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【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
41. 天国と地獄 《ネタバレ》 今から約40年前にこれほど完成したミステリー大作が出来てるとは、そりゃ今のミステリーがかすんで見えるのもうなずけます。勿論、今でも良い作品はありますが。冒頭からいきなり会社の重役たちの重苦しい会議が始り、決してドアップで映されているわけではないのに、まるでアップになってるかの如く登場人物全員が圧倒的な存在感を放ってます。そして中盤列車での身代金受け渡しは勿論、後半の犯人を徐々に追い詰めていく時のこの緊張感。全く無駄がありません。今では犯行に動機として色々な怨恨等が取り上げられますが、この犯人はただの羨望、妬みによって犯行に及んだ。それはどんな動機よりも恐ろしいです。そして、これほどまでに題名に深い意味が込められていて、作品の根幹に位置するものと密接なる関係を持っている作品も今では本当に珍しい。点数は文句無く9点。9点(2004-09-20 18:47:27)(良:1票) 42. 椿三十郎(1962) 《ネタバレ》 個人的に黒澤作品の中では「七人の侍」が一番好きなんですが、この作品もそれに次いで好きな作品です。冒頭の三十郎が助太刀する強引とも思える展開も、その後の展開を見ていくうちにそういった細かいことはすべて吹っ飛んでいきます。またカメラワークも、決して役者をアップで写してるわけではないのだけれど、そこに映し出されている一人一人皆主役のように画面に存在感をアピールしてくるあたりが今の映画監督にも見習って欲しいですね。そして、この映画最大の見所はラスト、敵役の仲代との、“映画史上最も速い剣術シーン”と称される一騎打ちのシーン。このシーンの、2人が対局した時の緊張感、そして一瞬で勝負が決まるこの瞬間は物凄い衝撃があります。改めて、ただ長いだけの殺陣シーンでは限界があるということを思い知らされました。という事で点数はストーリー8点プラスラストの“0.3秒居合い抜き”に1点の系9点。9点(2004-08-20 03:57:07) 43. 用心棒 《ネタバレ》 う~んやっぱり、腕っ節がベラボウに強いのにただ猪突猛進していくんじゃなくてお互いに同士討ちさせていくって云う頭脳プレイがそんじょそこらのアクションヒーローとは違いますね。三船敏郎も羅生門や七人の侍のようなはじけた(?)役柄が個人的に強く印章に残ってるんですが、それにも拘らず(マジで)カッコいいと思うのはやっぱり今の役者と違って凄みがあるからなんでしょうね。気迫が違うって云うんでしょうか。それに他の役者も皆個性があって良いですし。特にいい味出してるのはやはり飯屋のオヤジと敵役の仲代達矢でしょうね。特に彼の最期は悪役ながら実に哀愁満ちたシーンだと思います(しぶといからかなぁ?)また殺陣も今のようにすごい量が盛り込まれてるわけじゃないんですけど、量より質という言葉があるように、少ないながら非常にインパクトがありますね。やっぱり本物の達人は長々と闘うのではなく、一瞬で必殺の一撃を叩き込むものなんですよね。ここまで完成度を持ってる作品ですから、後にセルジオ・レオーネがイタリア式リメイク(要はパクり)をしたがるのも判ります。点数は少々悩みますが、これの続編の「椿三十郎」の方が好きなので8点。8点(2004-08-20 03:44:03) 44. サイコ(1960) やっぱり、サイコキラーってものが一般的に知られてない時にこの題材ってのはすごいものがあるよね。雨の中不気味に佇むモーテルとかはまるでゴシック・ホラーの如く恐怖心を煽ってくれるし、必要以上に殺人シーンを見せない事で、ただの殺人鬼映画とはまるで違う格調高いものに仕上がってる。それにラスト、ことの真実を確かめるためにベイツ邸に乗り込むときの臨場感。これを超えるサスペンス映画って、そうそう出来ないよね。正に名作。8点(2004-08-02 21:03:20) 45. 