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【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
61. マッチ工場の少女 《ネタバレ》 主人公のイリスは例えて言うならばデ・パルマの「キャリー」。上手く恋愛をすることが出来ないし、両親も理解のない冷たい人たち。だからと言って超能力で周りの人々を虐殺するわけでもなく、ただ少女の味気ない日常が淡々と描かれていく。物語が進むにつれてどんどん話は重くなっていくので、もうやめてくれ!とも叫びたくなってしまうが、終盤の展開は意外にもあっさりしたもので安心した。さすがにこんな話を90分以上も観続けているのには辛いものがあるので、60分ちょっとという短い上映時間 も実に丁度良い。ちなみにさっき超能力で虐殺はしないと書いたが、この映画では殺鼠剤を使って悪者を成敗していくので要注意!7点(2004-04-20 17:59:47)《改行有》 62. デビッド&リサ ~心の扉~ 精神的病に悩まされるデビッドとリサの苦しみは、観ているこちらにも痛いほどの感覚で伝わってきます。他人に体を触れられることを極力拒むデビッドに、韻を踏んでしか会話をすることの出来ないリサ。そんな二人を見守るシドニー・ポワチエ演じる学校の院長ジャック・ミラー博士。病を持つ本人たちも大変だろうけど、それに対応しなければならない周りの家族や友人の人たちも相当大変なんだなぁと思いました。1962年にフランク・ペリーが監督したオリジナルの方にも大変興味があるのですが、こちらはビデオ化とかはされていないのでしょうか?かなり観たいです。7点(2004-03-24 00:14:09) 63. 風が吹くまま 《ネタバレ》 イラン映画は初めて観ました。まず最初の印象は"オープニングクレジットが読めない!"ですね(笑)、当たり前だけど。物語は一台の車に乗った数人の男たちが、山々に囲まれた田舎の村を訪れるところから始まります。テンポはあくまでも普通、しかしなかなか話が進展しない。このまま最後までこの調子なのかなぁ、と思っていたら案の定・・・。でも決してつまらないという訳ではなく、寧ろ面白いと言える。携帯電話が鳴るたびにわざわざ遠くまで移動する主人公、八つ当たりに亀をひっくり返してみたりと。元々葬式の取材のためにやって来たはずが、最終的には医者まで呼んで体の悪い老人を助けようとする。退屈と言っちゃあ退屈、でもたまにはこんな映画も良いでしょう。自然の中の風になったつもりで観てみてくださいな。8点(2004-03-20 20:22:01) 64. 浮き雲(1996) この映画が製作された当時、フィンランドでは失業率が20%以上にも上り多くの人々が仕事を失ったという。フィンランドを愛するカウリスマキ監督にとっては、これは失業した人たちへの「めげずに頑張れ!」という応援のメッセージなのかもしれない・・・。最後に出てくる今は亡き俳優「マッティ・ペロンパーに捧ぐ」という文章も涙を誘う。9点(2004-03-04 14:57:57)(良:2票) 65. レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う 《ネタバレ》 如何にも胡散臭そうなモーゼのキャラクターが良い。長ロングリーゼントに尖がりブーツと、何だか奇妙で笑える格好をしていますがこれってフィンランドで実際に活躍しているバンドさんたちなんですよね。前作は観ていないけど偉く面白かったです。メキシコ組の歌うアイアイテキーラの曲や、吹っ切れた感じでCIA捜査官が熱唱するギニワッチの場面ではもうノリノリでした~。これは早速「ゴー・アメリカ」の方もレンタルしてきたいと思います。しかしモーゼさん、何で水の上を平然と歩けるの?(笑)8点(2004-02-23 20:44:23) 66. コントラクト・キラー 《ネタバレ》 わざわざ日曜大工店でロープを買ってきたりして、結局自殺できない主人公ジャン=ピエール・レオの姿が笑える。殺し屋(コントラクト・キラー)に自身の暗殺を依頼した直後に生きる意欲が湧いてきたりと、テーマは重そうだけど紙一重のところでコメディになっているのが面白い。主人公を追い回す殺し屋さんの方も、癌を患う子持ちの父親という泣けるキャラクターでしたね。やっぱりアキ監督の映画はまった~りとしていて良いです。8点(2004-02-20 23:44:37) 67. ありふれた事件 《ネタバレ》 まず初めに言っておきますが、この映画での暴行・殺人は当然ながらフェイクです。