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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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61.  イントゥ・ザ・ウッズ 《ネタバレ》 ラプンツェルの髪、切れてもいいんだったけ? 王子兄弟の歌合戦やパン屋の妻の浮気シーンは笑えました。思ったよりそれぞれの物語がシンクロしていて面白みがありました。ジャックを追いかけてくるのは脳内で女型の巨人に変換して観てました。赤ん坊を抱くパン屋のもとに亡くなった妻が現れる最後の歌「気をつけて 子供は聞いている 〜 願いには気をつけて…」と歌われるのが、とても良かったです。ですけどね〜、一人じゃないってのはヤクザだってそうですしね、いなくなって欲しい人とかやっぱりいちゃうんですよね〜。でもまぁ、例えば同じ思いでも「お前さえいなければ皆幸せなのに」と言うか「みんなが幸せになれるといいな」と言うかで大きな結果の違いが起きたりしそうな気はしますね。最後の歌は結構大事なことなのかもしれません。罪のなすり合いの矛先が最終的に魔女に向かい、そこからの魔女の歌までの流れも印象的でした。[DVD(字幕)] 6点(2015-10-06 21:37:12)

62.  アクト・オブ・キリング 《ネタバレ》 虐殺者の「オエェ〜〜ッ!」てシーンがとにかく強烈。それしか思い出せないくらいに、そこが突出して強烈。なんだかんだ言い訳して平気を装っても、身体が反応しちゃって嗚咽する凄さ。この人は何と引き換えにこの(悪事を認めて自分を追い詰めるという意味で)辛い再現を承諾し切ったのだろう? いっぱい金もらったの? 虐殺に関する直接的なことは、もう思い出したくないです。それほど『現実』の感じが強烈。そして、たくさん人殺して平気で堂々と日常を過ごし笑ったり冗談言ったり、という現実も、その裏側で自分の行いの酷さを自覚している苦しみを誤魔化せない姿に見る地獄も、トラウマ級です。ある意味ではとても貴重な作品でしょうし、ある点では2度と観たくないどころか見るんじゃなかったと後悔するような作品です。で、真ん中とって5点にしました(採点できない)。虐殺者の「オエェ〜ッ!」をヤラセと見る人もいるみたいですが、自分の行為を正当化し町の英雄として現在を生きる人がカメラに記録されることを承知で嗚咽のヤラセをOKするでしょうか? それは公に自己否定を認める行為です。普通なら恐ろしく不安で出来ない気がします。自らが殺される側を演じた時の参り様…その延長上にあの嗚咽はあったと思います。あれは自分が人にどんな酷いことをしたかを覚ってしまった人間の偽りない自責の苦痛だと思います。もし、あれがヤラセなら、この映画の制作に関わったみんな人間のクズです。[DVD(字幕)] 5点(2015-10-01 23:23:38)(良:1票)

63.  カリフォルニア・ダウン 《ネタバレ》 ロック主演という段で既に内容に真面目に付き合う気はなく『映画』ではない『3Dアトラクション』として入場しました。なので満足満足。ここでいろんな方のレビューを読んでましたので、どれだけ身勝手自己中な主人公なのかと思ってましたが…盗難車はそのまま盗人に使わせてたら金目の物盗み放題だし、銃で人脅すような奴だったし、緊急に生命に関わる問題のために動いてたんじゃなく迷惑な暴徒ですやん。主人公を責める必要なしと思いました。飛行機乗り捨ては海岸端ですからおそらく墜落点は海、そうじゃなくても「人が死ぬかもしれないから自分と妻は助かろうとしませんわ」というおバカはいないでしょうし、どうしたって燃料切れで滑走路になる場もなく落ちるんですから、いいですやんと思いました。それから、こういう職業の人って実際はどういう誓約させられてんでしょう? 大きな部隊を率いる重要リーダーなら「家族一人のために」というのはできないかもしれないけど、もともとが緊急の少人数をレスキューしてるような人が、救うべき1人がたまたま家族であるという時「家族を救うのはダメ、他の人助けてあげて」と言われるべきなのかなぁ? そうなると人命救助を仕事にする人の家族は可哀想ですね。こういう災害時にどういう役割を義務付けられている主人公なのか分からないし、上から許可降りてたんだから、まぁいいじゃないですかと…ただのアトラクションムービーです。まずこんな映画にリアリティー求めてたら、次から次の大惨事に生き残り続けること自体「ウソやろ」でしょう。この映画で『アビス』見るとは思ってませんでした。このシーンの救出劇で主人公がロック様であることに説得力が出ました。アントマン観た後だと全体的にユーモアのセンスがもっとあって欲しかったなと思いますが、現実の被災など思うといろいろ難しいかもですね。完全に壊れた街を見て「また作る」良いと思います。どういう人がこの映画を観るのかというところ考えると不毛かもしれませんが、このラストの言葉に助けられる人はいると思います!(天災被災者に限らず)。 これを言わせる力強いシンボルとしてロックを起用したのは良かったかも。[映画館(字幕)] 6点(2015-10-01 21:09:29)

