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自己紹介 After shutting down my former blog, I'm writing some boring stories at new site. Anyone who's interested in, come along if you'd like to.

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461.  ミュンヘン 《ネタバレ》 それでこの主役の俳優さんはいったい誰、とエンドロールに目をこらしたら、なんとエリック・バーナではないか。あの「ブラックホークダウン」のニヒルなデルタ兵士の。あまりの変わりように、2時間30分もの間気づかなかったという、なんということだ。 フランスの役者さんのことでは、オゾンの近作「5×2」の妖艶美人テデスキさんと、その父役だったロンズデールさん(ジャッカルの日のヨレヨレ警部)がセットで出ていて驚いた。(先日見たばっかり) それにしてもルイにはすっかりやられてしまった気分です。なんという妖しくやばい空気。出番が少ないのにルイの存在感がすごすぎる。「やばい男優」部門第1位を進呈したい。 この重苦しすぎる「ミュンヘン」、興行的成功はまず無いであろう。 私はスピルバーグが最も失敗したと思うのは、ミュンヘンの人質事件の様子ををフラッシュバックで事細かに入れてしまったこと。これは無くてよかった。そうすれば2時間でおさまったでしょうし。 これはだめ。そんなものをビジュアル化して見せるというのは、映画としては格落ちしより茶番に近づくだけだし、モサドのやったことの正当性を補足している感が否めない。モサドやアブナーや仲間の復讐心というものは、その原因となった事件をビジュアルで見せるのではなく、観客の想像力で見てもらうような演出をするべき。そこがダサい。 「憎悪の連鎖」というものに対して、スピルバーグは何かを示したかったらしい。最も得意な武器を使って。それで思い余って「こんなことを続けていてはダメだ」とセリフで言わしちゃった。それもダメだ。セリフで言わすなら言いたいことを本に書くとか広告を打っても同じじゃん。せっかく「映画」という得意技を使ったのになんだかちっとも映画になっていない。真っ向勝負すぎる。 スピルバーグという巨匠(?)にして力みすぎてなんだかなあ。 (「憎悪の連鎖」については、人類ははるか昔に特効薬を見つけていたのに。それは「婚姻」による「混血」です。血を流さない解決法はこれしかないのです。なのに現代ではこの方法がほとんど使われていない。「婚姻の自由」よりも、「憎悪の解決」のほうが重要な場合もあると思うけど(特に要人の場合)。異教徒だから結婚は難しいのがあたりまえだけど、もうこの方法以外には、無い。ためしにイスラエルの首相とPLOの代表の子女が結婚してみたらいい。) [DVD(字幕)] 6点(2006-08-19 23:08:40)《改行有》

462.  25時(2002) 《ネタバレ》 悪くない。 スパイク・リーを見たのは久しぶりだったけど、期待をはずさない出来だと思う。 明日は楽しい収監日。さあ何をして過ごそうか?というシンプルな話なんだけど、「逃げる」か「自殺する」か「出頭する」かの3つの選択枝の中から、モンティがどれを選ぶか。1番と2番は無いよね、というのは映画の雰囲気からして見るほうはなんとなく分かっているわけだ。じゃあ当然「出頭する」しかないんだけどそうやってそこまでもっていくのか?というツカミで引っ張るわけだ。そして、「チクったのはいったい誰?」。「収監される」というだけで、死刑囚にでもなったかのように、おおげさに苦しむモンティと周囲の人たちに、「??たったの7年でしょ?」と思うわけだが。彼らの認識では刑務所の中は「アメリカンヒストリーX」のような状態になっているらしいのだった。(なぜかこちらもノートンだ) 鏡のシーン、ラスト近くの妄想シーンは他の作品と一線を画すのに効を奏している。 最終的にモンティは己の浅はかさを悔い、友人たちは、モンティに苦言を呈しなかったことを悔いる。 そしてモンティは年貢の納め時を受け入れる。のだが例の妄想シーンの間中、「??これは夢?現実?」と観客を迷わせて技を見せる。「存在しなかった未来」を見せることによって、モンティが諦めたものの重さを示して秀逸だ。 鏡のシーンも異色だった。ニューヨークはアメリカじゃない、と言っていたのは誰だったか忘れたけど、そう、ニューヨークのように人種と文化が混在している都市は人類の歴史から見たら奇形なんだと思う。 たぶん人間の神経には、己と異なる文化を容認する許容量があるのだ。コップの水のように。花粉症の発生点のように。 スパイク・リーもそのことを言いたかったのだが、同時にそれがモンティを免罪するわけではなく、「(自分と異なっているから)おまえらみんな大嫌いだ」と言ったら当然相手も同じ事を思っている、という事実をつきつける。 見る価値はある。 [DVD(字幕)] 8点(2006-08-19 22:58:37)(良:1票) 《改行有》

