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プロフィール
コメント数 2394
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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601.  害虫 私の前にレビューされた53人の採点分布を見ると、驚くことに0点から10点まで満遍なく得点しています。他にも探せばあるのかもしれないけど、ここまで綺麗に点数がばらけた映画を自分は初めて見ました。まあそれだけ観た人の評価が分かれたということなんですが、観ていただけると判ると思いますがそうなるのも無理はないです。 監督の塩田明彦は蓮實重彦の門下生の一人みたいですけど、いかにも蓮實教授が好きそうな作風です。デビューしたての十代の宮崎あおいを愛でる映画と言えなくもないが、その割には彼女の家庭環境とキャラ自体が痛すぎて観ててつらいものがあります。私は基本的にセリフでストーリー展開させる映画が嫌いですが、その真逆に位置する本作だけど監督の技量が拙いのでイライラが募るばかり。どの登場人物にも感情移入させたくない、という監督の意図だけは伝わってきましたけど。ずっと一時間あまり音楽を一切使わない流れで来たところで突然流れてきたのは、おお、懐かしのナンバーガールじゃないですか。田淵ひさ子のギターはやっぱこの映画にピッタシだな、ということでそこに一点プラスです。[ビデオ(邦画)] 4点(2019-06-21 23:15:45)

602.  フォロウィング 本作がクリストファー・ノーランの監督デビュー作になるわけですが、時系列をぐちゃぐちゃにする語り口はまるで『パルプ・フィクション』みたい。あのクリストファー・ノーランまでもが初期にはタランティーノの影響を受けていたことは感慨深いものがあります。だがこのパルプ・フィクション方式は順にストーリーをつなげてみると単純なお話しにならないと上手く機能しないもので、本作の様に複雑なプロットでどんでん返しがおこる物語では成功しているとは言い難いところがあります。要は普通に順撮り風に見せた方が映画としては良かったんじゃないかってわけです。そこはノーラン、技巧に走り過ぎた若気の至りと解釈いたします。でもモノクロ撮影と暗い語り口は、いかにも英国ミステリーらしくて好感が持てました。『プラーグの大学生』みたいなドッペルゲンガー的な展開にすれば、そのまんまホラーになるかなと思います。[ビデオ(字幕)] 6点(2019-06-17 23:31:55)

603.  大脱獄(1970) 《ネタバレ》 カーク・ダグラスとヘンリー・フォンダが主演、脇にウォーレン・オーツとヒューム・クローニンとジョン・ランドルフにバージェス・メレディス、監督がジョセフ・L・マンキウイッツで脚本がロバート・ベントン、これだけビッグ・ネームがそろっていても失敗作になってしまうというのが映画の道のおそろしいところです。ほかに邦題で被っている映画がありますが、間違いなく本作が最も無名ではっきり言えば“忘れられた映画”であるのは悲しいところです。 強盗で50万ドル奪取に成功したカーク・ダグラスが、捕まって金の隠し場所を白状しないまま刑務所にぶち込まれ、同房者を上手くたらしこんで脱獄をしようとするというのがストーリー。ここが“脱獄不可能な刑務所”と言ってもちっともそんな雰囲気ではなく、ただ西部の荒地の真ん中にあるということが最大の難関なのかなという程度のこと。ダグラスは伊達メガネを着用するいかにも口八丁手八丁といった感じのお調子者ですが、仲間や看守も平気で殺す奴でこのキャラでコメディされても笑えません。対するフォンダですが、ウォーレン・オーツに足を撃たれて引退した保安官でみんなが嫌がる刑務所長に志願するのですが、囚人の待遇改善に熱心なんですが脚本の粗さが原因でなにを考えているのか判りにくいあやふやなキャラなのが致命的。ラストのオチではフォンダがおいしいところを持ってゆくのですが、全編でいかにもギャラのために演技してますという感じで名優の称号が泣いています。豪華なわき役陣もあまり目立つようなキャラになっておらず、しいて言えばケチな詐欺師のヒューム・クローニンがちょっと光っていたかなって程度でした。 結論から言えば、この脚本では終わってみれば出演者がみんなうっすら損をすることが運命づけられていたとしか言いようがないですね。[CS・衛星(字幕)] 4点(2019-06-13 23:25:05)(良:1票)

