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プロフィール
コメント数 2258
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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521.  インクレディブル・ファミリー 《ネタバレ》 オブラートに包みながらとはいえ、これだけ強烈なメッセージ(いかにもアメリカらしい主張)を込めてくるとは。本音を言うと、このやり口は苦手です。ファミリー向けアニメなのに鬱陶しいです。しかしながらその一方、極上のエンターテイメント作品であるのも間違いありません。ヒーローアクションとして非の打ちどころナシ!オープニング、暴走列車、ヘリコプター、クライマックスの高速船。どのバトルシークエンスも最高でした。主役の能力にチートスキルが付されていない点も好印象。むしろ、ミスターが一番地味な能力なんじゃないかなと。インクレディブルファミリーはもとより、ヒーロー皆が弱点を補いながら、又はコンビネーションを駆使しながら、困難に立ち向かうスタイルも大好きです。素直に感動しました。そして見逃せないのが楽曲の素晴らしさ。特にイラスティガールのテーマ!エンディングは必聴でしょう。ちなみに今回は、8歳二女と5歳三女と共に劇場鑑賞しました(ちなみに妻と長女は『コードブルー』鑑賞)。2時間は少し長いかなと危惧しておりましたが問題ありませんでした。子供も大満足。もちろんメタファーに気づくはずもなく。極めて大人向けであり、きっちり子供も楽しめる非常に完成度の高い作品。認めないワケにはいかないですよね。以下無駄話。『インクレディブルファミリー』って言い難くないですか?私は舌が回りません。なので一か八か、劇場窓口で「インスタントジョンソンファミリー大人1枚子供2枚」と言ってみたのですが、聞き返されることもなく無事チケットが買えました。おつかれちゃ~ん。   冗談です。[映画館(吹替)] 8点(2018-08-25 09:14:00)(良:1票)

522.  ラッキー(2017) 《ネタバレ》 淡々と綴られるのは、一人の老人男性の日常。決まりゴトの繰り返し。映画らしい刺激的なイベントは何も起こりません。ただ、シーンやカットごとに監督の意図が伝わるので退屈はしませんし、会話劇としては、なかなかのものでしょう。一筋縄ではいかぬ言葉のキャッチボールは、多分邦画では無理。というか、日本語でやられたら鬱陶しい笑。ただの軽口ながら、文学的でもあり、哲学的でもあり。そして主役の爺さんの味わい深さは、一流でした。枯れた色気とはこのこと。見応えは充分です。“面白い”という表現が適切かどうか分かりませんが、“染みる”映画であるのは間違いありません。ハリウッド娯楽大作が、1から10まで懇切丁寧に“楽しみ“を与えてくれる映画だとしたら、本作が与えてくれるのは、多分1か2。残りは、観客それぞれの知識・経験・信念・価値観等で補って完成させる仕組みです。自身と照らし合わせて反芻すること頻り。ですから、若造(と言っても、もう40半ばです)が分かったような口を利いたらいけない気がするのです。私も主人公と同じくらいの年齢になって、初めて“理解できるもの“があるのではないかと。勿論年齢だけ重ねれば、自動的にその権利を獲得できるワケではありません。日々失われていく若さと引き換えに、きちんと宝(あるいは武器)を蓄えなければ、解るはずもなく。いやー『少年老い易く学なり難し』とはよく言ったもの。本当に怖いことであります。タイトルがまた秀逸なことで。これを額面どおり素直に受け取るか、皮肉と取るか、みなさんはどう思われますか?10年ごとに、自身の生きてきた成果を量るべく中間テストのように観てみたい映画。点数が低いのは、前述した理由からです。以下余談。摩訶不思議な雰囲気のあった『exit』の解釈次第で、実は物語がひっくり返る可能性あり(あのシーン以降、◯◯の世界とか)。リンチが役者として出演しているだけなのに、妙に引っかかるのが、なんともはや苦笑。[映画館(字幕)] 6点(2018-08-20 17:36:39)

