みんなのシネマレビュー |
|
【製作年 : 1970年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
61. 今のままでいて 《ネタバレ》 いつのまにか女はいなくなっていた。残された男、切なく流れる音楽、これぞまさしくラブストーリーなのだが、この映画の終わり方は何度も予感させるものがあった。母親との別れもたぶんこうだったのだろう。実の父娘かもしれないという不安や疑問は残ったまま、年の差の離れた恋は進行し、最高潮に達したところで突然終わる。何ともロマンティックな映画であり、男と女、年代の相違かもしれなかった。ナスターシャ・キンスキーの美しさは際だっていて、裸体まで拝めるとは・・・。[映画館(字幕)] 6点(2013-07-21 06:55:13) 62. もっとしなやかに もっとしたたかに 日活ロマンポルノ華やかなりし頃にあって、ドラマ性の高い映画。もちろんパッと脱いだりそれなりのシーンも数多くあるのだけど、役者陣がしっかりしている。そして何と言っても森下愛子の小悪魔的奔放さが良い。[映画館(邦画)] 6点(2013-07-18 16:58:44) 63. 内海の輪 大女優岩下志麻でなければ、ただの不倫ものメロドラマになってしまったかもしれない。彼女の彫りの深い演技により、松本清張独特の男女の愛憎の機微を感じることができる。それでも前半の不倫旅行はやや退屈、両者の共通の知人に出会ったあたりからようやくサスペンスらしくなる。[映画館(邦画)] 5点(2013-07-17 05:43:42) 64. 旅の重さ NHK朝ドラ「北の家族」で人気を得る前年だから、文字通りの新人女優高橋洋子のデビューである。さしづめ十五才 学校Ⅳの女性版というところか。前半はまだ気楽な旅だが、後半は題名のように旅の重さが増す。多くを語らず、主人公が母に託す手紙で綴られるのが良い。[DVD(邦画)] 6点(2013-07-14 11:34:20) 65. ライアンの娘 最初見たときはアイルランド独立運動など歴史に疎く、前半の不倫ロマンスものからこういう展開になるとは予想だにしてなかった。さらにDVDで再度見直すと記憶のあやしかったところが鮮明になり、映画に理解が深まったと思う。特にマイケルに対しては昔はなぜこういう醜い男が出ているのかと偏見すら持っていたのだが、今ではこの映画の重要なキャラクターであり、物言えぬ障害者だからこそロージーとその周辺が見えていたのではと思うようになった。[映画館(字幕)] 7点(2013-06-22 22:45:29) 66. ダウンタウン物語 子どもだけ出演のミュージカルでちょっと期待してみたが、元々暗黒街マフィアは好きでないし、大人のマネはふざけすぎに思う。せめてジョディ・フォスターだけはとかなり我慢してみたのだが・・・。[DVD(字幕)] 3点(2013-06-18 18:42:16) 67. バリー・リンドン 私にとって「時計じかけのオレンジ」で挫折してしまったスタンリー・キューブリックを、回復させてくれたのが「バリー・リンドン」 と言っても貴族社会や決闘などは好きではないのだが、綿密に作り上げられたこの映画は、極めて美しい映像と音楽によって最後まで飽くことのなく見ることができる。そして肩すかしを食らったようなエピローグ、さすが天才キューブリック。[DVD(字幕)] 7点(2013-06-18 06:38:09) 68. フォロー・ミー 《ネタバレ》 何と言っても見た後の爽快感が最高、おかげで映画館で続けて2度見てしまったほど。探偵がチャールズに妻を取り戻すチャンスを教えたとき、私は思わずヤッターと声を上げてしまった(もちろん映画館だから他人に聞こえないように)[映画館(字幕)] 9点(2013-06-15 16:14:15) 69. デルス・ウザーラ 極寒のシベリアで生活するデルスの知恵とたくましさには感動を覚えても、映画自体はさほどおもしろくない。二部に分けるほどの映画かどうかもわからない。[DVD(字幕)] 5点(2013-06-03 15:15:43) 70. 蘭の肉体 エロティックな題で、シャーロット・ランプリングも惜しげもなく裸体を見せるが、ジャンルはサスペンス。叔母が財産をせしめようとしたり、殺し屋が目撃者を消そうとするのはわかるが、どうもわかりづらい内容だ。[DVD(字幕)] 3点(2013-04-25 21:23:16) 71. 魔笛(1974) モーツァルトの歌劇の中で「フィガロの結婚」や「ドン・ジョヴァンニ」よりさらに優れ、彼最高の作品のひとつと言ってもまちがいない。歌と台詞の両方からなるジングシュピールという形式だから、優れた歌唱力と演技力の両方を要する歌劇である。さらに演出のおもしろさがあり、歌劇にまったく縁のない人もすぐにとけ込めるほどの親しみやすいものとなっている。私は今までにもテレビや舞台で何回か見たし、全曲版レコードも持っている。さてこの映画、イングマール・ベルイマンということで大変期待したのがやや期待はずれ。今まで見た「魔笛」より優れているという点はほとんど見あたらなかった。舞台をそのまま映画にしただけというか、衣装や演出などかなり地味、魔笛独特のおもしろさや幻想感もほとんどなし。その上歌唱陣も超一流とは言い難く、時々写る観客が返って邪魔に思える。[インターネット(字幕)] 6点(2013-04-17 10:54:19) 72. 