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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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【製作年 : 1940年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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41.  毒薬と老嬢 こんな恐ろしいババア共がいてたまるか。[DVD(字幕)] 9点(2014-03-21 14:47:47)

42.  ヨーク軍曹 内容はストレートな戦争アクション、ゲイリー・クーパーの演技は最高潮。 クーパーに賞を取らせ、自身も監督賞にノミネートしたホークスの手腕が輝る傑作。 [DVD(字幕)] 9点(2014-03-21 14:30:55)《改行有》

43.  カインド・ハート 「イギリス映画なんてつまんないよ」何て人は、イーリング・コメディを見てから判断してもらいたい。本作はチャップリンの「殺人狂時代」も真っ青な連続殺人を描くブラック・コメディで、イギリス映画の最高傑作の一つとして数えられる逸品だ。 貧しい生活を強いられてきた貴族の血を引く青年が、爵位と復讐のために次々と後継者を抹殺していく様をおもしろおかしく・尚且つ冷徹に描いていく。アレックス・ギネスの一人八役も最高に狂ってやがる(褒め言葉)。それをデニス・プライスが黙々と殺しまくる様子だけでも笑ってしまう。 二人のヒロインとのやり取りもエロティックだ。接吻のシーンで、身をくねらせて悶える姿がえっろい。エロイんです。服を脱ぐワケじゃないのに、まるでベッドの上で絡み合うの様な。エルンスト・ルビッチに通じるエロティックな場面です。 [DVD(字幕)] 9点(2014-03-18 17:32:26)《改行有》

44.  マクベス(1948) 《ネタバレ》 オーソン・ウェルズの史劇映画にハズレなし(特に「フォルスタッフ」は最高傑作)という印象。 この「マクベス」は後の「オセロ」に続く演出はもちろん、ウェルズのシェイクスピアへの尊敬と挑戦が凝縮された傑作の一つ。 例えば、中盤の女が石の階段を上っていく様子をワンショットに収めたカメラワーク。 これが後の「黒い罠」における冒頭の見事なシークエンスに繋がっていくのだろう。 ファースト・シーンと言えば本作の出だしも強烈なもの。 おどるおどろしい雰囲気、濃霧の中で怪しげな儀式を繰り返す三人の魔女。そこに居合わせた騎士二人。二人の呪われた物語はここから始まっていく。 一人の男が如何に栄華を極め、如何に仲間を裏切り、如何に滅んでいくか。その過程の凄まじさ。 正に「市民ケーン」だが、張り詰めた緊張の糸は最後の最後まで持続される。 この作品はシェイクスピアの舞台劇を演じるように、重厚なドラマとセリフで魅せてくれる。派手な戦いの場面がない代わりに、心理面での葛藤や恐怖がマクベスを常に襲う。 魔女の予言で狂う男、女、男! 冠を頂く姿の不格好さは、まるで小人が一時の権力に溺れたような滑稽さを感じさせる。 ラストの決闘は少ない時間ながら鬼気迫る演出だ。 マクベスは玉座で黙って傍観するような器ではない。剣を奮って戦うマクベスの活き活きとした表情を見れば、一目瞭然だ。 首を斬り落とす場面の繋げ方が面白い。 その屈強なマクベスを演じたウェルズが「フォルスタッフ」ではずんぐりむっくりになってしまうのだからビックリ。[DVD(字幕)] 9点(2014-03-18 16:37:42)《改行有》

45.  裸の町(1948) ダッシンが撮った最初のフィルム・ノワールの傑作であり、彼の早くも確立された作品。 殺人犯を追う謎解きやスリルの詰まったサスペンス。後の「真昼の暴動」や「街の野獣」「男の争い」に引けを取らない逸品。[DVD(字幕)] 9点(2014-03-17 08:10:19)《改行有》

46.  真昼の暴動 ジュールス・ダッシンの傑作。 刑務所内におけるドキュメンタリータッチのやり取り、回想形式で語られる一般社会(アウトサイド)の描写が面白い。個人的には「街の野獣」より好きだ。 それにしても「穴」といい、「大脱走」といい、どうしてこう刑務所ものの映画は登場人物が誰もかれも魅力的になってしまうのだろうか。[DVD(字幕)] 9点(2014-03-17 08:09:21)《改行有》

