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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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61.  ホビット/思いがけない冒険 《ネタバレ》 『ロード・オブ・ザ・リング』が原作読み込んだファン向け(としか思えない)のに比べるとこちらはいちげんさんにも優しい。ストーリーも状況もよく分かる。進まないんだけどね。 個人的には序盤のしつこい食事風景が良かった。登場人物がちゃんと血の通う人間類(?)で文化や様式は異なっているがそれぞれの生活があることが想像できる。ホビットはただのひ弱な小人ではなくて立派な文明人なのだ。 『ロード~』に比べるとドワーフやホビットの「小ささ」がきちんと表現されているシーンが多いのも良い。そしてこれまでヒゲオヤジしかいなかったドワーフにちゃんと若いヒゲイケメンがいる。これファンタジー作品として画期的じゃない?そしてヒゲオヤジ連中もみんな個性的で味がある。 相変わらずガンダルフは何が出来て何が出来ないのかよく分からないしストーリー展開は偶然に頼りすぎだが、ドワーフのキャラ、特にトーリン王子が格好良いので2時間ついていける。2時間ならね。でも3時間なんだよな。原作薄いらしいのになぜそう長くしたがる?[インターネット(字幕)] 7点(2018-01-10 00:32:50)(良:1票) 《改行有》

62.  ウルフ・オブ・ウォールストリート 《ネタバレ》 マーゴット・ロビーがとにかく美しくて見とれてしまう。本人はもうこういう役はやりたくないそうだが、彼女の完璧な外見は成功者の「トロフィー」としてぴったりなんだよね。ディカプリオと釣り合うどころかだいぶ超えている。 全編通じてバディ映画の雰囲気があって仲間意識が強調される。司法取引に応じても仲間を売らずに切り抜けようとするし、天敵であるFBI捜査官もどこか捕まえたくなさそうだ。こいつらのやってる「悪いこと」の描写は経済犯罪よりもセックスとドラッグに集中する。その無茶苦茶さが痛快なのでついベルフォートに肩入れしたくなる。 だがちょっと待って下さいよ?この話はジョーダン・ベルフォートという男の自伝が元になっている。仲間達は極端にダサくダメな奴に描かれていて、なのに美しい友情がある。肝心の詐欺は抽象的にしか描かれずスイス銀行マンの方が悪く見える(あいつのセックスシーン、いるか?)。被害者である顧客は一切画面に出て来ず電話の声だけ。 この映画の3時間は退屈ではないが疲れる。この長さは多分2時間くらいだと観客が冷静になってベルフォートの嘘に気付いてしまうからだろう。3時間のまくし立てに観ている側も呑み込まれていく。ディカプリオが突然観客に話しかけるメタ演技は最初の方にだけ出て来るが、あれは作り手の「これはあくまでこいつの言い分ですよ」という言い訳なのだ。 この映画は大変評判が良いが、詐欺師の言い分そのまんまで観客を騙しに来る映画でもある。相手に考えさせるな、電話(台詞)を切らすな、札束(裸)を喰らわせろ。ベルフォートの詐欺の手口をそのまま映画で観客に向けて実演している。気をつけよう。[インターネット(字幕)] 6点(2018-01-10 00:25:24)(良:1票) 《改行有》

