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プロフィール
コメント数 2395
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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741.  荒野のストレンジャー 《ネタバレ》 摩訶不思議なウェスタンといえば、もうこれしかないでしょう。まあどう考えてもイーストウッド演じる“ストレンジャー”はこの世の存在ではないわけですが、いきなり女を手籠めにしたりする生臭い奴なので“こいつは何者”感が濃厚になり、ここがこの脚本の上手いところです。広大な湖のほとりにまるで住宅展示場みたいなこぢんまりとした町(というか集落)があるというのも、普通のウェスタンではあまり見かけたことがない景色でした。一見善良そうな住民たちが私欲のために保安官殺しを黙認するという展開は、ジョン・ウェインが激高しそうなストーリーです。保安官に町の住人が非協力的な『真昼の決闘』が反米的だと激怒した人ですけど、もう製作当時は人生の終わりも近かったので丸くなってたのかな。駆け出し監督のころですからイーストウッドの作品はまだB級色が強かったので、大して注目されていなかったのかもしれません。 こうやって観ると、イーストウッドはハリウッドでもウェスタンを危篤状態となってから撮りだしたようなものなので、いろいろと捻った観点の作品がウェスタンでは多いですね。そこは50年代からどっぷりウェスタンで生きてきたペキンパーの様なこのジャンルへの哀悼は感じられませんが、彼の死後にはイーストウッドがウェスタンに施した心臓マッサージが効いて『許されざる者』という傑作が生まれたんじゃないでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-05-07 22:26:37)(良:2票)

742.  トロール・ハンター 《ネタバレ》 はい、観終わっての感想を一言、「絶対に笑ってはいけないトロール・ハンター24時」でした(笑)。こらえきれずに笑ってしまったシーンは数知れず、“自分のしっぽを食べようとして転がるトロール”“「実は俺キリスト教徒なんだ…」なんでこの状況でカミングアウトするの”“トロールを捨て身の攻撃で爆殺するハンス、その時着用していたミシュランのマスコットみたいなバケツを被っているとしか思えない鎧”“ぐるっと円を描いて戻ってくる送電線”etc… だいたいこのお話しは日本に置き換えると「実は巨大化したカッパが実在していて、日本アルプスの山岳地帯でひそかに隔離されているけど、政府はその事実を隠蔽している」という感じでしょう。つまり現地の人にはそれが端からジョークだと判る与太話で、それをいわゆるPOV手法のパロディとして、徹底的にシリアスに映画にまとめたというわけです。冒頭とラストのテロップなんてこの手の映画の忠実なパロディで、ここで「あっ、これはおふざけ映画なんだ」と気づかねばなりません。でも笑いのネタを随所に散りばめながらも、この監督は正攻法の撮り方で押し通すので引っ掛けられてしまうかもしれません。ラストの巨大トロールとハンスのバトルはさすがに悪ノリが過ぎたかとも思いますが、この監督が持つ才気だけは感じ取ることができました。[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-05-03 21:13:44)