463.  まぼろし 《ネタバレ》 「5×2」に気をよくしてオゾンと仲直りしたので、ちょっと前の作品であるこれも見てみた。 そしたら「ランプリング・ワンマンショー」状態であった。ファンなら大満足であろう。 悪くはない。あえて最後まで謎が解かれないのもそれでよい。時系列も素直で見易いとはいえる。 しかし、しかーし、これを見て私はランプリングが好きでないどころか積極的に嫌いであることに気がついてしまったのだった。 お直しの入っていない中年白人女性の顔、これは笑顔じゃないと好感をもつのは難しい。ところがランプリングは正真正銘の「不機嫌顔」女優。笑っているほうが不自然なほどの女優さんだ。 なによりその口元が0点。オールタイム「への字」。そして下唇がほとんど無いほど薄いうえに、下顎が上顎より引っ込んでいるために、常に「唇をかんで」いるように見えてしまう。唇をかむというのは、何か不愉快なことを耐えている表情ですから、これを90分近くひたすら見続けるのはけっこう厳しい。見ているほうもいつしか「への字」状態に。 お話としては、もともと精神的に未熟で少女のようなマリーさんが、経済的にも精神的にも頼り切っていた夫の失踪でおかしくなっていくという話。いやほんとに、こんな妻がいたら、夫は大変だっただろう。マリーさんは、自分と夫のこと以外は、全く見えない考えない、子供みたいな人だから。いくら夫が失踪してショックだからといって、都合の悪いことは聞こえないふりをして話題を変える、すぐにバレるようなウソをつく、直視したくないことは先延ばしにする、やってることは子供と一緒。これはもともとがそういう人なんでしょう。当然姑には好かれるワケはない。夫が全面的にマリーさんを支えている体制なのだから、そりゃあ、うつ病になったって、こんな妻には言えないでしょう。こういう神経過敏な女性役にはランプリングはぴったりなんだけど。でも、やっぱり好きじゃない(この顔)。 あ、私の解釈はどう見ても水泳中に溺死、です。こんな頼りない奥さん置いて自殺できないでしょう。事実ってそんなもんだと思う。[DVD(字幕)] 7点(2006-08-13 22:12:46)《改行有》

464.  シティ・オブ・ゴッド これを絶賛していたプロの映画評論家がいた。 これが好きな人は、「善と悪」という概念の対立が嫌いな人だろう。 何が正しくて何がいけないか、作り手がジャッジを済ませていることが嫌いだということだろう。 それほどこの作品には「善と悪」の対立も、「正義」もない。 誰がどう転落しようとも、なんの意味もこめずに撮る。誰が死のうがセンチメンタルなBGMも一切ない。観客はただ事の成り行きを見せられているだけ。例えていうなら「神の町」に潜入カメラが常駐していて、そのマル秘映像を見ている気分だ。(私の大嫌いなやたらな手ブレ映像も疲れる) 確かにこういうのを見ると、「禁煙」だの「副流煙」だの「体脂肪」だの「適応障害」だの「ちょっとした交通事故」で大騒ぎするのがバカバカしくなってはくる。 それは「神の町」ではあまりにも命が軽いからだ。 戦後の日本に育った私たちは、「命が軽い」という状態に慣れていないのだからこういうものに困惑しても仕方がない。「神の町」というのは人間が最もアニマルに近い状態(弱肉強食)で暮らしているところだ。この映画はその状態を感情をこめずに描いて、出口が無さ過ぎる。「サバンナの食物連鎖」をNHKなどで見せられているのとどう違うのかわからなくなってくる。人間と他の動物はあんまり違わなくてもいいのか?カメラマン志望の少年の存在だけで、どういう方向性があるというのか?(同じ「感情をこめずに命が軽い状態」を描いた「シリアナ」では、「それぞれの正義という矛盾」「中東という魔物」という方向へ観客を引っ張っていくためだったし、「トレーニングデイ」の「モノサシの混乱」はラストで主人公が家族のもとで自分を取り戻すことで救いが示される。) なので「どうだい、みんなこんな原始的な弱肉強食な暮らしをしてみないか。」でもなく「どうだい、なんて悲惨で可哀想だと思うだろう。」でもなく「ここから先に進むためにはどうしたらいいか一緒に考えてくれ。」でもなく、まさに「撮りっぱなし」だ。 見ようによってはものすごく「大人」な作品なのかもしれないが、「無責任」という見方もできる。映画というにはあまりに「意味」に欠けているかもしれない。私は絶賛はしない。 [DVD(字幕)] 6点(2006-08-13 18:00:54)(良:2票) 《改行有》