604.  恋とニュースのつくり方 《ネタバレ》 原題が一緒なのでてっきり30年代にキャサリン・ヘップバーンが初めてオスカーを獲った『勝利の朝』のリメイクかと思ったら、全然関係ないお話しでした。“MorningGlory”というのは朝顔のことだそうで、早朝の情報番組が舞台であるところに懸けているわけです。ヘップバーン版でも朝顔の意味で使われていて、これをストレートに直訳しただけの『勝利の朝』は洋画史上に残る珍訳・誤訳なんだそうです。 大して期待しないで観たら主要キャラ三人が思いのほか良い味を出していて、なんか得した気分です。“三種類の表情だけで演技して高額ギャラを稼ぐ男”ハリソン・フォードですが、本作では三種類どころか全編を仏頂面の不機嫌顔だけで押し通してしまいましたが、これが意外と良いんです。大物ジャーナリストがキャスターをやるというのはあまり実例がないのですが(そもそも日本には高級ジャーナリストという人種が存在しない)、無愛想つながりで強いて言えば木村太郎ってところですかね。となると相方のダイアン・キートンは安藤優子となるのでしょうが、ジャーナリズムとは縁遠いTVタレント役を嬉々として演じています。彼女は知的コメディエンヌとしての並々ならぬ才能の持ち主なので、このキャラはまさに適役です。レイチェル・マクアダムスもフォードやジェフ・ゴールドブラムとの掛け合いで芸達者なところを見せてくれますが、ハリウッドには彼女と同世代の女優がわんさかいますから、その中で目立つのはなかなか大変なのが現状です。 ラブコメの波動を感じるというよりも軽いノリのサクセス・ストーリーというところでしょうが、センスが良いので安心して観ることができました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-06-09 20:52:57)(良:1票)

605.  ドーベルマン(1997) ヴァンサン・カッセル率いるドーベルマン一味は、いくら警官だけしか殺してないと言っても、「いったい何人殺したんだよ!」と叫びたくなるほどの凶暴さで半端ないです。でも、みんなキャラが立ちまくっていて好きです。とくにヴァンサン・カッセルは、大物俳優の貫禄が目立つ最近のお姿と違って“個性だけで勝負”というそのハッチャケぶりで、若いころの本木雅弘を彷彿させるものがあります。モニカ・ベルッチのやり過ぎ感が濃厚のお下品演技も、もはや怪演の域に達しております。そして間違いなく怪演なのはチェッキー・カリョで、このサディスト刑事のおかげでドーベルマンが正義の義賊みたいな印象すら与えてくれます。強烈な印象というか世界観を感じさせてくれるのがドーベルマン一味と警察が死闘を繰り広げるクラブのシークエンスで、このクラブが『キル・ビル』の青葉屋に通じるものがあるなと感じましたが、監督がタランティーノの崇拝者だと知って納得です。でもよく考えると本作の方が5年も早く撮られているわけで、ある意味でタランティーノに匹敵する感性をこの監督ヤン・クーネンは持っているといえるでしょう。この後にほとんど映画を撮ってないみたいなのは、残念です。[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-06-04 22:50:17)