743.  追跡(1962) 《ネタバレ》 監督ブレイク・エドワース・音楽ヘンリー・マンシーニの黄金コンビでモノクロ撮影の犯罪サスペンスを撮っていたとは意外や意外、だいたいコメディじゃないシリアスな映画をエドワースが撮っていたことにもびっくりです。 銀行員のリー・レミックはある日自宅ガレージで顔を見せない男に脅迫されます。要求は、勤め先から10万ドルをくすねて持ち帰れ、成功したらお前にも2割分け前をくれてやる、もちろん警察にばらしたら妹ともどもあの世行きだ、ということです。ところが彼女は速攻でFBIに電話しちゃうんですが、なぜか部屋に隠れていた犯人に昏倒させられ「やると思ってた、でも二度目は許さん」と捨て台詞を残して犯人は消えてゆきます。 シャープなモノクロ撮影で序盤は雰囲気満点なんですけど、なんか脚本が甘いんですよね。もちろんすぐにFBIが捜査に乗り出して来て姿を見せない犯人とヒロインの攻防になるわけですが、彼女が通報してFBIが動き出していることに犯人が気づいていないというストーリーテリングが、なんかおかしいと思います。中盤では犯人の中国系の愛人親子が登場して話はぶれるし、けっきょくこの愛人は中途半端にフェードアウトするから余計にイラっとします。知能犯だと思わせるべき犯人像も、途中から画面に登場させてしまい単なる粗暴犯ですということが、バレバレになってしまいます。でもこの犯人のキャラ自体は不気味かつ変態チックで、女装して女トイレに現れるシーンは「うわっ、なぜか樹木希林が出てきた!」とびっくりさせられることは必定です(笑)。 SFジャイアンツが試合中のキャンドル・スティック球場がラスト・シークエンスになり、これを『ダーティハリー』とのかかわりを指摘する向きもありますが、確かにそういう雰囲気は感じられました。そうそう、リー・レミックの妹役が懐かしい『探偵ハート&ハート』のステファニー・パワーズだったことも忘れてはいけません。ほとんどデビュー仕立てのころだったみたいです。[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-04-29 22:38:11)

744.  カメレオンマン 《ネタバレ》 これはモキュメンタリー・ジャンルとしては初期の作品だと思いますが、さすがウディ・アレンだけあってこのジャンルでは突出した出来栄えです。スーザン・ソンタグやソウル・ベロ―といった知の最高峰と呼ぶにふさわしい面々が、冴えないユダヤ系の男が周囲の人間に同化(というか変身)してどんな環境にも順応してしまうという奇天烈なお話しに、大真面目な顔でコメントを寄せているのを見るだけで笑えてきます。アレンもまるでピーター・セラーズ持ち芸みたいに、中国人やメキシコ人そして百貫デブからなんと黒人にまで変身して見せるサービスぶり、そういやこの二人は顔つきが何となく似てますね。この謎の習性が、世界中に散らばっているユダヤ民族の歴史のカリカチュアであることは、もう判りやすいぐらいです。また20年代・30年代の記録フィルムとアレンたちの演技のつなぎがもう絶妙で、彼のフィルモグラフィ中では珍しい特殊撮影もアレンはセンス良くこなしちゃうんですねえ。珍しく何のひねりもないハッピーエンドなんですけど、当時のミア・ファローとのラブラブぶりが伝わってきたのは確かでした。[ビデオ(吹替)] 8点(2018-04-27 22:20:22)

745.  軍旗はためく下に 《ネタバレ》 監督が深作欣二で脚本が新藤兼人というおよそ東宝作品とは思えない布陣です。かねがね新藤兼人はその能力・思想信条において和製ドルトン・トランボと呼ぶに相応しい存在だと思っていましたが、この映画はトランボの『ジョニーは戦場へ行った』に匹敵する強烈な反軍思想の脚本だと思います。 かつての戦友たちを訪ね歩いて丹波哲郎の死の真相を知ろうとする左幸子の執念は、『ゆきゆきて、神軍』の奥崎謙三を彷彿させてくれます。丹波哲郎の最期についての記憶が訪ねた四人でそれぞれ違うのは(もっとも一人はウソをついていましたが)、推理小説の様な秀逸な語り口です。そのうちの一人である内藤武敏が勤務している高校で、彼が戦時中の記憶を語っているシーンでジェット旅客機が轟音をたてて着陸するカットが挿入されますが、いかにも時代の世相というか深作欣二の思想が感じられました(当時は成田空反対闘争の真っ只中で、過激派は“軍事空港ハンタイ”なんて言っていました)。そういう思想的な臭みも帳消しにするのが、左幸子の熱演です。やはりこの人は天才女優です。丹波哲郎も彼としては非常に抑えた演技で、「天皇…」と言いかけて銃殺される最期は涙を誘います。[CS・衛星(邦画)] 6点(2018-04-26 22:41:55)