64.  アントマン 《ネタバレ》 ペーニャのコミカル担当で笑える面白い作品でした。マイケル・ダグラスもとってもイイ感じでした。LOSTで馴染んだエバンジェリンも、簡単な添え役と思ってましたが次回活躍しそうで、ちょっと楽しみ。吹き替えで観ましたが、ペーニャの語りが映像の登場人物の声とシンクロしてることがちゃんと分かるのって、ちょっと感心しちゃいました。原語版で観たら口の動きピッタリなんだろうなと思うと原語版も観たくなってしまう。この作品のペーニャ気に入ってしまいました。次回観るとしたらペーニャへの期待とエバンジェリンの活躍観たさかな。機関車トーマスに大ウケしました。女の子も可愛かったし、やな感じに見えてた警察野郎も最後いい感じにしてくれて気持ち良い作品でした。ミクロ世界を映像化する際、空気中のゴミやフィルム粒子の粗さみたいな感じの細部をそれとなく表現して見せてくれていて、そこも感心しました。[映画館(吹替)] 7点(2015-09-30 22:24:32)(良:1票)

65.  ピクセル(2015) 《ネタバレ》 時間帯や諸々の事情で選択肢なく暇つぶしに観ました。アダム・サンドラーが出てることくらいしか知らずにいたので、ショーン・ビーン登場にはちょっとビックリでした。ダン・エイクロイドの登場は懐かしく感じました(この人も全然見なくなったなー)。しがないオタク主人公の幼馴染が大統領でしかも現在も交流があるという無茶な設定がすごい。途中ほんの短い間ですが2度ほど眠っちゃいました。その程度の話し運びです。エンドクレジットで、映画の内容を最初から最後まで全部おさらいしてしまう、それができちゃうくらい単純でバカバカしいお話というのを、開き直って堂々やってるところが微笑ましかったです。この作品観て、前々からジワジワ思ってたことが噴出したのですが、単にマイノリティーを応援するならイイですが、キモヲタ(ゲームおたくのことではなく、キモい系のアニヲタ的なの)をヒーロにさせようという最近のいろんな作品の風潮が、どうにも僕には白々し過ぎて仕方ありません。カモになるほどその人口が増えたということでしょうが、それだけの数が増えたオタクは既に威風堂々とその特性を晒して大勢の仲間とつるんで楽しんで生きているのだから、もうわざわざ取り上げて持ち上げてやらなくていいんじゃないでしょうか。寒い。[映画館(字幕)] 5点(2015-09-25 19:09:55)