606.  戦場のピアニスト 《ネタバレ》 ユダヤ人移民の子孫であるスピルバーグは「ユダヤ系の僕がホロコーストを撮らないで誰が撮る?」と宣言して『シンドラーのリスト』を製作しました。その約10年後に生粋のアメリカ人でベビーブーマーのスピルバーグと違って実際にゲットーで生活したポランスキーが、ヨーロッパ人的かつ彼独特の粘っこさを持った視点でホロコーストの一面を描いたということになります。 本作にはある意味で個人のドラマというものは存在しないとも言えます。シュピルマンとその家族そして周囲のポーランド人にしろ、ヒトラーという独裁者が起こした歴史の渦に飲み込まれて、ある者は絶滅収容所である者はワルシャワの市街戦で死に、またある者はシュピルマンの様に生き延びることができたという、ポランスキーの冷徹な視線を感じてしまうのです。43年のワルシャワ・ゲットーの蜂起、44年のポーランド国内軍の蜂起がともに描かれていますが、それはビルの上階からシュピルマンが見た視点だけで描かれていて決してカメラが戦場に寄って行かないところも、まるで神の視点みたいで意味深です。 そして『シンドラーのリスト』との最大の相違は、両作とも多少の良心を持ったドイツ人がユダヤ人を助けるけど、本作のドイツ人将校は報われることもなく捕虜収容所で死に、そのことに対して少しも同情していないようなポランスキーの視線を感じてしまうことです。『シンドラーのリスト』のようなカタルシスとあざとい涙腺崩壊効果がない点がまた大きな違いでもあり、彼の過酷な人生体験がもたらした結果なのかもしれないけど、ポランスキーは実はヒューマニズムを信じていないのかもしれません。この映画ではシュピルマンの行動や周囲の出来事に関してちょっとブラックなユーモアを感じさせるシーンもありますが、そこに監督の底意地の悪さを感じてしまうのは私だけでしょうか?[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-06-01 23:26:25)

607.  夕陽の群盗 《ネタバレ》 名匠ロバート・ベントンの監督デビューが本作ですが、シナリオが良く練られている、やはりこの人は名脚本家です。 北部の若者バリー・ブラウンが徴兵逃れで怪しげな脱走兵ジェフ・ブリッジスとその仲間たちと合流して西部を目指すというのがストーリーで、この若造集団の描き方が実にいい味出しています。育ちの良いブラウンと素性はよくわからないけどそこそこに悪知恵が働くブリッジスの対比が絶妙なんです。ブリッジスはいちおうグループのリーダーだけど「群盗」というほどの悪事を働くわけではなく(というか悪事を実行しようとすると不手際で失敗ばかり)、原題の“BadCompany”というのがぴったりの単なる不良集団というわけです。二人の関係も心を許しあったように見えてもブリッジスに裏切られてばっかり、両者のいわゆるバディ感が淡々としながらも良い雰囲気なんです。ブラウンもそんなブリッジスとぶつかり合ううちに、目覚めたというか感化されて、生き残った二人で銀行強盗を決行するところでストップモーション、なかなか良い幕の閉じ方でした。風景も雄大な草原地帯が延々と続き、ロバート・ベントンもテレンス・マリックに負けず劣らずの草フェチなんだなと思いました。 良く考えると救いのないお話しかもしれませんが、青春西部劇の佳作だと思います。[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-05-31 21:51:11)(良:1票)

608.  13時間 ベンガジの秘密の兵士 《ネタバレ》 2012年オバマ政権時代の事件なんだそうですが、「へー、そんなことあったんだ」ってくらい自分には「遠い」どころか「全然知らない」出来事ですね。実話なんだからしょうがないと言ってしまったら身もふたもなくなっちゃいますけど、事件の背景やら敵味方の区別がつかない現地勢力など観ていてストレスがたまることたまること。でも一番不可解だったのは領事館が攻められてなんと大使まで死亡しているのに、上空までドローンを送って状況を把握していてもけっきょく見ているだけで終わってしまった米軍の信じられないほどの不甲斐なさです。これはもちろん現場じゃなくて上層部の判断あっての対応でしょうが、さすが腰抜けオバマ大統領の面目躍如です。この映画の隠れテーマはこの対応に対する批判なんでしょうが、さすがにマイケル・ベイといえどもそこまで露骨に政治性をもった撮り方はできず、大統領選の真っ最中にリベラルが主流でヒラリー・クリントン支持一辺倒だったハリウッドではさすがにトーンダウンせざるを得なかったんでしょうかね。でも事件の概要などの予備知識をいっさい持たずに観たおかげで、先の読めない緊迫感だけはひしひしと伝わってきました(まさか大使が死ぬとは予想もしませんでした)。とはいえ作品の出来は『ブラックホーク・ダウン』には遠く及ばず、最近はこの手の非対称戦争ものが量産され過ぎのきらいがあるので、ちょっと食傷気味です。日本ではとうとう劇場未公開で終わったというのも、やむを得なかったんじゃないでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 5点(2019-05-29 23:10:34)

