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【製作年 : 1980年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
61. 風の谷のナウシカ 漫画の方がメッセージ性も完成度も高いが、映画版も二時間枠の中でよくまとめられていて感心する。既に二十年も前の作品という事を考えれば、この完成度の高さは尋常ではない。音楽のセンスも素晴らしい。ただまあ、当時は感動したものの、さすがに今見ると、「その者、青き衣をまとい~」という予言もちょっと恥ずかしいし、ナウシカの自然に対する狂信的な態度にも少し疑問が残る。8点(2003-10-31 20:23:21) 62. アマデウス 天才の狂気と凡人の狂気。凡人である私はサリエリに感情移入しまくり(秀才も天才の前では凡人と同じ)。「何故、私じゃないのか?」と嘆く彼は、まさに凡人の代弁者。 「別に凡人でもいいじゃないか」という考えも一面では真理だが、「別に私が天才でもいいじゃないか」との考えも真理のはず。天才には歯が立たず、しかし凡人として甘んじるには中途半端に才能が与えられてしまった苦痛。天才の天才性を理解できるがゆえの苦悩。凡人として埋もれてしまっても世界の損失にならない程度の才能。 凡人として生きて行くには、その苦悩を受け入れるか、始めからその苦悩も感じないほどに凡庸であるかのどちらかしかない。 「天才」との相関から、己の姿や生き様を考えさせられる傑作。 また長編ながらミュージカルと違って、オペラなどの演奏シーンもしつこくならない程度の時間配分にされていたりと、娯楽性を考慮し、万人に受け入れられる作品に仕上げられている事に感心する。[ビデオ(字幕)] 10点(2003-10-29 20:22:34)《改行有》 63. スタンド・バイ・ミー さすがに死体探しをやったことはないけど、この映画と似たような体験はきっと誰にでもあるはず。私の小学生時代の夏の思い出は、近所の堤防がどこまで続いているか、友達と確かめに出発したこと。途中で、ニワトリのバラバラ惨殺死体を発見して大騒ぎになったり、その川沿いに建てられていたボロボロの小屋を探索したり、拾った錆びたナイフを手裏剣のように投げて遊んだり、今から思えば他愛のないことなのに、当時は楽しかったなあ。結局、暗くなってきたので途中で帰ってきたけど。こうして、ここで語っていられるだけでも、あの頃の出来事に価値はあったのかも。なんつって。10点(2003-10-27 00:22:51) 64. 肉片の恋 み、短い…。いかにもシュヴァンクマイエルらしい作品。もう少し長くして欲しいな~。でも、短いからこそ、あっと言う間に食われてしまう肉片の運命に人間の無常観を重ね合わせることが出来るのでしょう。7点(2003-10-25 00:57:20) 65. シャイニング(1980) 《ネタバレ》 「人間の狂気こそが一番怖い」というのも、ジャック・ニコルソンの演技力の凄さも分かるが、個人的にはイマイチな内容。登場人物が少ない上に、展開に緩急がないため退屈。ミステリー的な謎解き要素もなく、単にひとりの男が狂気に取り付かれるというだけの話で物足りない。[ビデオ(吹替)] 6点(2003-10-24 14:32:33) 66. 13日の金曜日(1980) 《ネタバレ》 確かに今見ると非常に単純で、たいして怖くもないが、「殺人鬼ホラー」の元祖的存在としての価値は高い。 また、この第1作目は「犯人は誰か」というミステリー的要素を含む点が、その後のシリーズとは決定的に違う。 見る年齢や時代によっても評価は大きく変わっちゃうだろうけど、別に深い話でもないので、ビールでも飲みながら、のんびり見るのが正しい見方でしょう(笑)。[ビデオ(字幕)] 7点(2003-10-24 14:15:40)《改行有》 67. めぞん一刻 ある意味、ホラーより怖い。何でゲジ眉が響子さんなんだ?何をどうすれば、こんな無残な配役になるのだろう?当時のファンの嘆き、怒り、失笑、嘲笑、すべての負の感情の吹き溜まり的作品。0点(2003-10-22 19:28:17)(良:1票) 68. るーみっくわーるど 炎トリッパー 懐かしいです。今思えば、確かにこれは「犬夜叉」の原点的作品ですね。タイムトリップものとして、すっきりとまとまっている名作です。8点(2003-10-22 17:44:42) 69. 銀河鉄道の夜(1985) ネコであることに少しの違和感も感じない幻想的な世界。