465.  スカーフェイス 《ネタバレ》 これを見たのは「カリートの道」をより深く理解するためだったといえるかも。 そして私の結論は、「スカーフェイス」は「ゴッドファーザー」を意識していながら超えられず、「カリートの道」はデパルマのリベンジであった。 同じパチーノを使ってわざわざ同じようなテーマの「カリートの道」を撮ったそのワケが、大いに納得がいった。リベンジです。ということは、デパルマはやっぱり「スカーフェイス」に満足が行かなかったと思う。 「ゴッドファーザー後」のヤクザ映画ということが災いし、しかも同じパチーノ主演、「シリアス」となると、「やっぱりゴッドファーザーのほうが面白かったね」という視聴後感を持って映画館を後にした観客が多かったでしょうね。 デパルマは打ちひしがれ頭を抱えたと思う。チェーンソーなんかではダメなんだと。 そして、どシリアスな「ゴッドファーザー」を超えるために「カリートの道」でデパルマが取った方法は「アレ」でした。好みの問題もあるけど「カリートの道」には11点以上をつけたい気持ちです。[DVD(字幕)] 8点(2006-08-13 00:27:14)《改行有》

466.  アウト・オブ・サイト …ゆるい。 メイキング映像から察するに、出演者から脚本家、原作者にいたるまで皆が勝手なアイディアを出したあげくにそれぞれの要望をモザイクのように実現した結果に見える。こういう場合はゆるーいものができますね。 ソダーバーグか?ほんとに? これがソダーバーグだというなら例のデビュー作「セックスと嘘とビデオテープ」や「イギリスから来た男」はなんだったのか。ソダーバーグの作品は当たり外れが激しいというか、「ソダーバーグ印」という安定感が皆無。 「ソラリス」でもコケたようにソダーバーグがクルーニーを出すとロクな事にならないようだが。 だいたい私はクルーニーの出ている映画で良かったものがひとつもないような気がするけど。「オーシャンズ11」もつまらなかったなあ。「シリアナ」はよかったけどクルーニーなんて居ても居なくてもどうでもよかったし。それに一時期全アメリカ女性をとりこにして一人勝ちしていたというクルーニーだが、そのフェロモンも私にはなぜか全然無効なので不感症かと悩んでしまう。 とにかくコント以下。茶番。 [DVD(字幕)] 3点(2006-08-13 00:11:39)(良:1票) 《改行有》

467.  フライトプラン 《ネタバレ》 だめだ。 思いつきに後から足していった感じがアリアリだ。 保安官が子供をさらうときになぜ誰も気がつかないのか? ジョディを犯人に仕立てるために夫を殺すなんて不自然だ? 夫が死んで子供がさらわれてももしジョディがイカれた行動をとらなかったらなんの意味もないじゃないか? そもそもジョディがあの機のチケットを取ってから「よしよし。俺もこれに乗り込むぞ。」って都合がよすぎないか?しかもあのスッちゃんまで一緒に? ああこんな脚本ダメダメだ。 天下のジョディ・フォスターを、こんな脚本で無駄遣いして。安売りしないでほしい。 最近バカ売れのサースガードも、こんだけ出まくっているとニコール・キッドマンのように見飽きてくる。 「フォガットン」とかぶっているじゃないかあ。テーマの「母性愛」はそのまんまだし。 [DVD(字幕)] 4点(2006-08-11 22:46:29)《改行有》

468.  死ぬまでにしたい10のこと 《ネタバレ》 高校中退でヤンママで深夜労働するしかなくて夫はほとんどプータローでトレーラーハウスで暮らすプアホワイトな彼女。 さて日本の皆さんはアンにどのくらい感情移入できるのか?まずまず難しいでしょう。私にとってアンは100%他人としか思えない。私自身の学歴とか収入なんて鼻クソのようなものなので、どうやらこれはそういう問題ではないらしい。 死を悟ってからのアンの思いつきや行動が、どうにも説得力をもって迫ってこないです。全部悲劇のヒロインぶった自己満足にしか見えないなあ。 アンはじたばたしない。なぜ?アンは誰にも打ち明けない。そんなに強い子なの? じたばたしないとしたらその理由は「これまでの人生に満足している」とか「もともと生きるのが嫌になっていたから」とか「あまり頭が良くないので深く物事を考えられない」とかなんかあるだろうが、これだと「あまり頭が良くない」としか思えない。 どうしてけっこう多くの人がこの作品に触れているのかなあ。アルモドバル製作だから? アンをわざわざこんな設定においたところから見ると、「虫けらのように24年間生きて虫けらのように死んでいく一人の女性」を描きたかったとしか思えない。すると、特にいいこともなくなおかつ運悪く病気で死ぬ彼女の何を見てほしいというのか。 マイナー作品で話題作というと期待してしまうけれど、これは「はずれ」。 [DVD(字幕)] 4点(2006-08-09 15:32:05)《改行有》

469.  カリートの道 《ネタバレ》 これは10点つけるしかない。 なんてことだこれを見ていなかったなんて。 脚本演出キャスト音楽全部すばらしい。(音楽のジェリービーンは昔マドンナと組んでた人ですね。この人の音は昔から快い。) デパルマは、全編通して「くくっ」という笑いとともに作っているんですね。それは「ガハハ」でも「フフフ」でもなく「くくっ」である。どうですこの散りばめられたコントの数々。しょっぱなから「レンタカー屋はあまり殺されないから」って決めセリフで「笑」。だいたいペンの髪型からしてバカにしてます。昔の栄光も陰が差し、ムショを出てから次々に昔の仲間が現れてはカリートを裏切る。裏切らなかったのはサッソだけ。そして最も信じていた相手に裏切られて死んでゆく。これは意図的に「笑い」を演出しなければ「悲劇」でしかないわけです。それをデパルマはあくまでも乾いた笑いを基調にテンポよく見せていく。なんという匠の技。 ここに出てくる暗黒社会の男たちは皆可愛くてアホに撮られている。特にカリート、なんて可愛くてアホな中年男性なんでしょう。 構成も絶妙といえます。「俺はしぶといから死なない。」のプロローグから、「OKボーイズ、もう助からない」のラストまで。「あっこいつは死ぬわけね。」と最初から分かっていたのに、カリートの人生を垣間見た後では、ウルウルしないではいられないラスト。まさにマジック。(同じ場面でありながら、最初と最後で見る者の気持ちが完全に変化していること、これを味わわせるためだったと思う。) スコセッシ、コッポラの両巨匠の撮ったヤクザものよりこちらのほうがはるかに洗練されていて完成度が高い。カリートが「勘」を頼りに生き抜いてきたというのがリアリティを感じさせる。デパルマはすごい(のも撮る)。 ペネロープ・アン・ミラーはニコール・キッドマンに似ていますね。ドアチェーンごしのラブシーン、明らかに「シャイニング」のパロディーと見た。こんなとこでまで遊んでいるデパルマ、イケている。 パチーノがプエルトリコ系移民というのはどうみても無理があるけどそれも「洒落」なんでしょう。このとき何歳だか知らないけど後半パチーノを無茶苦茶走らせるのもデパルマ流の「洒落」ですね。 つきぬけた名作。大拍手。[DVD(字幕)] 10点(2006-08-09 12:54:36)(良:3票) 《改行有》