47.  赤い靴(1948) 《ネタバレ》 赤い靴に“恋をした”少女の壮絶な生き様を眼に焼き付けられる作品。 単なるメロドラマでは終わらず、赤い靴によって取り付かれたように踊り続ける少女の切なさと怖さ。 彼女はもうどうにも止まらない。バレエを愛しているから、踊る事を愛していたから、何より赤い靴を“愛して”しまったから・・・。 新聞紙との踊りは正に死に際の美しさ。 この映画をデジタル・リマスター・エディションとして蘇らせてくれたマーティン・スコセッシには感謝してもしきれない。 フランシス・F・コッポラと組んで蘇らせたというヴォイツェク・イェジーハスの「サラゴサの写本(サラゴサ手稿)」も見なければ![DVD(字幕)] 9点(2014-03-17 08:02:48)《改行有》

48.  生きるべきか死ぬべきか 《ネタバレ》 エルンスト・ルビッチの最高傑作にして、「我輩はカモである」や「独裁者」に並ぶ反ナチス・スクリュー・ボール・コメディの大傑作。 とにかく展開が速いし、キャロル・ロンバートが最高にハジケていて楽しい。 物語は街中においていきなりヒトラーが現れるシーンから始まる。果たしてこのヒトラーは何者なのか。 第二次大戦真っ只中、ナチスの脅威が迫るポーランドの首都ワルシャワの劇場では偽のヒトラーをたてるべく“アジ”の研究やら日夜厳しくも馬鹿馬鹿しい調子で稽古を積んでいた。欠伸をしながら「はいるひとりゃ~」と言った後にキリッと言い直すシーンからまず笑わせてくれる。 そんな彼らの努力を尻目に、女優アンナはソビンスキー中尉とイチャイチャ。 「ハムレット」のセリフをイチイチ邪魔される劇団員はブチギレまくり。ちょっとはタイミングを考えろww そんなアンナたちも、ポーランドに宣戦布告してきたナチスに劇場を木っ端微塵に吹き飛ばされてしまう。様々な怒りが彼らをレジスタンスとして立ち上がらせる。彼らがところ構わず爆弾で吹き飛ばしていくのは、ナチスだけでなく我々の腹筋も破壊していく。 セリフによる笑いと緊張感みなぎる場面の数々、ベッドでのやり取りやヒゲ、名前、手紙と次から次へと笑いの連鎖が重ねられる。階段のシーンはドキドキした。 キャロル・ロンバートが眠る筈のベッドでゴツいオッサンが寝ててワロタ。 劇場における“幕引き”場面も凄い。薄暗い中をサーチライトで照らされ、垂れ幕の向こうで見事に“退場”していくシーン。笑いを通り越して一瞬ゾッとさせる。 ルビッチはポーランドのユダヤ人たちの悲劇を下にこの映画を撮ったという。その憎悪がこの映画の「爆発」へと繋がったのだろう。 ヒゲで正体がバレるシーン、欲情する兵士、劇場が吹っ飛んで隣の男に抱きつくヒトラー、最後の最後までハムレットを邪魔されるなど笑いっぱなしでとにかく楽しい映画だった。[DVD(字幕)] 9点(2014-03-14 16:58:43)(良:1票) 《改行有》