秋のソナタ 《ネタバレ》 ショパンの曲に没頭しピアノを弾く母、その母をじっと見つめ続ける娘、最初の方のこのシーンだけで、この映画全体を暗示させてくれる。母と娘の長年の確執、秘められた思い、それが少しずつそして一気に爆発する。映画はさすがに見応えがあり、往年の大スターイングリッド・バーグマン最後の作品にふさわしい。スウェーデン出身で自国の映画界を飛び出し、米国ハリウッド女優の道を歩んだバーグマン、同じスウェーデン映画界の巨匠イングマール・ベルイマンの要請に応えたものだが、何かしら主人公のピアニストとバーグマン自身の人生とが重なってしまう。また娘役のリヴ・ウルマンの白熱の演技もすばらしく、少しもバーグマンに負けていないと思う。[映画館(字幕)] 8点(2013-04-16 21:47:40) 73. ラ・マンチャの男 《ネタバレ》 娼婦をお姫様、自分を騎士に見立て、大魔王が変身した風車に突進するなど、狂人としか思えないドン・キホーテ。他にもぼろ布の薄紗や洗面器の金の兜なども出てくる。しかしドン・キホーテは見果てぬ夢を追い、かなわぬ敵にも立ち向かう勇気ある正義の騎士だったのだ。映画を最初見たときは、舞台劇とは思いつつもまさかミュージカルとは思わずびっくりしたことを覚えている。宗教裁判にかけられ捕らえられたセルバンテスの物語の中の、気のふれたキハナ老人の、妄想の中の騎士ドン・キホーテの物語という複雑な構造でとまどうが、改めて見てみるとなかなかおもしろい。ミュージカルのタイトル曲や「ドルシネア」「見果てぬ夢」も良い曲だ。[映画館(字幕)] 8点(2013-04-16 05:59:09)(良:1票) 74. 男はつらいよ 寅次郎頑張れ! 寅さんが現役を引退して恋愛のコーチへ、と思ったら思いがけないところにお姉さんがいてたちまち現役復帰。ところがこのお姉さん藤村志保、皆さんご指摘のように控えめというかやや影が薄い。もちろん藤村志保らしい雰囲気は良く出ているのだが・・・。中村雅俊と大竹しのぶの若いカップルが初々しく、見ていてこちらもポッと赤くなるほどだ。この二人だが、大竹しのぶは映画「青春の門」で高い評価を得ていたが、中村雅俊はその頃はテレビドラマで活躍中で「ふれあい」という歌がヒットしていた。[DVD(邦画)] 6点(2013-04-13 07:58:47) 75. 燃えつきた納屋 「燃えつきた納屋」なんてさえないタイトルと思いつつ、アラン・ドロンとシモーヌ・シニョレの共演ということで見たが、何かすっきりしない映画だった。捜査する判事より、女主人の方がこわかった。[映画館(字幕)] 5点(2013-04-05 19:16:59) 76. 曽根崎心中(1978) 宇崎竜童といえばダウン・タウン・ブギウギ・バンド、髪は突っ張りリーゼントにサングラス、正直好きでなかった人物なのだが、この人を映画に起用した増村保造監督はすごい人だと思う。映画も最初はド素人の主役と音楽が気になるなあと思って見ていたのだが、どっこい映画にはまってしまった。それほどすごい映画だ。梶芽衣子さんが多くの賞をとったのはわかるし、脇役陣もうまい。近松門左衛門の心中ものなのだが、愛の深さに感動せざるをえない。[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-04-03 17:46:00) 77. 先生のつうしんぼ この映画の主人公は渡辺篤史ではない。彼が演ずる古谷先生の4年1組の子供たち、中でも吾郎君ら男子3人と転校生玲子ら女子3人、6班のメンバーが主人公なのだ。そしてその子供たちが明るくのびのびしていて実に気持ちが良い。蚕を育てる教育映画としても勉強になるし、子供たちと先生の心のふれあいがすてきだ。「四年三組のはた」と並ぶ日活児童映画室の代表作で、海外でも高く評価された映画だ。[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-03-15 22:14:45) 78. 帰らざる夜明け ひげのドロンって似合わないし、黙々と働くドロンにもびっくり。だけどひげを剃ったあたりからやっぱり本来のドロンになる。ストーリーは極めてシンプル、ラストもほぼ予想通り。それなのに非常に印象深いのは、あの哀愁に満ちた美しいテーマ音楽のせいだろうか。冒頭の田舎の自然も大変美しいし・・・。原題は「未亡人クーデルク」だが、帰らざる夜明けとしたところにロマンを感じる。そうそう、あの孵卵器も火に包まれていたっけ。[映画館(字幕)] 6点(2013-03-10 06:37:47) 79. 四銃士 前半の竹馬や氷上での決闘シーンなどは笑えたのだが、途中から斬り合い、撃ち合い、殺し合いが多くなり、だんだん嫌になってくる。もっと小説に基づいた物語を期待したのだが・・・。[DVD(字幕)] 3点(2013-03-06 14:43:47) 80. 夜叉ヶ池 泉鏡花の幻想的な世界と、女形坂東玉三郎の美しさで当時結構話題になった映画であり、大変印象深い。特に玉三郎は、鐘楼守の妻百合と夜叉ヶ池の主白雪姫の二役を使い分け、見事と言う他はなく、この人を得て「夜叉ヶ池」は撮影可能になったと言われたほどだ。ただこの映画は著作権の関係か、ビデオ・DVD化されておらず、若い人に見ていただけないのが非常に残念である。[映画館(邦画)] 7点(2013-03-04 19:36:47)
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS