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プロフィール
コメント数 375
性別 男性
ホームページ https://camuson.exblog.jp/
自己紹介 自分のブログに映画や本の感想文を書き溜めておりましたが、読まれることが絶無のため、こちらに出張しております。
もし興味がありましたら、弊過疎ブログにもお越しください。

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41.  バビロンの陽光 《ネタバレ》 フセイン政権崩壊3週間後。イラク北部のクルド人のお婆さんと孫息子が、戦地で行方不明となった孫息子の父親(婆さんにとっては息子)を探す旅に出るという話。北部の乾ききった荒れ地をヒッチハイクしてバグダードまで辿り着き、そこからバスで、父親が収容されているという南部のナシリア刑務所に辿り着くが、収容者の中に父親の名前は無く、行方がわからず。そこからは、どこそこの集団墓地を探せと言われれば、それ以上の情報がないので従うしなく、集団墓地をハシゴして探し回ることに。バビロンまで来るも、結局見つからず。といったような話です。実際に戦乱による行方不明者が数十万人いて、似たような境遇の遺族がたくさんいるとのことです。大きな感動はありませんが、荒涼とした大地と、そこで暮らす人々の営みが感じられて、途中であった人たちとの交流も描かれていて、悲しみだけで終わらず、しみじみとした味わいのある作品です。イラクには映画産業が無いので(監督の話では崩壊したとのことなので元は多少なりともあったのでしょうか?)、役者という職業も無く、演じ手は皆、素人から監督が選んだ人たち。この人しかいないだろうと思わせる人選と、自然な演技。見習いたいものです。映像特典の監督インタビューが興味深かったです。映画産業が崩壊したイラクでの撮影の苦労は、我々の想像する以上のものだったことでしょう。[DVD(字幕)] 6点(2023-03-30 17:47:48)

42.  サウルの息子 《ネタバレ》 何も予備知識を入れずに見ました。アウシュビッツ強制収容所のゾンダーコマンドの男が主人公。ガス室で死体の処理をしていたところ、その中から少年が奇跡的に息を吹き返しました。たいへん珍しいケースで、医者が首を絞めて殺します。その少年が実は主人公の息子だったらしく、息子の遺体を医者に解剖させずに、きちんと埋葬をしようと、収容所の中を男が奔走するという話です。現在進行形で大量に人が殺されていく中で、死者の埋葬どころじゃなかろうに。と普通に思ってしまい、最後までその疑問を引き摺ってしまいました。正気が奪われて、息子の埋葬を心のよりどころにせざるを得なかったのだとは思いますが、感覚的にわかりづらかったです。映像は、臨場感を持たせるためか、主人公に接近した位置から、画角の狭いカメラで主人公を大写しにしていて、限られた画面の隙間から、凄惨な情景が垣間見えるという手法をとっています。一つ一つの凄惨さにフォーカスするのではなく、凄惨さが飽和に達し、感覚が麻痺して、何が何やらわからない中で、虐殺がオートメーション作業のように進行していく感じが再現できていたように思います。[DVD(字幕)] 6点(2023-03-09 19:45:19)

43.  独裁者と小さな孫 《ネタバレ》 とある国の調子こいた爺さん独裁者と、更に調子ぶっこいた孫男児の話です。独裁者が、官邸から街を一望しながら、電力停止の命令を発すると、街の灯りがすべて消えて真っ暗になり、孫も大喜び。孫にも同じように命令させて、何度もやっているうちに灯りが付かなくなります。ついに、反体制分子が蜂起したようです。独裁者は家族を先に自家用飛行機で国外に逃がしますが、孫息子だけは、爺さん独裁者と一緒に残るとダダをこねます。すぐに家族の後を追って国外逃亡するつもりが、味方と思っていた軍も反体制派に寝返ったので、官邸に戻れなくなり、国内を逃亡することになります。変装して、流しの興業者を装いつつ逃亡している間に、悪政によりすさんだ社会と、自分に対する不平不満を見聞きしてしまう という内容です。とてもシンプルな内容ですが、体制は、時が来れば、信じられないくらい簡単にあっけなくひっくり返るものであるという感じが良く出ていて、なるほど実際こんな感じなんだろうなぁと思いました。甘やかされて育った孫の、状況を飲み込まないお花畑なバカさ加減に、鬱陶しさが募っていき、しまいには殴りつけたくなってきます。まあ、それだけよく演じていると言うことができます。序盤だけ出てきて国外に逃げてしまう仲が悪くて罵り合う美人姉妹が、結構好き。[DVD(字幕)] 6点(2023-03-06 19:16:16)