470.  普通の人々 《ネタバレ》 思えば「グッドウィルハンティング」はかなりここからパクっていたんですね。 兄貴が生きている間は家族間の力関係が安定していたために誰も疑問を持たなかった「コンラッドに対する無関心」が、バックが居なくなったことにより表面化してしまった。それでこれからどうしよう?という話ですね。 その「無視」の出所は母親のベスであるわけで。まあどう考えても彼女のコンラッドに対する態度は異常ですよね。なんで今まで気がつかなかったんだ?というくらいに。 カウンセリングを受けなければいけないのは誰よりもベスなんだけど。 みんなが腹を立てているベス、その思考回路について私が想像してみましょう。 彼女のキーワードは「完璧」「安定」「計画どおり」です。こういう人が最も恐れるのは予定を乱されること、突然のアクシデントです。彼らは自分が他人より弱く傷つきやすいと感じており、予期せぬ事態に耐えられないと思っているからです。 そのため予定を立て、家族を管理し、自分の許容範囲を超えたハプニングが起こらないように努めるのです。「不寛容」は、もちろん自分が「寛容」を与えられなかったから出てくるので、「私がこんなにがんばっていることに比べればあんたのがんばりなんて何よ」という気持ちで四六時中過ごしているのがベスのような人です。自分が一番大変な思いをしているという気持ちですね。こういう人は自分のことでせいいっぱい。自分が崖から転がり落ちないようにするだけで力を使い果たしている。「母親のリミットを知れ」と言ったバーガー医師はまことに正しい。 私はどちらかというとベス的な人間なので、分かるところがあるのです。 彼女はたぶん、「いい子にしていればすべてが与えられる」という育ち方をしたのでしょう。だから、大人になった今も主婦として妻として、落ち度の無いようにがんばっているのです。そうしないと「最も恐れていた事態」が起こるかもしれないから。それは「夫に捨てられて生活に困ったらどうしよう」ですね。ところが皮肉なことに、それは彼女が想定していた落ち度以外のところから訪れたのです。 誰もが理解に苦しむベスとは、(たぶん)こんな人です。「魔女」ではありません。 この話の女の子版が萩尾望都の「イグアナの娘」ですね。(マンガだけど)[DVD(字幕)] 8点(2006-08-06 19:36:08)(良:3票) 《改行有》

471.  愛についてのキンゼイ・レポート 《ネタバレ》 …。…。これは失敗だ。 と思う理由それは、まずリーアム・ニーソンとローラ・リネイという俳優としては地味な二人組を中心に据えたこと。ほんとうに画面に華が無いのよね。サースガードが入ると少しは毒気がしてマシにはなるが、彼一人ではとてもじゃないがもたない。「エミリー・ローズ」でも思ったけど、ローラ・リネイは悪くないけど主役を張る女優さんではないと思う。彼女の一挙一頭足に目が釘付けになりますか? それにリーアム・ニーソンのつまらなさ。この人も主役を張る人ではない。しかもキンゼイという稀代の変人を演じるにはあまりにも「フツー」っぽい。もっともっともっと変な人だったと思うのよ、本物は。見てくれだけのことでなく。 そんな「フツー」っぽい二人組に無理して「乱交」だの「絶頂ウォッチング」だのさせるから、見てるほうは「いくらなんでも」とついていけなさを感じざるを得ない。 それと、同性間の性交だのスワッピングだの家族の異常な団欒風景だのの描き方がすごく意地悪だったと思う。これは映画をつくってる人間が、キンゼイの行動のうち、こういった部分を理解も受容もできていないがかといって批判もできないというものすごく中途半端な状態であることをあらわしている。キンゼイ先生は墓の下でどう思っているだろうか。 あまり関係ないが、故中島らも先生は「アマリタ・パンセリナ」の中でこんなことを言っていた。 「必要なのは受容と同化」「観察でも研究でもなく受容と同化」なんと深みのあるお言葉。もちろんこれは各種嗜好品について語っているのであるが。私はキンゼイの異常な行動を見るに、この言葉を思い出してしまうのです。そこのところを単に、「あーあ、学者センセイは世間知らずで変な方向へ突っ走っちゃうからなあ」っていうふうに撮ってたのがこの作品だと思う。だから、キンゼイに対する理解が足りないまま、キンゼイの行動のみを羅列しただけみたいになっちゃって、彼に失礼じゃないかあ? …キンゼイという上ネタを料理したというのに映画としてはやっぱり失敗だ。 [DVD(字幕)] 4点(2006-08-05 23:38:59)《改行有》