49.  白熱(1949) 《ネタバレ》 ジェームズ・キャグニー主演の凄まじいギャング映画。 サイレント期から数々のアクションやコメディを手掛けてきたラオール・ウォシュの集大成とも言える作品。 キャグニーとウォルシュが組んだ作品はコメディ「いちごブロンド」、同じくギャングものでロバート・ロッセンが脚本に参加した「彼奴は顔役だ」と傑作が多いが、この映画のキャグニーは最もぶっ飛んでて狂ってる。 ファースト・シーンの列車強盗の場面。 トンネルから出てくる列車を追うように並走する車、列車には既に仲間が潜入して事を引き起こし、橋から飛び降りて乗り込み、扉を爆弾でぶっ飛ばし、機関士も強盗も容赦なく撃たれ蒸気で大火傷を負い悲痛な叫びをあげる…あっと言う間の5分。アクション映画はこうでなくちゃ。 小柄ながらきびきびした動きで踊るように人を殺していくジェームズ・キャグニー演じるコーディ・ジャレット。 母親に “犯罪によって”教育され、冷酷、残忍、非情でオマケに超マザコンに成長してしまった男。発作のようにマザーコンプレックスの衝動に駆られて暴れまわる姿は赤ん坊のような無邪気さと凶暴性を見せつけてくれる。つうか笑顔がヤベえよコイツ…。 こんなにも狂いに狂ったマザコンはコーディ・ジャレットしかいないね。 「死の谷」で姉御肌の女性を演じたヴァージニア・メイヨは、コーディに取り巻くもその狂気で徐々に距離を置いていく情婦の妻を演じる。メイヨとキャグニーのやり取りは愛と狂気の紙一重。 彼らを追う警察との追走劇も手に汗握る。 デスマスク、靴紐、鏡と映像で見せるシーンの巧さも絶妙極まる。社内電話はまるで携帯電話の様。野外劇場の“暗示”はコーディたちの別れ道でもありました。“罪”を避けるための“アリバイ”を得る方法がえげつない。 警察の捜査を嘲笑うコーディたちだが、警察も強力な“切り札”を持ってた。スパイ映画としての側面も持っている面白さ。 刑務所でのやり取りもまたスリリング。特にコーディが“ある知らせ”を受けて発狂、泣きだして暴れ出し幼児のように警官を立て続けにブチのめす。怖すぎて笑っちまうよもう。 その後の脱獄までの流れも手馴れた見事さ。 受話器?んなもんブチ抜いちまえ!閉じ込めたまま“殺す”シーンとか本当えげつない。裏切りと報復、暴力による服従、ドア越しの銃撃。 終盤の流れもとにかく凄い。黒光りする巨大なトラックの重量がたまらない。 キャグニーにおんぶされる酔いどれメイヨが可愛いすぎる。一瞬映る太もものエロティックさ。 給油所に残す“メッセージ”、少し時代を感じる捜査方法がまた味わい深い、ショットガンの散弾描写、そしてキャグニーの絶叫!! 「やったぜママー!世界の頂点だー!」 最後の最期まで、死ぬ瞬間まで強烈な場面で締めくくられる。[DVD(字幕)] 10点(2014-03-14 16:42:25)《改行有》

50.  死刑執行人もまた死す 《ネタバレ》 ラングは人によっては「ドイツ時代よりも冴えがない」という人もいると思うが、俺はアメリカに来てからの方がより面白くなった監督だと思う。 1930年代~40年代はドイツ時代の「M」や「怪人マブゼ」から連なるラングの黄金時代だ。アメリカ時代は「ビッグ・ヒート/復讐は俺に任せろ」や「スカーレット・ストリート」「激怒」が最高だと思うが、この作品もラングが生きてきたドイツへの望郷とナチスへの反抗が詰め込まれた傑作。 劇中で命を燃やすレジスタンスたちはラングの分身。 麗しき女性たちにはドイツ時代に長年コンビを組んだ愛しきテア・フォン・ハルボウの面影でも刻まれているのだろう。 サスペンス映画としては2時間オーバーと長尺だが、ダレも飽きも感じさせない密度。 銃撃戦はほとんど無いが、徹底した骨太のドラマとスリリングなやり取りの数々で次から次へと楽しませてくれる。 また、レジスタンスを処刑するゲシュタポ側も一歩間違えれば問答無用で殺される・・・その辺の怖さ。 何より本作が求めるものは「屈しない」という事だ。 戦争に屈してたまるか、独裁に屈してたまるか、俺たちは自由に生きるんだ、自由のために闘うんだ、自由のために死ぬんだ。負けてたまるか!! 処刑台に連行される男たちは、実に清々しい顔つきで散っていく。「あの世で会おうぜ!!」 Not The End.[DVD(字幕)] 9点(2014-03-14 16:38:45)《改行有》

51.  征服されざる人々 デミルが本格的に西部開拓時代を描いた作品。 アメリカが独立する前を描くという珍しい作品ですが、西部開拓民たちの心情、インディアンたちとの交流や細かい描写など徹底した時代考証が特色。デミルらしい観客を楽しませる工夫に溢れた傑作です。[DVD(字幕)] 9点(2014-03-13 03:05:23)《改行有》