それでも「まさかこれって本当にやってない!?」と思ってしまうのは、それだけ本作に迫真にまで迫ったリアリティ感があるからでしょう。この映画で監督兼出演を務めた三人の若者は、自分たちでプロダクションを設立しこれだけのものを撮ったというから驚きです。殺人を職業とする男と生活を共にする内に、次第にその撮影クルーたちも暴力や殺人の世界に引き込まれていってしまうという恐怖がこの作品の見所のようですが、個人的には何と言ってもブノワ・ポールヴールド演じる殺人鬼ベンのキャラクターがお気に入りです。一見知的そうに見えて実は馬鹿という(笑)、何とも面白味のある人物設定が良いです。こんな映画が好きだと言ったらちょっと感性を疑われそうですが、近年観た物の中では相当数のインパクトを受けました。なので惜しみなくこの点数を献上させて頂きます(ペコリ)。8点(2004-02-06 07:59:24) 68. Mr.デスティニー 《ネタバレ》 なかなか良い。「あの時ああしていれば、もっと良い人生が送れていたハズ・・・」と思うのは、人間ならば誰しもが考えること。でも必ずしも、その”もう1つの人生”が良いものであるとは限らない。フランク・キャプラの映画をモチーフにしたようなこの作品は、自分の人生に不満を抱いていた主人公がある不思議な出来事によってもう一度人生をやり直す機会を与えられます。夢のような生活の中で何かが足りないと気付いた彼は、最終的に今の人生よりも元の生活に戻ることを選びます。本当に大切なのは過ぎ去った過去を悔やむことより、今自分のいるこの人生を精一杯に生きることなのでしょう。そうすればこの映画の主人公と同様、いかに自分の人生が素晴らしいものであるかを見出すことが出来るはずです。6点(2004-01-28 21:03:09) 69. 眠れない夜はあなたと 眠れない夜に真夜中のテレビ放送で観ました。出演者はなかなか豪華でスーパーマンとバットマン(の人)が競演していますが、物語の方はいたって普通な感じ。普段不眠症で悩んでいる人には必見かも?6点(2003-11-03 07:04:22) 70. ジョーズ・アパートメント あらすじだけ聞くと気持ち悪いのですが、実際は愉快で楽しいミュージカルタッチのコメディです。それこそ僕も苦手なゴキブリたちがわんさかと出てきますが、彼らはどこか可愛らしく芸達者で面白い。主演のジェリー・オコネルはかの「スタンド・バイ・ミー」に出ていた俳優で、あの体型からは想像も出来ない(?)ほど変わっていてビックリ。とりあえずこれさえ観れば苦手なゴキブリも克服できるかも?(無理か6点(2003-10-15 13:20:16) 71. ウォレスとグルミット、危機一髪! 「チーズ・ホリデー」「ペンギンに気をつけろ!」に続くシリーズ第三弾。今回はいろいろな新キャラクターが登場します。前作に引き続き主人公のウォレスとグルミット、某プリンのCMにも出てきた羊のショーン。ウォレス女版!ウェンドレン、そして思いっきりターミネーターな暴走犬プレストン。個人的に前作こそが最高傑作だと思っているので今作の評価が少し下がるのですが、それでも嬉しかったのはお気に入りキャラ・グルミットの活躍場面が増えたこと。獄中でのジグソーパズルなど、相変わらずウィットに富んだアイディアには上手いなぁ~と感心させられます。今のところこれ以降続編は出ていませんが、いつの日か製作され公開されることを切に願っています。9点(2003-10-14 17:25:25) 72. リバース(1997) 隠れたSF・スリラーの良作。時間逆行装置を使って事故を未然に防ごうとする主人公だが、どんどん状況が悪化していく光景を見て「何やってんだよ~!」と思ってしまう。さすがにあれだけ何回もやられると観てるこっちも疲れてくるが、低予算でここまで面白い映画を撮ったのは見事。ブルース・ブラザーズでお馴染みのジョン・ベルーシの弟、ジェームズ・ベルーシが悪役として出演しているのも興味深い。これを観て気に入ったら『タイムアクセル12:01』もレンタルしよう!(宣伝か?)7点(2003-10-10 19:37:19) 73. ロスト・チルドレン 《ネタバレ》 これってある意味かなり悪趣味な映画ですよね。冒頭、クリスマスのサンタさんがやって来た~♪と思っていたら、どんどん増えていって…。しかも出てくるのは常識では有り得ないような人たちばかり。最初観たときは正直あまり好きにはなれなかったのですが、最近「デリカテッセン」を観てから再見したところすっかりこの映画の虜になってしまいました。