続・荒野の用心棒 《ネタバレ》 さすがイタリアです。冒頭からいきなりの早撃ち、ドロレス、鞭打ち、耳削ぎ、手潰し、挙句はガトリングガンでの大虐殺…さすがイタリアです。棺桶を引きずった黒ずくめのガンマン…一見滑稽だけれども、よくよく考えると恐ろしい。西部劇=明るい旋律に乗った勧善懲悪の物語、ではなく、荒廃した街での悪と悪の物語。そして最後には必殺の十字架撃ち…しかしここで疑問に思ったのが、リボルバー銃なのになんで7発撃ってるんだ?ってこと。しかし、そんな細かい事抜きにしても、ストーリーはなかなか良いし、ラスト、十字架に背を向けて去っていくジャンゴの後姿が凄く印象に残る。正当なウエスタンとはまた一味違った面白さがある。6点(2004-06-17 18:08:47) 46. ファンド・アンド・リス(ファンドとリス) 知ってる人は知っている、知らない人は全く知らないカルトの鬼才、アレハンドロ・ホドロフスキー監督の幻の長編映画デビュー作。最初は普通の作品を撮っていたのかと思いきや、冒頭からいきなり花を食う女が出てくるなど、相変わらずのシュールすぎる映像が、後の作品の片鱗を見せている。とにかく、基本設定は男女のカップルが幻の楽園を探しにいくというものだが、それ以上にシュール過ぎて、ボンクラの僕には全く映像の意図が読めてきません。いや、そもそもホドロフスキー監督の映像をすべて理解できる人って居るんだろうか…?5点(2004-06-13 15:11:41) 47. ミクロの決死圏 典型的なSFって感じですね。縮小技術やレーザー光線の実用化などの科学技術は目覚しいほどに進歩しているのに対し、医療技術が対して変わっていないってのがなんだか可笑しいですが、それすら気にならないほどにこの作品はすばらしいです。映像は確かに時代を感じさせるものだし、特撮もCG合成全盛期である今の人々から見れば物凄くショボイというのは確かなんですが、しかしながらCGに引けを取らないほどの神秘的な情景を見事に映像化していますし、僕は脚本(ストーリー)第一で映像技術は二の次三の次なので、全然気になりませんでした(むしろよくここまでという感じです)ミクロの世界で起こる様々なトラブルやサスペンス要素が上手く絡み合って、今見ても充分見ごたえのある映画になっています。毛細血管や肺胞、毛様体などの言葉が出てくるため、なんだか生物の授業を受けてるみたいですけどね(笑)それにしても、人間の体というのは劇中でも言っているように物凄く神秘的な存在ですね。まさに外宇宙に対する内宇宙といったところですね。8点(2004-04-06 02:16:39)(良:1票) 48. 荒野の用心棒 《ネタバレ》 荒野の七人と違ってこっちは正式に権利を買わずに映画化してしまったんでかなりの問題になったようですね。でも見るほうにとっては半ばどうでも良い訳で(笑)オリジナルはまだ未見ながらそれでもかなり面白い作品ではあります。特にイーストウッドのガン捌きがとにかくカッコいい、そして(BTTFにもこれのパロデイがでてくるが)後半の防弾チョッキ(?)を使った戦いもなかなかなもの。西部劇ファンなら一度は見ておいて損は無いでしょう。7点(2004-04-02 14:00:29) 49. たたり(1963) ゴシックホラーの古典ですが幽霊の存在をカメラワークと音響だけで表現しきったところが凄い。ホラーに下手なCGはいらないと言う事をモロに物語ってます。特に後半に歪んだ映像や音響などで表現された幽霊は見えないからといって存在しないわけではない、といわんばかりに物凄い存在感があリます。古典ホラーの名作。7点(2004-03-22 22:59:15) 50. ウエスト・サイド物語(1961) 《ネタバレ》 いや、随分変わったミュージカルですね。現代版ロミオとジュリエットと呼ばれているらしいですけど、まさに看板に偽りなしです。ミュージカルながら人物の描写はきっちりと(ミュージカルだから荒いというわけではないが)されていますし、救われない最後も印象的です。確かに最後は幸せになって欲しいという感じはありますがこれはこれで良いと思います。