66.  キングスマン 《ネタバレ》 カセットテープのどアップで始まり、流れる曲はよく聴いていたダイアー・ストレイツの「Money for Nothing」。あまりに懐かしい! これだけで僕はつかみにはまりました。あとはとにかくテンポよくのせられ楽しみました(DVDじゃそうはいかないだろうけど、だからこそ劇場で観た甲斐がありました)。この映画、絶対にポスターが失敗です! この映画の面白さを微塵も匂わせていない。「コリン・ファースが銃持ってアクション…面白いの?」としか思ってませんでした。これは昔々のアメリカン・リアル・イラストレーションで動きも派手なポスター作ったら良かったんじゃないかなーって思います。STAR WARS 一作目の主役ルーク・スカイウォーカーを演じたマーク・ハミルの登場もGood! この人スターウォーズ以外でほとんど観ませんから、この人選も「メチャクチャなつかしー!」なのです。さらさらヘアーの若きジェダイ騎士は髭生やして小太りのオジサンになってるー。映画ってストーリーだけじゃない、こういう楽しませ方があるのがイイです。サミュエル・Lジャクソンて人は僕はどちらかというと苦手で「あまりにもいろいろ出まくり、そのわりにどれもイマイチ光らず、どれも似た感じ」と思っていましたが、今回のキャラはわりと印象に残りました。コリン・ファースのアクション・シーンはカメラワークが面白かったです。「カメラマンどうやってるの?!」と思いながら観ました。きっとデジタルでいろいろ加工制御できちゃうから見せられる映像なんでしょうけどね。教会での大虐殺は「やり過ぎ」感ありますが、僕は『キック・アス』よりは痛々しく気味悪くなかったと思います。カルト宗教集団をコリン・ファースが全滅させちゃうのはうまい演出だなと思いました。大っぴらには絶対良くないことは分かり切っているので「これは悪玉のマイクロチップのせいなんです」という釈明がついているわけですが、この劇中のカルトのオバさんとか『ミスト』のカルトおばさん同様に狂った善を振りかざす迷惑者なので「そういう集団なのね」と思えば、スッキリする人はスッキリすると思いますよ。近頃は躾の悪い女も増えたので、女も容赦無く殺しちゃうのはいいかも。だって男女平等でしょ。[映画館(字幕)] 8点(2015-09-24 20:49:35)

67.  刺さった男 《ネタバレ》 工事現場に落ちて後頭部に鉄筋が刺さってしまった男の話。身がよじれるようなシチュエーションだけで紆余曲折を描いていくのだと思っていたら、ハイエナのようなメディアへの風刺や「なんでそんな話に?」なデタラメ噂や金儲けの話が織り込まれて予想以上に楽しめました。不況の中、職が見つからない主人公の「存在の価値」の話になっていて、結構真面目なつくり。ちょい考えさせられました。見終わって全体的な印象は『[リミット]』を思い出す感じ。ラストぐっと上がってくる作りではないから、人に勧めるには弱いかなと思いますが、オチを期待しなければ話の流れは面白かったです。[DVD(吹替)] 6点(2015-09-03 23:34:01)