609.  オデッセイ(2015) 《ネタバレ》 リドリー・スコットにしては珍しいハート・ウォーミングな作品でした。火星にひとり取り残された宇宙飛行士のサバイバル、いわば火星版ロビンソン・クルーソー漂流記という感じですが、そこにマット・デイモンを持ってきたのは大正解でしょう。オーシャンズ・シリーズ以降、彼はコメディっぽい演技に開眼したように感じますが(もっとも本作がコメディ・ジャンルにカテゴライズするのはちょっとどうかと思いますが)、肩の力が抜けた諧謔味に満ちたキャラがだんだん当たり役になってきた感があります。たしかに同種の他作品と比べれば緊迫感が不足しているという指摘はもっともですけど、そこは脚本が意図したところなのでわたくしは良しといたします。彼はいろいろなアイデアを駆使してサバイバルに成功するわけですが、なんか「マット・デイモンならできそう、いや、できて当たり前」という妙な安心感があります。まあそれはどうしてもジェイソン・ボーンのイメージが尾を引いているからで、序盤でケガして脱いだ宇宙服から現れたムキムキ・ボディを見たりすると、ジェイソン・ボーンが宇宙飛行士になったように感じてしまったのは私だけでしょうか。 科学的考証はもちろんしっかりしてるんでしょうけど、割れたヘルメットをガムテープ(みたいなもの)で直したり、脱出艇の先端を防水シート(みたいなもの)で被うだけで宇宙空間に飛び出して行ったり、妙にアナログというか「まじか」と絶句する手法が使われるところが面白い。ラストにジェシカ・チャスティンとランデブーに成功させる手段もかなりのサプライズです。そこら辺がこの映画の独特のテイストになっているんですね。 本作でもまたまた中国がいいところをかっさらっていって、「またかよ」と苦々しく感じてしまいましたが、冷静に考えると中国はじっさいに月の裏側に探査船を送り込みましたし、宇宙開発競争の現場ではこれがリアルなのかもしれません。宇宙探査でアメリカと張り合えるのは、もはやロシアではなく中国だということなんでしょうかね。[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-05-26 21:26:06)

610.  将軍家光の乱心 激突 《ネタバレ》 実はわたくしも、この映画が角川映画&監督・深作欣二じゃないってことに、今回ようやく気が付きました。本作が撮られたのは89年、この当時では角川映画は完全に失速し始めていたころで、チャンバラ映画の本家・東映が角川映画の切り拓いた路線に乗っかる形で公開した超大作、まあ時代はバブルの真っ只中でしたからね。 お話しはもちろん周知のごとく荒唐無稽ですが、内容はしごく単純極まりなく緒形拳率いる浪人集団が将軍家光の長男竹千代を江戸まで護送するだけのことです。道中を家光が放った追手というか大軍が襲いかかってくるわけですが、この攻防戦のアクションが想像以上に大迫力。悪役・伊庭庄左衛門の千葉真一が配下のJACの面々を動員してアクション監督を務めていますが、彼の持てる力を結集したようなシーンの数々は見ものでした。とくに馬を使ったアクションはすさまじく、「これ、撮影でケガさせて廃馬がけっこう出たんじゃない?」と心配してしまうほどです。中にはスタントマンから死者が出た『ワイルドバンチ』の有名な橋爆破アクションをそっくり再現したシーンまであり、まさか日本映画でこれをやるとは、とびっくりいたしました。本家との違いは、橋げたの部分が一枚の板になっていて爆破ともに落し蓋みたいに下に開く構造になっていて、ここら辺に安全策があったのかもしれません。千葉真一のスタッフとしての役割は、東宝特撮の円谷英二みたいな感じといえば判りやすいと思います。ここまでやれるなら、日本映画界はなぜ彼に予算をたっぷり与えてアクション映画を一本撮らせてあげなかったのかと、悔やむ次第です。 トンデモ映画みたいに評されることもありますが、わたくしはアクションと殺陣(千葉真一と緒形拳の一騎討ち)だけ見てればかなり評価が高いとおもいます。でもALFEEを起用した呆れるほどの音楽センスに一点マイナスといたします。[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 6点(2019-05-23 23:41:58)