52.  深夜の告白(1944) 《ネタバレ》 ワイルダーの傑作は数あれど、個人的に最高傑作を一つ挙げるとすれば「深夜の告白」になるだろうか。 レイモンド・チャンドラーと組んだシナリオというだけでも凄い。 「失われた週末」「サンセット大通り」に先駆けた初期の傑作フィルム・ノワールであり、ワイルダーが余り好きで無いという人間にもオススメする作品だ。 真夜中のハイウェイ。 冒頭から車をブッ飛ばして会社に駆け込む一人の男。どうやらこの男はかなりワケ有りのようだ。 そこから回想形式で事の顛末を告白していく形式が面白い。 如何にして事件に至ったのか。倒錯的なサスペンスとして、中盤から徐々にスリルを増していくストーリーが面白かった。 エンジンが中々かからない場面も異様に緊張感を盛り上げる。 バーバラ・スタンウィックの悪女振りも最高。真の主役はフレッド・マクマレイではなくエドワード・G・ロビンソンなのかも知れない。どちらも素晴らしい名演だ。 ワイルダーと組んだレイモンド・チャンドラーだが、この二人の折り合いは最悪と言っても良い。 ジェームズ・ケインの原作が元だが、そもそもチャンドラーはケインの作品が大嫌いだった。元々金欲しさで契約を結んでいたに過ぎず、ケインと同席しようものなら遠慮なく作品を酷評するほどだった。ワイルダーも余り好きではなかった。 ワイルダーが長くコンビを組んてきたチャールズ・ブラケットまで「糞」呼ばわり。こんな状況で一体どうやってこの傑作が生まれたのだろうか。不思議でしょうがない。 だが、それと作品の完成度は別だ。 チャンドラーの鮮やかな脚色、ワイルダーの辛辣な人物描写。制作現場のギスギスした空気は、そのまま映画の面白さに結びつく。 そんな二人を不安に満ちた表情で見守るかのようなミクロス・ローザの音楽も秀逸だ。いや、実際にカメラで見守るのはジョン・サイツの見事な撮影だろうか。[DVD(字幕)] 9点(2014-03-11 21:32:42)(良:1票) 《改行有》

53.  我等の生涯の最良の年 戦争の傷跡から苦悩し、再び立ち上がろうとする3人の男たちと家族のドラマを描いた作品。 戦場で様々な「何か」を失い帰還した3人の男たち。それを暖かく迎え入れる家族たちも、何処か後ろめたい暗さを見せる。 悪夢にうなされていた男は、現実でも妻にうなされていたろうぜ。廃棄寸前の飛行機に居心地良さそうに座る姿なんかさ。心がどっか行っちまってんのさ。 そんな男たちが再び家族や恋人と交流し、自分なりに立ち直っていく姿に勇気付けられる。良い映画です。[DVD(字幕)] 9点(2014-03-11 21:24:43)《改行有》

54.  みかへりの塔 《ネタバレ》 凄い映画だった。 ストーリーは問題を起こした“子供”なら小学生だろうと大人だろうと送られ集団生活をさせられる学園の話。 浮浪や盗み、怠け者など問題児を一緒に生活させて更生していこうというものだ。 映画は1941年と戦争も近い筈だが、非国民がどうとか戦争のプロパガンダとかそんな要素は微塵も感じられない。 集団で社会的な学習をさせ、子供たちに自分の長所や短所を見極めさせるなど興味深い。 つうか「寝ショウベンの統計」って(笑) 教員も擬似的な父親・母親となって家族のように教えていく。 仕事が忙しいので託児所の代わりにする親も入れば、自分の不始末を人任せにしようという無責任な親も出てくる。 育児放棄も同じだ。 今の我が子に過剰に愛を注ぐ「モンスターペアレント」とこの映画の親たち。一体どっちが酷い親だろうか。 どんな事情があれ、俺は両方ともクソだと思うよ。てめえの不始末他人に押し付けるような親はな。 まあ俺も最初こそ「悪い刷り込み」を感じた。 塔に入ったばかりのお嬢ちゃん育ちの女の子と一緒の気持ちだった。 だがそんな考えは次第に薄れる。 子供たちはみんな活き活きしているし、厳しいけど個性を尊重する辺りなどある程度のびのびした感じだ。 また、卒院しても社会に打ちのめされ戻っていくる生徒の様子も良かった。 塔を見る世の中の冷たい現実、そんな現実にまた戻り挑み直そうとする場面。 笠智衆の先生の言葉も良い。 「世間に負けないように強くなれ。ここで培ったことを忘れるな」逆境に負けるなという教えが感じられる。 水を引いていく力強い場面はキング・ヴィダーの「麦秋」を思い出す。 言葉には言葉、拳骨には拳骨で応える。 拳骨の後に抱きかかえて励ます姿勢がグッド。これが本当の愛のある拳骨や。 「蛍の光」は思わずうるっと来てしまう。 鐘の音はちょっと拍子抜けしたが、去っていく生徒たちの希望と不安を感じさせるシーン。 横を走る汽車も、この数年後には戦地に行く兵士たちを乗せて走っていくのだろう。 戦争を知る前と知った後じゃ印象が違うラストだ。[DVD(字幕)] 9点(2014-03-06 14:37:56)《改行有》