68.  神さまの言うとおり 《ネタバレ》 原作漫画を知らないので新鮮に楽しめました。『桐島 部活やめるってよ』で覚えた神木隆之介の存在感が良かったです。髪型ひとつでこんなにも人のイメージって変わるんだなと思いましたが、それだけじゃなく神木さんの演技の幅を感じて感心しました。最初のゲームのダルマさんはインパクトありました。血がビーズってのもビジュアルとして面白いしグロくなりすぎないし「こういうやり方もあるかぁ」と感心(原作漫画もそうなのかな?)。ダルマさんの声はトミーズ雅さんと知ってまた感心。あんな豊かに声の表現できる方とは思ってませんでした。ダルマさんのシークエンスでは「この俳優さんは大丈夫」という安心感が持てないことを見せられもして、ちょっとした驚きでした。こけしのシークエンスでは「バカが駆逐されていくのがたまらない」と言った俳優のその瞬間の表情が上手いと思いました。シロクマのシークエンスは、茶目っ気のある声が山崎勉というのにもビックリ。「心の黒い人は大嫌い」と言ってる本人が実は黒々という皮肉も良かったです。「私は高畑瞬くんのことが好き Yes or No」にハッキリ「No」と答えられて「意外とヘコむんだけど」と反応したかと思うと、あまりよく思ってない存在に「Yes」と答えられ複雑な心境になったり、「で、自分はどうなん?」と聞かれるところは、とっても印象に残りました。真実など分からぬまま(というか正直だったのに)魔女狩り的に誰かを犯人にしてやり過ごす流れも印象的でした。「好き」を素直に表せない女の子という表現がベタ過ぎて残念でしたが、シロクマのシークエンスは風刺が効いていたと思います。この物語は世の中の理不尽に対して「神様なんていない」という声に、最終的に「神様はいるよ」と主張しているわけですが、主人公は退屈な日常を壊せと願ったり退屈な日常を返せと願ったりして、神様はどちらも叶えてくれたわけです。「神に選ばれた」という変なやつもいる。結局、神が何をするかは、人間が神に何を期待するかで変わるのかも。「神様の言う通り」の前にあるのは「どれにしようかな」で、人生は常に選択の運の連続。「ほう」と唸るところもあるから、引き籠りオタクの伝わらない中途半端な描写が台無しにして凄く残念。『ブルース・オールマイティ』と同じ神の正体も勿体無い。『CUBE』『バトル・ロワイヤル』『GANTZ』などの既視感はありますし、話のオチの流れがコケてしまったりですが、全体的なトーンとして、観て損はなく楽しめました。[DVD(邦画)] 6点(2015-08-30 14:27:40)

69.  ジュラシック・ワールド 《ネタバレ》 1作目のレジャー施設としてのウキウキするカラーリングと晴れ晴れした空の下で展開する風景が好きでした。それが2作目では終始くすんだ重暗い色調で、3作目でもあのキラキラ感は戻ってきませんでした。僕はそれがずっと残念でした。でも今回やっと第1作目と同じウキウキする明るく元気な風景が戻ってきました! しかも1作目では施設公開前のごく少人数専門家へのプレビューという形でしたが、今回とうとう多くの客で賑わうテーマパークとして描かれました! 過去大惨事になったのにハモンドじいちゃんは英雄の如く銅像に! 事故はあっても、手にした科学を「なかったことに」なんて人間はできないものかも。DNAいじれる時代、おとなしく実在した恐竜だけで満足しない金儲けってのも「だよね!」と感心の着目点。実際恐竜いたら飼いならせるのいるかもよという発想も脱帽。劇場代払って見るうえで、非日常を味わい、お天気良く人で賑わう恐竜テーマパークに旅行させてもらえるってのは嬉しいです。今日まで気づきもしませんでしたが1作目誕生からもう22年! あの頃あの映画を劇場で楽しんだ子供達がパパやママになってたりするんですね。そんなパパやママが我が子を連れて今回の作品を観る時、1作目のクライマックスの場所や乗り物が登場するのは「なつかしー!」て感じの嬉しさがあるんじゃないでしょうか。今作はユーモアも溢れていて好きになりました。登場の一瞬「ん、マルコム博士?」と思った登場人物は『ライフ・オブ・パイ』で成人したパイを演じたイルファン・カーンで、彼が「もう一匹はなぜいなくなった」と質問した時に受ける答えが「共食い」で、それを聞いて沈黙するアップとか、作品の枠を越えて笑いを用意するのが凄いと思いました。人でごった返すジュラシック・パークを見られるのは初めてですし、その中で恐竜版『ヒッチコックの鳥』が見られたのも楽しめました。これから親になる世代、親になったばかりの世代を意識したラストの落とし所は思わずウルッとしてしまいました。インジェン社の企みとか「母は強し」的展開とか、よく考えれば恐竜版『エイリアン2』な感じなんですけどOKです。飼い慣らしたはずの恐竜が知能犯的な裏切り…という驚き、と思いきや…という展開も良かったです。「そんな都合よくいくかい」とは思ったけど、細かいリアリティ求めないからOK。[映画館(吹替)] 7点(2015-08-26 00:24:33)(良:1票)