それにしても、やっぱりミュージカルってのは大変そうですね。普通の演技をするだけならまだしもああいう激しいダンスなどもやらなければならないんですから。そう云う面でも、役者たちの頑張りには本当に脱帽します。8点(2004-03-11 02:40:34) 51. 007/ゴールドフィンガー この映画ってスパイが最もスパイらしかった時の映画ですね。さすがに現行のピアーズ・ブロスナンに比べて少し見劣りする(ようなきがするだけで決して劣ってるわけじゃない)ショーン・コネリーですが、今と違ってちゃんとスパイらしい行動もしてますね。個人的にはこの頃よりも歳を取って風格の出てきた今のほうが好きですけど。それでもなかなか楽しませていただきました。でもやっぱり最後の展開が少し都合よすぎるな…というのが気になったので少し引かせていただきます。5点(2004-02-24 01:57:06) 52. 史上最大の作戦 戦争映画の殆どの場合アメリカ又は戦勝国の視点で主に描かれていますが、これはノルマンディー上陸作戦決行前夜および当日を戦勝国、敗戦国を均等に描いた大変良い映画だと思います。さすがに史上最大の作戦と謳ってるだけあって戦闘シーンなどはダイナミックそして長回しに撮ってありますね。でもそれだけじゃなくそれぞれの国の心理戦のようなものもきちんと盛り込まれてるし、偏りのないバランスの取れた作りをしていると思います。7点(2004-02-19 02:02:14) 53. クレオパトラ(1963) 見終わった後の正直な感想は、とにかく長い、ひたすら長い。恐らく世界史に興味のない人は見ないだろうし、例え見たとしても4時間以上退屈な時間を過ごす羽目になるだろう。しかし、俺は幸いにもこの類の映画、特に古代ローマ史あたりが好きなので、取り分けてつまらないとは思わなかった。いや、むしろ面白かった。この作品の凄い所は何と言っても、↓前記の通り十戒、ベン・ハ-などと肩を並べるほどの壮大なセットを使い、途方もないエキストラを起用した点。映画が映画たる所以の壮大さがものすごく出ている。クレオパトラの辿った軌跡も、一般的な世界史の教科書や歴史書に載ってる有名なエピソードから細かなことまでを丁寧に映像化されていて良いし、時代に翻弄されながらも3人の男を愛した女として描かれているのも良い(実際のクレオパトラは、確かに美人だったにせよ、絶世の美人だとか、世界の支配者を次々と手玉に取った妖婦のような女性などではではない)なので、この作品は、好きなジャンルであることと、映画としての面白みや壮大さがちゃんとあるので、今回は8点を献上しようと思う。8点(2004-02-06 19:20:30) 54. 砲艦サンパブロ マックイーンは本当に存在感のある俳優だ。たとえ台詞が少なくても持ち前の演技力で自分をアピールするし、台詞1つ1つにも深みがある。中国が荒れに荒れていた1920年代に、人情を貫き通そうとした主人公がとにかく印象的。7点(2004-01-25 00:14:08) 55. キング・オブ・キングス(1961) 同題材の【ナザレのイエス】での圧倒的な長丁場を体験した後(製作年はこちらが先)での3時間弱というのは物凄く短く感じる。ま、向うは6時間強もある大長編なので当然といえば当然なのだけど、そのせいなのか、いささかこの作品には説得力が欠けるような気がする。物語上比較的重要でない部分はオーソン・ウェルズのナレーションによってすぐに次のシーンに飛ぶが、やはりマリアがイエスを授かるまでの奇跡やイエスがペテロを弟子にするシーン、ユダが裏切りに対して苦悩を覚えるシーン、そしてペテロが3度“イエスを知らない”というシーンの経過をもう少し細かく撮って欲しかったし、ロバート・パウエルのイエスに慣れてるせいかどうもジェフリー・ハンターのイエスがしっくり来ない(というかトム・クルーズに見える…)のもイタイ。ま、元々が違う監督の作品だし比べてもしょうがないし、この作品も同年代に作られた史劇スペクタクルと比べても水準点は超えてると思います。