44.  ブルックリン 《ネタバレ》 アイルランド出身の若い女性が、都会でのリア充な生活を求めて、アメリカNYブルックリンに移住する話。ブルックリンにアイルランド系の若い女性の単身移住者が数人集まる女子寮があり、主人公はそこで暮らしながら、高級店の接客係の仕事を始めます。慣れない異国での生活に、初めは手間取りますが、少しずつ、仕事にも慣れていきつつ、一方でステップアップのために大学に通い、会計の勉強をしつつ、その一方で恋愛もしつつ、リア充値を高めていきます。そんなさなか、親族の不幸で故郷に戻ることになります。恋人としばしの別れとなりますが、相手の男も心配だったのでしょう。形のだけの結婚をしてから帰郷することにしますが、幸か不幸か・・・続く。いやいや、主人公がかなりの美人なのに、なおかつ可愛いという。しかも聡明そうで、凜としているし、いやいや、そいつもいいけど僕と結婚してくださいという感じです。まあ、女性の男選びは、人生の選択なので、迷ってしかるべきだし、いいんじゃないですかね。いわゆる揺れる乙女心なわけですが、個人的には嫌味な印象は持ちませんでした。イタリア人の夫は先見の明があったのですね。ハッピーエンドのようで、そうとも限らないとか考えさせられるところは悪くないです。あと、寮のどこにでもいそうな、おしゃべり女たちが、ほんとにどこにでもいそうなレベルで良かったです。[DVD(字幕)] 6点(2023-03-06 18:43:28)

45.  チリ33人 希望の軌跡 《ネタバレ》 2012年にチリで起きた鉱山落盤事件で閉じ込められた33人の奮闘と救出劇。キャストにアントニオ・バンデラスの名前を見つけて、オッと思いました。そのまま見続けるも、彼が出てきていないことに気付きました。そもそも、ギターケースを持った男の出る幕はないよなと思い始めたところで、冒頭に出てきた、坊主頭で髭が濃くて、女のケツを触ってたオッサンこそが、彼であることに気付きました。20年以上前の「デスペラード」の印象で止まってましたね(笑)さて、作品です。かなり演出しているものの、実際に起こった事故に基づいているので、現代の技術レベルによる現実的な作戦が立案実施され、普通に失敗するというリアリティがあります。いわゆるご都合主義がないところは良いところだと思います。救出に成功した場面では、実話だけに感動もひとしおです。ただ、まだ記憶に新しい事件だけに、閉鎖空間内部での諍いなどを、あまり生々しく再現したり、または捏造したりできないというのは制約になったのじゃないかと思いました。興業上の理由なのか何なのか、英語劇になっています。英語だろうとスペイン語だろうと聞き取れないのに違いはないのですが、チリの鉱夫達が英語をしゃべっていることに、少なからず違和感を覚えました。チリ人や事故当事者達はどう感じたかが気になります。最初アントニオ・バンデラスである必要があるのかなと思いましたが、暗い洞窟の中での泥まみれになるので、眼光の鋭さがよく活かされていたように思います。[DVD(字幕)] 6点(2023-03-03 19:27:11)

46.  わたしはマララ 原題は「He Named Me Malala」。原作と言える「わたしはマララ」を読み終わり、色々調べていたら、ドキュメンタリ映画があることを知ったので、早速借りてみました。やはり、映像の力は大きいですね。文字を読むことで何となく想像していた世界が、明瞭な色と形をもって再現され、読解力の答え合わせをしているような気分になりました。ああなるほどという細かい発見が多くありましたが、想像から大きく外れるようなことはありませんでした。原作はややもすると冗長で、読み疲れてしまうところがあったのですが、本作では原作で描かれた出来事がコンパクトにまとめられつつ、原作では描かれていない、バーミンガムに移ってからの活動や、インタビューが挟まり、マララおよび家族の人となりを身近に感じることができます。実写映像が存在しない過去の風景を描写するのに、絵画ティックなアニメーションを織りこんだのは、ドキュメンタリーでは珍しく斬新で、成功していると思いました。[DVD(字幕)] 6点(2023-02-21 17:52:49)