70.  ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 《ネタバレ》 世界のある場では澄んだ水の「プール」ある場では汚い「おしっこ」となる「ピシン」の名を貰い対照的な二つの事柄と折り合いをつけることを運命付けられた主人公。名前の由来を作った男に泳ぎを教わり、オシッコの名から逃れるために自名の先頭二文字をとって「パイ」の通称を定着させる。誰も終わりを確認したことない無限の「円周率」を膨大に暗記して。この時パイは終わりの見えない広大な海で生還する為の努力を身につけるとともに、自分の名を通して「無限」と「循環」を身近なものにしていく。澄んだ水に始まり汚れたオシッコとなる命の営みも実は循環しており、泥を食べた子の口の中に宇宙が広がっていたのも「無限の循環」。父は神を信じず科学を信じ肉を食い、母は植物学者のベジタリアン。父は優しい幻想よりも厳しい現実に重きを置きトラの実態を見せる。一方、母は学者だが「心の問題」は科学に頼っていない。そんな両親の元で、あらゆる宗教に触れ真理を探ろうとする。父母に相違がありながらも、愛し合う夫婦であるように、相違ある宗教にも等しく心を傾けてみた。これが主人公が試練を生き延びる準備段階の物語。海に投げ出された主人公は、肉食と菜食主義の狭間で葛藤する。肉食を許せない菜食主義の自分は船の外にいて、とうとうシマウマに手をつけたトラに悲しむ。けれどいつまでもそのままでは生きていけない。菜食主義者はカツオを自分の物と主張しトラに譲らないまでになり、やがて主人公とトラは同じ船に同居する。鏡写しに対照の海と空の真ん中で。だが嵐の神に遭遇しトラは激ヤセ、菜食主義者も共に瀕死の姿。神に召される覚悟を決めたあと、女形の不思議な島で彼は植物が動物の屍骸を吸収する「生命の無限の循環」と、ミーアキャット一種だけの「多様性皆無の世界のつまらなさ」に気づく。菜食も肉食もありの多様な中で命は循環している。気づかせたのは、別れた彼女に問うた「森に咲くハスの花」。馴らしたはずの肉食獣は陸に戻ると挨拶もなく去る。所や場合が変われば何が正しいかも変わるから。「さよなら」を言わないのは、無限の循環の中で繋がっているからかもしれない。「ピシン」一つが二つの異なる意味を持つように、一つの真実は二つの物語を生み対照的な二つのものに折り合いをつけた。そして物語は名付け人を介して語り部に循環していく。 最後の独白は英字幕を読むとコックがただの悪人でないと分かる。コックはパイに自分の肉を捧げた。[映画館(吹替)] 10点(2015-08-23 22:03:32)(良:4票)

71.  インターステラー 《ネタバレ》 クリストファー・ノーランて監督さんの作品にはどっちらけることばかりだったので、ストーリー的には興味あったものの手が伸びずにいました。ようやく100円でレンタルできるようになったので、ハズレでもOKとレンタル。結果、お話は気に入りました。ノーラン監督に対する激しい警戒心が少し減りました。ただ監督したのではなく、この話をノーラン自身がライティングしていることも評価。ただ、『2001年宇宙の旅』の「ツァラツストラはかく語りき」の最後をサンプリングしたかのようなBGMが、主人公が窓の外を見つめるシーンで仰々しく響いてきて「これ、音楽で騙そうとしてない?」という気分に襲われました。それからずっと、それほどドラマ的に盛り上がるところでもないのに、ダラダラと雰囲気ごまかし音楽が仰々しく流れ続け、とっても耳障りで邪魔でした。長い時を経て娘と再会するその瞬間も『2001年宇宙の旅』。そういうところが、「まだ、彼の作品を劇場代払ってまで観るのはどうかなぁ?」て気持ちにさせました。話のつくりとして、アポロ計画捏造説が前提の設定や、絶望的な展開が2度畳み掛けたり(マイケル・ケインの死直前の告白、マット・デイモンのしたいこと)、ある惑星での1時間の活動が地球上の7年間という相対性理論上の具体的描写展開、物理科学と愛情や運命をリンクさせたところは拍手です。『コンタクト』や『オーロラの彼方に』などの既視感もあるにはありますが、観て良かったです。[DVD(吹替)] 6点(2015-08-12 21:52:07)(良:1票)