523.  マザー!(2017) 《ネタバレ》 ネタバレ厳禁映画であり、難解映画であり、問題作でもある本作。鑑賞後にお読みいただければ嬉しいです・・・ ・・・日本公開が中止されたとの情報、およびジェニファー・ローレンスのポスター(肖像画verはともかく、心臓差し出しverは強烈!)で、期待を膨らませて本作を鑑賞いたしました。率直に言いまして、スゲエなあと。不穏なサスペンス調から、ラストは怒涛のカオス展開。まるでドリュー・ゴダード監督の某作品(『○ャ○ン』)が思い起こされます。さて、本作は明らかなメタ映画。正解はすでに先輩レビュワー様が提示しておられますので、私は私なりの別解釈を試みてみましょう・・・森の一軒家に住む歳の差夫婦。夫の方は物書き(小説家?詩人?)のよう。夫人は出版社の女社長?から「インスピレーションさん」と呼ばれておりましたね。ということは、赤ちゃん=物書きとインスピレーションさんの間に生まれたもの=『作品』と見て取れます。さらに言うなら、インスピレーションさんの心臓=クリスタルのような光る宝物=作品=栄光(世間の評価)とも言えそうです。芸術家の創作した作品は、世に出た瞬間に、自分のものであって、自分のものではなくなります。小説でも、絵画でも、映像作品でも、何でも。それが芸術作品の宿命。優れた作品は、社会の共有物となります。人々に熱狂的に愛されることもあれば(まるでカルト教団のように)、激しい批判にも晒されることもあります(それはまるで戦争)。その様子をメタファーとして表現した映画だと感じました。私の解釈は間違っていたようですが、受け取り手の解釈次第で“生まれ変わる”のも芸術作品の楽しみ方のひとつと考えます。サスペンスとしての雰囲気は抜群ですし、理不尽に我が家が占拠されていく様は、得も言われぬ恐怖を感じました。終盤の展開があまりに無茶苦茶なので、困惑すること頻りですが、良くも悪くも振り切れている作品は嫌いじゃありません。[DVD(吹替)] 7点(2018-08-15 19:24:58)(良:1票) 《改行有》

524.  メアリと魔女の花 《ネタバレ》 キャッチコピー「魔女、ふたたび」。エンドクレジットの「高畑」「宮崎」「鈴木」氏への謝辞。過去ジブリ作品へのオマージュの数々。そして何より「ジブリ印」のキャラクターとエピソード。本作は、のれん分けした後継者の“本家ジブリ宣言”と見て取れます。つまり、ジブリ作品を観たければ、今後はスタジオポノックへお越しくださいということ。これはまるで故三沢光晴氏が旗揚げした「プロレスリング・ノア」と同じ。当時全日本プロレスのエースだった三沢が、ほとんどの選手とフロントスタッフを引き連れ、新たに立ち上げたのが「ノア」でした。“明るく、楽しく、激しい”全日のプロレスが観られるのは「ノア」の方。ただし全日本プロレスの創始者・故ジャイアント馬場の妻、元子夫人が社長を務めるのは残された「全日本プロレス」の方。さて、どちらが正統な「全日本プロレス」なのでしょう。私自身は、全日に残った川田選手のファンだったため並行してどちらの団体も観続けましたが、旧全日ファンは基本的にノアに流れたと記憶しています(ひいきの選手がいる団体を応援するのは当たり前ですしね)。おっと、無駄話が過ぎました。話を戻しましょう。スタジオジブリとは何ぞや?と問われるなら、それは「宮崎駿」であり「高畑勲」でしょう。宮崎駿のキャラが空を飛び、自然環境保護を叫びながら、ウルトラアクションをこなせば、=ジブリ作品とはなりません。それは『ゲド戦記』で確認済み。『ジブリ作品』か否かのポイントは“監督は誰か”に尽きると考えます。『ドラえもん』だろうが『鷹の爪』だろうが『ポプテピ』だろうが、宮崎駿が監督すれば『ジブリ作品』です(あるいは故高畑勲監督)。勿論これは私個人の判断基準。レシピ通りであれば、それで満足という方もおられるでしょう。私の感覚では、本作のジブリ再現度は80点。一般的には充分合格点です。でも、模倣80点はオリジナル50点に劣ると考えます。本家ジブリ路線はビジネス的には正しいかもしれません。でも作家が目指すべきは、やはりパイオニア。元祖ポノックを望みます。もっとも、本家がいつの間にか元祖を凌ぐことも、ままあることではあります。さて、ポノックの行く末や如何に。[DVD(邦画)] 5点(2018-08-10 19:56:38)(良:2票)

525.  EVIL IDOL SONG 《ネタバレ》 何故devilではなく、evilなのでしょうか。どうしてevil songではなくevil idol song?これから書くのは、私の個人的見解。ネタバレも含んでおりますので、ご注意ください。・・・ ・・・主人公は、アーティスト(シンガーソングライター)志望のグラビアアイドル。自分が作った歌でみんなを幸せにしたいと願っています。そのステップとして、グラビアのお仕事をしていると。でも夢は遠いまま。CDデビューに必要と言われた枕営業も、実は後輩グラドルを売り出すための人身御供でした。傷つき、病んだ彼女の心に巣食ったのは悪魔。そして出来たのは、聴いた者の命を奪う殺人歌。歌は次第に威力を増し、彼女自身も本物の悪魔へと姿を変えていきます・・・と、事象を額面どおり捉えるなら、ダークファンタジーにカテゴライズされる物語です。でも、ちょっと引っかかるものあり。というわけで、独自の解釈を試みてみましょう。まずは冒頭の疑問。主人公は、角も羽根もあり、空まで飛べるリアル”悪魔“。ですからdevilの方が正確なのです。でも、一般的な”悪“を意味するevil。そこに何らかの意味があるような。次に気になったのが、殺人歌の特性です。快楽を伴い死に至る曲。観客は、死ぬのを承知でライブに集いました。悪魔じみた快楽に魅了され、曲を聴くなり為す術なく絶命する人々。コレ、まるでアレと同じゃないですか。覚醒剤。つまり殺人歌は、覚醒剤のメタファーと推測します。本作の出来事は、全部シャブ中毒の主人公が見た幻では。銃を手に入れ、大量虐殺。挙げ句、ビルから投身自殺。これがコトの真相ではないかと。さしずめ、ブツの入手経路は女社長でしょう。「面白いかどうか」が判断基準って、性根がクソみたいじゃないですか。もちろん殺人歌を聴いて“死ななかった”女社長もシャブ中でしょう。以上です。“赤い透けブラ白ブラウスの女は不倫願望アリ”くらい、酷い決め付け解釈だと自覚しておりますが、こんな見方もあるということでご容赦ください。個人的には(勝手に妄想を膨らませ)なかなか楽しめたので、悪くないなとの印象です。主人公が悪魔コスで『ダメ・ゼッタイ』とほほ笑むコラボポスターが目に浮かぶような。[DVD(邦画)] 6点(2018-08-05 00:20:18)《改行有》