47.  テラフォーマーズ 原作漫画は未読。コスチュームがちょっとダサ目だったり、漫画チックなキャラクターの味付けだったり、ハリウッド映画とは違うテイストを狙いつつ、そこだけに逃げずに、本格的なCGや特殊メイクを駆使して、真面目にエンターテインメントに徹していることに好感を持ちました。虫に変身した時が結構カッコいいのですよね。あのコスチュームは、人の素の顔だとアンバランスでカッコ悪いのですが、虫に変身してド派手メークになると、うまくバランスして気にならなくなります。変身時には、変身する虫の特徴が、ビデオゲームのステータス画面、アナライズ画面さながらに解説されます。能力のチョイスとフィーチャーは、かなりバカバカしいものながら、同時に虫博士的なトリビアも得られるという複雑な気分を楽しめます。ストーリー構成上もサプライズが適度に配置されていて、途中だれることもありませんでした。ゴキブリ進化形態の、ちょっととぼけた、へんてこりんな造形は、作者個人の悪ノリが許される日本の漫画文化ならではのところがあって、アメコミを映像化するのとは随分と勝手が違うもの。その何とも言えないおぞましい異質感は、今まで見たことがないもので、一定の評価を与えるべきだと思いました。[DVD(字幕)] 6点(2023-02-17 18:24:13)

48.  コンテイジョン 《ネタバレ》 公開当時はまったくノーマークでしたが、コロナ関連で先見の明があったと話題になっているようなので、視聴してみることにしました。感染発生の2日目から始まり、日を経過するごとに、感染が広まる様子、それに応じた社会のリアクションを追っていく、パニック映画。未来の夢の科学技術ではなく、現時点での科学技術によるリアルなサイエンス・フィクションでもあります。10分くらい見たところで、再生の不具合で1日目を見損ねたかなと思い、最初に戻って見直しましたが、不具合ではなく仕様だったようです。まあ、その違和感は見続けているうちには忘れてしまいましたが。確かにコロナ禍を経験した後に見ると、部分的にはまさに予言的中というような箇所もあり、かなりまじめに考察を重ねた上で、つくられていることが分かるので、興味深く見ることができました。しかし、コロナ禍の前に見て、興味を持って見れたかどうかはかなり疑問ですね。わかりやすい主役がいない群像劇で、リアリティを重視しているので、濃密なドラマは描かれず、淡々と事が進んでいく感じで、ドラマとしてみると物足りなさは残ります。結構な豪華キャスト布陣で、主役級で活躍しそうな主要なキャラがあっけなく死んでしまうのはそれなりに効果的だし、リアルを感じさせるという意味では巧い使い方だとは思いました。発生源を香港のコウモリとしているのも、予言としてはかなり当たっていると言ってよく、今だから、大したものだとは思うのですが、当時何もない段階で、他国を感染源とするパンデミックの作品をつくるのは、チャレンジャーと言うか、結構問題だよなあとも思ったりします。[インターネット(字幕)] 6点(2023-02-12 16:20:10)(良:2票)

49.  1917 命をかけた伝令 第一次世界大戦中。西部戦線。ドイツ軍の罠を察知した連合軍側の伝令役として、突撃作戦中止の緊急伝令を最前線部隊に伝えに行く若い兵士の話。主人公視点でシームレスにカメラを回し続ける手法は、戦争映画としては珍しいと思います。一兵卒から見た戦争体験の再現という意味で、テーマと手法がうまくマッチしていたと思います。戦線に張り巡らされた塹壕のリアルな再現、まったく映えない粘土質の土地を進んだ後の一瞬戦争を忘れさせるような平穏な草原との対比など、戦争のドンパチ以外の緻密な絵づくりへの繊細な気配りが見て取れました。終盤、描写の客観性が失われるところも含めて、一般的な戦争映画に多く見られる、戦争の壮大さや壮絶さを、俯瞰的な視点や多視点により、物量で見せていく方向性とは、力の入れどころが違っていて興味深かったです。[インターネット(字幕)] 6点(2023-02-07 19:29:07)