611.  悪の法則 《ネタバレ》 原作が『ノー・カントリー』のコーマック・マッカーシー、脚色して製作総指揮まで買って出ているので、どうりで雰囲気が似ているわけです、登場人物が妙に哲学的な語りをするとか、ハビエル・バルデムも出てますしね。単純に言うとよくある悪女ものピカレスクなんですが、その悪女キャメロン・ディアスが脱ぎこそないが彼女史上最強のエロっぷりを見せてくれます。ハビエル・バルデムがその魔性にメロメロにされるわけですが、彼の「アレはナマズだった…」は迷セリフでございます。 原作者自身が脚色した映画は迷走するケースが多いものですが、本作もその傾向が濃厚な気がします。進行している事件が判りにくいというのがこのお話しの欠点かもしれません。繰り返される殺しは麻薬カルテルとキャメロン・ディアスが手配した殺し屋が下手人なわけですが、カルテルがなぜマイケル・ファスベンダーを殺さなかったのか理解できないところです。彼はあの絶望のラストの後で殺される運命で、映画ではあえてそこまで描かなかったという解釈もできなくはないですけどね。このような撮り方は今までのリドリー・スコット流とはちょっと逸脱している感じで、これもコーマック・マッカーシーの影響力なのかもしれません。 しかしあの“首チョンパ・ライダー殺し”は観ていてビビりました、バイク乗りの人にはトラウマになるでしょうね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-05-21 22:48:28)

612.  エグザム 《ネタバレ》 ソリッド・シチュエーソンもの映画としてはその低予算とシンプルなプロットはかなりハイレベルでございました。題材を採用試験にしたことはアイデアとしては抜群だと思いますが、現実に企業の人員採用に携わったことのある人なら、ちょっと違和感を覚えることもあるでしょう。実際に日本の企業でも、さすがに「白紙の問題用紙」なんて極端なケースはなかったですけど、それに近い意表を突く課題で入社試験を行った会社を知っています。でもどちらかというと日本の場合は企業より学生の方が突飛なことをしたという話が多く、面接でマヨネーズを一本丸ごと飲み干すという芸(?)を披露してソニーに採用されたという都市伝説まがいの話がバブル期にはありましたよね。 まあそういう実体験もあり、この映画での試験問題の出し方とその答えというかオチに関してはさほどサプライズはなかったですね。そもそも途中で退室させられるフランス語を話す試験番号1番が怪しすぎ、絶対に後半でまた絡んでくるということは、誰でも読めるでしょう。候補者のうち六人が警戒しながらも協力というか共同作業してゆくという展開は。この手の映画のお約束ですけど映画自体の出来・不出来を左右する大事なところです。その点では本作は緊迫感を持続させる巧みな脚本です。だって他のソリッド・シチュエーソン映画と違って命がかかっているわけではなく、失格したら何事もなく退室できるというかなり緩い状況でこれだけ緊迫感を出せたんだから、大したものです。そしてラストがなんか明るく希望を感じさせてくれるのが同ジャンルの映画とは決定的に違うところでしょう。 観て損はないと私は思います。[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-05-16 23:37:27)(良:1票)