472.  シリアナ 《ネタバレ》 「トラフィック2」と言ってもいい構成。今後もこのスタイルで「3」なり「4」を続けて行くんだろうか。 とにかくこの映画の中では、黒人弁護士にしろ、CIAにしろ、クルーニーの諜報員バーンズにしろ、イラン自由化委員会にしろ、マットの経済コンサルタントにしろ、カザフの第一王子にしろ、特攻となったアラブの青年にしろ、「自分の正義」に向かってひたすら突き進んでいるのであーる。中には「不正こそが自分にとっての正義だ」みたいなことを言う奴すら出てくる。とにかく「正義」を描いた話なんだ。(How to be a ムジャヒディンの情景を説得力をもって描いた西側の映画としても評価できる。) そして「What is 正義?」と問い続ける。「人の数だけ正義(の種類)があったら、〝正義〟は無いのと同じ」っていう矛盾した世界のありようを見せつけるのである。 それと「中東」には「魔物」がいる。それにとりつかれた男達はなかなか帰ってこれない(らしい)。 バーンズがホワイティングとのサシの会見で「あんたも84年にベイルートに居たのか」って言いますね。 これ、私の耳には「あんたも〝あの〟女と寝たのか」と同じように聞こえたのだ。つまり、中東は、西側の男にとって「どうしても忘れられない性悪女」のようなものなんだろう。「あんたもあの女にイカれたわけかい。そりゃ、しょうがねえな。」と嫉妬まじりで同病相哀れむような口調になるわけよ。 デスクワークになってビル内に閉じ込められたバーンズの姿は、まるで陸に上がった魚のように哀れだ。「ここは俺の居場所じゃない。」って顔に書いてある。彼は「性悪女」にとりつかれて、元に戻れなくなってしまったのね。マットのブライアンですら純情な少年のように、急に瞳に星が入っちゃってさ、マジに第一王子に「夢」を見出してしまう。あれを「とりつかれた」と言わずして何という。 その中東の魅力がなんなのか、52度もある外気温なのか、迷信深い異形の人々なのか、「資源」なのか、貧困と猥雑なのか、たぶん全部なのだろうが。 それにしてもなぜか地球上で最も資源が集中しているという中東、「別れたいのに別れられない」「見下しているのに捨てられない」「忘れたいのに忘れられない」その姿は「憎みきれない性悪女」そのものだ。そしてこのタイトル、「SYRIANA」。 [DVD(字幕)] 9点(2006-08-05 00:03:54)《改行有》

473.  ヘルレイザー ワールド・オブ・ペイン 《ネタバレ》 おもしろかった。久々にイケてるB級ホラーを見た。 低予算ということに驚くほど、よくできている。編集もいい。しかも主役の女優さんがどの角度から見てもすごく美人。脇の女の子も良く見るとモデル並み。やっぱ主役の女優さんはキレイでスタイルがよくないとダメ。 あと、アイディアも随所に見られて、のっけから苦労して死体のそばのモノを取るとか、地下鉄の車両が無法地帯になってるとか、壁がどんどん狭くなってくるとか、血が止まらなくても死なないとか(幻覚だけど)、目玉であるピンヘッドさんを出すことだけに頼らない工夫が様々感じられた。こういうのすごく好きなんだよねー。 この女優さんは、アシュレイ・ジャッドに似ているが、私はこっちの方が買い。 [DVD(字幕)] 8点(2006-08-03 22:11:35)《改行有》

474.  リクルート 《ネタバレ》 パチーノが出ているというのにどうしてこう緊迫感が足りないのかと思った。(ゴッドファーザーの見すぎか) このお話では、パチーノが「悪者」であったことがはっきりした時点で観客は「衝撃」を受けなければいけないのだがそういう気持ちにはあまりならなかったのだった。そうすると、他に見るべきところも特にないのだった。なので見たことも忘れていた。 それと、死ぬ気で挑む訓練風景に、色恋を出すのはやっぱりウザいので訓練に集中して見せて欲しかった。あちらの男女っていつもいつも色目を使って異性を釣り上げるのに余念が無いけど疲れないのか?訓練中でもそちらに精を出すことは忘れないほど異性への欲求が強いとは恐れ入る。 サル顔のコリンはやっぱりダメだ。[DVD(字幕)] 5点(2006-07-30 23:13:38)(笑:1票) 《改行有》

475.  ヘルレイザー リターン・オブ・ナイトメア 《ネタバレ》 「ジェイコブズラダー」のリック・ボータ版といえよう。 しかし、そんなに悪くはない。べつにピンヘッドさんを出さなくても成立する話なんだけど、編集で無駄なところが思い切りよくカットされてるので作品としてはダメじゃない。でもシーツをめくる0.5秒前に分かってしまう。[DVD(字幕)] 7点(2006-07-30 14:02:45)《改行有》