746.  一万三千人の容疑者 《ネタバレ》 冒頭で、当時の東映社長である大川博の前口上が流されます。まあこれは「この映画は義展ちゃん事件を再現していますが、このような悲惨な事件が二度と起こらないことを願って製作いたしました」というような趣旨ですが、さすがに「ヒット作が欲しくて撮りました」とは言えませんよね。こんな興行側の言い訳はどうでも良いんですけど、犯人が逮捕されてから一年余りしかたっていない時点で映画化しちゃうところに、当時の日本映画界がまだ持っていたバイタリティを感じさせてくれます。それに比べて現在の日本映画界のだらしなさは眼を覆うばかり、なんせあのオウム真理教事件ですら正面から取り組んだ作品が未だに製作されていないんですからねえ。 私らの世代には義展ちゃん誘拐事件といえばいまだに誘拐事件の代名詞のように記憶に刷り込まれていますが、こうやって丁寧に事件の推移を見せられると、いろいろなことが改めて見えてきます。これは史実通りなんですけど、身代金受け渡し時の警察の失態・無能ぶりには驚くべきものがあります。そして犯人逮捕まで2年以上もかかったとは知りませんでした。逮捕の突破口になったアリバイ崩しの攻防戦もまるで推理小説みたいな展開で、まさに“事実は小説よりも奇なり”です。 わたしの中で「ベテラン刑事を演じたら日本一」の称号を与えられているだけあって、芦田伸介はハマり役でした。これも多分に幼いころTVで観ていた『七人の刑事』からの刷り込みがあるんでしょうね。でも、のらりくらりとウソをついて刑事たちをはぐらかす犯人役の井川比佐志が予想外の好演で、この人は善人役だけが持ち味だったんじゃなかったんだな、って再認識させられました。また音楽担当があの伊福部昭で、この救いようがない悲惨なお話しにピッタリのサウンドを聞かせてくれます。 尺は短いんですけどあまりに救いのない事件なので、ダウナーな気分にさせられること間違いなしです。やはり恩地日出夫が監督した泉谷しげる主演のTVドラマ版の方が出来は上かなと思います。そういや、このTV版も刑事役は芦田伸介でしたね。[CS・衛星(邦画)] 7点(2018-04-26 00:08:28)

747.  野獣の青春 《ネタバレ》 原作は未読ですが、どうも大藪春彦の『人狩り』をかなり翻案した内容みたいです。大藪春彦の小説は独特の文体にはまって昔よく読んだんですけど、映像化されると凡作・失敗作になった映画が多いという印象が強いですね。この映画はその中でもましな方だという感じですが、鈴木清順が撮っていますから原作はあくまでモチーフと思った方が良いでしょう。 モノクロ映像の殺人現場の室内で、テーブルの花瓶に活けられた花だけが真紅の色彩を放っている、初っ端から清順ワールド全開です。でも清順の持ち味であるアヴァンギャルドな映像はどちらかというと控えめな印象であります。アヴァンギャルドとハードボイルドとは相性が良いと思うので、もっとぶっ飛んでも良かったかもしれません。それでも小林昭二と川地民夫のボス兄弟の変態っぷりをはじめ、登場キャラたちの妙な作りこみ具合は訳が判らなくて面白かったです。そう考えると、主役が宍戸錠というのがミスキャストだった気がしてなりませんでした。この人はどう見たってハードボイルドが似合うタイプじゃないでしょう。 余談ですけど、現金強奪のシークエンスで発煙筒をダイナマイトに見せかけて発煙させますが、これって後に起こる三億円強奪事件と手口が一緒なんですよ。あの犯人ももしかしてこの映画を観ていたのかも…[CS・衛星(邦画)] 6点(2018-04-21 23:38:49)