72.  劇場版「進撃の巨人」前編~紅蓮の弓矢~ 《ネタバレ》 TVアニメの大ファンなので、総集編とは思いつつも観ました。劇場の大画面で観たいとまではいかなかったのでDVD鑑賞です。テレビ版大好きですが、劇場版ではじめて触れる人にとって、この総集編前半がどれくらい観る人を引き込む話になってるかは、ちょっと分からない感じがします。けれど、よくまとめてあるなぁと思いました。ただ、格闘技に精通したアニのことに全く触れられていないのが「えっ、この伏線カットしてイイの?」と感じたのと(原作漫画ではたしか無かったエピソードだと思うので、まぁ、いいんでしょうね)、エレンが指かんでドカンとなる場面が唐突に感じたのがちょっと残念でした。あそこはやっぱり包囲されて問い詰められる緊張の場面からやって欲しかったです![DVD(邦画)] 5点(2015-06-26 23:30:24)

73.  ラスト・デイズ・オン・マーズ 《ネタバレ》 『エイリアン』のエレン・リプリーみたいに「そうだけど、正しいだろうけど、なーんか厳しくない?」みたいなキャラの女性がなかなか活躍するので「ああ、これは彼女が唯一の生き残りになるのだな。エイリアンのスペースゾンビバージョンだね」と思っていたら『CUBE』のおばさんみたいに男の裏切りでアララといなくなっちゃうところだけ印象に残りました。彼女が主人公でなくリーヴがホントに主人公なら、どんなオチになるのかと思いながら観ていると、お決まりの日誌録音が始まりました。さぁ『エイリアン』ならここから最後のヤマ場です! が、この映画はこの先を決して期待しないでください。実写版『AKIRA』の監督候補を降りてまでこの映画にかけたって、ウソでしょ。『AKIRA』自体がうまく企画が進んでないだけでしょ。この映画観て、こんな監督に声がかかる実写版『AKIRA』への期待は決してするまいと思いました。[DVD(吹替)] 3点(2015-05-11 22:38:30)

74.  バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) 《ネタバレ》 けっこう笑えたので損はしなかったと、そういう感じでした。カメラワークはやり過ぎだし必要性をあまり感じません。ドラムはとても印象に残りました。作品を観る前から酷評を決めているような評論家が世に影響力を持っている(つまりは評論家として支持されている?)というのは、そこまでアメリカはバカだらけなのかと思ってしまうし、主人公の自殺願望はずっと宙ぶらりんで結局予想通りの展開(いつやっちゃうか気が気じゃなくてハラハラが持続して観れた)。けれど、こめかみに銃口突きつけてなんで鼻をかすめるのかというお気楽な展開に「はぁ?!」と呆れました。で、そこからまた空を飛んで、僕の呆れは頂点に。人の「死にたい」はこんなにも軽々と誤魔化しお茶濁しできるものなんですかね? 観た後で監督が『バベル』の人だったと分かり、このグダグダ感に納得。バベルの喋れない日本少女もそうだったけど、この監督さんの描く「死にたい人」像はなんか伝わって来ない。「死ぬのをやめる」ももっと納得できない。今作は『バベル』に比べたらかなり見れるものにはなっていると思うけど、それはコミカルなパートがかなりうまくいってるからと感じます。あと主人公の念動力がどう展開するのかという不思議も手伝っていました。が、結局あれもヒーローとしての妄想パートで終わりかいっていう肩透かしでしたし、この人の描く「自殺願望」や「人生色々大変でございます。でもやっぱり頑張って生きまーす」は薄ぺらくて「ウソつけ!」って感じしかしないです。イニャリトゥ…この名前、イヤーな印象で覚えてしまった。[映画館(字幕)] 6点(2015-05-11 21:59:14)