50.  アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場 1939年にソ連がフィンランドに侵攻した「冬戦争」で失った領土の回復を狙った「継続戦争(第二次ソ芬戦争)」を扱った作品。領土の変遷を示す地図が挿入されるのと、日時と場所を示すキャプションが入る以外は、背景等がわかるような説明的描写はほとんどなく、戦場の兵士の視点で、過酷な戦況を臨場感を持って描写しています。我々がよく見る戦争映画というと、ベトナム戦争や太平洋戦争などが多く、亜熱帯のジャングルのイメージが強いですが、寒冷地の戦場は、また違った趣があります。雪が降ると兵士も白装束となり、ガラッとイメージが変わります。戦争映画を見る一つのメリットとして、その土地の地形や気候条件を、否が応でも感じることができるというのがあると思います。道なき自然の中を広域的に移動する描写って他にあまりないですから。殊勲を上げると休暇がもらえて、家族が待つ実家に戻って、麦の収穫を手伝ったりするなど、つかの間ながら牧歌的な一面もあって、これもまた趣があるなと感じました。[インターネット(字幕)] 6点(2023-02-07 18:00:13)(良:1票)

51.  女王陛下のお気に入り 《ネタバレ》 18世紀初頭イギリスに実在したアン女王とその側近をモデルにして、2人の側近女性による側近頭の地位を巡る争いを描いた作品。同監督による「籠の中の乙女」、「ロブスター」は、すでに鑑賞済みで、それらでは、監督のいい意味での変態的感性とユーモアの感覚が、うまくエンターテインメントに直結しているのが感じられ、その鬼才っぷりに驚いたものですが・・・本作は、お金をかけて、豪奢な宮殿の詳細を丁寧に再現し、役者もそれにこたえてよくやってるのはわかるものの、いかんせん、おふざけ要素がほとんど盛り込まれていないので、エンターテインメントとしては楽しむことができませんでした。だからと言って、英国の宮廷の狭い世界の話なので、いいこと学んだわぁとか、歴史の味方が変わるわぁとかの、時代物としての魅力もあまり感じられないのですよね。[インターネット(字幕)] 5点(2024-03-08 18:16:35)

52.  ミケランジェロの暗号 《ネタバレ》 舞台は1938年のナチス勢力下のウィーン。主人公はユダヤ人画商の息子。この画商が行方不明のミケランジェロ作のデッサン画を所有していることを、ナチスが嗅ぎつけ、総統閣下からムッソリーニへのおみやげにちょうどよくね?と没収しようとします。画商一家は、永世中立国スイスになんとか亡命を図ろうとするも、出国は認められず、それぞれ別々の収容所に送られることに。移動時に主人公が乗った飛行機が墜落事故を起こし、主人公とナチス親衛隊員1人が生き残るという映画的な展開となり、主人公はいかに立ち回るのか?主人公の命運やいかに?!と言った内容です。話は史実を背景にした完全なフィクションで、二転三転して、サスペンスとしては面白いのですが、史実の重さとどうもうまく馴染まないような気がして、モヤモヤ感が残ります。バランスの取り方が本当に難しいと思うのですが、もうちょっと生きる死ぬの切実感があった方が、メリハリが効いたのかなと思いました。失敗するリスクも高いですが。[DVD(字幕)] 5点(2023-10-03 18:25:37)

53.  サンザシの樹の下で 《ネタバレ》 文化大革命期の中国。主人公の若い女性(高校生くらい?)が、農家にホームステイ(※1)するところから始まります。ホームステイ先に居候してた、爽やかイケメンと恋に落ちるというような話です。そもそもの2人の出逢いのきっかけから、その後の恋愛の不自由など、背景として文化大革命が関わっているのは確かなのですが、話のメインはあくまでラブストーリーで、その行き着く先が、あまりにありがちなパターンなことから、文化大革命関係ないじゃん?ありがちな話の背景を差し替えただけじゃん?というような感想を持ってしまいました。主人公の彼氏は、やってることはストーカーで、爽やかイケメンなので辛うじて許されてるようですが、結構引きますね。農村の自然の映像はとても美しく、ノスタルジーを喚起するものでした。また、ホームステイ先の子役の演技がとても自然で良かったです。※1. 上山下郷運動は、都市部の青年層に対して、地方の農村で肉体労働を行うことを通じて思想改造をしながら、社会主義国家建設に協力させることを目的とした思想政策。[DVD(字幕)] 5点(2023-05-12 18:04:59)