55.  レベッカ(1940) 《ネタバレ》 ダフネ・デュ・モーリアの原作を映画化した本作。 ヒッチコックがイギリスにいた時代から原作の映画化を熱望していたヒッチコックだが、本作はヒッチコックにとって大いに不本意な作品となった。 「キングコング」をプロデュースして名乗りをあげていたセルズニックがアメリカに来たばかりのヒッチコックを援助。 ところが単なる援助に留まらず、脚本や演出にまで乗り出してきてしまう。 「そこまで頼んでないよ」と流石のヒッチコックも涙目。 ヒッチコックも負けずに「わたし」役のジョーン・フォンテインをしごきにかかる。 相手役のローレンス・オリヴィエはヴィヴィアン・リーにゾッコン。 フォンテインなんかどうでもいいと言っても良かった。 そこにヒッチコックが目を付けてフォンテインに冷たくあたり、本編でのヒロインの冷遇が迫真を増す事となった。 フォンテインも負けてなるものかと、ドジを重ねつつも次第に一人の女として成長していくヒロインを熱演。 貴族のボンボンながら誰にも打ち明けられない過去を引きずるマキシム役のオリヴィエに引けを取らない演技を魅せつける。 本作のヒッチコック色といえばやはりダンヴァース夫人。 ヒッチコック映画は「怖い」んじゃない。 一瞬背筋が「ゾクッ」とするような寒気がすればそれでいいのだ。 その一瞬の寒気を何層にも重ねて恐怖を作り上げる。 それがヒッチコック映画であろう。 原作でも突然ふっと現れる亡霊のような不気味さがある彼女。 誰の夫人なのか? どうしてそこまで執拗にヒロインを追い詰めるのか? もしかして百合なのか? 好きだけどついつい虐めてしまうタイプなのか? 何て生易しい考えが及ばない、得体の知れない女性だ。 自由に出入りする放し飼いの犬のような可愛気、そこに潜む獰猛な執着。 じわりじわりとヒロインを追い詰めていく姿はおっかないね。 まるでセルズニックがふんぞり返る「レベッカ」を、じわりじわりと自分の色をほうぼうに塗りたくるヒッチコックのような執念だ。 ジョージ・サンダース演じる小悪党ジャック・ファヴェルも面白いキャラだ。 お目当ては「ダンヴァース夫人」か「ヒロイン」か。 ベンじいさんも良い顔してますな。 二重、三重のどんでん返しを楽しめる傑作。[DVD(字幕)] 9点(2014-03-03 00:48:53)(良:1票) 《改行有》