6点(2004-01-21 01:54:18) 56. エル・シド 《ネタバレ》 ヘストンは本当にこういった作品に多く出てますねぇ。今思えば50~60年代はスペクタクル巨編の黄金時代だったのかもしれません。スペインに実在し、ムラービト朝(劇中じゃベン・ユサフ)と闘ったたといわれるシッドを例によって例の如くヘストンが好演してます。…と、いっても実際に彼らが攻めてくるのは映画が始まって2時間半を越えたあたりからで、それまでは宗教争いや権力争いなどに翻弄され国を追放されるまでの波乱に満ちた半生が延々繰り広げられます。しかし、やはりそこは【ローマ帝国の滅亡】などを撮ったアンソニー・マンだけあって前半にも大迫力の騎馬戦などの見せ場をちゃんと入れてますし、後半のユサフとの戦闘も圧巻。特に、太陽を背にし、パイプオルガンの旋律と共に白馬に跨るヘストンの出で立ちは名シーンです。最近では非難される事の多いヘストンですが、そんな彼が僕は大好きです。8点(2004-01-19 00:08:22) 57. 北京の55日 さすが、則天武后と並んで中国史きっての悪女と称される西太后だけあって物凄く強引ですね。しかし、中国人にとっては自宅に土足で上がりこまれて好き勝手やられてるも同じなので「てめぇら人ん家で何やってんじゃコラァ!」となるのも当然といえば当然ですね。この映画、製作がアメリカだけに列強というよりは世界の覇者であったアメリカ、イギリスの視点で描かれてますが、史実じゃ連合軍の主力になったのは日本とロシアで、中国政府軍も最終的には連合軍側について義和団を鎮圧させたので、そこのところをもう少し忠実に描いて欲しかったんですけど、チャールトン・へストンファンなので、そのことをあまり気にしないで充分に楽しめました。8点(2004-01-08 02:31:19) 58. カーツーム 1881年、スーフィーのムハンマド・アフマドがエジプト支配の打破とイスラムの改革を唱えマフディー(救世主)教団を組織し、ジハード(聖戦)を開始したのが“マフディー教徒の反乱”で、この映画はその戦いの決め手となったカーツーム(ハルトゥーム)の戦いをチャールトン・へストン、ローレンス・オリヴィエの2大スターがそれぞれ英国将軍、マフディーに扮した一大スペクタクル史劇です。全体としては、食料運搬のシーンや最後のカーツーム陥落のシーンなど、迫力の戦闘シーンも随所にありますが、今までの史劇スペクタクルの娯楽映画というよりは説明映画というような印象を受けます。ヘストン、オリヴィエともに深みのある演技をしてますが、個人的なことを言えばヘストンの髭とオリヴィエの“顔黒”は似合わないなぁと思いますが、スーダンの内乱という史実を知る上では充分に良い作品だと思います。7点(2003-12-31 03:05:22) 59. ドクトル・ジバゴ(1965) ロシア革命に翻弄される1人の男の一大叙事詩。戦闘シーンなどは迫力大で、衣装も忠実に再現してると思うし、長いだけあって、人物の描写がとても細かく描かれてます。長い映画が好き、ということもあるんですが、こうした1人の人物に焦点を当て、人物像や辿った軌跡を描くものはやはり、このくらいの長さをもってじっくり描いて欲しいです。劇中随所に流れる【ラーラのテーマ】も、名曲と今でも語り継がれるだけあって1度聴いたら忘れられないほどに素晴らしい音色です。 7点(2003-12-30 16:55:12) 60. 天地創造 この映画で判ることは、神様ってのは凄く自分勝手なんだね…てぇ事じゃなくってぇ、旧約聖書では人類の誕生はこのように描かれてるんだな、ということです。有名な「光あれ」の言葉から天地が出来る7日間は見ていて物凄くダイナミックだし、その後のノアの箱舟、バベルの塔などの、断片しか知らないまたは順番がよくわからないエピソードが、聖書に忠実に、そして壮大に描かれていて、正にスペクタクル映画といった感じです。7点(2003-12-27 23:57:12)
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