748.  ミルドレッド・ピアース 《ネタバレ》 全盛期を過ぎてからのジョーン・クロフォードしか知らなかった自分が恥ずかしい、彼女が見せてくれた演技はそこまで言わせてしまうほどのすごい演技で、アカデミー主演女優賞90年の歴史でも十指に入ると確信しました。とても40年代の女優とは思えない現代でも通じる知的な演技とでも申しましょうか、意志強固ながらもどうしても隠すことのできない母性に運命が翻弄されてしまう女性像を、見事に演じ切っています。 監督がマイケル・カーチスですから臭いメロドラマかと舐めてかかってはいけません、見事に予想を裏切るストーリーテリングです。ミステリーとしても上質な出来ですが、「誰がベラゴン氏を射殺したのか?」という謎解きについては物語が進行してゆくにつれてどうしても感づいてしまうんですが、そんなことはこの映画の価値を下げることは全然ありません。ミルドレッドを取り巻く三人の男が、また大なり小なりろくでなしなんです。その中でもジャック・カーソンが演じる共同経営者が、ある時は善人ある時は小悪党という絶妙なキャラで、最後までミルドレッドに振り回される男を好演していました。そして忘れてならないのは甘やかされて育てられたおかげですっかり人間性を喪失してしまったような娘ヴィーダ役のアン・ブライスで、彼女にもオスカーを与えて欲しかったとしみじみ思います。 とにもかくにも、ジョーン・クロフォード一世一代の名演を得とご堪能あれ![CS・衛星(字幕)] 9点(2018-04-18 22:31:05)(良:1票)

749.  ドラキュラ血のしたたり 《ネタバレ》 無実の女性を魔女狩りと称して狂信的に殺しまくるピーター・カッシングよりも、悪魔に魂を売ってヴァンパイアになっちゃう伯爵よりも、出演シーンの半分はネグリジェ姿で通す双子ちゃん姉妹の方にどうしても目が釘付けになっちゃいます。このコリンソン姉妹、1970年9月のプレイメイトだったそうですよ、そりゃナイスバディなわけです。そして舞台になっている村、熟女・人妻から若い娘まで美人で巨乳ぞろいとは、一度はここの住人になってみたいものです。 『吸血鬼カーミラ』をモチーフとしたストーリーというのがうたい文句ですけど、途中でミラカーラなるヴァンパイアがちょこっと出てきますが、『カーミラ』の要素はどこにも感じられずこれじゃあ翻案し過ぎでしょ。正直言ってヴァンパイアなんかよりピーター・カッシングの魔女ハンター団の方がよっぽど怖いです。さんざん若くて色気があるというだけで魔女と決めつけて火あぶりにしまくり、本当の敵が判ってからも唯一殺したのはヴァンパイア化した姪だけ、なんだピーター・カッシング、おまえ女しか殺してないじゃんかよ!ラストの対決もヴァンパイア伯爵に反撃されて秒殺ですからねえ… 『ヘルハウス』を撮る直前のジョン・ハフが監督ですが、まあ怪作としか言いようがないですねえ。でもこの双子のコリンソン姉妹は、数いるハマーお色気軍団の中でも屈指の殺傷力を持った逸材だったのは確かです。[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-04-14 23:49:58)