613.  ディセント 《ネタバレ》 冒険好きの20・30代女性6人がアパラチア山脈にある洞窟を探検する、探検名所の洞窟だと思っていたらガイド役の独断で未知の洞窟に侵入してしまい、あるのかないのか不明の出口を探索するうちに洞窟内で迷ってしまう。サスペンス映画としてはこれだけで十分なプロットなんですが、なぜか中盤から謎の地底人が出現してくるというのが、皮肉なことにこの映画の最大の失敗というわけです。本作の後でダニー・ボイルが似たようなプロットで『127時間』を撮っている(編集者は両作とも同じ)んだから、ヘンな地底人を出さなくても緊迫した映画になったはずなのにねえ。またこの地底人がどこかで観たことあるような使い回しの造形で、生物としてのリアリティが著しく欠けています。暗闇に順応して眼が退化したという設定なのに、白濁しているとはいえちゃんと眼球がついているってのはおかしいでしょ。またそういう生育環境なったら火や光線を忌避するはずなのに、そんな素振りも見せない。六人の女たちもキャラの区別がついたのはせいぜい二人で、実は主人公のサラでさえ途中から誰だか判らなくなっていました。彼女は後半で仲間の一人と夫が不倫していたことを知ってからキャラ変するのですが、夫は事故で死んでしまっているいるのに相手の女に怒りをぶつける心理がどうも理解できない。これも女性特有のマウンティング心理ってやつですかね。いちばん腹立つのは(未見ですけど)この映画には続編があるということ。つまりサラはこの後救出されたというわけです、私は“幻覚を見ながら洞窟内で朽ち果てるサラ”という趣のラストを評価していただけにがっかりです。[CS・衛星(字幕)] 5点(2019-05-13 23:17:29)(良:1票)

614.  ロールスロイスに銀の銃 この映画が『バッド・ボーイズ』の原型で“元祖・バディムーヴィー”と言うことなんだそうだが、現在の眼で観れば単なるテンポの悪い刑事ものでしかありません。なんでも初めてハーレムでロケした映画という名誉もあるそうですが、そりゃ当時の治安状況を考えれば黒人監督じゃないとムリだったでしょうね。棺桶エドと墓掘りジョーンズの刑事コンビも今の視点では単なる類型的すぎるキャラにすぎませんが、何しろこの二人を演じる俳優の演技が酷すぎる。アクションのキレも悪いし、要はこの監督の演出力の問題ということになるでしょう。オシー・デイヴィスといえば監督としてよりもスパイク・リー作品の常連俳優としてのイメージの方が強いわけで、映画監督としての力量は大したことなかったというのが実情だったみたいです。せめてもう少しキレのある脚本だったら傑作になったかもしれない素材だけに、惜しいことしました。[CS・衛星(字幕)] 3点(2019-05-11 23:05:23)

615.  エルマー・ガントリー/魅せられた男 《ネタバレ》 テーマ自体が大多数の日本人には縁遠いというか嫌悪感を催すことなので、評価されにくいでしょう。この映画で描かれているのはプロテスタント信仰であり、同じアメリカ人でもカトリック信者はこういう狂信的な信仰を嫌うところは日本人以上かもしれません。伝道師のジーン・シモンズの言動には“危ない人”としか思えない部分もあり、とてもじゃないけど感情移入しがたいです。その半面、バート・ランカスターが演じるエルマー・ガントリーは過剰なほど人間味があふれるキャラです。本作でのランカスターの驚異の弁舌力はもう圧巻です。彼がその能力を活かして宗教界の大立者になってゆくストーリーだと思っていたら、実はそう単純なお話しではなかったというのが、この映画のひねったところかもしれません。脇で新聞記者らしからぬ冷静な視点でシモンズとランカスターを追ってゆくアーサー・ケネディもなかなか良い味を出していました。シモンズが奇跡らしきものを起こした途端に失火で教会が焼け落ちるラストの展開も、「お前、調子に乗るんじゃないぞ!」という神様の怒りが爆発したみたいに感じませんかね?そう考えると信仰に対するけっこうシニカルなニュアンスも垣間見られる気もしますし、もっと評価されても良いんじゃないかと思います。[ビデオ(字幕)] 7点(2019-05-08 23:38:12)