63.  ホビット/竜に奪われた王国 《ネタバレ》 前作に比べるとテンポが良くて見やすい。エルフ2人のスーパーテクニカルアクションが格好良いが、原作にないらしい場面が最大の見どころというのはどうなのか(笑)。そしてイケメンにはやっぱりイケメン向きの役割があったか。 前作以上にドワーフやホビットの「小ささ」の表現が磨かれていて、189cmのトーリン役アーミテージを始めドワーフだけやホビット1人の場面でもしっかり小さく見える。この点は『ロード・オブ・ザ・リング』で常に違和感があったので技術の進歩というのは素晴らしい。 今作ではドワーフの頑固さや傑出したリーダーであるトーリンの独善性が描かれる。「勇敢な種族」は勇敢であるだけに潔い。つまり諦めも早い。まあこの回はドワーフがめんどくさい奴らであることを強調する回なんでしょう。そろそろビルボも活躍させないといけないし。 竜のおしゃべりはカンバーバッチだからつい長くしたかったんだろうな。この竜は「悪いことするために存在する悪役」であり、物語上の作為的な障害物と言える。しかしそもそもこの世界はオークが完全に邪悪でマシな奴すらいない世界なので役割的な作為性はある程度は仕方がない。 映像表現は素晴らしいがその表現に唯一不満が。ファンタジーとはいえ人間が演じるので仕方がないが、一応前日譚なので『ロード・オブ・ザ・リング』の登場人物はもう少し若く見せる工夫があってもいいんじゃないかと思った。全部CGで化粧するのは大変だろうが、せめてガンダルフのヒゲはちょっと短く黒めにするとかしたらいいのに。[インターネット(字幕)] 7点(2018-01-08 21:35:35)《改行有》

64.  宇宙人ポール 《ネタバレ》 僕には散りばめられているネタはごく一部しか理解できていないのだが、それでも面白かった。こういう映画にありがちな汚いネタやエグいシーンは一切なし。警官が爆死するところでドキっとするくらい。これも状況的に爆発に巻き込まれる描写になっている。基本的に観客を追い詰めないで「良いシーン」で映画を作っていく姿勢は好きだ。 悲しいシーンでも役者は涙を出さないし感動シーンも茶々を入れて笑いで終わらせる。ラストは少し長いなと思ったらポールが自分でその点を突っ込む。これはイギリスのエンターテインメントの特徴なのかわからないが、バカにも分かるような作りにしない代わりに分かる人ならちゃんと気付けるように作ってある。観客を騙しに行かない。こういうところが後味の良さを生み出していると思う。 ポールのキャラと造形には感心した。あの目は爬虫類のような「瞬膜」があるんだよね。生物としてのリアリティをマニアックに追求している。スーパーボールみたいにペンポコ跳ね回る最近のCGアクションに辟易しているのでポールのあの自然な動きは新鮮だった。[インターネット(字幕)] 8点(2018-01-01 11:56:44)(良:1票) 《改行有》

65.  ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章 《ネタバレ》 原作の『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズは二次元漫画ならではのアート表現が魅力なのだが、この映画はそこをそのまま実写化しようとしていてかなり無理がある。特に奇抜すぎる髪型が現実の世界に現れる違和感が半端ない。最近は原作にどこまでも忠実な映画作りが流行っているが、「後ろ髪のギザギザ」みたいな漫画絵独特の表現まで実写で再現するのはもうギャグにしか見えないぞ。 配役は終始違和感が拭えずミスキャスト感が付いて回った。しかし改めて各役者の素顔を見るとみんなけっこう役にはまっていそうなんだな。結局やりすぎなコスプレがバランスを崩してしまっている。その意味で神木隆之介の康一と小松菜奈の由花子は素晴らしいバランスだった。ただ肝心の主役の山﨑賢人の顔が役に合っていない。あと真剣佑も頑張ってはいるが億泰は美形がやるべきじゃないだろ。 やり過ぎコスプレもコスプレ野郎ばかりになる終盤はそれなりに見れる世界になってくる。しかしこの終盤がとにかく冗長。漫画ならクライマックスは引き伸ばすし細かくコマを割って人物に思いのたけを言わせるが、それをそのまま映画でやると滅茶苦茶テンポが悪くなる。カメラワークや台詞も原作に引きずられ過ぎだ。特に漫画独特の説明セリフを全部しゃべってしまうのはすごく変だぞ。 とは言えそう悪い映画とも思えなくて魅力はたくさんある。原作では抽象的になりがちなスタンドバトルもちゃんと三次元で動くし(もうちょっと頑張ってもらいたいが)、なにより虹村屋敷の造形は素晴らしかった(あの中を転げ回るのだから衣装の汚しはもうちょっと意識してもらいたいが)。街はどう見てもヨーロッパだが、原作の杜王町もかなり日本離れしているのでまあ許容範囲だ。そして実写にしたことで原作が元々持っているホラーとサスペンスの要素がしっかりと実感を持ったものになっている。 興行的にコケたらしいので続編は厳しいかもしれないが、続編があればぜひ観たいのでなんとか映像表現と編集を洗練させてほしい。特に気になったのは主要登場人物全般のメイク。舞台化粧じゃないんだからアイシャドウと口紅はやめてくれ。そして伊勢谷友介の空条承太郎はNG。こいつはチート級キャラなのに重さが足りない。最後に映画化で良かったと思うのが音楽で、何度も映像の危機を救ってくれる(笑)。[映画館(邦画)] 6点(2017-09-29 20:48:19)《改行有》

