みんなのシネマレビュー |
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441. 家族ゲーム バックグラウンド音楽をいっさい廃した異色の作品。 単なる受験戦争を皮肉ったものかと思いきや、 現代の家族関係の影の部分を抉り出し、社会へ問いかける深い映画となっている。 受験戦争が過熱していった時代、 いじめや希薄になった人間関係、俗物根性など「困った人たち」をストーリーにちりばめながら、 松田勇作演じる家庭教師の怪人ぶりに見るものを引き付け、シュールな笑いを誘う。 森田監督の才能を感じさせる一作。 昨今の、一方的に盛り上げるだけ盛り上げる過剰な音楽演出にうんざりしている人は見ておいて損はないと思う。[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-12-03 22:49:57)《改行有》 442. ラヂオの時間 三谷幸喜節が見事に炸裂した一作。 「みんなのいえ」が個人的に合わなかったこともあり、最初はテンポの速い展開に「またか・・・」と 悪い予感がしたが、知らない間にどんどんのめりこんでいった。 洗練された頭脳的な笑いというものは簡単にできないはずだが、 この映画の素晴らしいところは、それぞれの俳優の体当たりの演技がピタッとはまっている点。 話がどんどんおかしな方向になっていくのに、筋書きを破綻させないところが監督の才能である。 鈴木京香の素人っぽいが妙に色っぽいのも当たり役。[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-12-03 22:48:33)《改行有》 443. 陽のあたる場所 《ネタバレ》 最初は若者の立身出世物語かと思いきや、サスペンスさながらの展開に思わず釘づけになった。 主人公の心の葛藤が見事に映し出され、エリザベス・テイラーの魅力にも惹きつけられた。 それにしても、最初の女性が哀れでならない。 ラストにしてもアメリカの映画にしては救いがなく、現実のドキュメンタリーを見るようだった。 出来には拍手を送るものの、全体的に哀しい気分にさせるためにこの映画を見るのは一度だけで良いと思った。[DVD(字幕)] 6点(2010-11-09 10:14:08)(良:1票) 《改行有》 444. アフリカの女王 カラー映画ならではの迫力ある大自然が素晴らしい。 男女の奇妙にも映る恋愛を描いた作品で、意表をついてくる展開に心が動かされたが、全体的に違和感はあった。とくに女性の心変わりなど、心理描写の場面では唐突過ぎる印象を持った。 また、あまりにも都合の良い展開が多い。そこに昔の映画らしさを感じた。[DVD(字幕)] 6点(2010-11-09 10:10:50)《改行有》 445. 男はつらいよ 幸福の青い鳥 ヒロインの相手役として現代的な青年が出ているのが印象的だった。 世間でも浮ついた空気に影響されたのだろうか。 寅さんシリーズの中でのキャラクターとしては意外な気がした。 ただそれが逆にこの作品にリアリティを持たせていたといえる。 長渕剛と志穂美悦子はお似合い。実際に結婚しているのを知って、なるほどと思った。[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-11-09 10:07:32)《改行有》 446. 男はつらいよ 柴又より愛をこめて 美保純と栗原小巻がそれぞれ別のストーリーのヒロインとなっていて、正直あまり楽しめなかった。 あらかじめ元ネタの007や二十四の瞳を見ていればまた違った印象かもしれない。[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-10-22 16:14:35)《改行有》 447. 男はつらいよ 寅次郎恋愛塾 《ネタバレ》 マドンナ役の樋口可南子の存在もさることながら、今回の脇役が良い。 クリスチャンのおばあちゃん、民夫の恩師役の松村達雄、民夫の実家の父親と それぞれに自然な演技でありながら良い味が出ていた。幸せな気分になれる一作。[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-10-22 16:12:41)《改行有》 448. キートンの大列車追跡 当時はギャグ満載でテンポの良い傑作だったに違いない。 しかし、娯楽の発達した今日、目の肥えた観客には平凡に映る。 それでも自ら体を張ったキートンの演技にはドキドキハラハラさせられた。[DVD(字幕)] 6点(2010-10-22 16:10:58)《改行有》 449. 時の輝き ベタな看護話といってしまえばそれまでだが、看護士を目指して恋人を応援する青春映画の中でも秀逸な作品。少女向けの小説の映画化ということで、よくある陳腐なラブストーリーかと思いきや、二度ももらい泣きしてしまった。 山本耕史が演じる男の子(ジュンチ)が重い病気にかかる。病気映画にありがちな、きれいな部分だけを見せるのではなく、ちゃんと病気のつらい過程を描いるところも評価点。高橋由美子が演じる看護士見習い(由花)が恋をして、看病をして、家族とも対立しながら大人になっていく様が描かれる。 命あることの大切さ、恋することの激しさ…B過ぎて現実的には難しいストーリーだが、見る者を元気にしてくれる一本。[ビデオ(吹替)] 7点(2010-10-22 16:08:59)《改行有》 450. 聖者の眠る街 現実的でありながらも人を惹きつける映画だ。 ドキュメンタリーに若干の脚色を加えたようなもので、 人間の本道から外れていないから人の心をつかむのだろう。 