでしょうが。 「3」のイーサンは「1」の時の毒と色気を併せ持つイーサンとは別物。「3」のイーサンとは、トム・クルーズの私生活から発生したものとしか思えぬ。「1」のイーサンなら、平凡な女と平凡な幸せなんて、有り得ない。[DVD(字幕)] 3点(2007-02-12 21:32:24)(良:1票) 《改行有》

388.  レイヤー・ケーキ 《ネタバレ》 どうしてもスカーフェイスを思い浮かべてしまうのだなあ。ストーリーはだいたいそんなものだし。 ギャングの下層からボスを倒して成り上がり、そして手に入れたのは若くてキレーなジャンキーの女、んで最後にやられる、と。こう書いてみると、そう新奇な話ではないのだ。 それを、血なまぐささを極力消して(チェーンソーなんてもってのほか、というところでしょう)、魚をさばく場面で「匂わし」たり、アイロン拷問後の場面だけ写したり、被害者目線で攻撃者を撮ったうえ煮え立った紅茶をかけるなど、「脱スカーフェイス」効果を狙った努力のあとを感じる。 また、主人公の部屋の描写も、そのあまりの生活感の無さに、スタイリッシュで乾いた感じを出すのに一役買っている。 ジーンの住まいも個性的で面白い。彼は、アパートメントの他に、船にも居場所を確保しているらしいのだが、このアパートの方は女のヌードアートでいっぱい、なんらエロいセリフなどなくても「俺は女好き」と主張している。一方、船のほうは低い天井に狭いリビング、チープだが暖かい雰囲気、と思いきや、ドアを一枚開ければ、そこには死体貯蔵庫にもなる無機質な窓のないキッチン。こういった部屋からもジーンというおっさんの複雑な性格がうかがわれる。 冒頭から主人公の世界観が語られ、回想場面が散りばめられるところなど、スパイク・リー「25時」をも思わせる。しかし、何にしてもギャング間の騙しあいという手垢がついたストーリー、作品としての成功にはダニエル・クレイグの魅力に頼るところが大きく、設定の新奇さという面では限界を感じる。ジミー殺しがあっさり成功してしまうところも、何だかなあ。 それにしても、エディというおっさんは、溺愛する娘をジャンキーのまま野放しにしているのはなぜなのか。そのくせ、虫がついたら即座に退治するし。その時点で娘を「回収」しないか普通?よくわからん親子だ。 悪くはないが、そう感心もできないという微妙な一作だ。[DVD(字幕)] 6点(2007-02-12 21:28:18)《改行有》

389.  ウルトラヴァイオレット(2006) 《ネタバレ》 もうこういうのはいいんじゃないかなあ。 だいたい私は当然コミックを読んでいないし、「ファージ」が吸血鬼だと気がついたのもだいぶたってからだった。 それでまた、シックスとの絡みに無理やりにでも情感を持たせようと、むやみな時間を割くのも勘弁。 これなら、「イーオンフラックス」のほうがナンボかマシだった。 映像は「CASSHERN」を思わせる粗粒子映像がいかにもバカバカしさをそそる。 (シックスをケースで運ぶのは、京極夏彦のパクリではないのか?)[DVD(字幕)] 2点(2007-01-01 15:44:49)《改行有》

390.  ファイナル・デッドコースター 《ネタバレ》 しばらく映画断ちをしていて、ほんとに久しぶりにみたのがこれだった。 そのせいかどうか分からないが、おお、いいじゃあないか。 死にっぷりが突き抜けている。 ウェンディが異常なほど怖がりに見えてしまうのは、序盤で通常時の彼女を描き足りなかったからで、「もともと怖がりな子なんじゃないの?」という気がしてしまうのが、ちょっと残念だが。 最初は単なるバカに見えていたケビン君が、だんだん締まったいい男に見えてくるところもいいですね。イアンとその彼女も、やさぐれ感がほどよく出て、いい感じ。これ以上グレているのは、私的には許せないが。 やっぱり東洋人の監督さんが撮ると、「外側から見た白人社会」という感じになりますね。これはなにかというと、「輪郭が太い感じ」とでもいうようなもの。自分にとって異質なものだからこそ、「輪郭が太く」なるわけです。 ケビンとウェンディの仲を、必要以上に進展させなかったところも、「サービス」とか余計なことを考えず節度が感じられ、よかったと思う。むしろ、不要な「サービス」を付けるほうが多いからなあ。 なかなか面白いと思いますよ。[DVD(字幕)] 8点(2006-12-29 22:47:27)(良:1票) 《改行有》