75.  her 世界でひとつの彼女 《ネタバレ》 「こんなOSあったら欲しい!」と最初は思いましたが、主人公のしていることが「手紙の代筆」とやらで、男なのに女の手紙も代筆してて、それが僕には「ネカマ」ってヤツと同じに思えて、少しずつ冷めて行きました。OSが勝手に愛の仲介者を手配したりに至ってはもうホラーでございました。でも、主人公は最終的に何でもかんでもを「言葉」によって埋めていくことをやめて、もっと言葉にならないもののことを思う。そこであの女性の首の動き、あのラストシーンだけは「ウマイッ!」て思いました。[DVD(字幕)] 6点(2015-03-29 00:39:58)

76.  青天の霹靂 《ネタバレ》 川原で父と向き合い、カメラがグルーッとパンしていく…もう、あれだけで思い出すとラストのセリフに泣ける。あんなごくフツーの一言で泣かせるのは凄いなって思います。母に語る未来の話も良かったです。[DVD(邦画)] 8点(2015-03-29 00:20:04)

77.  それでも夜は明ける 《ネタバレ》 黒人へのヒドイ暴力の描写は、これまでに観た同系列作品のどれより印象に残りましたが、何の前知識もなく観ていて、かなり後になって突然のブラピ登場にビックリして、しかも美味しいとこ持って行って消え去り、うーん...なんかあまりよくない目立ち方だった気がします。『プリズナーズ』で覚えたポール・ダノがこの映画でも存在感たっぷりでした。今後どんな作品に出てくるか楽しみです。ブラピがいいとこ持って行って消えた後、感動するはずの再会のシーンで、どうにも心が錆び付いてしまったかのように無感動でした。そしてそのまま終わってしまって、なんだかシラけちゃいました。3寄りの4点です。[DVD(字幕)] 4点(2015-03-29 00:07:44)

78.  チョコレートドーナツ 《ネタバレ》 ずいぶん昔に「ゲイやレズのカップルが養子を貰って家族を作ってもいいんじゃないか」と考えたことがあります。でもその時、僕自身はその問いに「子どもは良い父(男)と母(女)のもとで育つのが健全なんじゃないか」という価値観に行き着きました。けれど、それが正解だとは思えていなくて「じゃあ、片親だけの子はダメなのかよ」「両親揃ってればどんな男女でもいいのかよ」と問う自分もいます。だから未だに正解は分からないままです。この映画は親がゲイで子はダウン症で、家族全員が世間一般の主流から外れて「正常じゃない」というレッテルを貼られがちな人々なので、そこにどういう意図を盛り込むのかと思って作品を観ていました。子供がダウン症という設定の必要性がイマイチ見えてこないままだと思っていたら、「この世に 背が低く太った知的障害児を 養子にしたがる者はいない」というセリフにガツンとやられました。ダウン症のマルコはろくに自分の権利を主張する能力もなく、一番保護されるべきなのにいつも蚊帳の外で存在を軽くあしらわれてしまう。主人公が「正義なんてないんだな」とボヤいたあとに黒人弁護士が言うセリフが、とても印象的でした。原題の「Any day now(そのうちきっと、すぐに)」は、マルコとゲイカップルが再び家族に戻れる日のことだけではなく、この時の黒人弁護士のセリフにも大きく関わっているのだろうと思います。ゲイカップルについては、仕事を失ったりで大変だなと…女性教師の「たった一人誤った相手の耳に入れば…」というセリフは重かったです。ラストでポールが関係者に出す手紙が泣けました。この映画を観て、レビュー冒頭に書いた自問に一つ進展がありました。何よりもまずは親が子供に愛情を持っているかどうかが一番大事だと思いました。ところで録音機材とか車とかファッション見る感じ、ちょっと過去の時代の話なのかな? 観終わってしばらくしてから、ふと思ったのですが、この映画のような問題が取り払われる法律ができたらできたで、本当に小児性愛者の犠牲になる子が出てくるようなことが起きやすくもなりそうで、難しい問題だなぁと思いもしました。それはゲイとか関係なくですけど、普通に男女の里親でそういうのとか現実にあるのかな? 親をどう審査してるんだろう?[DVD(字幕)] 7点(2015-03-11 21:50:57)(良:1票)