526.  カメラを止めるな! 《ネタバレ》 良い噂は耳にしながらも、具体的な内容は知らず。ポスター情報等から単純に『ゾンビ映画』との認識で、劇場に足を運びました。これはですね、ほんと、映画館で観ないと駄目なヤツです。皆様、悪いことは言いません。騙されたと思って速やかに、劇場にお向かいください。多少遠くても観に行く価値アリです。くれぐれも、余計な情報は入れないでください。あと、どうか期待値のハードルはほどほどでお願いします。矛盾する言い方ですが、それが本作を最大限に楽しむコツです。以下ネタバレ含みます。ご注意ください。・・・ ・・・観始めて直ぐに気づくのは、カットを割っていないこと。はは~ん、これはワンカット長回しがスゴイってことで好評価だったんだな。でも、それって結局は努力賞の類いで、本質的な映画の評価はまた別物だよなと、“最初の”エンドロールを眺めておりました。ところが本番はこの後でした。ワンカットゾンビ映画(生放送ドラマ)が出来るまで。その裏で起こっていたこととは。コレがもう可笑しくて。不自然だったシーンの謎解きやら、実は修羅場だった裏方事情やら、加速度的にオモシロさが増していきます。いやー久々に劇場で声を出して笑いました。これだけも充分に満足できる内容なのですが、まさか最後に泣かされるとは。安い、早い、出来はそこそこ。妥協しまくって仕事を手にしていた、B級映像作家の胸の内に秘められていた思い。そりゃ誰だって黒澤明みたいに、こだわって撮りたいですよ。でも、それが許されるのは、一部の実績ある監督のみ。大多数は、そうはいかないことは、映画製作に携わっていない私でも容易に想像がつきます。それが社会の仕組み。雇われ人の宿命です。自分と同じ道を志そうとする娘の姿は、父の目にどう映ったことでしょう。青臭かった、でも熱かった、かつての自分自身ではなかったでしょうか。困難な状況でも、ベストを尽くそうともがく監督と娘の姿に、胸が熱くなりました。肩車カメラはね、同じ娘を持つ私にしてみれば、もはや反則ですよ。ガチ泣きしました。猛暑で大きめのタオルを用意しておいて助かりました。この感動に繋がるのは、偏に劇中劇『ワンカット・オブ・ザ・デッド』の出来が良かったから。もちろん、ハプニングだらけで完成度は高くないんです。でもラストシーン、狂気を帯びた血塗れヒロインの美しさは、名作『キャリー』にも引けを取らないものだったと思います(すみません。キャリー観てませんでした)。ゾンビ映画であって、ゾンビ映画にあらず。『ラヂオの時間』『僕らのミライへ逆回転』にも通じる、仕事への誇り、映画と家族への愛に満ち溢れた映画でした。困ったことに「ポンッ」が耳から離れません。名作や、傑作というより、愛すべき映画。この映画を薦めてくださった先輩レビュワー様、そしてヤフーニュースで取り上げられていた指原莉乃さんに心から感謝いたします。(7月25日追記)ついに全国拡大ロードショーが決まったとの朗報が。各種メディアもこぞって取り上げ始めました。嬉しいことですが、反面ネタバレの危険も跳ね上がったわけで。痛し痒しとは、このことでしょうか。[映画館(邦画)] 10点(2018-07-31 19:57:12)(良:5票) 《改行有》