66.  この世界の片隅に(2016) ずっと観そびれていた映画,、異例のロングランでまだやっていたので2県越えて観に行きました。まあどのシーンどのシーン一分一秒に至るまで最高の面白さ、美しさ、それでいて軽快で、それでいて衝撃的。よくこんな映画が作れたものだ。この話の情景は戦後生まれとしては何度も言葉では聞いてきた話。戦中経験のある人を連れて観た人によるとごく当たり前の日常だったらしい。その光景が眼前に展開される。僕は普段はアニメが苦手なのだが、このリアリティはアニメじゃなければ実現できなかったのではないだろうか。 空襲前の街を徹底的に再現した歴史考証もさることながら、そのリアリティを実現した最大の功労者の一人は主演声優の能年玲奈だろう。片渕須直監督は制作当初から能年玲奈を配役に考えていたそうだがその彗眼には恐れ入る。結構デフォルメされた造形のすずさんがまったくあの時代の広島に生まれたああいう個性を持った一人の女性にしか見えない。 この映画は多くの映画館でエンドロールが完全に終わるまで誰も席を立たないことがあるようで、観に行った時もそうだった。それはまず映画本編の力ということが大きいが、クラウドファンディングに出資した人々の名前が流れるところでもきちんと観客をつなぎとめておく工夫がなされている。この映画の世界は片隅にまで真心が込められている。 ストーリーはディテールが説明されずにどんどんテンポよく進んでいくのでよく分からないところもある。しかし楽しむには問題がないし、深く知りたければ何度も観ればよい。すでにソフト化やネット配信も始まっているが映画館でもロングランから名画館での再演とシームレスに上映は続いている。 この映画はアニメ映画、戦争映画といったジャンル、クラウドファンディングで作られたという話題性を完全に超越している。間違いなく日本映画、いや映画そのものの金字塔だ。謹んで10点満点中27点を奉る。10点以上のボタンはどこですか?[映画館(邦画)] 10点(2017-09-14 18:19:13)(良:1票) 《改行有》