616.  オーシャンズ8 《ネタバレ》 ネタ切れに苦しむハリウッドが患う“過去ヒット作の女性版リメイク症候群”がオーシャンズ・シリーズにまで伝染してきたって感じなのかな。ダニー・オーシャンの妹デビー・オーシャンというのはベタ過ぎて笑えますが、確かにこの脚本はいろんな面でひどすぎる。ダニー・オーシャンのお仲間からルーベンとイェンをスペシャル・ゲストで迎えたり音楽はオーシャンズ・シリーズに寄せまくったりで雰囲気だけは盛り上げようと努力しているのは認めますが、ソダーバーグが持っていたセンスには全然及ばないんだよな。女優陣はもちろん豪華ですが、私のツボを刺激してくれたのはアン・ハサウェイでした。彼女のキャラは最近ハリウッドで評判が悪い自身のセルフ・パロディみたい、そんな役をゲロ吐きまでして愉しんで(?)演じていたような感じがしました。そしてサンドラ・ブロック、彼女の開幕直後とラストのメイクとヘアスタイルを見ていると、なんか80年代のマイケル・ジャクソン見ているみたいだと感じたのは、私だけでしょうか(笑)。まあ連休中の暇つぶしには丁度いいのかもしれません。 この映画を観終わっての最大の疑問…果たしてダニー・オーシャンはほんとに死んだのだろうか?[CS・衛星(字幕)] 5点(2019-05-03 23:39:17)

617.  黒い家(1999) 《ネタバレ》 原作未読なのでどこまで脚色されているのかはわかりませんが、噂の大竹しのぶの壊れっぷりにはほんとにゾッとさせられました。平成ももうすぐ終わりますが、その31年間の日本映画の中で最凶の怪演であることは間違いないでしょう。例の「乳吸え~」は誰が見ても別人なのはバレバレですけど、中盤の病院のシーンあたりから大竹しのぶが突然巨乳になっているのが笑えます。ラストの「乳吸え~」に備えての小細工だったんでしょうけど、若いころは平気で脱いでたくせにと怒りたくもなります。ぶっちゃけ歳とってボディラインが崩れてるので、熟女女優の方が脱ぎたがらないのかな。前半は大竹しのぶがあまり登場しないので余計になのかもしれませんが、西村雅彦もかなり気持ち悪かったですよね。 監督が森田芳光なので相変わらず奇をてらったショットの多用は平常運転です。でも若いころの才気が無くなってきてるのは顕著に感じられます、なんせ次回作が『模倣犯』ですからねえ。一番イライラさせられたのは内野聖陽のビビりキャラぶりで、あんなにガタイのいいイケメンがこの役とは、どう考えてもミスキャストだったんじゃないでしょうか。[CS・衛星(邦画)] 7点(2019-04-29 22:49:16)

618.  恋のスクランブル 《ネタバレ》 名門私立高校のルームメイト、アンドリュー・マッカーシーとロブ・ロウの友情物語と思わせておいて、途中からジャクリーン・ビセットが登場してからが思わぬ展開となります。マッカーシーの童貞をジャクリーン・ビセットが頂戴してイイ関係になりますが、実は彼女はロブ・ロウの母親でしたっていうちょっと出来過ぎなお話しでもあります。面白いのは男優ふたりのキャラ付けで、マッカーシーが庶民階級の一見まじめな少年でロウはセレブな家のボンボンな息子なんですが、中盤からキャラ転してマッカーシーの方がセコイ手を使ってハーヴァードに合格するこずるい奴になってしまいます。ロウの方が母親とルームメイトの関係を知って真面目に苦悩しますが、ラストで二人は殴り合いの大げんかをして仲直り。この映画ではジャクリーン・ビセットはほとんどアル中でニンフォマニアみたいなキャラですので、「悪いのはすべてこの女」みたいにされるのでちょっと後味は悪いです。面白いのはジョンを始めとするキューザック親子が総出演しているところで、ジョン・キューザックなんて相当若いころだと思いますけど、今とほとんど同じ顔なのですぐ判りました。チョイ役でヴァージニア・マドセンも顔を出しますが、驚くほど安易な展開でおっぱいポロリを見せてくれるのでなんか可哀そうになります。そう考えると、この映画はけっこう豪華な出演陣(今となってはですが)だと言えます。[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-04-27 23:37:39)