527.  となりのトトロ 《ネタバレ》 本作のイメージは「カレーライス」です。それも家で食べるごく普通のカレー。じゃがいもごろごろ、色は黄色の、あのカレーです。ときどき無性に食べたくなる味。理由は簡単です。それはお母さん(あるいはお父さん)が作ってくれたから。慣れ親しんだ、懐かしい味だからです。本作にも同じことが言えると思います。本作で描かれる田舎の生活は、まさしく子供の頃の記憶。おばあちゃんの家で過ごした、夏休みの記憶です。お母さんの入院にしても同じ。入院とまでいかなくても、親が風邪で寝込んだことはあると思います。そのときの切ない気持ち、不安な気持ちは忘れられません。迷子のエピソードにしてもそう。本作で描かれるのは、誰もが「こんなことあったな」「あったかも」と思うような出来事ばかり。そういう意味では極めて大人向き(少なくとも、さつきと同じ小学生以上向き)の作品といえます。それでいて、トトロの存在は幼い子供も惹きつけます。守備範囲が広いのです。物語はシンプルで楽しい気持ちになれるもの。だから何度も観たいと思えます。まさしく大人から子供まで人気の「カレーライス」。専門店のカレーは確かに美味いです。でも家のカレーの美味さは格別です。しかもトトロという魔法のスパイス入り。『となりのトトロ』はそういう作品と考えます。[地上波(邦画)] 9点(2018-07-27 22:08:55)(良:1票)

528.  アポカリプト 《ネタバレ》 懸命に守ってきた財産や家族、プライド。己が命と同等に大切なものを一方的に奪われる痛みたるや想像を絶します。侵略の罪は果てしなく重いと考えます。主人公と同じく怒りと恐怖に打ち震え、自身の無力さに絶望しました。体の芯がジンジンし、硬直しました。ゆえに主人公の逆襲には大きなカタルシスがありましたし、結末には心から安堵しました。逃げることではなく戦うこと選択したジャガー・パウ。追われる限り逃げなくてはなりません。其処に尊厳などあろうはずもなく。主人公の父が言う「怖れるな」は、「勇気を持って立ち向かえ」ということだと感じました。ただ、彼は矛盾していたとも思います。侵略の予兆から目を逸らしたのは、恐怖に蓋をしただけではないでしょうか。それでは意味がありません。勇気を持って脅威に立ち向かうべきでした。侵略を憎むこと、自らが侵略しないのは当たり前。重要なのは侵略されないために何をなすべきか。自分の(我が国の、我が人種の)狭い価値観で物事を判断するのは、あまりにも危険な行為だと感じました。最後に冒頭の一文「文明は内部から崩壊する」について。外的要因(キリスト教宣教師団)を肯定する言い方に聴こえますが、自分は支持出来ません。人を生贄にする野蛮な原始宗教も、博愛主義のキリスト教も、主人公にしてみれば同じ侵略者に違いありません。自己の存在を肯定し、自分たちの文化文明に誇りを感じるのなら、他者のそれも同じように尊重すべきだと思います。主人公は“新たな始まり”を求めて森を目指しました。彼らがこれから築くであろう新たな財産が、彼らの手に在ることを願うばかりです。[DVD(字幕)] 8点(2018-07-23 13:43:00)

529.  IAM A HERO アイアムアヒーロー 《ネタバレ》 はじまりは、平凡な日常に入り込む些細な違和感。種火はボヤを吹っ飛ばして瞬く間に大火へ。同棲彼女のアクロバティックな急襲に端を発した地獄絵巻は、半径3メートルのアパート室内から、煙幕上る阿鼻叫喚の市街地編まで、ドミノ倒しの如く、いやタクシー大爆走で、悪化拡大していきます。そうかと思えば、一転、主人公とJK2人の静かなひと時。心の交流を手際よく挟み込み、緩急をつけるニクイ展開。その後は当該ジャンル“らしさ全開”のショッピングモールを舞台に、ゾンビより恐ろしいヒトの集団が登場と。およそ定番と思しきプロットを漏れなく押さえた正統派ゾンビ映画の趣で、ゾンビ映画好きとしては、非情に好感度が高いです。JKを“半人半ゾンビ”に位置づけた点は、クロかシロかを問うゾンビ映画には通常存在しない特異点で、ホラー・スプラッター祭りの中の“良心”を担う“核”でもありました。極限下においても、弱者(あるいは障碍者)を切り捨てることを正義としないヒューマンドラマは、弱肉強食を旨とする無法世界に対するアンチテーゼ。胸に響きました。上戸『あずみ』の百人斬りを彷彿とさせる英雄渾身の銃撃戦は、ZQNについて絶妙なパワーバランスの調整が効いていてこそ。アクティブに動くゾンビ(いわゆる走るゾンビ)だらけでは到底耐え切れませんし、オールドタイプ(スローモースタイル)ばかりでは戦う必然性が担保されません。ZQNに個性を認めたことで成立した壮絶なクライマックスは見応え十分。徹底したゴア描写も正統派ゾンビ映画としての自己主張であり、それでいて汚らしい印象がない点も評価したいです。物語としては尻切れトンボな印象ですが、そもそもゾンビ映画とはそんなものでしょう。これ、続編を期待しない方が野暮というもの。私の中では「快作」認定です。有村架純も可愛かったし、言うことナシであります![CS・衛星(邦画)] 9点(2018-07-23 13:39:53)(良:1票)