79.  アーティスト 《ネタバレ》 サイレントからトーキーへと移行していく時代というと、僕の頭に真っ先に浮かぶのは、チャップリンが『モダンタイムス』で歌を披露するシーンです。その次に思い浮かぶのは、サイレントのおかげで声が良くなくても人気者であれた人々がトーキーの登場で居場所を失っていったことです。しかしこの作品の主人公はどうやら声の質が見かけのイメージとギャップがあるヒドイ声というわけでもなさそうで、単に「サイレントは芸術、トーキーは見世物」的なよく理解できない偏見からトーキーを頑なに避けている感じにしか見えませんでした。サイレントだったはずの本作で犬の吠え声や主人公以外の人間の声が聞こえるシーンで、主人公のみが大声で叫んでも声が全く聞こえてこないという悪夢の描写は、彼が何をコンプレックスにしているのか理解できませんでした。その弱い部分を補うために、ミラーの無遠慮な世代交代のセリフを主人公の耳に入れるという「とってつけたコンプレックス」がプラスされているように思えて、全体的に乗り切れませんでした。そもそも、冒頭の上映シーンで、上映終了直後の舞台挨拶での有頂天でのぼせ上がった感じが「人気スターなんだな」と理解はできても好感持てず、その後の彼の転落にあまり同情できなくさせていました。どうも声にコンプレックスがあるとは思えない主人公だから、最後はセリフを喋るとか、歌声を披露するとか、そういう感じで終わるのかなと思っていたら、ミラーが「名案があるの」と言ったアイデアは「は?」という感じでした。はじめてスタジオで再開した時、二人はタップで踊っていました。その靴音が録音されるかされないかというだけ、というのは主人公がトーキーに対して何を意固地になっていたのか理解できないままですし、「コレ普通もっと早い段階にやるよね?」としか思えず、オチとして期待はずれ過ぎました。劇中劇では全く披露されない主人公の声が、本作のラストシーンで「喜んで」と初めてヒトコト披露されて終わって行くというのも、なんだか僕としては煮え切らない感じがしました。ただ、トーキー移行期のリアルタイムにこのようなテーマを扱ったものがあるのを知らないので、この時代にあえてサイレント主体にトーキー登場の周辺事情を描いて見せてくれたのは楽しめました。[DVD(字幕)] 6点(2015-03-11 02:12:02)

80.  渇き。(2014) 《ネタバレ》 僕はタランティーノ作品に関心がなく見ないので、オープニングやアニメ挿入や暴力シーンでの工夫など、それほど「⚪︎⚪︎監督作品ぽい」という既視感を持たずに普通に楽しめました。『告白』の時に思ったのは「まともな大人の男が一人もいない世界だな」ということでしたが、今回は大人の男が何人も出てくるのに、やっぱりまともな奴がいないって感じでした。役所さんの荒っぽい演技は初めて見ました。我が子を知っているつもりで何も分かっていない親と、大人の期待に上っ面応えるのが上手でその裏に深い暗黒世界を隠し持つ娘のお話…劇中で何度か出てくる「親の責任」がこの物語のキーワードだと思って観ていたのですが、娘が誰の手によってどうなったか分かってからの主人公藤島の言動には微塵の共感も持てなくなり、急激に失速して行きました。「愛しているから殺したい」とか、憎しみは愛情の裏返しみたいなこと言い出すのでドッと冷めてしまいました。『告白』と同様に、思ったことは「子ども作ったら世間に迷惑かけないようちゃんと育てろ!」というだけで、それに加えて大人世界がいびつ過ぎて問題有り過ぎなので、スッキリしませんでした。[DVD(邦画)] 7点(2015-03-10 08:07:01)

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