67.  帰ってきたヒトラー 《ネタバレ》 この映画を一言でまとめると「ブラック・コメディ」ということになるんだろうが、政治風刺とドキュメンタリーをコメディ映画に仕立て上げる、それもドイツで、ヒトラーをネタにして、というところが凄い。この現代版ヒトラーは言うことと語り方がヒトラーと全く同じ。それが現代の知識を前提に語り始めるとどういう反応が起こるか。 主人公格であるファビアンは妙にキャラが薄いが、他のキャラクター、ヒトラーはもとよりゴスロリの女の子、マリーヌ・ルペン似の女性局長、器小さい系新局長と、とにかく各キャラクターに魅力がある。やはりポイントはヒトラー役のオリバー・マスッチがヒトラーに顔も体格も全く似ていないところだろうな。ここのバランス感覚がないとドキュメンタリーもコメディも成立しない。 このマスッチヒトラー、現実のヒトラーの「表側」を完璧になぞっているが、現実のヒトラーの「裏側」、小心さや生真面目さ、狂気はばっさり切り捨てている。そのかわりマスッチの雄大な体躯、柔軟な理性からくる詭弁、子供のような迷惑な悪戯心、目的不明の不気味さがそれを補っている。要は山の登り方は一つじゃない。ヒトラーひとりに気を付ければいいんじゃないという事をヒトラー役を使って警鐘を鳴らしている。 ただこの映画は後味が悪い。ラスト付近までは本当に政治風刺エンターティメント映画として最高傑作クラスだったのだが、制作している間に時代が追いついてきてしまったのか、EUの現状や映画の反ナチスメッセージを生のまま入れざるを得なかった。つまり現実に負けた。映画は芸術だが、芸術は元々実は造形美だけで存在しているわけではなく現実の社会と無縁ではいられないのだ。[DVD(字幕)] 8点(2017-07-23 21:20:06)《改行有》

68.  ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー 《ネタバレ》 スター・ウォーズという映画が初めて登場した時の衝撃は何と言ってもその映像。脳内補完力が高かった当時の人間(笑)にとって補完を必要としない、さらにその上を行く現実感のあるSFというのは「神が地上に降りてきた」がごとき衝撃だったのだ。その意味でこの映画が素晴らしいのはリアリティを進化させていること。特に大破壊の表現が素晴らしい。かつてのSFがちまちましていたのは技術のなさというより想像力と、それの元になる知識がなかったからだ。 シリーズ初となる東洋人キャストはどうなのかと思っていたが、これが良かった。スター・ウォーズというのは過去の物語であって、つまり純粋なSFではなくファンタジーだ。だからEP4のイギリス訛りの白人ばかり+エイリアンという人種構成も成り立つ。なので回を重ねるごとにちょこっと黒人キャストが出てくるのが変な感じだった。東洋人もいれば「単にいろんなヒューマノイドがいる」という世界観が成り立つ。やっと。 個人的に残念だったのはダース・ベイダーの動きが軽いこと。ベイダーは普通に立って歩くだけでも怖い。なのにいかにも悪そうな台詞回しやヤクザが威嚇しているようなガチャガチャとした歩き方、フォースなんかなくてもおれは強いぃ―と主張するかのような軽快な殺陣は興ざめだった。 この映画の凄さは惑星規模のスケール感を表現しきったことだろう。惑星に薄く張り付くような大気、気の遠くなるような遠景、地球にはない絶景、信じられない超巨大建物、そのサイズ感が映像で出現した。これがSF映画としてのスター・ウォーズの意義だ。そこに役者がちゃんと演技してくれれば、もうそれでいいんだよ。だからスター・デストロイヤーがおもちゃっぽく見えてはいけない。 結果的にはドニー・イェンが大方を持っていってしまったが、しかし冷静に思い起こすとあのキャラ本当に要るか?いやそういうのが大活躍するのもスター・ウォーズ・・・。[映画館(字幕)] 8点(2017-05-28 01:02:32)《改行有》