530.  (r)adius ラディウス 吉祥寺駅徒歩3分、2LDK、バストイレ別、新築、エアコン付き。家賃5千円!流石にワケありだろうと、いや、一体何人死んでいるのか確かめてやろうと不動産屋を訪ねたら、まあ、それはいいじゃないですか。それよりコチラの物件がオススメなんですよと、国分寺駅徒歩14分、1DK、ユニットバス、築15年、ロフト付き、家賃8万4千円共益費5千円の物件を契約させられたでござる。みたいな映画。[DVD(吹替)] 4点(2018-07-20 20:40:28)(笑:1票) (良:1票)

531.  家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。 《ネタバレ》 刑事事件でなくとも、日常生活にミステリーは存在します。本作はある日突然始まった妻の奇行(といってもカワイイものですが)の真意を探る物語。私の推測が正しいとは思いませんが、謎解きに予備知識は不要。というわけで、鑑賞後にお読みいただければ嬉しいです。(以下ネタバレを含みます。ご注意ください…)正直言いますと、いつか榮倉ちゃんが「実は私の余命は…」と言い出すのではないかと冷や冷やしておりました。序盤はコメディタッチで油断させておいて、後半にシリアスドラマをぶち込んでくるのはこの手のストーリーの常套手段ですから。幼いころに母親を亡くしていること。「私より長生きして」に、“人生のまさか”。そしてツガイのインコ片方の死。どれも若き妻の死期を予感させるものでした。死のショックを柔らげるため、妻が仕組んだ予行演習ではないかと。ところがこの予想は大外れでありました。妻の死んだふりには、別の意味があったわけです。劇中では、夫が妻に自身の推理を披露するシーンがありますが、観客に詳細は知らされません。あくまで夫婦間の秘密ということなのでしょう。というコトで、ここからが私の推測。なぜ妻は死んだふりを始めたのでしょうか?夫同僚が口にしているように”構ってほしい”が一般的な見立てでしょう。愛情の確認。この要素も無くはないと思いますが、なぜ今なのか、そして執拗に行う理由は別にありそうです。結婚3年目の節目に、妻の胸のうちに去来した思いとは何でしょうか。ヒントは以下のとおり。「お城に行きたい」「月が綺麗ですね」「私は一度も別れたいと思ったことは無いですよ」夫同僚の妻の境遇に涙。答えはずばり”子供をつくりましょう”。死んだふり=ボケは、夫にノッてもらってはじめて成立するコント。2人の共同作業で生まれる笑いです。榮倉ちゃんは、夫に人生のパートナーとしての役割と自覚を問うたのではないでしょうか。いい加減、腹をくくれと。もう、ちゃんと夫婦なんだぞと。「アイラブユー」が「月が綺麗ですね」に訳されたように、「子づくりしようよ」=「死んだふりコント」であったと考えます。随分回りくどいアプローチだと思いますが、これを理解するのも夫に求められる資質と考えれば納得できます。そういう奥さんなんです。そして、オチがなんと秀逸なことでしょう。妻の見事なダブスタに大笑いしました。2人は本物の夫婦に近づいたに違いありません。それにしても特筆すべきは榮倉ちゃんの役作りの素晴らしさ。純粋で、幼い面もありつつ、それでいて頭がよく、教養もある。基本敬語。いやーこんな若妻、たまらんじゃないですか。もっとも榮倉ちゃんだから許せるわけで、もしこれがガンバレルーヤだったら、2回目の死んだふりでボコボコにしますけども(冗談ですよ。冗談。DV反対!)。事件らしい事件はおこらず、妻の奇行の種明かしさえもない、日常ドラマ。でも、妙に染みるのは、そこにリアルな人生を感じるから。要所でのBGM廃止の演出も冴えていたと思います。自身に置き換えてみると、私自身こんなに人生と正面から向き合っていないなあと思ったり。もっとも、ちゃんと向き合わないのも作戦のひとつであり。でも、その作戦を採用した夫同僚夫婦は破綻したんですよね。いやはや、なかなかに考えさせられるドラマです。とりあえず、注意すべきは伏線の読み間違い。何事も、思い込み厳禁であります。妻の地雷を踏まないように、慎重かつ大胆に、人生を乗り切りたいと願う結婚14年目の夫の感想でした。[映画館(邦画)] 8点(2018-07-18 18:32:49)(良:2票)