56.  市民ケーン 《ネタバレ》 「フォルスタッフ」「黒い罠」「オセロ」と随分楽しませてもらったウェルズだが、この作品はどうも退屈だった。というか、この映画1本だけでウェルズを語るのは「市民ケーン」以外のウェルズへの過小評価にも等しい行為だ。そのせいで日本における、いやアメリカでもウェルズは過小評価されてきたのではないだろうか?だからハッキリ言っておきたい。ウェルズは絶対に「市民ケーン」以外も見ろ、と。この映画を楽しめなかった人・楽しめた人すべてに。 この映画もワンシーンワンシーンは好きなんだけどさ。 新聞社に乗り込んでどんどん成長させていくシーンとか、 ケーンと奥さんの冷え切った会話、 鳥が飛び立つような場面転換、 終盤で怪獣のように室内で暴れる様子は「ゴジラ」へ、その暴走を止める「薔薇の蕾」、 鏡の前を歩き幾人にも分裂するケーンの姿・・・。 重厚な音楽と共に始まるオープニング。侵入を阻む柵、鉄格子、まるで城のようにそびえる不気味な黒い建物。 窓の灯りが消えたり付いたり、雪が降り続ける丸い球体が手から転げ落ち、砕け散る。「薔薇の蕾」の言葉を残して・・・。 続いてたった今くたばった人間の生涯を語るニュースフィルム。城主に君臨する新聞王としてのケーン。 およそ10分に渡るニュースフィルムが終わると、続いて新聞記者が“本当のケーン”探しに出かける。劇中の人物は時折黒いシルエットのように映される。 夫としてのケーン、雪の中で無邪気に遊ぶ子供だったケーン、養子としてのケーン、野心を燃やして新聞社に乗り込む若者としてのケーン、共に仕事をした仕事仲間としてのケーン、ライバルとしてのケーン。様々なケーン像が明らかにされ、過去を語る場面と共に蘇っていく。 映画そのものが偽りであるように、世間に知られるケーンもまた偽りの存在でしかない。劇中の記者は、観客は本当のケーンを知る事が出来るのか、出来ないのか。様々な要素を持った謎解き映画でもある。 残された夥しい遺品に蟻のように群がる人々、街のビル群のようにも見える遺品の山。そして何も知らない人々に焼き尽くされる“真実”。黒い煙はケーンのいるあの世にまで届くのだろうか。 すべてを奪われ、すべてを手に入れたつもりになって、本当に欲しかったものは最後まで得られなかった。 修復版で意図的にザラザラにしたニュース・フィルムの演出まで修復してしまったのは残念でならない。[DVD(字幕)] 8点(2014-01-31 11:20:55)《改行有》

57.  死の谷 《ネタバレ》 ラオール・ウォルシュが描く西部劇の傑作の一つ。 ウォルシュ監督の「ハイ・シェラ」を西部劇としてより洗練させてリメイクした。 現代的な様相、何処か虚無的な雰囲気、ファムファタール(悪女)の誕生・・・フィルム・ノワールとしても面白い西部劇だ。 ガンファイトは物足りないと感じる時もあるが、冒頭から脱獄、駅馬車の襲撃など要所要所でアクションが程よく入り人間ドラマもかなり面白いのでダレが無い。 ラストの警備隊の追撃や二人の最期はガンファイトとしても素晴らしい&壮絶なシーンを見せてくれた。 本編は白人とインディの哀しき運命を描くストーリーだが、この映画は「生」と「死」が強調されている。 白黒の画面だからこそそれを色濃く感じられる。 主人公は犯罪を犯した“罪人”であったが、一度牢獄から出て「カタギの人間」としてやり直そうとした。 旅を続ける傍ら様々な事件に巻き込まれ、インディアンの混血の娘に惹かれる。 二人は次第に強い絆で結ばれていく。 祝福する者は誰もいない教会での結婚式・・・社会からはみ出した者同士にしか解らない痛みと温もり。 しかし運命は主人公を元の犯罪者という逃れられない「死」へと追い込んでいく。 一度犯罪を犯せばその烙印を一生背負う。 一度人を殺せばもっと重い烙印を背負い続ける。 そんな事を言われているような胸に響く映画だった。 この映画は90分だが、「たった90分」と思うほど時間が早く感じられる。 もう30分この二人のやり取りが見たいくらい切なくなってしまう幕切れだった。 握った手・・・二人は一緒にあの場所へ行けたのだろうか・・・。 「暗黒街の弾痕」といい、「ボニー&クライド/俺たちに明日はない」といい、どうしてこんなにも切ない映画が多いのか。[DVD(字幕)] 9点(2014-01-30 10:10:01)(良:2票) 《改行有》