391.  ディセント 《ネタバレ》 おおこれは、と期待を持たせる序盤。 なんてったって、このスリル好きの女性たちというありえない設定。 「ライディング・ザ・ブレット」でも述べたように、「スリルのない人生なんて!」というのは、通常は女の人には必要ないセリフなのじゃ。そんなものわざわざ求めて洞窟にまで行かなくたって、現実の生活のほうが、スリルと緊張にあふれているというのが、女の人生であるのが常である。金と体力とヒマがあったらついついスリルを求めずにはいられない、というのは、男の属性であって、ふつうの女性にはあてはまらない。 そこをあえて〝新しい女性たち〟という視点で描いたのか?「もしかして、フェミな映画なのか?」という予想は、〝監督が男〟という時点でやっぱり「ありえな」かったのだった。 「今は男よりスポーツね」なんていう、〝男らしい〟セリフに期待をもたせておいて、ジュノなんていう、「やんちゃヒーロー型の女性」を登場させたりしてさ。まったくの肩すかし。ここらへんが「男性監督の限界であーる」と声を大にして言うぞ! つまりは、男の集団で演ずるべきところを、女に置き換えただけなのであった。 んで、その理由は、〝そんなのもう手垢がついちゃてるし〟というところなのだった。 話題を狙っただけで、女の集団で洞窟めぐりさせるなよなあ。 ああー、期待してしまっただけにがっくり。なにって、〝新しいリプリーの登場〟とか。[DVD(字幕)] 6点(2006-12-02 22:58:01)(良:1票) 《改行有》

392.  アメリカ,家族のいる風景 《ネタバレ》 私にはつまらなかったです。 単に面白くないというだけでなく、サム・シェパード(主演・脚本)とベンダースコンビに対して、「私にこんなもの見せるな」という嫌悪感を感じたのだった。だったら見なければいいのだけれども。商業映画として公開された以上は、想定外の〝彼らの価値観〟を見せられてしまったことについて、言わねばならぬと思うことがある。 もう、ストーリーなんてものはあんまりにもくだらないのでどうでもいいのだが、「自分の知らない間に何人子供が生まれていた」とか「たとえ一度も会ったことがなくても、血がつながっていれば何かを感じるはず」だとか、つまんない男性の幻想を2時間もの映画にしてしまうことも、大御所のオジサン2人が顔を寄せて考えたとは思えぬあまりにも幼稚な発想だなあ。まさか本気で言ってるんじゃないよなあ。 それから、作り手が「目に見えぬ家族の絆というもの」を持ち上げたいばかりにこれでもかと「物質否定」を繰り返し見せること、これが私には耐えられない。 なにも「家族の絆」を強調したいからって、「モノなんかどうでもいいんだ。モノに意味なんかなにもない。モノなんかこうしてしまえ!」という描写に走るのはあまりにも芸がないうえに短絡的。 〝モノ〟に罪はありません。ハワードにしろアールにしろ、物を粗末にしすぎます。食べ物だって、おいしくいただかなければかわいそうです。お母さんが用意してくれた朝食くらい、素直にいただきなさいよ。お母さんが、大切に磨いて乗っている車は、もっと大事に乗りなさいよ。ゴミをそこらへんにポイするのはいけませんよ、ハワード。それに、たまにはシャワーを浴びて体をきれいにしなさい。 人様に借りているアパートの窓ガラスを、故意に割ったりしてはいけませんよ、アール。そのうえ、窓から家具を放ったりしては、よその人にケガをさせるかもしれないから危ないでしょう。それに、まだ使えるものを、わざわざ壊したりしてはいけません。モノは、使われるために誰かが作ってくれたものなんだから。それに、あなただけの道ではないのだから、自分で散らかしたら、ちゃんと片付けなさい。………と、私の言いたいことは生活指導の先生のようになってしまい、そうか、ハワードもアールも中学生並みの精神年齢ということなんだなあ、などと思う。 シェパードとベンダースコンビには日本のこの言葉を知ってほしい。〝もったいない〟[DVD(字幕)] 0点(2006-11-29 12:49:18)(良:3票) 《改行有》