532.  モテキ 《ネタバレ》 Jポップを存分に盛り込んだプチミュージカル仕立ての本作。主人公の心情とシンクロする楽曲のチョイスは自分の世代どストライク。歌詞のカラオケ風字幕も楽しく、Perfume出演のダンスシーンの爽快感は抜群でした。痛くて切ないセカンド童貞男(ホントはそんな概念は無いよ!)の“モテキ”を生暖かく見守る物語は、本命みゆきちゃんの最後通告で小休止。残る神輿女、先輩ライター素子とのエピソードでどんな風に締めくくるのかと思いきや、クライマックスでまさかの展開が待っていました。それにしても「幸世くんでは成長できない」は強烈です。ヒットポイントを根こそぎ削られます。幸世も相当堪えたでしょう。でも彼は諦めなかった。いや、諦めていたのかもしません。だけど、みゆきの顔を見て感情を抑えきれなくなった。彼女を捕まえても、かける言葉なんて用意しているはずもありません。ただ、逃げたから追った。一度は不発に終わったももクロの『走れ!』が蘇ります。逃げる女。追う男。引き倒し、泥だらけ。最悪です。でも大きな意味がありました。辛く苦しい現実から目を背けてきたみゆきに、幸世は“泥まみれ”という現実を突きつけたのです。図らずもそれは、みゆきと彼氏が今置かれている立場と同じ。感情のままに抱きしめてキス。その直情が女の心を打ち抜きます。好きな人を抱きしめること。唇を重ねること。そこには心を開放することの素晴しさと喜びがありました。彼女に本物の笑顔を取り戻させた幸世。もう「成長できない」なんて言わせない。抱き合う2人を360度から映し出すカメラワークは、一歩間違えば失笑もののダサい演出。しかしなんと美しいことでしょう。所詮はファンタジー?そう、もちろんファンタジー。でも心を動かされるのは、そこに大切なメッセージが込められているからです。ももクロを聞いて走り出そうとした主人公を「ドン引き」だと制止した素子が、ラストでは「走れ!」と笑顔で彼を送り出しているのは何故か。諦めることが肝要だと、損をしない事が大切だと、言い聞かせてきた自分自身の偽りに気づきます。何時の間に、そんなつまらない大人になってしまったのか。生の感情をさらけ出す事の輝きは、大人ほど懐かしく、そして眩しく感じるのかもしれません。ちょっとカッコ良く言い過ぎましたが、要するに童貞気質のトンデモ理論が無様に炸裂しただけです。でも、バカな奴ほど、情け無い奴ほど、愛おしいってコトで。[DVD(邦画)] 10点(2018-07-16 21:23:24)(良:3票)

533.  KARATE KILL/カラテ・キル 《ネタバレ》 主役のハヤテのアクションは、往年のジャッキーチェンカンフーに通じる“型の美学”と“見栄えの良さ”があり好印象です。ワイルドキャット・亜紗美嬢は(こう呼んでいるのは私だけだな)、相変わらず雰囲気抜群で流石の存在感であります。ハイ、褒めたい部分は以上で終了です。リアリティとか、ドラマ性とか、映画としての“正しさ”を求めても仕方がないことは、DVDパッケージの主人公のデフォルメ具合をみれば分かること(どんだけ筋肉モリモリなんだ笑)。とはいえ、それでも注文をつけるとすれば、良キャラの扱いがあまりに勿体なかったこと。剣術使いのハゲ店長(鎌田規昭)、鉤爪のケイコ(亜紗美)、彼らにもっと見せ場をあげて欲しかったです。主要キャラ3人で敵アジトへ乗り込む展開でも良かったんじゃないかなあ。[DVD(邦画)] 6点(2018-07-16 19:52:38)

534.  人狼ゲーム インフェルノ 《ネタバレ》 連続TVドラマ『ロストエデン』が前半戦、そして本作『インフェルノ』が後半戦。シリーズで初めて、同一主人公による人狼ゲーム本来の完全版が披露された形となります。また、本作のプレイヤーは全員がクラスメイト。これも初めての試みです。日頃の人間関係がそのままゲームに持ち込まれました。その結果、人間ドラマとしての厚みは増したかもしれませんが、その分役職当て推理や、生き残りに向けた戦略等、ゲーム本来の関心事は薄まった気がします。高校生の同時失踪事件を追う刑事の視点が持ち込まれたのもシリーズ初なら、ゲーム主催者が顔出ししたのも初。そう、初物づくし。シリーズ常連の観客にしてみれば“目新しさ”は感じたものの、正直作品のクオリティ面でプラスに作用してはいなかったような。特に“刑事登場”は、密室劇としての緊張感をスポイルすると同時に、“こんな殺人ゲームが野放しって何なの?”というタブーにも言及してしまいました。そもそも刑事に殺人ゲームの現場が押さえられた以上、もうシリーズ続行は不可ですよね。あるいは刑事諸共皆殺しにしちゃいますか(考えてみれば、今までの生き残りプレイヤーも全員口封じされたのですかね)。いずれにしても、本シリーズには不要な“リアリティ”を持ち込んでしまったのは悪手でした。相変わらず若手役者の皆さんは熱演でしたが(武田さんの般若フェイスはこれからの仕事に悪影響となりませんでしょうか心配です)、流石にネタは尽きた気がいたします。[DVD(邦画)] 6点(2018-07-10 17:58:04)