58.  壮烈第七騎兵隊 《ネタバレ》 ラオール・ウォルシュ節爆発の傑作西部劇だった。 やっぱり「死の谷」とか「追跡」が好きな俺にとって、娯楽に全力疾走したウォルシュ映画はあんまり好きじゃない。 でもそんな事いったらジョン・フォードの「荒野の決闘」なんか、史実無視でよくもあれだけゆったりとした恋愛?ドラマにしちゃったもんだし(後の「タイタニック」はもっと酷い)、 あのグリフィスの「国民の創生」だって、ドラマの掘り下げとアクションは最高だったけど黒人差別の描写が一方的すぎて大いにマイナスだった。 リンカンを描くならリンカンが戦う理由となった黒人への多面的な描写も必要なのにな。 まあ歴史的考証は黒人描写以外100点に近いけどな。 それは「タイタニック」にも言える(かも)。 本作「壮烈第七騎兵隊」はタイトル通りのアクション重視の娯楽大作。 アクションは流石に目を見張るシーンが多い。 馬の躍動感が異常。 南北戦争の雄「カスター将軍」と第七騎兵隊の壮絶な散り様をダイナミックに描く。 カスター将軍の文字通り壮烈な人間模様、軍人としての調練と恋、組織汚職との孤独な戦い。 待ち受けるインディアンの大群、死を前にして覚悟を決めた男の雄姿・・・前半あれだけフザケきった悪ガキのエロール・フリンが一角の大将として成長した姿には心打たれる。 後の「独眼竜正宗」である。 甘い青春に富んだ単純なストーリーが、軍人となった男の孤独なドラマに変わっていく様・・・やっぱウォルシュ映画は良いなあ。[DVD(字幕)] 9点(2014-01-25 13:52:02)《改行有》

59.  怒りの日(1943) 《ネタバレ》 「奇跡」と並ぶドライヤーの最高傑作。 「魔女狩り」をめぐって揺れた時代。女は男に愛を求めるが、その禁断の愛は男を虜にする。 女の魔性の美・・・心は拒絶しても肉体は彼女を求めようとする・・・人間の本能が。 ドライヤーの宗教描写は「宗教なんざクソ喰らえ」ってところが好きだ。 劇中の二人も禁じられた愛に染まっていく・・・。 ドライヤーの描く女性像もフルスロットル。 本当こういうの上手えなドライヤーは・・・。[DVD(字幕)] 9点(2014-01-25 13:30:03)《改行有》

60.  第三の男 《ネタバレ》 キャロル・リードは「二つの世界の男」と「フォロー・ミー」は文句なしの傑作だと思うが、この「第三の男」はやや完璧すぎるし、影の演出のあざとさも気になる。 淡々と謎を解き明かしていく流れ、オーソン・ウェルズの登場シーンや地下水道での追走劇も計算され尽くしている。 加えて、プロデューサーのデヴィッド・O・セルズニックの演出。 この男はどんな作品でも必ずと言っていいほど三角関係をねじ込んでくる。 「キングコング」で怪獣、男、女の三角関係を描いた男だ。当然「第三の男」も小説家、女、闇の住人の三角関係に発展していく。 第二次大戦後の暗い影が付きまとうこの映画。 戦後の新しい時代の白い「光」、社会の黒い「闇」の世界。 日夜問わずにこの白と黒がせめぎ合うサスペンス。 そこにシンプルな音楽の調べが何とも言えない雰囲気を作り出す。 友人の不可解な「謎」を追ってウィーン市内を渡り歩く主人公。 事件の真相を追うのは友情か、それとも作家としての好奇心か。 途中で出会った謎の女性。 友人について知っているらしいが、彼女にも暗い影が見え隠れしている。 様々な国が入り乱れて統治するウィーンの街は、戦後の混沌を表す良い見本だ。 そして主人公の前に現れる「第三の男」。 音楽のリズムが一気に変化し、暗闇から姿を表す。 こんなにドキドキする登場シーンはそうそうないぜ。 主人公と「第三の男」との駆け引きは徐々に激しさを増し、下水道を縦横無尽に駆け巡るラストまでの流れは惚れ惚れする。 光の中に生きる者と、闇にしか生きられなくなった者、それぞれの顛末。 それはコインの裏表のように、常にひっくり返される存在なのだ。 ラストの舗道のシーンは良いね。何度見ても。[DVD(字幕)] 8点(2014-01-25 13:23:33)《改行有》

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