69.  ムーン・ウォーカーズ 《ネタバレ》 この映画はどこでもすごく評判悪いですが、自分には面白かったです。オープニングからしてなんの映画なのか全然分からないハチャメチャぶり。イカれた世界に放り込まれたルパート・グリントの戸惑いが見て取れる。俺ハリポタじゃちょっとトンでる3枚目だったけどこんなのついていけないっすよ!とにかく出てくる奴出てくる奴みんな向こう側に飛んで逝ってる。ところで時代背景的に喫煙シーンがよく出てくるが、ルパートは煙草全然似合わないな。たぶんあんまり吸ったことないんだろう。 ちょっと真面目に語ると、観てる間イギリスのブラックユーモア映画なのかとぼんやり思ってて今の時代には60年代は遠くなったんだなあと感じていたが、後でフランス・ベルギー合作だということを思い出した。あれは外国から見た60年代アメリカ・イギリスのファンタジーなんだな。とりあえずロン・パールマンというのはすげぇ役者だ。ゴリラを白っぽく塗ったようなパールマンは間違って人間界に送り込まれたゴリラそのもので何から何まで人間の尺度を外れている。 一応このレビューは「ネタバレ有」にしたがこの映画で「ネタ」って何だ?アポロが本当に月に行ったことか?(あ言っちゃった?) あと作り物だとは思うが(切にそう願いたい)、画面上にウ○コは出すな!苦手なんだよ!あれだけで-5くらいにしようと思ったが、やっぱり面白かったので勘弁しといてやる。 (余談:一応同種のネタを扱った映画ということで「カプリコン・1」も一緒に観てみましたが、全く関係ありませんでした。)[DVD(字幕)] 8点(2017-05-28 00:45:14)《改行有》

70.  ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 《ネタバレ》 この映画の原作はおそらく映画化を念頭に、とまではいかなくても意識はして書かれたものなのだろう。だからハリポタ本編に感じる、原作未読者おいてけぼり感が少ないのはとても良かった。1920年代のニューヨークを再現するその映像技術には驚いた。 21世紀に入ってからというもの映画の映像については作れないものはなくなったと言っても過言ではないと思うが、ここ数年はリアリティの進歩がすさまじい。 役者は全員すごくいい。みんな「普通」なんだよね。前時代的価値観に縛られた人間と、どの時代にもいる自由な精神を持った人間の描き方がよい。JKローリングという人はなぜか男の内面を描くのが上手い。加えてコケティッシュな、普通なら同性に嫌われそうな女の子も魅力的に描く。この映画の主要キャストはたぶん20代という設定だと思うが、青春映画の趣がある。そしてもうひとつの「役者」である魔法動物の動きがすごく良い。架空の動物はどうしてもアニメチックになりがちなのだが、どれも動物としての感情や反応様式を持っているように感じられた。主人公は動物愛にあふれているが製作スタッフもそうなのだろう。 不満な点はまず魔法が大げさすぎること。派手すぎる、速すぎる、効果が大きすぎる、魔法使いが無敵すぎる。どいつもこいつも「ワンピース」のルフィなみに丈夫で、ハリポタにあった、生身の人間が超常の能力を操るリアリティが失われている。そして最大の問題はカメラワーク。いくらなんでも視点を動かしすぎだ。さらにフォーカスまでよく動くので自分の目が悪くなったような錯覚を起こす。前半は悪い意味でジェットコースターのような視点移動、後半はやり過ぎの魔法表現でせっかくの美しい映像が損なわれている。もっと格調高い映画にできたはずだ。 この映画は加点だけなら15点くらい、マイナス7点でこの点数。ようやく映画向きなハリポタが新たに始まったということで今後に期待しよう。[映画館(字幕)] 8点(2017-05-07 23:42:23)《改行有》

71.  スーサイド・スクワッド 上映中だいたい2/3くらいの時間経った頃に思った。「何だこりゃ(笑)」。この映画は最高に面白い!という人とひたすら退屈だ、という人に分かれるらしいが、正直どっちの気持ちも分かる。この映画には中身がないのだ。設定は適当でプロットはご都合主義。ただただイカすシーンを作りたいとだけ考えて作った映画のようだ。そう、だからどのシーンも、本当にイカしている。 この監督は極力スタントを使わず役者に徹底的にトレーニングさせる主義のようだが、そのおかげで全てのシーンに役者がリアリティを生み出している。無茶なCGも臭いセリフも役者のリアリティがカバーする。インタビューによるとマーゴット・ロビーは最初「でんぐり返り」もろくにできなかったが、トレーニングによってバク転ができるようになって大いに自信をもったらしい。ハーレイ・クインの強烈な自己肯定感が放つ魅力にはそういう仕込みがある。 この映画は純粋な映画としての評価(てなんだ?)なら3点くらいがふさわしいかもしれないが「魅力」を作り上げることに専心してそれに成功したという観点からこの点数を差し上げる。原典のコミックについては詳しくないが実写化に適したアレンジが見事だ。ただ不満があるとしたら音楽。クラシック・ロックとオリジナル音楽の組み合わせだがこういうのはセンスが要るぞ。ちょーーっと空回りかのう?[映画館(字幕)] 8点(2017-01-01 20:35:01)《改行有》