535.  ゲット・アウト 《ネタバレ》 優れたフィクションはリアリティを凌駕します。本作では、脳移植(人格の移植)や催眠術の実効性について、疑問を呈する気になりません。所詮は枝葉の話。それほどに、基本となるアイデアが秀逸であり、展開が見事であったと感じます。物語の根底に存在するのは人種差別。米国人でない私に問題の本質を肌感覚で理解するのは難しい作業ですが、主人公が人として扱われていないのは明白でした。彼ら黒人はあくまで“器”であり“乗り物”。芸術センスや身体能力といった“人種としての特長”は肯定しつつも、反面、人としての尊厳は認めていません。だから体を乗っ取っても良心は傷みませんし、疑似恋愛で誑し込めても情が移ることなどありません。道路で鹿を撥ねたところで「だからどうした」と思うのと一緒。この理解不能な価値観は生理的な嫌悪に繋がり、絶望という名の恐怖を引き出された気がします。また個人的には、真相が明かされてすぐ気付く仕掛けよりも、観終えて反芻するうちに理解する伏線に、より価値を感じました。例えば序盤、フィアンセが警察の職務質問で彼氏の身分証呈示を拒んだ件。反人種差別や彼氏の気持ちを慮っての抵抗では無かったワケですね。カメラのフラッシュが元人格発現のキッカケとなったのは、洗脳部屋でのビデオ鑑賞の記憶が呼び起されるからでしょうか。大変緻密に計算された脚本。観返せば、きっと沢山のフラグが隠されているはずです。なお、主人公が躊躇なく「正当防衛」の権利を行使するあたりも、実にスッキリしました。やられっ放しで逃げるなんてまっぴら後免ですから。[DVD(吹替)] 8点(2018-07-05 17:56:31)(良:4票)

536.  ボクの妻と結婚してください。 《ネタバレ》 『自身の妻の後夫探し』なる特異な企画は、主人公の未来志向の表れでもなければ、放送作家の矜持でもありません。単に、死の恐怖から逃げたものと推測します。ライターの豊かな想像力は、余命僅かな者にとっては毒でしょう。ですから、敢えていつも通りを突き通したと。後夫探しは、企画会議で出がちな“冗談全部企画”に他なりません。彼の言葉を借りるなら、死の恐怖を無理矢理オモシロに変えたわけです。これは緊急避難としては有効な手法と考えます。逃げることは、卑怯でも何でもありません。病を悲観して自殺を選択するくらいなら、現実逃避の方が遥かにマシです。偉いのは妻でしょう。死に行く夫の最後の(だだスベリの)オモシロに付き合ってくれたのですから。原田泰造も、ほんとイイ人。彼はきっと良い家庭を築くでしょう。その点、織田の人をみる目は確かであったとも言えますが。基本的に、余命を免罪符に使った感動ドラマは好みではありませんが、本作の主人公には大いに同情するところです。仕事は充実、妻との関係も良好、子供も良い子。さぞかし無念だったことでしょう。彼がある意味“狂った”のも無理からぬことと思えます。さて、織田裕二について。近年稀にみる陽キャラに違和感あり。『お金がない!』当時ならいざ知らず、ここ最近は、しかめっ面か、カッコつけばかりだったので、どうもあの笑顔が作り物に見えて仕方ありませんでした(実際そうなんですが)。単純にキャスティングミスでは。むしろ、原田泰造と役交換で良かった気がします。それにしても、織田のようなパーソナリティの放送作家って実在するのでしょうか。『水曜日のダウンタウン』『ゴッドタン』『クイズタレント名鑑』『浅草橋ヤング洋品店』私が好きなバラエティの放送作家さんの人間性は(多分)相当に酷そうです。もちろん、良い意味でクソ野郎じゃなきゃ、トガったバラエティはつくれないということですけれども。(ちなみにWカップ日本VSコロンビア戦、真裏の地上波放送を鑑賞。もちろんタイムシフトで)[地上波(邦画)] 5点(2018-06-30 11:28:16)

537.  タイムリミット(2014) 《ネタバレ》 原題は『freezer』。すなわち『冷凍室』。といわれても、いまいちピンと来ないので邦題を『タイムリミット』にしたのでしょう。冷凍室に閉じ込められた男。あと○時間で凍死してしまうと。典型的なソリッドサスペンスのシチュエーションですが、決定的に緊迫感が不足しています。“時間制限”を意識させるような演出もありません。それもそのはず。ちょこちょこ監禁犯は顔を出しますし、その度に冗談めかした会話まで交わします。冷凍室内には物資が豊富。主人公の行動も制限されていません。現実的には凍死も有り得るのでしょうが、何とかなるんじゃねえの感が抜けません(死ぬなら、凍死より銃殺の可能性の方が高そうです)。で、結局どうオチを付けるのかと思ったら、実にあっけないもの。日本未公開にはそれなりの理由があるものです。[インターネット(吹替)] 4点(2018-06-25 18:46:39)