それでいて、寂静とした死の影がつきまとう。まさにこの作品自体が「メメントモリ」。死を想え…。 9点(2003-10-20 12:53:49) 70. めぞん一刻 完結篇 映画を見る上で常に問題になるのは、「原作を知っていた方がいいか」という点ですが、これは微妙な問題です。ただ、個人的には「原作を知った上で見ること」が原則だと思っています(もちろん単発ものは別)。特に、この「めぞん」や「エヴァ」のように、長期シリーズの劇場版などはなおさらです。もちろん、原作を知らない一見さんでも楽しめるように作るのがベターではありますが、キャラの基本設定や今までの経緯すら知らずに見る事もまた原作に対して失礼な見方でしょう。より深く作品を楽しむための「見る側の礼儀」もあると思います。 確かにこの作品は、一見さんでは楽しめない不親切な作りですが、「原作らしさ」を考慮した作りで、「最終回に関わるオリジナルエピソード」という難しい位置付けの作品でありながら、ほとんど違和感の無い仕上がりになっている点を評価したいです。何でもない話ではあるものの、ラストに相応しいほのぼのとした雰囲気が良い。 従って、私個人の評価感覚では、「主観7、客観5」で、平均して6点という所です。[ビデオ(字幕)] 6点(2003-10-16 20:19:40)《改行有》 71. ブレードランナー あの独特な世界観と終末観が、その後の映画に多大な影響を与えたというのも頷ける。深いテーマ性を持つヘビーな内容にも関わらず、決して独りよがりにならないバランス感覚と観客の目を意識したエンターティメント性を備えている。ラストは素直に感動。まさに「アンドロイド」の悲しみ。原題は秀逸だよな~。10点(2003-10-14 10:05:19) 72. 死霊のえじき ちなみオリジナル版の評価です。さすがロメロ監督。傑作です。超傑作の前作に比べたら多少物足りなく感じる部分もありますが、閉鎖空間での息詰まる人間ドラマは相変わらず秀逸です。特に導入部分における、海岸沿いのビル街の荒涼とした雰囲気はもう最高!空はいつもと変わらず爽やかに晴れ渡っているのに、地には死者の群れが蠢いている…。うっとり…。9点(2003-09-18 21:29:02) 73. ドグラ・マグラ(1988) <原作は途中挫折> 原作の怪しげな雰囲気はよく出ているが、やはり映画も内容は意味不明(笑)。 ただ、内容の虚実を曖昧にするのはいいとしても、やっぱり最終的には何らかの決着を用意したほうが、商品としてはウケると思う。でも、それではこの作品の魅力は出ないしなあ。うーむ…。 [ビデオ(邦画)] 5点(2003-09-17 05:04:25)《改行有》 74. チャイルド・プレイ(1988) 「殺人鬼の怨念が人形に宿る」というアイデアは良いけど、ホラー映画としてはたいして怖い作品ではない。 人形は黙って動かないから怖いんであって、チャッキーが喋ったり、動きまくったりし過ぎなので、キャラ的には立っても、人形独自の怖さや不気味さは薄れているのが残念。 しかも、いくら刃物を持ってるとは言え、あんな小さな人形にいつまでもやられてんなよ、もう!と思っちゃう(まあ、そんな事を突っ込む映画ではないけど)。基本的に典型的な殺人鬼ホラーである事には違いが無いので、展開や演出もワンパターンになりがち。一度くらいは見る価値もあるが、その後のシリーズを見る必要性は感じない。[ビデオ(字幕)] 5点(2003-09-15 18:14:39)《改行有》 75. ポリス・ストーリー/香港国際警察 いかにもジャッキーらしい身体を張ったアクションに感心してしまう。それでいてちゃんと緻密に計算もされている。単に高くジャンプしたりグルグル回転したりするだけにCGやワイヤーを無駄遣いしている最近の映画に比べれば、はるかに迫力があり、打撃にも血肉が感じられる。ただ、ストーリーがありきたりで、展開も終わり方も少し杜撰。最初見たときは、「え?終わり?」とビックリした。また活躍しているのがジャッキーひとりだけ、というのも物足りない。アクションシーン以外、見所がないので何度も見ようという気にはならない。好きな人には申し訳ありませんが、いくらなんでもここの平均点は高すぎると思うので、この点数にしました。6点(2003-09-15 17:59:20) 76. 天空の城ラピュタ 《ネタバレ》 他の映画やアニメと比較しても、娯楽作品として「カリオストロの城」に匹敵する程の完成度を持った作品は、これくらいしか見当たらない。 確かにベタな部分は多々あるが、これだけスピード感や展開の起伏に富んでいて、最初から最後まで飽きずに見られる完成度の高さは並大抵のことではない。 