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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

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701.  突撃(1957) 《ネタバレ》 反戦映画とは思わなかったですね。国によって違いはあるのでしょうが、軍隊という組織の「軍隊的な性質」を批判した映画という印象です。私は戦場へ出たことが無いから実情は分りませんが、戦争映画の兵隊さんたちが銃弾や砲弾が飛び交う最前線で「突撃」できることが不思議でした。やっぱり本当は恐くて突撃なんかしたくないんですね。本作を観て少し安心しました。でも、戦場では「突撃」命令に背くと色々と面倒が起こる。本作はその面倒を描いた映画。結局は芋づる式に軍隊の偉い人たちの無理強いという構造が改めて明らかになって行く訳だが、上官を批判することを断固として認めない組織だから本当に面倒。カーク・ダグラス大佐の弁護も虚しく、見せしめに殺される兵士たちの気の毒な描写には救いが無い。ラストシーン。そんな殺伐とした場所に身を置いて硬く凝り固まった兵隊さんの心身を、美しい乙女の歌声が解きほぐす。歌の上手下手の話ではない。「状況」によって堰き止められていた涙が流れる。戦争ではありませんが、自分も同種の涙を流しことがあるので気持ちが分かりました。あれは、やせ我慢の決壊ですね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-01-08 14:42:28)(良:2票)

702.  フライトナイト/恐怖の夜 《ネタバレ》 久しぶりに劇場で由緒正しいB級を観たって気分です。これ、25年ほど前のオリジナルも劇場で観ていて、つい先日観直したばかりだったので比べ易いんだけど、オリジナルにあったコメディテイストが低減され、シリアス色が強調されています。序盤のストレスが溜まる煮え切らない展開はオリジナルと同じですが、早々に隣人(=ヴァンパイア)の正体が割れてアクションムービーの趣きが強くなる。主人公がヴァンパイアとの決戦に臨んで武装を固めるあたりはテンションが上がります。助っ人に来る「舞台役者としてのヴァンパイア・ハンター」がただのまがい物では無く、両親を同じヴァンパイアに殺された過去を持っている事がアレンジとしては効果的だったと思います。ヴァンパイアの虜になった主人公の彼女が、主人公の目の前で憎きヴァンパイアとキスしたり血を吸い合ったりします。そのシーンはオリジナルにもありますが、シリアスに展開している本作の方がSM的なテイストが募ってかなり強烈な見え方になっています。涙を流しながらその悔しさをバネにヴァンパイアへ向かう主人公の特攻は力強かった。本作の「B級」とは世界観に偏りがあることです。狭い地域で多くの人が行方不明になれば警察が黙っているはずがありません。主人公の家が燃やされた段階で、ヴァンパイアはお縄になるのが普通です。入院した母や壊れた車、道路の血痕などは明確な事件性の証拠のはず。でも、本作では誰も見向きもせず、主人公の周りだけで物語が進行します。そのいい加減さに目をつむるのがB級映画の鑑賞態度。ホラーという意味では、私はこれっぽっちも怖くないんですが、スプラッタと程良いCGと若者の一途さと控えめなお色気を楽しみました。[映画館(字幕)] 5点(2012-01-08 02:13:50)(良:1票)

703.  アフタースクール 《ネタバレ》 前作が良かったので期待しましたが、脚本に力を入れすぎた、というか練りすぎた感じでしょうか。少し分かりにくかったです。2回見ると色んな伏線が張られていることが良く理解できるんだけど、劇場では1回しか観ないものね。(それとも、レンタルで2回観られることを意識して作ってるんだろうか…?) でも、このお話が中学時代の淡い恋心から出発していたというオチは気持ち良かった。同級生だったことが損得なしに動いた動機だとしたら、たとえ卒業から何十年経ても放課後(アフタースクール)は続いている、というのがタイトル込められた意味でしょう。そんな関係を認めたくない奴に大泉洋が力強く押さえを入れました。「学校なんか(がつまらなくても、そんなことは)どうでもいいんだ。お前がつまらない(と感じる)のはお前のせいだ」という台詞は自分には実感ワードでGOODでした。映画の騙し構造よりも強く印象に残っています。[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-01-08 00:32:28)(良:3票)

704.  フルメタル・ジャケット 《ネタバレ》 横道から入りますが、米国兵士が戦場で敵兵と鉢合わせした際に銃の引き金を引く割合を語っている小説がありました。二次大戦では20%(低い!)。たとえ戦場でも、目の前の人を殺せる者は少ないってことです。それがベトナム戦争では95%に跳ね上がる。二次大戦の引き金率の低さを問題視した軍部が、改善(?)策を施したからです。前々から、ベトナム戦の兵士のPTSDを扱った映画はたくさんあるが、二次大戦には無いことが不思議でした。二次大戦の兵士がPTSDに罹らなかったと云うより、ベトナム戦の兵士に特筆されるほど多かったからでしょうが、本作の前半の描写がその疑問への回答です。戦闘マシ―ンの養成パート。内実は人格を奪うことです。出兵する前に、すでに心的外傷の因子を充分に植え付けられている。後半はその戦闘マシーンが実戦に配備されると何が起こるかの証明パート。引き金率の高さは勿論ですが、それ以外にも色々な異常が見られます。まず、言ってることがみんな変。前線にまともな会話はありません。ヘリから無差別にベトナム市民を銃撃する兵士を誰も咎めない。そして、あの少女狙撃兵ひとりを殺す為に何発の銃弾を使ったのだろう。1000発? 1万発? 散った命を含めて戦闘が極めて非効率です。戦果を実感できない戦闘に戦争の大義が失われて行く。キューブリックなりに演出されたドライな映像が、概念的な意味性を排除して愚かしいことをそのまま愚かしく見せる。心を蝕まれた兵士の後日談ではなく、「完全徹甲弾」になった兵士たちの戦場での「不経済」が描かれる。面白いかどうかは別にして、ベトナム戦を扱った映画の中では最も実像に迫っているのではないだろうか。[映画館(字幕)] 7点(2012-01-07 13:26:45)(良:2票)

705.  ステキな金縛り ONCE IN A BLUE MOON 《ネタバレ》 昨年末に劇場へ行きましたが、公開から2ヶ月が経っているのにお客さんがたくさんいて驚きました。豪華な(と言っても良いと思う)出演陣の個性的な演技を楽しませてもらいました。この監督の作品は、実は苦手なタイプです。前作「ザ・マジックアワー」のような映画の内幕ウケを狙った作風にアレルギーを覚えるから。でも、本作は少しキャプラのタイトルが出た程度で済んだことが私には幸いでした。特筆したいのは深津絵里さん。不安定でイケてない主人公を、安定感を持って演じている。そして、とってもキュートです。幽霊を証人と認める法廷シーンの強引さなどは、ファンタジーと割り切れれば微笑ましい。時折り挟まれる舞台演劇的な芝居や台詞が良い具合にアクセントになっていて、客席からもそんなシーンで笑いが起こる。その笑いに押されるように気分がノリました。映画に集中するために、劇場へは閑散とした時間帯を狙って行きますが、お客さんが多い劇場も良いものです。難を言うなら、エンディングが冗長すぎること。まるごとカットした方がキレが良かったくらいです。父娘のツーショットは全く余計でしたね。[映画館(邦画)] 6点(2012-01-03 23:23:50)(良:2票)

706.  JAWS/ジョーズ 《ネタバレ》 久しぶりに鑑賞。やっぱりスピルバーグは上手い人だなぁ、というのが素直な感想。例えば海中から初めて頭部を現したホオジロザメの巨体を目の当たりにしたロイ・シャイダーが後ずさりしながら「(この船では)小さすぎる」とつぶやくシーンや、反目していたリチャード・ドレイファスとロバート・ショウが樽を3つ打ち込まれたまま潜水するホオジロザメに「信じられない」と口を揃えるシーン。ストーリーの展開に併せて、強調すべきことを印象付ける手法が上手い。だから「ヒト対サメ」という単純構造が説得力を持った大捕り物に変身する。単純なものに変化を付けて面白く見せるという意味では「激突!」もこの類いだ。サメ退治に赴く3人の個性も見事に描き分ける。とりわけ、ロバート・ショウの変人ぶりは輝いている。注目を集めるために黒板を爪で引っ掻く奴(笑)。若くして亡くなったこの名優は「ロシアより愛をこめて」「スティング」、そして本作の3作品で私の映画史に強く刻まれています。[地上波(吹替)] 9点(2012-01-02 19:25:03)(良:1票)