しかも、ハリウッドにありがちなご都合主義や、ハッピーエンディングは存在しない。 地上波でテレビが放送しないわけだ。 お互いが心に闇を抱える相棒に声をかけて希望を取り戻すシーンが印象的。 全編を通して流れる終始重苦しい雰囲気に、心が洗われたというより、 少しだけ背中を押してもらった気がした。[ビデオ(吹替)] 7点(2010-08-28 19:25:29)《改行有》 451. 野菊の如き君なりき(1955) 悲劇は好きじゃない。見ていてつらいから。 恋とは何物にも変えがたいものだとしたら、この映画は酷すぎる。[CS・衛星(邦画)] 4点(2010-07-19 17:13:26)《改行有》 452. ポストマン・ブルース これは面白かった。 丁寧な脚本の組み立てで最後まで飽きない。 まだまだ邦画も捨てたもんじゃないと感心した。 極力アクションシーンを抑えながら、平凡な郵便局員の日常が暴走していく様はお見事。 警察側の勘違いがエスカレートしていくにしたがって、観客の笑いも加速していくという仕掛けが秀逸。 見終わったあとに「すっきり爽やかな気分」とはいかないけれど、映画が持つエンターテインメントの奥深さを垣間見れて、すっかり得した気分になった。[ビデオ(邦画)] 7点(2010-07-10 00:14:31)《改行有》 453. 高校教師/もうひとつの繭の物語 これは・・・そうとう話がいびつだ。しかも話の進む方向が暗い。 テレビドラマ版が誇張されすぎていたのだから、もう少しノーマルな方向に持ってきても良かったのでは?と思いながら見た。 途中まではまだ良かったのに、後半で展開がグダグダなのは明らかだ。 出演陣の迫真の演技と丁寧な作りが光っただけに、脚本で損をして凡作に成り下がってしまった。[ビデオ(邦画)] 3点(2010-07-10 00:10:55)《改行有》 454. カラー・オブ・ハート この評価は脚本の力によるところが大きい。 やや強引な展開は残念だが、 基本になっている話の展開が面白いので、次はどうなるのだろうと自然に引き込まれてしまうのだ。 ところどころで仰々しい音楽が気になったものの、このサイトを見てずっと気になっていた作品だから、出来が嬉しかった。[ビデオ(吹替)] 7点(2010-07-10 00:08:18)《改行有》 455. ライアンの娘 なるほど、これは名作。 荒れ狂う波に象徴されるアイルランドの厳しい大自然のなか、 人妻女の不倫ドラマが描かれるわけだけど、 そんじょそこいらの陳腐なメロドラマではなく、 中世を思わせる偏屈な住民がいる片田舎で、 生死を賭した恋愛と家族の運命が描かれるという、 とっても重厚な映画だった。 ふう。ちょっと長かった。 ビデオは前後2本もあって、あの「風とともに去りぬ」と似ているなあと何度も思った。 雰囲気が終始重苦しい中、マイケルの存在が目立っていた。 私なんぞの眼力ではとても演技しているとは思えなかった。 アイルランドの歴史や、教会の関わり、神父の役目などの知識があればもっと楽しめたに違いない。[ビデオ(字幕)] 7点(2010-07-10 00:04:37)《改行有》 456. REX 恐竜物語 たぶんスタッフは早い段階で失敗作であることを気がついたに違いない。 そうでなければ、コミカルすぎるドタバタ劇、意表をつきまくる演出、あまりにも明らかな矛盾を 観客が最後までニヤニヤと笑ってみることができなかっただろう。 終わりに「HAPPY END」とあるように、子供だましと思わずに最初から喜劇と思ってみれば良いと思う。 ただ子供にはお勧めできないよね(笑)[ビデオ(邦画)] 5点(2010-07-07 00:40:57)《改行有》 457. がんばれ!ベアーズ これはうまい。あくまでドライなタッチの中に、ユーモアをさりげなく織り込んでいる。 少年向けでもあるが、同時に大人の事情も垣間見れる大人な映画。 単なるスポ根ものではない映画がアメリカにもあるんだな。 7点に近い6点献上。[ビデオ(字幕)] 6点(2010-07-07 00:34:38)《改行有》 458. M:I-2 テンポ感、スピード感ともにジョン・ウー監督らしさが感じられた。 意表をついてマスクをはぎとると別の人間が現われるシーンが面白い。 アクションシーンも多くエキサイティングな映画には違いないが、 もっと落ち着いた雰囲気の映画が好き。とにかく目が疲れた。[ビデオ(吹替)] 5点(2010-07-07 00:31:21)《改行有》 459. 真夏の少年 不思議な作品。悪く言ってしまうとすべて中途半端で微妙。 良く言えば、少年のひと夏の出来事を切り取った味のある青春物語。 少年向きなのか、大人向きなのかそれすら分からない。 見方ひとつでずいぶん印象が変わる映画のような気がする。 ほぼすべてが少年の目で語られ、分かりやすいのは間違いない。 和歌山県の海をバックに、この平成の時代に撮影されたとは思えない懐かしい風景が印象的。[ビデオ(邦画)] 5点(2010-07-07 00:26:35)《改行有》 460. 男はつらいよ 寅次郎真実一路 企業戦士の妻役であるマドンナ大原麗子は、役どころのイメージにあっていた。 また、良くも悪くも失踪役のサラリーマンで米倉斉加年のイメージが良く出た作品である。 いつも以上に町の人から蔑まれ、馬鹿にされるお人よしの寅さんが悲しく思えた。[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-06-26 22:19:45)《改行有》
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