393.  ピクチャー・パーフェクト/彼女が彼に決めた理由(わけ) 《ネタバレ》 うっわ、ダメだー。 ここまでダメだと、早送りしつつも我慢して見続ける感じになってしまう。 脚本演出キャストが駄目である。 全体的に、「ブリジョン」のような負け犬系の先行作品と思われるのだが、ここまでダメになるというのは脚本もダメだが、演出がとてもダメ。冗長で平坦でセンスが感じられない演出。 ということは相対的に「ブリジョン」の演出というのはイケていたのだなあ、などと考える。 脚本も演出もイケていないので、アニストンのコメディエンヌとしての必死の努力がものすごく上滑りに見えてしまう。それはもう、見ていて〝イタい〟としか言えない状態だ。 だいたいケビン君を色男キャラに起用するなど、コメディといえども本当に無理だ。 なおかつカメラマンの男も「エキストラじゃないんですか」とうほどのインパクトの無さ。 それでもって脚本のダメさよ。社長がここまで社員の私生活に介入するなど、有り得ないではないか。ナンセンスコメディーで「ウチの社長はおせっかい」とかいうテーマならいいかもしれないが、これはラブコメだよなあ。設定そのものが間違っている。「おまえは結婚していないから、信用できない」などと面と向かって言われたら、セクハラで訴えるか、転職するのがアメリカの女性でしょ。 それを、「そうか、それならそういうフリをして一発かまそう」などと考える女がどこにいる。 「ジェニファー・アニストンは意外に足が太い」「ケビン君の大胸筋は立派だった」というくらいしか感想も浮かばぬ。 どっちかっていうと、お金返してほしいと思うほどの最低の作品だ。(0点でもいいのだが1点はママ役の女優さんに、もう1点はケイトの部屋のインテリアに)[DVD(字幕)] 2点(2006-11-26 15:11:24)《改行有》

394.  理想の結婚 《ネタバレ》 脚本構成がいかんと思う。 まず「ロバートの地位に対する危機」がストーリーを転がす第1動機であるから、その「失ってしまうかもしれない色々なもの」をある程度の時間を費やして納得のいくように説明してくれないといけない。そうじゃないと、ロバートが地位を失うことの〝大きさ〟が分からない。妻との生活がどの程度重要なものであるかも、「すべて妻のおかげです」とかセリフで説明したからそれでいいってもんじゃない。 ゴーリング邸でのゴタゴタの一夜はなかなか面白いが、ここらへんから「もしかして主人公はアーサー・ゴーリングだったのか?」という気がしてくる。 そういえばロバートというのは簡単にだまされたり、信じたり、前言撤回してしまうバカなやつ、ということになってしまっていて、人物が妙に薄っぺらい。それなら、ジェレミー・ノーザムのような濃い俳優さんを配しないほうがよかったじゃないか。 アーサーが主人公なのか、という目で見直すと、メイベルとのやりとりなどは、面白くなくもない。 「理想の夫」などという原題より、「ゴーリング卿の多忙な日々」というほうが内容にぴったりくると思う。 ジュリアン・ムーアはなかなかパンチが効いていたが、見ていたら松坂慶子を思い出してしまった。 味があったのは、ゴーリング邸の執事のフィップです。もうおじいちゃん執事なんだけど、主人が身づくろいを終えた後、自分も鏡をのぞきこんだりしてるところがなんだか可愛い。ゴタゴタの一夜の原因をつくってしまったのも、ただ主人に忠実だったというだけで、愛すべきキャラです。 この作品を見て確信したことがひとつ。「傲慢と偏見」のエリザベス・ベネットは、若い頃のミニー・ドライバーならイケたに違いない。 非常にゆるーい映画なので、とんでもなく暇だけどあんまり頭を使いたくない、という時にはいいかもしれない。[DVD(字幕)] 4点(2006-11-26 14:52:07)(良:1票) 《改行有》