707.  毎日かあさん 《ネタバレ》 出演者たちは芝居っ気たっぷりだけど、ストーリーはドキュメンタリーテイスト。それが原因しているのか、掴みどころが良く分からない映画でした。西原理恵子の原作はちゃんと読んだことがありませんが、序盤はゆるゆるの絵のタッチがそのまま映画になったような空気で流れ、そういう作品なのかと思っていました。ところがアル中の亭主が登場してからは、どんどんとディープな展開を見せる。最終的には特にマンガ家が主人公である必然も無く、アル中のダメ亭主との関係をどうするかというところにフォーカスして行きます。ふたりの子供の「かあさん」であると同時に、ダメ亭主の「かあさん」って感じで、彼女の奮闘記ですね。離婚して一度は追い出した亭主を再び迎え入れるあたりに情の深さを感じますが、それが感動的ということでもない。内心の浮き沈みは別にして、泰然とその荒波に対処している「かあさん」の強さ。これはタイトルが示す通り「日常」を描いた映画なんだと思いました。[CS・衛星(邦画)] 5点(2012-01-02 15:36:43)

708.  天国からのエール 《ネタバレ》 実話ベースで良いお話なんだけど、残念ながら映画としての完成度は高くない。唐突な展開を感じる部分が多くて、脚本と演出がイマイチです。もう少しなんとかして欲しかったです。私は主人公と同じくらいの歳だけど、あの気持ちは分かる。自分の周囲で鬱々としている若者を見るとお節介をしたくなります。でも、普通はできません。変なおっさん、と言われるのがオチです。つまり本作の主人公は変なおっさんですが、その変な部分をずんずんと行動で表現してしまう。そこに損得勘定はありません。そして、たとえ障害があってもお節介を止めません。そうなると「お節介」などというレベルでは無くなります。乗りかかった船に沈むまで付き合うおっさん。青いことを言いますが、立派だと思います。人生に意義を求めそれを量るなら、やはり周囲に対して何が残せたかということが最も分かりやすい。このおっさんは、確かに天国からでもお節介しそうです。[映画館(邦画)] 4点(2012-01-02 13:53:49)(良:1票)

709.  パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち この一作目は面白かったですね。シリーズ最高傑作です(笑)。先日、見直したところキーラ・ナイトレイの美しさが際立っていました。ジョニデとオーランド・ブルームを入れた3人の役柄とバランスが良い具合です。何物にも与しない自由な海賊、という設定を悪役にせずに描く脚本も上手いと思います。強いのか弱いのか、曖昧な部分を個性として残すジャック・スパロウはルパンみたいなキャラ。当時のジョニデにお似合いでした。あの変な手つきの役作りが面白かったです。[DVD(字幕)] 6点(2012-01-02 12:55:25)

710.  八月の狂詩曲 《ネタバレ》 その昔に観たときよりは鑑賞意義が増したような気はしました。被爆体験を持つ祖母と戦争を知らない孫世代の交流だけでも、ところどころに見るものはあります。むず痒くなるような表現や必要を感じないエピソードも同じくらいありますが。ハワイからリチャード・ギアがやって来て分かり合ったような表現があった後に、再び「ピカ」の脅威に引きずり戻すのはどうなのでしょう。それは戦争世代の拘りなのか? そもそも、チリャード・ギアに日系の血が入っているように見えないので、「(おじさんが原爆で亡くなったことを知らなくて)すみませんでした」と言っているはずなのに、どうしても「(我々アメリカが原爆を投下して)すみませんでした」と言っているように聞こえる。その曖昧な演出も意図してやったことなのだとしたら、私はこの作品を認めたくない。全体としては散漫な印象が否めず、正直、巨匠も限界に近かったのだと思うのでした。[ビデオ(邦画)] 4点(2012-01-01 19:08:43)