476.  ふたりの5つの分かれ路 《ネタバレ》 「プール」と「8人の女」ですっかりオゾンに嫌気がさしたため、近寄らないようにしていたが、これは「メメント」みたいな構成だというので好奇心に負けて見てしまった。 いやいや、これには降参、大拍手を送ります。 フランスの底力を見せつけられた。 この女優さん、明らかにジムに通ってシェイプアップなどしておらず、金髪碧眼白人女が「フツーに」年をとった感じがよく出てる。んで、「ラ・ペルラ」の下着というのは、こういう女の人のためにあるのだな、ということがよくわかる。 「正真正銘のフランス人」というのはこういう女性なのね、そんでまた、アンジェリーナ・ジョリーが「半分フランス人だからモテて当然よ」とか言って自慢するのも、「あんたみたいにシェイプアップして体に金かけてる女なんかどっからどう見てもアメリカ人じゃん」と言いたい。 それでまあ、この夫のジルというのは、「絶対ありえない女性」を求めているんである。それは「文句を言わない女」である。日本の民話にある「二口女」を娶った男と同じ。それで「文句の多い彼女」から、「文句を言わなそうなマリオン」に乗り換えたのだが。マリオンが文句を言わない理由は実はヒステリーな母にうんざりして育ったからなのであった。「二口女」と同じで、「文句を言わない」というのは「文句が無い」ということではなく「文句はあるけど我慢しているだけ」なわけです。冒頭のホテルで侮辱したジルに突然鋭く叫ぶマリオン、ここの場面で明らかなように当然ジルに対する文句はいろいろと心の中にあった。だけど言わないようにしてただけ。けれどジルの求めていたのは「不満を抱かない女性」「自分を批判しない女性」なので、それはどこを探しても存在しないのでした(自分のお母さん以外には)。神経質で、現実より理想を重んじる夫のジル、「入院中の妻の着替え」のことより、「子供を持っても2人の関係は変わらないよね」ということの確認のほうが重要なジル、ああ、あんたってお子様…そんなお子様な男性の姿を、同じ男性でありながらごまかすことなく描いてくれたオゾン、あんたは勇気がある。 追:父役は「ジャッカルの日」のヨレッとした警部さんですね。[DVD(字幕)] 9点(2006-07-30 13:54:34)(良:1票) 《改行有》

477.  スリーサム 《ネタバレ》 これはですね。25歳までに見れば違った感想を持ったかもしれません。 「オールドボーイ」などの強烈なやつは、若いうちに見ないほうがいいけれど、こういう「坊ちゃん嬢ちゃん」の話は、今の私にとって訴えるものがないし。しかも似たような青春の思い出があるわけでも無いし。単に男2人女1人の3人組で究極の(?)3Pへ持っていくまでの話でしょ。そんでどいつもこいつも他人と見ればセックスしたくてムラムラしている発情期。…「腹は減っているがそのこってりしたステーキは出さないでもらいたい」というところでした。何が一番ダメかって、自分が男だったとしてもララ・フリン・ボイルにはこれっぽっちもそそられないであろうこと。(化粧がケバい。薄い唇に真っ赤な口紅。首が短い。下品。肌が汚い。)これは見る人を選ぶ映画だなあ。ボールドウィンの髪型が可愛かった。[DVD(字幕)] 5点(2006-07-29 16:39:00)《改行有》