72.  NO 《ネタバレ》 この映画は実に全編中3割が当時の資料映像だ。だが当時のチリを知る人でもなければ観ている間はそれと気付かない。「史実」部分と映画部分とをうまくつなぐ手法として、撮影には古い日本製カメラが使われている。つまり古い資料映像に合わせて映画部分も古い画面にしてしまったわけ。この古~いチカチカ画面の効果がけっこうすごくて、わりと呑気な日常の中に軍事政権の弾圧が踏み込んでくる切迫感がある。なぜなら「弾圧」場面は本物だからだ。戦車も本物なら本当に警棒で人が殴られているし実弾が発射されている。 その過酷な現実に主人公は「明るく楽しい反政府CM」で対抗する。そのCMもやはり本物。当時の政治家も登場するし中には映画パートにまで出演している人もいる。調度品も当然当時の品物が揃えられていて、丸いブラウン管TV、ごっついビデオデッキ、最新家電の電子レンジが主役顔で強調されているのが楽しい。 この映画のストーリーはチリの現実の政治を扱ったものなので一筋縄ではいかない。単に「正しい側」が巨悪に対して勇敢に戦う、ということだけではなく、その葛藤や、結果として今のチリに何がもたらされたのかまでを含んだ複雑なメッセージになっている。一国の歴史の一場面を描いた作品だが、込められたメッセージは時空を越えている。それが映像表現として具体的に時空を越えているのが画期的だ。 というわけでなかなか素晴らしい作品なのだが、正直とっつきは悪いと思う。ドキュメンタリー風にBGMがほとんどなく(だからCMテーマソングが耳に残るのだが)、ホームビデオみたいに雑に撮ってつないだだけに見えるシーンも多い。役者の演技も抑えられていて説明は最小限。だから出演者もみんな「資料映像」の現実の人間に見えてくる。この映画はそのハードルを超えて観ようとすれば色んな所に面白さを感じるし現実の複雑さも感じられる。何度も観返す価値がある映画だ。[DVD(字幕)] 8点(2017-01-01 11:45:20)《改行有》

73.  TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド) いま「日本が世界に誇る」という冠言葉は氾濫していて手垢で黒光りしているほどだが、本当に日本にしかない、かつ誇れるものがあるとすればそれはまず築地市場かもしれない。この映画の主人公格を務めるのは600軒の仲卸業者。彼らは7社の卸業者から魚を買い付け、小売り業者や料理店に売る。彼ら目利きのプロは世界の海を知り、料理を知り、その「仲」を取り持つ魚を選ぶ。 登場する150人の中で市場で働く人々はみな普通のおっさんやにいちゃん(一人ねえちゃんと一部おばさん)だ。ただとんでもなく格好良い。仕事に誇りを持ち仲間を愛し日々自分の目に賭ける、黄金のように光り輝く普通の人々。「市場」とは場所のことではなく彼らが居る状態を呼ぶのだろう。 この映画は「ドキュメンタリー映画が苦手な人にもおすすめ」とよく書かれていて、たしかに映像は美しく、音楽は効果的。元々むしろドキュメンタリー好きな僕にとっては少々作りすぎな感じもしたが、なにせ内容は本物なので文句はない。[映画館(邦画)] 9点(2016-10-25 01:18:28)《改行有》

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