711.  聯合艦隊司令長官 山本五十六―太平洋戦争70年目の真実― 《ネタバレ》 太平洋戦争を扱った映画を観るたびに、常に不満がありました。「戦争責任の総括」と言ったら大袈裟ですが、なぜ戦局の末期に「特攻」や「玉砕」という大日本帝国軍だけに固有のアクションが存在したのか。それを、兵士の哀しさとして扱った映画はあっても、根本に戻って描いている映画は実は無い。本作には「特攻」や「玉砕」の描写はありませんが、間接的にはその問いに回答していると思いました。軍隊の意思決定機関と前線の感覚が乖離しているのはよく聞く話ですが、本作は軍の中枢にいる連合艦隊司令長官が戦争反対派だったという内容。大本営の思惑と山本五十六の感覚は正反対に違っていました。彼が開戦すべきではないと唱えたのは勝てると思えないから。彼にとっての真珠湾攻撃は戦争に勝つためでは無く、早期講和に持ち込むための作戦でした。戦闘の最前線にいる指揮官が「勝利」を目指していないという態度が奇異にも映ります。それは明治維新以降、外国との戦争を無敗で歩んでいた日本の風潮やマスコミの論調にも逆らう姿勢でした。しかし、精神論に依らず国力と戦局をプレーンに見据えることは、最も指揮官に求められる資質だったはずです。「講和」を目指す山本五十六の精神に「特攻」「玉砕」「本土決戦」という言葉はありません。良くない例えかも知れないが、山本五十六は良識を持ったギャンブラーで、大本営は勝つまで博打を止めない質の悪いギャンブラーだった。負債を回収する為に釣り上げたレートが「特攻」や「玉砕」です。かなり話が横道に逸れましたが、本作は戦時にあるべき資質を山本五十六の良識と人柄で婉曲した作品です。ただし、少数の良識と人柄だけでは戦争は止められないし、戦闘は良識と人柄でやるものでもありません。この過去の現実が様々な悔しさを覚えさせてくれます。山本五十六が若手新聞記者に「目と耳と、心で物事を見ろ」と言ったことは映画なりの脚色だと思いますが、良い言葉でした。300万人に及んだ戦没者の9割が山本五十六の死後の戦死であることをナレーションが告げます。果たして、彼が存命だったならその数を減らすことはできたのだろうか? 最初の不満に話に戻りますが、私は大本営の「質の悪いギャンブラーぶり」を徹底的に描いた映画が観たいです。[映画館(邦画)] 7点(2012-01-01 12:09:56)(良:3票)

712.  借りぐらしのアリエッティ 鑑賞後、手のひらをうえに向けて「彼ら」をイメージしてしばらく眺めていました。これくらいの大きさだよね…って。一見、無意味に不愉快な樹木希林さん。劇中では嫌悪の対象になっていましたが、世の中のおばさんの代表じゃないですかね。無意識とか気まぐれという範疇に入る悪意を発揮することが、ちょっとした生き甲斐になっている人たち。責められても悪気が無かったと言い訳できる範囲で暗躍し、責めた方を糾弾する人たち。まぁ、おばさんに限ったことじゃないけど、あの類いの気まぐれが「種の絶滅」に繋がるのでしょう。あんなおばさんを絶滅させたい。本編はところどころに宮崎氏の回想が入っていました。丸まった虫は王蟲、さつきと猫バスはアングルまで同じで、スピラーは「コナン」のジムシーにそっくりでした。どうせなら、脚本からすべて若い人に任せてあげた方がよろしいんじゃないですか。[映画館(邦画)] 7点(2011-12-30 23:29:05)(良:2票)

713.  X-メン 《ネタバレ》 「ファースト・ジェネレーション」を観た後に観直すと、最初から「差別」に取り組んでいたことは強調されて映りました。でも、ミュータントに対する世間の扱いに本当に差別があったとしたら、差別されている側が実力行使に及ぶのはやはり「もってのほか」の対応ですね。差別が正当化されてしまう。サミットに集まる要人を「ミュータント化してしまえ」という作戦も、要人たち自身の同情を引くより憎しみを買うテロ行為以外の何ものでもない。世間の不評を決定的にするだけで、明らかに愚かな行為です。本作に限らずの話ですが「差別」という意識がある時点で社会的にマイノリティであることは確定している訳で、少数の力による反抗が最終的に実を結ぶとも思えない。なので、本作のミュータントたちの対立は「思想の違い」では無く、単純な「善悪」に見えてしまう。「ファースト・ジェネレーション」と比較するとシナリオ的な掘り下げが低く、どうしても浅い作品という見映えになります。ジーンを取り合うウルヴァリンとサイクロップスの遣り取りがちょっと面白かったかな。ウルヴァリンの打たれ強さは肉体だけじゃないみたいでした。[DVD(字幕)] 5点(2011-12-30 12:41:01)(良:2票)