395.  親切なクムジャさん 《ネタバレ》 これはこれは。なるほどそういう方向へ行くのかあ。 もっと絞って短くしたほうがよかったな。たとえばクムジャさんのアップは、ひとつの映画の中で1回まででしょう。繰り返すほどどんどん驚きがなくなる。あと無駄に長いシーンがけっこうある。最初のほうはかなりテンポよかったけど、小学校に集まって以降は、もっとカットしてテンポよく。惜しい。 ペク先生のチェ・ミンシクさんは、体を張っていてすごい。大ケガ必至のシーンによく耐えたものだ。役者魂。女優の演技開眼とかおおげさなの嫌いなのでクムジャさんの演技がどうとかあんまり興味なし。 ところでこの作品は、日本でもアメリカでも作ることはできなかったでしょう。復讐場面のことをいっているのではなくて、さらった子供の虐待テープを見せるところね。あれは韓国以外の国では決して撮られない場面と思う。 ミンシクさんが「善と悪が対決し、是と非が衝突する」ことが葛藤を生み、映画を面白くすると、インタビューで言っていましたが、これ、日本人が全然持っていない考え方で、どっちかていうと、キリスト教をはじめとする一神教の考え方ですね。見た目は似ているけれど、韓国の人は、中身は全く別物です。(日本人なら「鬼の目にも涙」に流れていくところ)「悪者が悪いほど葛藤が深まってよい作品になる」そうですから、なかなか普通の日本人からは出てこない発想です。 さて、近頃日本でも子供がさらわれてひどい目にあうことが多いのですが、「クムジャさん」鑑賞後の日本の皆さんは、こういうものを見せられて、何を思ったでしょうか。 先日最高裁で差し戻しとなった母子殺害事件のご主人ですら、ひとまずは「法による復讐」を求めておられます。彼の望みがかなわなかった後の事は予想がつきませんが。 理不尽なひどい目にあった場合、人はどのように行動すればいいのでしょう。これまでの日本人の常識からいうと、「時の流れに身をまかせて、亡くなった家族を悲しませないように前向きに生きる」が正解でありました。でも、こんなにひどい犯罪が起こるようになっても、それは変わらないものでしょうか。いつか日本にも「何か」が起こるかもしれないな、なんて少しは思ったりします。[DVD(字幕)] 5点(2006-11-25 20:56:19)《改行有》

396.  レッド・ドラゴン(2002) 《ネタバレ》 盲目の女性となら、お付き合いができるかもしれない。という犯人の思いつきとそれを行動に移してしまうところ、面白いと思いました。 正直言って、エドワード・ノートンのFBIとレクターのやりとりなんてどうでもいいんです。それよりも、盲目のリーバとフランシスの交際模様のほうがよっぽどスリルがあってドキドキさせられる。 リーバってのは、目は見えないけれど、もてるんですよ。 もしかしたら、〝見えないから〟なのかもしれない。だって、毎朝鏡を見ることがないもの。「今朝はいつもに増してまぶたが腫れぼったい」「ああ、こんなところにもシミが」「こんなに毛穴が広がっていたっけ」などという悩みとは無縁なのだもの。こんなに自信があって自由奔放にふるまえるというのは、盲目であるがゆえの特権といえるかもしれない。 また、彼女のように見えるものに惑わされない女性がフランシスを選んだという事実も、重要な意味があると思う。 これは猟奇殺人をしないではいられなかった変態のフランシスが、盲目のリーバに出会って癒され、二人でどこかへ旅立っていく、という話にしてもよかったのになあ。 もちろん罪の重さを考えると、途中でフランシスが車にはねられて死ぬとか失明するとか下半身不随になるくらいのことがなければ、収まりがつかないけれど。 …ラストのプチどんでんなんか全然なくてもよくて、そのくらいにこの映画はリーバとフランシスのラブストーリーとしての出来が突出して優れている、と思うのでした。[DVD(字幕)] 7点(2006-11-23 20:51:27)(良:2票) 《改行有》