478.  イン・ハー・シューズ 《ネタバレ》 トニ・コレットはお姉さん女優だ。「アバウト・ア・ボーイ」のヒッピーお母さんでしたよね。 キャメロン・ディアスはまぎれもない妹女優だ。「彼女を見ればわかること」の盲目で発展家の妹役、はまってましたね。彼女には1%も「お姉さん性」を感じない。 この作品は前半のヤな感じが、後半でみごとにうっちゃりにもってかれた、そんな大技を感じる映画でした。 ひたすらローズの気持ちになってマギーに憎しみをつのらせる前半。「そうだこんな下品な女死んでも直るもんか」「早く追い出せ。私なら2時間と持たぬ」とこぶしを握りしめるのであった。 フロリダに行ってもお行儀が悪く自分中心のマギーに、「どうしたバーサン、こいつの根性をビシビシ叩きなおしてやれ!」とイライラするが、話は意外な方向へ。マギーがなぜにアバズレとなったか、その理由がはっきりする。LDだっただけでなく、それに対するきちんとした指導も受けられず成長し、大人になった今もそれを隠し続けている彼女。他人の愛情の真贋について、異常なほど猜疑心が強い彼女。「あら、それなりに可哀想な子だったのかも」なんて気持ちになったりして。 一方のローズにも、これまでしがみついていたものをあっさり捨てたことにより、新たな運が訪れる。 そうなの。それって真実で、女の場合は今持っているものを思い切り良く捨てないと、次のものが来ないみたいなのよ。そこが「男の運」と「女の運」の違いなのよね。と「運命研究家」の私はつねづね思っているのです。「ユー・ガット・メール」におけるメグ・ライアンもそうでしたよね(映画だけど。) 姉妹それは決して「仲良し」だけでは成立しない関係。「憎たら可愛い」のが妹。そういう私は姉。 ともかくすっきりハッピーエンド。殺人も犯罪も超常現象も起こらないがたまにはこういうのもいいじゃない。 [DVD(字幕)] 7点(2006-07-29 16:26:01)(良:2票) 《改行有》

479.  イヤー・オブ・ザ・ドラゴン ずっと前に見たので名場面だというラストの対決も「なんか橋の上?」程度でしかない。が、チャイニーズの女の子が襲われるシーンだけはしっかり記憶に残っている。 なんと彼女の部屋には真ん中には円形のフロがある。そしてこの子は男の子みたいな短髪なのよ。んで貧弱なアジア体型でしょう。その子がものすごく暴力的にレイプされるわけよ。なんか…監督の趣味なんだろうか。いただけない、と当時から思っているので、私の中の映倫ブザーが鳴り響いた一品としてリポートしときます。[ビデオ(字幕)] 6点(2006-07-23 23:00:34)(良:1票) 《改行有》

480.  ニューオーリンズ・トライアル 《ネタバレ》 なかなか見応えがある作品だった。 豪華キャストにサスペンスらしいテンポのある演出、まずまずはずしていない一品だ。お約束のダスティン・ホフマンとジーン・ハックマンの対決場面も用意されている(トイレという最低の場所なのが皮肉。)個人的ひいきのジェレミー・ピヴェンも出ていてうれしい。 グリシャム作品は読んだことはないが、まあクレバーな作者なのだろう。マーリーとニックのあまりの手際の良さに無理があるとは誰でも思うけどね。なんで他の陪審員を操れる自信があるのか?なんで素人の若い女がプロ相手に堂々と交渉する余裕があるのか? ひとつ言いたいことはこの映画で最も重要なセリフ、ダスティン・ホフマンのローアが最初にマーリーに出会って数分で彼女の正体に感づいた時に発した「Who hurt you?」なんだけど、字幕では「過去に何が?」と訳してました。これでは肝心のところが伝わらない、ここは「誰に恨みが?」が正しい。 ローアは今回の取引が「金目的」からスタートしたのではないということを、マーリーに出会ってすぐに気づいたのです。自分自身が金以外の目的を持っている同類だからでしょう。その証拠に、ライバルフィッチは、「金目的」であることを終始寸分疑わない。 それと、最後までローアに電話をかけて取引を進めようとしていたことが不可解ですなあ。フィッチに対する牽制目的としては、過剰に思う。自分達と変わらぬ目的を持つ弁護士から、なぜそうまでして金を引き出そうとしていたのか? それで上記の「素人なのに強すぎるマーリー」における設定の無理が、超個人的に私の共感を呼ばないんですけど。こんなシロウトの若い女いるか?いったいどこでどう訓練したわけ?レイチェル・ワイズは本当に台本どおりに演じたみたいだなあ。マーリーの葛藤がほとんど描かれていないぶん、彼女がゴルゴ13のように非情に見えてくるのだが、あの通りの可愛い系の顔で、冷酷な犯罪者としか思えないセリフを繰り返されると観客は(私は)ある種のストレスを感じる。ミスキャストかなあ。 「銃を造る会社と売ったやつに責任はあるのか」というテーマに対しては、文化の違いもあり何ともいえない。保留。[DVD(字幕)] 8点(2006-07-23 16:08:21)《改行有》

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