714.  機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer- 《ネタバレ》 これは珍しくシリーズを全て観ていたんですが、この劇場版は面白くなかったです。シリーズに出ていたキャラたちに無理矢理に見せ場を作るためなのか、ずっと戦闘をやっていて、それが全部同じシーンに見える。今の流行なんでしょうが、パイロットが何かを叫ぶとモビルスーツの機体性能がアップしてハデに爆発が起こる。そんなシステムがあるのは別に良いんですが、速さでごまかしているような印象で、ファーストの頃にはあった絵作りの「色気」を本作には感じませんね。ストーリーの方もSFの大テーマであるファースト・コンタクトを持ち込んだが、あくまで「設定」でしか機能しておらず消化できていない。ワンダーを覚えません。さらに、キャラの感情の昂ぶりや想いで物事を解決するのは、大作ぶった実写邦画の悪い体質と同じです。ばーさんになった王女さまも見たくなかったな。古いアニメファンの意見でした。[CS・衛星(邦画)] 2点(2011-12-30 01:56:29)

715.  ナイト ミュージアム きっとくだらないんだろうなぁと思って観たんだけど、予想通りにくだらなかったです。腹を立てるほどでは無いんですが。ニューヨークの「自然史博物館」には20年くらい前に行ったことがあって、その興味で最後まで付き合いました。昔はもっと渋い博物館でしたね。[CS・衛星(字幕)] 3点(2011-12-30 01:49:07)

716.  スリーデイズ 《ネタバレ》 妻の冤罪を信じた夫が妻を脱獄させるお話。満足度、かなり高いです。ポール・ハギス監督の作品らしく登場人物たちの気持ちが分かりやすく伝わってくる展開に2時間があっという間に過ぎました。派手なアクションを控えながらも充分にサスペンスフルです。過去に何度もプロフェッショナルの「闘う男」を演じてきたラッセル・クロウが、本作では庶民的な夫を演じます。冤罪の真偽自体は問題にしておらず、それを信じた夫が取る行動と心理描写が見どころです。警察沙汰などと無縁だった男が諸方面から情報を仕入れて脱獄計画を練る。大学の先生らしく机上で考えるのは得意だけど、行動に移すと危なっかしくてハラハラします。初めて犯罪行為に踏み込む者の不安が観る側にまで伝染して来ました。裁判は八方塞がりで収監中に自殺未遂まで起こした妻。母子の関係も含めて家族を救うという目的もさることながら、主人公は懲役期間である20年という時間に耐えられなかったのだと思います。その年月を想像すると、行動に及ぶ心情が理解しやすかった。エピローグで妻を検挙した刑事が殺人現場に足を運びます。夫婦が脱獄という行動に及んだこと自体が冤罪の証明であると感じたようでした。このあたりの見せ方がとても上手い。最近のサスペンスものはどんでん返し系が主流ですが、丹念に演出すれば無理に捻らなくとも完成度の高い作品が出来あがる好例です。[映画館(字幕)] 7点(2011-12-29 19:22:34)(良:1票)

717.  ヒア アフター 《ネタバレ》 死を身近にしたことで人生のバランスを崩した人たちが、静かに次のステップを踏むまでのストーリーでした。死後の世界はあるのか? それは誰もが一度は抱く疑問。その根底には、亡くした人や自分の死を想う時の不安がある。証明できない限りは正解も無いが、その不安が現実の生き方に影響を及ぼすのも事実。本作は、その興味でストーリーを牽引するが、死後の世界を強引に証明するという類いの作品では無かったです。マット・デイモンの霊能は、他者の苦しみに共感する能力として描かれる。センシティブな感覚の延長であって、他者の人生に割り込んだりしない。本人がその能力を嫌うことは、死後の世界をあたり前に捉えることへの懸念としても機能していると思います。私が本作から感じたものは安心感でした。子供の頃、いつかは自分も死ぬという事実を認識したとき、形容したがい恐怖を覚えた。それが、人生も半ばを過ぎた今では、ある程度は受け入れられる。人は生まれてから死ぬまでの時間を使って、死を受け入れる準備をするのだとも思う。この映画の死後概念はそんな心境への道程を、そっと照らしてくれる印象でした。さらに、死後の世界を、そこに縋るのではなく現実を生きるための認識として捉えることが本作のテーマなのでしょう。ラストシーンでマット・デイモンが手袋を外して握手した心境もそこに通じます。本人が「呪い」と呼ぶ能力でも、スタート地点を共有できる人とは分かち合える。その予感は生きることへの希望でもありました。死や死後を扱いながら、宗教色がなかったことがとても良かったと思います。イーストウッドの語り口は言うに及ばず、彼に監督を依頼したスピルバーグもいい仕事をしました。[映画館(字幕)] 7点(2011-12-29 19:20:18)