750.  フランソワの青春 《ネタバレ》 日本未公開で未ソフト化、観てみれば退屈な映画でしたが、全盛期を迎えようとしているころのジャクリーン・ビセットの美貌を拝める貴重な一編であることは確かです。 監督のロバート・フリーマンは、実はビートルズのジャケット写真を数多く手がけた有名な写真家です。お話自体は『おもいでの夏』や『青い体験』といったいわゆる“ひと夏の初体験”ものといったジャンルに入るかもしれませんが、はっきり言って童貞卒業するようなストーリーじゃありません。なんせ主人公が11歳の少年ですからねえ。この少年役は風貌が少女時代のジョディ・フォスターそっくりで、美少年というよりもなんか中性的な存在感がありました。2か月前に交通事故で両親を亡くして裕福な叔父の家に引き取られたいう設定ですが、なぜかラストのシークエンスまで穴だらけのボロボロなセーター姿で通します。その家に叔父が第二次大戦の戦友の英国人娘を呼び寄せますが、戦友の娘というのは真っ赤な嘘で実は単なる愛人でした。するとそれに感づいた息子が親父を出し抜いてちょっかいを出してきますが、娘はちっとも相手にせず11歳のフランソワ君の方にご執心という展開になります。もちろん我がジャクリーン・ビセットが娘役なんですが、どうしても彼女の美には見惚れてしまいます。やっぱり脱ぎはなしでしたが(それに近いショットはありましたけど)、彼女の豊満な乳を強調した衣装が連発なので良しとしましょう。でも服を着ている方がエロいという女優は、なかなかいるもんじゃありませんよ。少年の方も性の眼覚めという段階でもないみたいでしたが、寝室に忍び込んで彼女の髪を切り取るなんて変態チックな行動をするんです、こっちの方が怖いって(笑)。 まあ結論から言うと何も起こらずに映画は終わってしまったということですが、“写真家が撮る映画は駄作ばかり”というジンクスは今回も破れませんでした。ふと気が付いたんですが、この一人の女を父と息子で獲りあうというプロットは、やはりビセットが出ている『映画に愛をこめて/アメリカの夜』で撮影されていた劇中映画『パメラを紹介します』と同じなんです。トリュフォーは本作から『アメリカの夜』のインスピレーションを得たと、私は確信した次第です。[CS・衛星(字幕)] 3点(2018-04-10 01:10:02)

751.  恐怖(1961) ご存知クリストファー・リーが出演しているのでお分かりの通り、ハマー・フィルム謹製でございます。“オール・ユー・ニード・イズ・ホラー”がモットーのハマーにしては珍しい、ホラー風味ではあるが本格的なスリラーです。「ヒッチコックが撮りました」と言っても通るぐらいのストーリーテリング、なかなかやるじゃないか、ハマー。邦題の『恐怖』というのはちょっと大げさかとも感じますが、原題の方も“Fear”を強調してるしポスターからしてホラー映画と間違われることを期待しているようにもとれます。主演はスーザン・ストラスバーグ、アクターズ・スタジオの創設者の娘がハマー映画に出演していたとは知らなんだ、です。 ラストのどんでん返しが売り物の映画なのでレビューを書くのは難しいんですけど、スーザン・ストラスバーグの最初の登場シーンでの会話で「これは、ひょっとして…」と頭によぎるものがありました。そして見事に予感が当たりました。いつもぼんやりと映画を観る私でも判っちゃったぐらいですから、気が付いてしまう人はたぶん多いと思いますよ。「そんなこと、あり得るか?」と首を傾げたくなるかもしれませんが、ミステリーはやはり雰囲気が愉しめるかが大事な要素です。シャープなモノクロ撮影とサクサクしたストーリーテリングの効果もあり、私は十分に愉しめました。難を言えば車椅子に頼るしかないヒロインというプロットがいまいちストーリーに反映していなかったところで、ヒッチコックならここを巧みに料理しただろうな、と感じてしまいました。[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-04-09 22:47:35)