619.  ボディヒート(1992) 《ネタバレ》 まだヤサグレていたころのドリュー・バリモアをフューチャーしたエロ・サスペンスですが、このときバリモアなんと17歳!もうエロ貫禄十分、この歳で酒・男・薬を極めた女のふてぶてしいまでの迫力は見ものです。といっても脱ぎがあるわけではありません、さすがのハリウッドも未成年を脱がすわけにはいかなかったんでしょうね。他のレヴュアーの方々と同じく、わたくしめもディカプリオを見つけることが叶いませんでした。この時の年齢は18歳ぐらいですから、出ているとしたら冒頭の森の中のブランコあたりのシーンのはずですがね。 バリモア自身はなかなか良い演技だとは思いますけど、根本的にお話しがつまらなすぎです。アイヴィーを単なるサイコパスという風に演じなかったのはこれはこれでバリモアの識見でしょうが、それじゃあサスペンスが成立しにくいし、ドロドロの三角関係としてはパンチがないし、要は中途半端なんです。あとトム・スケリットのキャラもどうかと思いますね、単なるスケベで俗っぽい中年オヤジとしか思えないので脚本としては失敗でしょう。 “暇つぶし用映画“として観れば、可もなく不可もなくというのがせいぜいです。[CS・衛星(字幕)] 3点(2019-04-24 19:52:23)

620.  セブン・シスターズ 《ネタバレ》 発想は奇想天外、ノオミ・ラパスの一人七役は彼女の演技力なくしては成立しなかったんじゃないでしょうか。これはボブ・ディランを六人の男・女優が演じ分けた『アイム・ノット・ゼア』の真逆の発想でもありますが、やっぱ本作の方が主演女優のチョイスが難しくて製作のハードルは高いとおもいます。7人のキャラ分けも「こうするしかない」というほどきっちりしていますが、オタク系でITに強い子が“フライデー”というのだけはどうなんでしょうか?あれでは銀行でキャリア・ウーマンを演じるのはキツいだろうし、どうせならお休みの“サタデー”か“サンデー”にした方が良かったんじゃないでしょうか。それともこの映画の世界では休日が金曜日に変わっているのかな、それじゃイスラム教です(笑)。 あまりネタバレするので詳しくは書けませんが、七人姉妹は過酷な試練にさらされます。そして重要なのは、このお話しは実はナチスのユダヤ人迫害の暗喩となっているのです。まず“セットマン”というファミリーネームからしてユダヤ風ですし、彼女らが暮らす貧民街(?)の描写もまるでワルシャワ・ゲットーを彷彿させるところがあります。見つかると連行されてしまう第二子以降の子供たちは当然ユダヤ人のオマージュですし、隔離局という政府機構はナチス親衛隊かゲシュタポをイメージさせられます。そこに気が付くと、冷凍保存されているはずの子供たちの運命もおのずと予想できるでしょう。そういうこともあり、観終わったらいちおうハッピーエンドではあるのですが、背筋に寒気が残ってしょうがなかったのは事実です。でもこれはとても秀逸な脚本だとおもいます。 ラストでコールドスリープの実態を知った民衆によってグレン・クローズは失脚して死刑になることを暗示して映画はおわります。そこでふと考えたのは、もしヒトラーのユダヤ人虐殺を当時のドイツの民衆が知ったら、果たしてナチス打倒の動きは起こっただろうか、ということです。私は決してそういうことは起こらなかったろうと確信します。なぜなら普通のドイツ人もユダヤ人虐殺にはうすうす感づいていたし、またドイツ国民はユダヤ人排斥で経済的利益を得ていたからです。この映画の閉じ方は、ある意味でドイツ人への強烈なあてこすりなのかもしれません。[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-04-19 23:50:29)(良:1票)

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