一体どこから湧いてくるのか?という奇想天外なイメージの数々に、物語を包み込む圧倒的なダーク・ファンタジーの世界。そして何と言ってもこのCGの凄さ!95年って言ったらちょっと一昔前じゃないですか、それにしてこの壮絶なまでの完成度を誇るSFXの描写。どれを取っても完璧、やはりジャン=ピエール・ジュネ&マルク・キャロの最高傑作は個人的にこれだと思わざるを得ません。8点(2003-09-15 15:04:50) 74. ミラーズ・クロッシング 《ネタバレ》 いきなり私事で申し訳ないですが、個人的にこの作品は自分の好きなオープニング・ベスト5に入ります。何処かの林の中を動くカメラ、そこに一つの帽子が落ちて来てやがて風に攫われていく。何とも幻想的で美しく、またカーター・バーウェルの妙に爽やかなサウンドが耳に残ります。本編の方はガブリエル・バーン演じる主人公トムとキャスパーの手下たちとのやけにコミカルな乱闘シーンや、異常なほど強いギャングの親玉アルバート・フィニーなど、異色のギャング映画でありながらもしっかりとコーエン節が効いています。まさに会話術の妙とでも言うようなものを楽しめる作品で、特にガブリエル・バーンの「ハートは無い」の台詞には痺れました。それにしてもマーシャ・ゲイ・ハーデンやジョン・タトゥーロは良い仕事してるなぁ…。[CS・衛星(字幕)] 8点(2003-08-30 19:20:09) 75. ナイト・オン・ザ・プラネット 《ネタバレ》 今のところジム・ジャームッシュ作品の中では、これと「ダウン・バイ・ロー」が一番好き。よくよく考えたら両作ともロベルト・ベニーニが出演している(笑)。個人的にこの作品の好きなところは、ヘルシンキを除いたそれぞれのエピソードが終わった後に時計の針が元の時間まで戻るところ。国やそこで起こるドラマは違えど、同じ夜空の下一つで繋がっているということが感じられます。話はどれも甲乙付け難いけど、N.Y.とローマは笑えるしヘルシンキは泣ける。カウリスマキ映画の顔でもあった、主演のマッティ・ペロンパーが既に他界してしまっているのでより一層感慨が深まります。一番最初のL.A.は新旧スターの競演を観ているだけでも面白い、パリは皮肉が効いている。[CS・衛星(字幕)] 8点(2003-08-28 16:43:56) 76. ゴースト/ニューヨークの幻 けっこう酷評多いですけど、僕はこれラブストーリーの名作だと思います。恋愛物のくせにやたら残酷なシーンが多いのがちょっと難点だけど、愛する彼女のために死んだ男がゴーストとなって甦るというストーリーが激しく良い!そしてウーピー・ゴールドバーグは流石に巧い。特殊効果など今見るとちょっとショボいので、さすがにいつかは色褪せるだろうけど(もう色褪せてる?)僕の心の中では永遠に色褪せることのない名作です。[地上波(吹替)] 8点(2003-08-24 06:40:19) 77. フォロウィング 後に作られた完成形と言える「メメント」ほど完成度は高くないけど、低予算のデビュー作でここまで優れた作品を撮れるのは凄いと思いました。劇中の登場人物たちに影響されてちょっと空き巣をやってみたくなる映画(危)。クリストファー・ノーラン監督にはこれからも頑張って欲しいです、応援しています。9点(2003-08-20 11:57:57) 78. 恋はデジャ・ブ 最高のラブコメディですね。何度も同じ日を繰り返して最初はウンザリしている主人公だけど、その奇妙な現象を逆手に取って・・・、っていう不思議なアイデアが面白いです。もし自分の身にこんなことが起こったらどうしよう?ってちょっと考えさせられます。これを観て気に入った方は「タイムアクセル 12:01」という作品も観て下さい、楽しめますよ。8点(2003-08-20 11:33:43) 79. ウォレスとグルミット/ペンギンに気をつけろ! クレイアニメの脅威!!時間はたったの30分程度だが、そこらの映画を観るよりもずっと楽しめる。コツコツと地道な作業を重ねて、あそこまで精密にクレイを動かせるのはもはや職人芸。特に今回の作品で素晴らしいのは、何と言っても無表情の悪党ペンギンさん(バットマンじゃないです)。このキャラクターはシリーズ中でもかなりの名キャラクターだと思います。巻尺を利用して美術館を下調べするシーンはお気に入り、ラストの列車追跡劇は個人的に映画史に残る名シーンだと思っています。10点(2003-08-14 07:52:00)(良:1票)
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