752.  ヘイル、シーザー! 《ネタバレ》 名のある映画作家はこういうバックステージものを撮りたいという衝動に駆られる傾向があるみたいですけど、ダメダメ、今さらトリュフォーの『アメリカの夜』を超える作品を創作できるわけがないんだから、止めた方が賢明ですよ。コーエン兄弟もその誘惑に負けたみたいですが、こりゃ相当に出来が悪い映画になってしまいました。まずネタが古すぎ、それぞれのエピソードにはモデルとなる人物や事件があったんでしょうけど現代の観客にはチンプンカンプンで、これじゃハリウッド界隈の老人にしか受けないんじゃないでしょうか。モチーフとしたのは50年代ハリウッドのいわゆる赤狩りなのは判りますが、コメディとはいえパージされた側を悪役としているのは、たぶん今までになかったことです。ジョージ・クルーニーを誘拐する共産党員の脚本家たちは10人、これは実際にハリウッドから追放されたいわゆる“ハリウッド・テン”のパロディですね。ということならリーダーはさしずめドルトン・トランボということでしょうが、こんなネタ誰も知らないって!コーエン兄弟の政治的な立場は知りませんが、かつて『グッドナイト&グッドラック』を撮って赤狩りを批判していたジョージ・クルーニーは、どの面下げてこの映画のオファーを受けたんですかね?最近は宗旨替えをしたのかな、でもこれは笑えませんよ。彼のオーヴァー・アクトもこの映画の印象を悪くしている一因で、コーエン兄弟は『バーン・アフター・リーディング』でも見られましたがジョージ・クルーニーに変顔させるのが受けると勘違いしているみたいです。ジョシュ・ブローリンのハードボイルドな撮影所長は悪くなかったですけど、けっきょくヘッドハンティングの誘惑にも負けないイイ奴でしたという終わり方は、何のひねりもなくて呆気に取られてしまいました。 それにしても、コーエン兄弟は本当に“誘拐”というプロットに拘りますよね、一度精神分析をして欲しいぐらいです。[CS・衛星(字幕)] 3点(2018-03-30 22:08:00)(良:1票)

753.  パラノーマル・アクティビティ 1万5000ドルで撮られた映画にしては良くできていると評価したいけど、舞台は監督の自宅だそうで俳優も無名というか素人みたいだし、どこにそんなカネかけたんだよ、って言いたくなることも否定できません。怖がらせ方はJホラーの影響も感じられ“大してでかくはないが突然聞こえる音”で観客を最大限に怖がらせるところは、かなりのレベルです。手持ちカメラのブレ映像は室内撮影だけあって『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』以上のひどさで、これは映像酔いする人が多そうですね。でも映像よりも遥かに自分をいら立たせてくれたのは、ミカ君のバカっぷりでこっちの方がはるかにストレス溜まりました。まあそれを言っちゃったらストーリーが成り立たないけど、ウィジャ盤の件といいあれだけはっきり超常現象が映像に残っていれば、ふつうなんか善後策を考えるもんでしょう。なんでわざわざ寝室のドアを開けっぱなしにするのかもナゾですけど、それを言っちゃあおしまいですね(笑)。 この映画が稼ぎ出した金額は全米だけで1億790万ドル(!)なんだそうで、安易な二番煎じ・三番煎じだとこき下ろすのは簡単ですが、この事実は侮れないと感じます。若者のベンチャーとしては、ビットコイン投機なんかよりよっぽど建設的で社会のために貢献してると思いますよ。[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-03-27 10:52:26)

754.  ダーティハリー5 《ネタバレ》 監督はイーストウッドとは長い付き合いのスタント演出のバディ・ヴァン・ホーン、もうシリーズ最終作だからということで今までの労をねぎらっての監督起用、というか製作陣はこの映画を名作にしようとする努力を端から放棄しているとも言えます。まあこの脚本じゃ誰がメガホンとっても結果は変わらなかったでしょう。イーストウッドもさじを投げたって感じで、シリーズ中でこれほど情熱を感じないハリー・キャラハンはなかったし、ただ脚本通りに動いているってところでしょうか。恒例の相棒ネタは一回りして第一作に戻った感じで、エスニックの中国系となりました。この相棒がカンフー使いなのはお約束通りです、でもシリーズ中で最も印象が薄かったのは否定できません。原点に帰ろうとしたのは犯人像で、スコルピオに負けない凶悪さを出そうとしているのは認めましょう。でもそいつを明確にキチ〇イということで片付けてしまうストーリーテリングじゃ、話が膨らむはずもありません。だいたい此奴が出現した途端に可哀想にもリーアム・ニーソンの存在意義が霧消してしまい、ストーリーからもいつの間にかフェード・アウトしてしまう情けなさ。まったくしょうもない脚本です。 まさかハリー・キャラハンの最後の一発が銛だとは、愕然とさせられました。そういや、シリーズ中でハリーは一度も犯人に手錠をかけて逮捕しなかったよな、ひょっとして手錠を持ってなかったりして。まあとにかく、さらば、ハリー・キャラハンよ永遠に…[CS・衛星(字幕)] 3点(2018-03-26 23:03:51)