718.  愛と青春の旅だち 当時あまり期待せずに劇場へ行ったら、思わぬ良品にめぐり会ったって印象でした。ルイス・ゴセット・Jrがいい味出してると思っていたら、アカデミーの助演を獲って「あぁ、こーいうのが助演っていうことなんだ」と納得した記憶があります。久しぶりに観ましたが、古さを感じさせない青春映画でした。ただし、この映画のヒット後にやたらと「愛と○○の××」ってタイトルが増えて辟易しました。配給会社の苦悩の芸の無さなのか、タイトルだけで鑑賞を決める一般映画観賞者の態度なのか…。[映画館(字幕)] 8点(2011-12-28 22:46:14)

719.  武士道シックスティーン 《ネタバレ》 誉田哲也作品の初映像化(たぶん)。原作は「シックスティーン」に始まり「エイティーン」まで続く三部作。その初編の映画化です。正反対な性格の二人が剣道を通して出会い、ぶつかりながら成長する。言葉にすると陳腐だけど、二人の対称的な人物造形が相当に練られていて、とんでもなく愉快に映ります。特に授業中に鉄アレイで腕を鍛え、「五輪書(宮本武蔵著)」に没頭する成海璃子の剣道バカぶりが抜けている。対する北乃きいが、普通の女の子を演じながらも存在感で負けておらず、成海璃子の仏頂面と絵的なバランスも取っていて良い塩梅。試合場で手首を捻挫した成海璃子が、補欠の北乃きいを自分の代わりに指名するシーンに自分は涙腺が緩みました。突っ張りキャラが襟を正し、他者を「認める」シーンは美しい。今作はスポ根サクセスストーリーではなく、この二人の関係だけに焦点を絞っています。自分にも覚えがあるが、高校で一緒に部活をやった奴らの何人かは、何歳になっても仲間意識が無くならない。それは形容が難しいが、友情や信頼と云うイメージではなく、もっと特別で大切な存在。人生という長い視点に立つと財産と言っても良い。今作は、二人の少女がそんな存在に辿り着くまでの不器用な道中を描いた心地よい青春映画でした。数年のうちに男を奪い合って絶交しても責任は持てませんが(笑)。原作者の誉田哲也だけど、氏の作品はどれも一気に読んでしまう。登場人物の心情描写が現代的かつ丁寧だから感情移入もしやすく、それは読後の爽快感にも繋がる。今作のように動きのある描写も多いので映画向きかも。原作の二編・三編では、離ればなれになった二人のその後が描かれる。タイトルの「武士道」の意味も掘り下げてあって、こちらも楽しいです。[映画館(邦画)] 9点(2011-12-28 22:31:03)(良:3票)

720.  デルス・ウザーラ 《ネタバレ》 原作は映画が公開された直後くらいに読んでいましたが、永らく観る機会が無かった作品。やっと観られました。森林に暮らすデルス・ウザーラの生き方を描いた映画。原作から想像していた通りの見え方でしたね。別にハイジのおじいさんのように人嫌いで街から離れて暮らしている訳じゃなく、疫病に罹った家族と一緒に村を追いだされた人。ロシアの地誌探検隊の隊長と心を通わせる。親切で他人想い。森の生物や自然現象を人称で表現する。人のコミュニティから離れると、どのような感性が身に付くのかが良く分かる。野生動物や自然環境への対応力はそこで暮らした結果論だけど、純朴な人柄と無垢な精神は人との関わりが少ない中で培われたものと云う印象を受ける。そんな人物が街での暮らしには馴染めず、事故性はあるが命を落とす結果になるエンディングはやはり悲しい。自然の中で暮らすことで得るものと失うもの。街で暮らすことで得るものと失うもの。一概に街での生活を否定している訳ではなく、ひとつの生き方の提示だと思いました。20世紀初頭のロシアで、すでにそんなことがテーマになっていることにも驚きます。黒澤映画らしい芝居も時々はありましたが、劇的なアングルも無ければ、アップのカットもない。自然の中に生きる人物の骨太なドキュメンタリーという趣きでした。冒頭の音楽がロシア映画らしくチャイコフスキーっぽい。そこだけは明確に、従来の黒澤映画に無い味でしたね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-12-27 11:34:28)

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