538.  ルイスと未来泥棒 《ネタバレ》 キャラクター造形はユニークですし、動きにはメリハリがあります。子供向けとは思えないシュールでハイブローなギャグもいい感じ。展開はテンポ良く、あっという間の1時間半でした。エンターテイメント性は抜群です。飽きさせないつくりは素晴らしいです。ただ、忙しない印象もあります。“飽きさせない”ではなく“飽きられることを怖れている”ようにも感じました。もう少し落ち着いてください。静があってこそ動が際立つと思います。もっとも、このスピード感が物語の粗を目立たなくしているのも事実です。タイムパラドックスの処理の仕方や問題解決法は、相当無理矢理でした。疑問を持つ暇を与えずに、ラストまで突っ走るシステム。これはコレで上手いやり方だと思います。メッセージは「前へ進み続けよう」。それはウォルト・ディズニーの言葉でもあります。主人公=ディズニーと見て取れます仕立て。成功者の言葉には説得力があります。でも同時に残酷な響きも含んでいると感じました。ルイスはルームメイトの人生を変えました。野球のエラーを帳消しにしました。結果彼は幸せな人生を歩めたようですし、万々歳です。でも最初の彼の人生はどうなるの?とも思います。人を恨んで堕落した人生。とても上等なものではありません。でもそれを否定したら、「前へ進み続けよう」というメッセージが意味を成さなくなるのでは?前へ進むのは、成功の前提ありきでは無いはずです。間違ったって、失敗したって、何度でもやり直して悔いの少ない人生を送ること。それが過去へ戻れない私たちが出来る最大限の、そして唯一の方法です。自分の人生に対する誠意です。「前へ進み続けよう」とは、そういうことではないかと。ダメダメな人生も否定して欲しくないと思いました。(余談)自身初の3D鑑賞。普段眼鏡を掛けている自分は、3D用メガネを渡されてハッとしました。ヤバイ、眼鏡の上にメガネは掛けられない!ところが全然OK。眼鏡ONメガネで全然イケました。眼鏡を常用している方も3Dを楽しめますのでご心配なく(笑)。[映画館(吹替)] 7点(2018-06-23 09:28:04)(良:1票)

539.  ラブ★コン 各登場人物のキャラ付けにしても、台詞にしてもかなりトラディショナルな印象です。今どき身長差がそんなにコンプレックスになるのかな?とも思います。一昔も二昔も前の少女マンガ的ラブコメの世界。要するに古くさいのです。そのベタベタなお話を、各種視覚効果やギャグでデコレート。この演出プランで重要なのが、“徹底すること”。中途半端は厳禁です。お寒いことになりかねません。その点、本作は良かったと思います。冒頭からマンガ的世界観を全面に打ち出していました。迷いが無いから素直にノれます。導入で躓かなければ、お話はオーソドックスなので問題なく楽しめるでしょう。おそらく本作のメインターゲットは、小池徹平目当ての10代女性層。そのニーズをよく理解していると感じました。小池は明朗活発で友情に厚く、努力家のスポーツマン。ちょい天然も母性本能をくすぐります。観客が自らを投影させるヒロイン役に藤澤恵麻。高身長というコンプレックス。明るいけどシャイな性格。そして何より美人過ぎないこと。公約数的に共感できるヒロイン像です。特に藤澤については、ヘン顔をいとわぬはじけた演技で、“清楚で大人しい”イメージを完全に覆しました。これはお見事。谷原章介にしてもそうですが、役者陣がみなイキイキとしていて好感が持てました。ちなみに、ご指摘のレビュワー様もおられるように、藤澤の姉役にはしずちゃんより北陽の虻川の方が適任だった気がします。そうそう、海坊主、イイッスねぇ~。[DVD(邦画)] 7点(2018-06-23 09:23:18)(良:1票)

540.  真木栗ノ穴 《ネタバレ》 朽ちたアパートの一室で繰り広げられる背徳エロスの世界。執筆した官能小説通りの出来事が起こる怪。精神を狂わせていく主人公。一体彼の身に何が起きているのか?!作風は完全に江戸川乱歩(劇中に登場する万札が諭吉さんなので『ああ乱歩じゃないや』と確認する感覚が妙に楽しかったりします)。そして観終えてみれば、極めて古典的かつ王道の“とり憑かれ系”怪談でありました。貧乏・小説家・官能の食べ合わせが絶妙で、もはや“詫び寂び”さえ感じさせます。エロ本より、AVより、官能小説こそエロ上級者の嗜みと誰かから聞いた気がしますが、なるほどこういうことかと。粟田麗さんという女優さん、素晴らしいですね。地味系清楚和風美人の系譜。決して美形過ぎないところが、なんともそそります。一瞬、多部未華子かと思いましたが。本作の主人公を演じた西島秀俊さんの演技もツボにはまりました。棒読み、大根一歩手前の独特の演技プランが醸し出す味わいたるや絶品で、ある意味、佐藤二朗をも凌ぐ怪演であったと思います。キムラ緑子さんとのサイドストーリーが本筋以上に味わい深いのも個人的にポイントが高いです。[インターネット(邦画)] 8点(2018-06-20 00:46:55)(良:1票)

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