あらゆる点において優れ、バランスも取れている。この作品こそ、ごちゃごちゃ言わず、純粋に娯楽作品として楽しむべき映画だろう。セルアニメとしての手間の掛け方が、この作品に命を与えている。 [映画館(字幕)] 10点(2003-09-07 21:53:01)《改行有》 77. 幻魔大戦 小学生当時、映画館に見に行って衝撃を受けた作品だが、リアルタイムで見るのと、今見るのとでは、これほど印象が違って感じられる作品も珍しいかも。まあ、当時の時代の空気感の中で見ないと、単に古臭いだけのアニメに思えちゃうのも無理はない。 当時はあのリアルなキャラや、壮大なストーリーに衝撃を受けたが、今見ると、さすがに絵には古さが感じられるし(まあ二十年も前なんで当たり前だけどw)、基本的に作画レベル自体も高いとはいえない。大友氏のキャラデザも垢抜けないし、それぞれのキャラの活躍や見せ場も少ない。ストーリーも壮大な割にはいまいち盛り上がり切らず、テーマも描き切れずで中途半端。 ただ、これをリアルタイムで見た人は、一度は「絶対零度!」って叫んだ経験が、それこそ絶対にあるはずw。最近のアニメや映画には、あまりこういう感覚を共有できる「何か」を感じないのも確か。なんてコトを思いつつ、当時を懐かしく思い返した。ローズマリーバトラーの主題歌も最高。カセットテープで持ってたな~。 実質的には6点くらいが妥当だけど、当時の「思い出」込みの点数と言うことで8点献上。[映画館(字幕)] 8点(2003-09-07 21:35:39)《改行有》 78. 遊星からの物体X 私ごときが今さら何か言う必要はありませんね。とにかく面白い!閉鎖空間における人間不信(エイリアン不信?)のドラマで、これだけ緊張感のある作品はなかなか無いと思います。9点(2003-09-05 18:39:10) 79. 魔女の宅急便(1989) 《ネタバレ》 この頃の宮崎アニメには「世界」がある。空気感と言うか、広がりと言うか、単に画が綺麗なだけじゃなく、「こんな世界があったら良いなあ」と思わせる力があった最後の作品。良くも悪くも作品としての緊張感は薄いが、不思議と作品世界に没入してしまう。ユーミンの音楽との相性もバッチリ。 ただ、この作品をして「少女の自立の物語だ」などと評価して欲しくはない。出てくる人たちが余りにも善人だらけで、展開がご都合主義のオンパレード。意図的なものだと思うが、現実世界の厳しさや醜さはほとんど描かれていない。本当の意味でのキキの成長物語はエンディング以降のはずだが、作品として中途半端なところで終わっているのが残念。[映画館(字幕)] 9点(2003-09-05 11:32:51)《改行有》 80. 火垂るの墓(1988) 「戦争ってこんなに悲惨ですよ」という事を伝えたいのは分かるし、そう言う意味では充分悲惨さは伝わっている。しかし、節子を殺したのは、清太の「今は戦争という非常事態である」という状況を弁えない身勝手な行動によるものだという事を忘れてはならないだろう。軍事教練にも参加せず遊びほうけ、当時の厳しい状況下で出来る限りの保護と援助をしてくれる叔母の家を些細な不満から飛び出し、自分達が被害者なのだからと、当たり前のように火事場泥棒を働く清太は、権利だけを主張して、義務を果たさない「悪しき戦後個人主義者」であり、原作者の代弁者そのものである。「悪いのはすべて国家や社会で、自分達は被害者だ」と無自覚に主張する身勝手さや、想像力のなさが「悪いことではない」と、これを見る人の多くが気付かず、感動までしていることが恐ろしい。この映画のように、子供の死を殊更に強調されるだけで、その死にばかり気を取られてしまい、即思考停止状態に陥ってしまう人がいかに多いかが証明されている。こんなものを「誇りある生き方」だとして、自分の身勝手なふるまいを自己正当化する想像力の無さ、無責任さはまさに「権利のみを主張する現代人」の姿そのもの。しかもそれを「純真な子供」にやらせるといういやらしい演出。最低です。 当時の強大な帝国主義が覇権を争う弱肉強食の国際情勢の中で、「植民地にされるか、植民地を持って強国になるか」の二択しかなかった当時の日本の置かれた立場を含めた正しい歴史認識や公の論理を無視した反戦映画は、このように子供はおろか、大人までも思考停止を促す結果にしかならない。0点(2003-09-02 11:12:26)(良:13票)
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