755.  マッドマックス2 およそ30年ぶりの再鑑賞でしたが、「もっと大掛かりなお話しだったんじゃね?」というのが、改めての感想です。三作目の『サンダー・ロード』と記憶がごっちゃになってたのかもしれませんが、それだけ初見の時の受けた衝撃が大きかったのかな。今まであまり観返してこなかったのはこういう埃っぽい映画が生理的に苦手だったからですけど、世間では三十年で本作の評価はうなぎのぼり、いまや映画史に残る存在になってしまいました。そりゃ本作がなければ『北斗の拳』は今の世に存在してなかったかもしれないと思うと、『ブレードランナー』と並ぶ80年代が生んだ「後世の文化に多大な影響を与えた映画」であることは間違いなしです。 ラストの「その後マックスの姿を見かけることは二度となかった」というモノローグは渋すぎです、でも私たちは4年後にこの荒廃した世界の片隅で繰り広げられるマックスの違う物語を観ることになるんですけど、それはまた別のお話し。[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-03-25 22:07:23)(良:1票)

756.  ウォリアーズ(1979) 《ネタバレ》 中二病丸出しのプロットが強烈ですよね。コニーアイランドがシマのウォリアーズが地下鉄に乗って(ギャングのくせにちゃんとカネを払って乗るのがカワイイ)ブロンクスでのストリートギャングの訳のわからない大会に出張って、騒動に巻き込まれて這う這うの体でまた地下鉄に乗ってコニーアイランドに逃げ帰ってくる、要はそういうお話しです。ウォリアーズをつけ狙うギャングたちは組ごとにキャラ付けされているのが笑えますが、如何せんどの組も弱すぎです。意味のない臭みが強烈なセリフの連続はギャグなのかなと首を傾げさせられますが、ストリートギャングなんてこんな薄っぺらな連中なんだよと訴えたかった、いやそんなわけないですよね(笑)。 でも全編を貫く不穏な空気には抗しがたい魅力があります。NYが舞台とは言ってもまるでマッドマックスの文明崩壊後の世界みたいです。この世界感にプラス1点進呈いたします。[CS・衛星(吹替)] 6点(2018-03-23 22:00:52)

757.  TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ 《ネタバレ》 実にクドカンらしい悪ノリ映画、でも自分はこういうのはツボです。彼は劇作家なので、この映画もロック・ミュージカル劇で舞台空間では見せることのできないことがやりたくて映画にしました、って感じでしょうか。地獄の鬼たちの顔ぶれは実に豪華で、とはいってもみんなメイクがこてこてなので誰が誰だか判別不明ですけど、何とかマーティ・フリードマンだけは判りました。できればこの顔ぶれにデーモン小暮閣下(いやいや、この人は鬼じゃなくて悪魔でした)や筋肉少女帯が混ざっていたらもっと愉しかったかも。 この手の映画は人によっては好き嫌いが別れるのは判りますけど、違うサイトでこの映画に罵詈雑言を浴びせているのがありました。「自分のせいでバスが事故を起こしたんだから、地獄で仲間と会ったら土下座して謝るべきで、此奴の態度は不謹慎極まりない」なんて感じで倫理観を振り回しています。まあこの人が言いたいのは、死をテーマにしたコメディは許せない、ということみたいです。どうもわが国には映画やTVの題材となると目くじらを立てる洒落が判らない人がいるんで、困ったものです。そういうところは、舞台演劇の方がはるかに自由でアナーキーなんだなと、改めて実感いたしました。私なんか、ラストのお婆ちゃんになった恋人にキスをするインコの主人公を観て、安易に生き返らせたりしないクドカンのストーリーテリングに仏教の輪廻感への彼なりの考察が感じられ、少しホロっとさせられました。[CS・衛星(邦画)] 7点(2018-03-16 20:43:58)