54.  アルゴ 《ネタバレ》 1979年のイラン革命時の在イランアメリカ大使館人質事件を題材にした作品です。アメリカ大使館からカナダ大使公邸に逃げ込んだ6人の大使館スタッフを、CIAが「アルゴ」という仮想の映画をでっち上げ、映画撮影クルーに偽装して救出するという、映画みたいな本当の話を実際に映画化しましたという作品です。何度も言いますが、映画みたいな、驚くべき実話なのですが、いざ映画にしてみたら、思いのほか驚きが得られなかったなぁというのが率直な感想です。あくまでも主役はCIAの彼と大使館員で、メインはシンプルな救出劇なので。この歴史的背景ならではの、深みがあまり感じられません。相手がイスラムだと深みに嵌まれないのも分かりますが。大使館員達が占拠される前にシュレッダーにかけた書類を、イラン側が子供達を使った人海戦術でサルベージするなど、ちょっと面白い描写があったりはするのですが。まあまあ、そこそこスリルを楽しめる作品にはなっているかと思います。[DVD(字幕)] 5点(2023-05-09 17:35:19)(良:1票)

55.  メタルカ-METALCA- 《ネタバレ》 襲われたゾンビのデス声に惚れ込み、飼い慣らしてバンドの一員にして、無名バンドから一気に人気バンドに駈け上がるといったバカ設定コメディーです。ゾンビのメイキャップのチープさからも、リアルなホラーとして勝負することは放棄していることが伺えます。とはいえ、ヴォーカルの女性が幼少時に受けたトラウマを抱えていたり、その彼氏がキレやすい束縛系だったりと、結構ディテールに凝っていて、役者もそれに応えていて、以外としっかりした作品になっている印象です。器用に肉付けしている分、そこそこ面白いのですが、バカバカしさの勢いが削がれているような気もしないでもないです。根幹的な部分で新しさがないので、驚きもあまりないのですよね。ロックバンドGacharic Spinが出ていることがきっかけで見たわけですが、オレオレオナ以外は端役でしたね。もう少し活躍が見たかったです。逃げ込んだ寺の坊主が座禅しながら奏でるギターをバックに、登場人物達が座禅しながら回転して曼荼羅紋様になるシーンは、神秘とバカバカしさがない交ぜになっていて好きです。PVっぽいですが。自衛隊のおばさんは一番笑えるキャラでした。ゾンビ役の風貌や仕草がマキシマムザホルモンのギターそのものだなぁと思って見ていたのですが、DVD付録の監督のコメントによると、6年前マキシマムザホルモンを聴いてからロックに興味を持ち、数年前Gacharic Spinを聴いて、本作を企画したとのことで、なるほど納得でした。ちなみにゾンビ役はSHAZNAのベースが演じているとのことです。[DVD(字幕)] 5点(2023-04-09 13:15:18)

56.  のぼうの城 《ネタバレ》 でくのぼうにあやかり「のぼう様」と呼ばれる成田長親(忍城城主の従兄弟)が、城主不在時に石田三成勢に攻められるも、農民を味方につけて、あっぱれな戦をするという話です。ポテンシャルが高いのに色々と残念なところが多い作品です。素材はとても面白いです。コンピュータグラフィックス、特殊効果も頑張っています。堤防の決壊のシーンなどは素晴らしいです。しかし、演出面、脚本面でアチャーと頭を抱えてしまうところが多かったです。役者の演技力のデコボコ感が半端ないのですよね。軽薄で薄っぺらな色男の役柄を入れたくなるのは分かるのですが、成宮がとにかくへたっぴで。それを補える華や美貌やオーラがあれば良かったのですが・・・華がないのは榮倉奈々にもあてはまります。のぼう様役の野村萬斎も、序盤は演技過剰で、ちょっと見ているのがツラいです。長親が「のぼう」を演じているという劇中構造を考慮に入れても、ちょっと浮きすぎています。昔の「あぐり」の飄々とした演技が良かったので、どうしてこうなっちゃったかなと。終盤はさすがの凄味を見せつけてくれますが。三成役の上地は結構良かったです。冷徹な役がハマっています。山口智充も与えられた役を十分にこなしてます。鈴木保奈美も端役ではありますが、貫禄があり、見直しました。佐藤浩市はさすがです。あと、脚本の問題で、嘘臭すぎるというのがあります。泥まみれの農民が城に上がれるように、のぼうが泥まみれになるとか、農民の子供がおにぎりを渋るシーンとか、必要ないどころか、しつこいと思ってしまいました。その分を、リアリティや深みを与えるために使っていればなぁと。[DVD(字幕)] 5点(2023-03-03 19:38:17)