397.  キングス&クイーン 《ネタバレ》 なんでここに「余貴美子」がいるのか? それでまあ、この女優さんはどっからどうみても主役級の美人には見えないわけだ。ごつい輪郭に寄りすぎた目、への字を描いた口。 ところが作品中では、なぜか絶世の美女であるかのようにチヤホヤされ続けているわけで。 こんなブスが主演女優で、カトリーヌ・ドヌーブをチョイ役で出すというのは、どういう間違いだ。 それで「私はへの字口は嫌いなんだぞおー!」と叫んでみたりする。 ノラという人はブスなうえにめちゃくちゃ性格が悪いですね。 この人の言っていることはほとんど嘘八百。そのうえ常に計算づくで男性に迫る。 「画廊を始めてみたけど、とても楽しいわ」ってそら、カトリーヌ・ドヌーブが言うならなんとも思わないが、余貴美子が言ってはいかんでしょう。「さっさと切符をとってちょうだい!」とかって、男性マネージャを当然のようにコキ使っているあなたは何様のつもり。 きわめつけは、「男(ジャン・ジャック)と楽しくつきあうために、息子を父親に預けっぱなし」ですね。そら、「仕事があるから」てな言い訳をしたのでしょうが、実際は違うでしょうが。子供を手放す親なんてのは、どんな言い訳をしようが自分のほうが大事だからに決まってます。(うちの母のうけうりだ) そんなブスで性格の悪いノラに、後半、〝父の手紙〟という強烈パンチが襲います。 この父の手紙については、解釈が分かれるところでしょう。 1.ノラが自分の死によって落ち込むことを少しでも和らげたいという親心で、ウソをつきまくってみた。 2.本心だった。 3.病気で頭がおかしくなってしまったため。 3である場合には、「病気による苦痛や、死の恐怖は、人格まで変えさせる」という描写を目的とする以外にはあり得ませんね。ところが、これは病気メインの映画ではない。1の場合は、自分の死後必ずノラが読むように、何らかの工夫をするはずですね。なので私は2しかあり得ないと思うのだ。 ということは、〝嘘で固めた人生を送り己の見てくれも省みずお嬢さんぶっている傲慢なノラに罰が下る〟という話かと思いきや、ラストは「私の心は今平和なの」みたいなことをつぶやいて終わってしまう。「私を通り過ぎた男たち(父を含めて)」みたいなノリである。まあ、そんな題名でもあるが…これでいいのか。「ミュンヘン」のルイが出ずっぱりとなっているのもいまいち意味不明である。[DVD(字幕)] 6点(2006-11-23 16:32:48)(良:1票) 《改行有》

398.  サイレントヒル 《ネタバレ》 ゲームについては何も知らずに見ました。 どうりで強引な部分があるわけですね。 ただ、冒頭からサイレントヒルに着いてシャロンを探し回っているあたりまで、「これは〝サイレン〟オチじゃないの」と思っていました。おまけにサイレン鳴るしね。なんだか設定も似ているよな、とか。ベネットまでシャロンを目撃しているということは、ベネット自体がローズの別人格なのか?とか余計なことまで考えてしまった。ただ、グッチ警部までもが「娘」と言っているのでやっとサイレンオチじゃないことに気がついた。 ストーリーを全く知らない私の場合は、サイレンオチでないならばあの怪物の意味は?なぜローズは絶体絶命のところで助かってしまうの?「手がかりを見つけた」って、なんでそれが娘の居場所の手がかりだってことが分かるわけ?という疑問だらけとなってしまいました。 ちょっと長すぎるのと、クライマックスの火あぶりおよび針金シーンあたりの見せ方が冗長な感じがしました。ああゆうシーンはえんえんと見せられると「はい、作り物ですね。」という気がしてきてしょうがない。また、ラーダ・ミッチェルがヒーロー気取りで叫びまくるシーンは舞台チック(芝居クサー)な気配もぷんぷんしてきて、閉口した。 クリーチャーが次々出てくるところはなんとなく「ザ・セル」ぽい感じもしました。 この手の映画にしては、そう悪くはないが、手放しで喜ぶほどではないというレベルでしょうか。 お疲れ女優のデボラ・カーラ・アンガーは、あの役にはぴったりだったし、ベネット巡査もイカしていました。女性警官がこんなにはまっている女優さんもめずらしい。やっぱ、女性警官はこのくらいごつくなくっちゃね。あっさりつかまってしまうところは「?」と思いましたが。 が、ラーダ・ミッチェルはあいかわらず好きじゃない。この人はウッディ・アレンの映画で堂々主役を張るわで勘違いもはなはだしい。あんなミニスカートにブーツなんて全然似合わない。他の美人女優たちがみなアクションものに励んでいるのにならって「あたしだって、戦うヒロインぐらいやれるわよ」と思ったか知らないが、ミラ・ジョボビッチやケイト・ベッキンセールやシャーリーズ・セロンとあなたは違うと思う。それは勘違いです。[DVD(字幕)] 7点(2006-11-23 00:17:59)《改行有》