758.  パシフィック・ウォー 《ネタバレ》 初っ端の戦闘シーンを観て一気にテンションが下がりました。インディアナポリスって重巡洋艦なんだよ、この映画ではまるで戦艦みたいな図体でどうせCG使うならちゃんと実艦に似せてくださいよ。だいたい突っ込んでくる特攻機が開戦当初の明灰白色塗装のゼロ戦なのがおかしい。細かいことにこだわるな、っていう人もいるでしょうけど、こういうところを蔑ろにしている戦争映画は、たいてい映画としての出来もひどいのが多いもんです。あの『パール・ハーバー』はこの映画の逆で、登場するゼロ戦が戦争後期の暗緑色塗装だったことが思い出されます。撃沈シーンがまた突っ込みどころ満載。船体が折れるところなんてまるっきり『タイタニック』のまんまですし、これはひょっとしてギャグなのかとマジで首をひねってしまいました。漂流し始めてからはドラマが緊迫していくはずなんですが、個々の登場人物のキャラが描きこまれていないので盛り上がらない。トム・サイズモア以外の乗組員は誰が誰だか見わけもつきません。そして登場するシャーク・アタック、このサメのCGがまたショボすぎて、これはアサイラムの製作かと思いましたよ。 まったく、ニコジーよ、少しは仕事を選べよ(怒)。[CS・衛星(字幕)] 4点(2018-03-15 00:04:16)

759.  TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド) 出演しているハーバードの研究者がいみじくも語った「築地の仲卸は魚に情報を付与して商品としての価値を高めている」、なるほどこれは目から鱗、これほど的確に卸の役割を説明するとはさすがハーバード大学です。そのためには言葉というかコミュニケーションが大事な要素で、大勢登場している老若の仲卸業者が魅力的な男たちなんでほれぼれしてしまいます。そして築地市場は株屋の世界に通じるところが多々あり、言ってみれば仲卸は証券マンみたいな存在だと感じました。年内最終日には手締めをするのも同じですしね。客として仕入れにくる有名な料理人たちも仲卸を全面的に信頼して勧める魚を買う、これなんか証券マンと顧客との理想的な関係じゃないですか。 80年前の開設当初の築地の貴重な映像も流れて、ここが時代の最先端をゆく施設だったことが判ります。果たして移転した先でこの世界随一じゃなくて唯一の市場は、どういう姿を見せてくれるのか不安でもあり楽しみでもあります。[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-03-10 23:38:59)

760.  ジェーン・ドウの解剖 《ネタバレ》 グロ耐性が低い人にはしんどい映画化もしれませんが、正直言ってしまうとこれは掘り出し物でした。前半は推理ミステリー仕立てで話が進み、後半は怒涛のホラー展開。低予算・B級にしてはブライアン・コックスやエミール・ハーシュといったそこそこ名が知られて俳優を起用しているので?でしたが、あの『トロール・ハンター』を撮った監督のハリウッド進出第一作だったんですね、納得しました。家業で解剖検視と火葬を営むなんて日本じゃ想像もつかない話ですが、アメリカのど田舎だったらこういうのもありなんでしょうね。そして怖がらせ方が実に上手い。死体の足首に鈴をつける由縁なんか、とても効果的な伏線になっています。カーブ・ミラーに映る人影や猫の死など、説明過多にならないストーリーテリングも好みでした。 でも何とも壮絶なのはジェーン・ドゥ、つまり死体を演じた女優で、文字通り全編にわたって全裸の死体で押し通してしまいます。もちろん死体だから身動き一つせず、解剖台に載せられる時と瞼をこじ開けられるところだけしか身体が動きません。もうこれなら別に女優を使わなくても精巧なダミー・ドールで撮影することもできたんじゃないでしょうか。まあここまでの死体演技(といっても動かないだけですが)を見せてくれる映画は正直初めて観た気がしますし、彼女の女優根性には脱帽です。[DVD(字幕)] 7点(2018-03-07 22:43:34)

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