57.  追憶の森 《ネタバレ》 作品の雰囲気は嫌いではないですが、ちょっと全体的に、技巧が勝ち過ぎてしまったなという印象です。ナオミ・ワッツが美人なんだけど、すごくヤな奴で、見ててすごく不快なんです。それだけ演技力が高いと言えるわけですが、そこまで不快なら、普通別れるだろうという領域に入っていて、なかなか、共感できないのですよね。ちょっと普通じゃない男女関係を描こうという作家の意図が透けて見えました。回想にて、マコノヒーの自殺動機に繋がる悲劇に至るシーンが、1つ目のクライマックスになります。悲劇が起こるであろうことはあらかじめ予想できるので、その瞬間が読めてしまいました。来るか来るかと思ってたところ、ほんとにやりやがりました。あと、日本人(日本語話者)だけが気付くことが可能な伏線が仕込まれてます。この伏線が明かされるシーンが2つ目のクライマックスになります。気付けなったので、なるほどなとは思ったものの、これも後で考えると技巧が勝ってしまっているなと思いました。一応、渡辺謙が何者であるかの鍵にはなっているのですが、切れ味はイマイチです。違和感を覚えるような伏線のため記憶に残りやすいという効果はあるものの、その効果が日本人限定であることを考えると、あまり意味はなく、いっそ違和感のない”緑”などの方がよかったと思います。[DVD(字幕)] 5点(2023-03-01 18:55:34)(良:1票)

58.  羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来 《ネタバレ》 人間による自然破壊等により、妖精の世界が侵食される中、タカ派とハト派に分かれた妖精界の争いに、主人公が巻き込まれるといったストーリー。テーマ設定はありがちで特に新味はありませんが、やはり子供がメインターゲットになるでしょうから、このくらいシンプルでもいいのかなと思います。終盤になるまで敵味方が分からない流れは良かったと思います。善悪を考えた場合、タカ派ハト派のどちらが悪というわけでなく、この設定の中では、まずは人間が悪でしかるべきなのですが、タカ派に暴走させたことにより、そこが有耶無耶になっているのが気になりました。ネット上で他のレビューなどを見てみたところ、一部に共産党のプロパガンダ映画という意見があり、なるほどなあと思いました。私はそこまでは思い至りませんでしたが、少数民族の同化政策に当てはめれば、人間が中国で、妖精が少数民族でと、当てはまらないこともないんですよね。ただ、もしそういう意図があるとするならば、自然を破壊する人間役が中国というのはかなり自虐的だし、少数民族を特殊能力を持つ妖精と位置付けるのは、かなり持ち上げてるし、共生の道に向かうものの、妖精を人間の被害者として描いていることには違いなく、本当にそんなメタファーを共産党が進んで受け入れるかどうかはかなり疑問です。むしろ作者が共産党に気付かれないように持ち込んだメタファーかも知れず、作者の安否が心配になりますね。[映画館(吹替)] 5点(2023-02-24 18:17:19)

59.  僕のヒーローアカデミア THE MOVIE 2人の英雄(ヒーロー) 《ネタバレ》 オールマイトも人質になってしまい、代わりに雄英高校のコアメンバーがヴィランと戦い、事件の解決を図るというもの。見なくても本編には影響ない範囲で、無難に面白いお話になっています。雄英高校の登場メンバーがほぼコアメンバーに限られていて新味がないのと、ヴィランが地味なのが少し残念なところですかね。[インターネット(字幕)] 5点(2023-02-24 17:47:19)

60.  裏切りのサーカス 冷戦中のヨーロッパが舞台で、いかにもヨーロッパらしい色見のない渋味のある街の景色、IT化前のモダンなオフィスインテリアなどが興味深く、映像的には飽きることがありませんでした。ということで良質な映画だということはわかるので、気力を集中して鑑賞したのですが・・・なかなか頭に入ってこないんですよね。結構早い段階で、初見ですべて理解するのは無理だとあきらめてしまいました。登場人物が多く、でもそれぞれがあまり大きな役を負ってなくて、キャラが立っているわけでもなく、しばしば回想場面が挿入されるので混乱させられるし、リアルタイムでの緊張感があまり感じられない。そして、結局のところ、諜報組織のうちわもめという、とても狭くて閉じた世界の話なので、迫ってくるものがないんですよね。エンターテインメントとしてみると、消化不良です。だからといって、もう一度見たくなるようなミステリアスな謎も感じられない。でも、雰囲気は嫌いじゃないし、ロシア娘はイイ![DVD(字幕)] 5点(2023-02-17 18:03:07)

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