399.  幸せのポートレート 《ネタバレ》 まるでTVドラマを見ているような安さであった。 それでもって、最初から最後まで、「だまされているんじゃないか」というヤな感じがつきまとう。 「このヤな気分の原因は何かしら」病気オチを持ってくるようなTVドラマめいた三流の脚本ももちろんイカんのだが、最大の原因はサラ・ジェシカ・パーカーである。 メレディスというのは、「美人で頭脳明晰でキャリアウーマンなのにメチャ性格が悪い」という役どころなのである。若い頃のシャロン・ストーンクラスの美貌が必要といえば分かっていただけるだろうか。よって、これが成立していないと、すべての設定が崩壊してしまうので、コントか?という気がしてくるのだ。 サラ・ジェシカ・パーカーは美人なのか?断じてNOである。 彼女が主役を張ることが許されるのは、「SATC」というお約束の中だからであって、無関係な映画に出て主役を張るような女優さんではないんである。人気が出た、ということだけで本人も周囲も大きく勘違いしている。 サラ・ジェシカ・パーカーはあくまでも〝キャリー〟として画面に映っているのであって、それはみんなが知っている「そこそこ売れているエッセイストで、田舎嫌いでNY以外のところには住めなくて、靴マニアで、浪費家で、結構いろんな男性と寝ている」女性としてである。「美人じゃないけど、親しみやすい」キャリー、なのである。 メレディスが美人じゃなかったら、なんなのか?「単に崩壊した性格の年増のキャリアウーマン」だよね。それが、三高らしきエヴェレットを射止め、なおかつ弟までとりこにするのか?ありえない。 特に、メレディスの傍若無人な振る舞い(部屋数が足りないのにエヴェレットと同室を拒否、から始まって急に大声を出したと思ったらいわくありげにうつむいて黙り込む、とかその他その他)は、美人にしか許されない行動である。これは絶対にサラ・ジェシカ・パーカーがやってはいけないんである。 なおかつ、エヴェレットがジュリーに鞍替えしてしまうことも、メレディスが美人でなければ、「性格が悪くてもあんな美人を捨ててまで」と思わせることなどできぬ。もっというとジュリーはクレア・デインズではなく、キルスティン・ダンスト程度の容貌の子にしなければ。 無駄な登場人物(妊婦のスザンナ親子とその旦那なんて、なんの必要がある)までいるし、脚本がダメなうえにキャストもダメで救いようがなし。[DVD(字幕)] 2点(2006-11-21 21:25:15)(良:1票) 《改行有》

400.  イノセント・ラブ(2004) 《ネタバレ》 個人的に苦手としているコリン・ファレルだ。 しかし今回は、人間離れしたどちらかというとよりサルに近い役であったので、例のサル顔もあまり抵抗なく見られた。 それにしてもひどい邦題で、これは「さいはての家」で行くべきでしょう。(故鷺沢萌の〝さいはての二人〟を思い出します) ジョニーの男遊びを見ながら、どうせそんなことになるであろう、とだいたい想像はついてしまう。 というか、ロビン・ライトが出ると、エイズオチになるのはなぜか?という気もしますね。 これはジョニーがエイズにならなければ、「田舎に飽きたクレアが家出を繰り返す」とかそんな程度の不幸で終わる話なわけです。エイズですべてをオトすというのはなあ。やっぱり「フォレスト・ガンプ」の2番煎じの感は免れない。 男性の作り手は男2人に女1人の三角関係を描くのが好きみたいです。(「スリーサム」といい、「レスザンゼロ」といい)そこのところに、私は「夫や父親としての役割が2分の1で済んだらどんなにいいだろうか」という男性側の隠れた願望を感じてしまう。 「2分の1ならやってみてもいいんじゃないかな」とかね。表向きはマッチョ神話で生きてきたアメリカだからこその、隠れた願望と言えるのではないか。 クレアは、ジョナサンがエイズで闘病して死ぬところを娘に見せたくない、ということで出て行ったのでしょうが、「自分は接着剤でしかなかったのか」という思いも当然あったでしょう。クレアにしてみれば、本当に愛していたのはジョナサンで、ゲイのジョナサンと人生を分かち合うために、ジョニーを交えた三角関係で妥協したというのが本音でしょうから。進んでいるように見えたって、女なんですから。あくまでもジョナサンとの1対1の関係の次善策として、変則的な関係を選んだと私は見る。 そういう意味で、出て行ったことに説得力を持たせるためには、お母さん化したロビン・ライトより、まだ女としての欲望や生々しさが感じられるもう少し若い女優さんにしたほうがよかったかなあ、という気がしました。ちょっとシワが目立ちすぎるな。 特筆すべきは、サルに近いジョニーという人に、手に職を持たせ、プータローでなく職業人として位置づけたところです。これが映画に厚みを持たせたと思う。フツウならホームレスになるか誰かに養ってもらいがちなところですが。 NY生活での70年代ファッションなども楽しめます。[DVD(字幕)] 8点(2006-11-21 21:22:43)《改行有》

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